委員会会議録

質問文書

平成24年８月内陸フロンティア振興特別委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	髙田　泰久議員
	質疑・質問日：	08/06/2012
	会派名：	民主党・ふじのくに県議団

○髙田（泰）委員
　幾つか質問が出ましたので、なるべく重ならないようにしますが、若干の確認も含めて質問させていただきます。
　総合特区の申請のスケジュールの関係で質問も出ましたが、市町との協議会との関連で、この９月には全体構想を取りまとめて、内陸フロンティアの総合特区を申請すると。これまでに協議会に参画をしている市町が10だということですが、東部地区では６番委員の仁科先生と私だけですので、単に東部だけを見ても、小山町と長泉町と三島市、函南町だけという形になっています。周辺市町のいろいろな関係者からは、まずこの内陸フロンティアの取り組みというのが、よくわからないと聞きます。個々の市町は総合計画や独自のまちづくり構想の中で取り組みを推進していますが、内陸フロンティア構想となかなかマッチングをしないということで、県から採択されなかった、受け入れられなかったという市や町もありますし、現時点では参画しにくいという意見も聞いています。
　９月にはもう申請する段階ですが、今後、協議会に加盟されてない市町とも連携をしながら進めていくということですけども、協議会に加盟されているところとされてないところのメリット・デメリットがあるのかないのか。今後、具体的に、されているところ、されてないところと、どういうふうな連携をしながら進めていくのか。
　それと、先日我が会派が次年度の県・国への要望のヒアリングを行った際、裾野市さんから、富士山の世界遺産登録に向けて、工業団地周辺が非常に混み合うため道路整備をしていただきたい、東名・新東名を生かして、もっと開発及び活性化を進めていきたいというような要望をいろいろといただきました。裾野市は、まさに食と農を生かした地域づくりを進める構想もあるというふうに伺ったのですが、そういう独自の構想と、この内陸フロンティア構想とを、うまくリンクさせていくことが重要ではないか、この本来目的にうまく合っているのではないかなと感じるのですが、これから具体的に、参加をしているところ、してないところと、どのような連携をしながら進めようとしているのか、そこを改めて伺います。

　それから、内陸のフロンティアということで、まさに農振地域、あるいは農地があるところに新たな道路ができ、アクセス道路も含めて新たな道路ができ、周辺を開発していくために、どうしたらいいかということの構想ということですが、逆に、農地をどう生かしていくのか。
　既存の農地について、特に東部地域では、農振地域に指定されているが、実際には広大な農地というよりも、農業者の後継者がいなかったり、あるいは高齢化が進んだりということで耕作放棄地が出ているところも見られるわけです。しかし、そういう中にあっても、しっかり農業を継承していきたいという農家の皆さんもいるので、農振に指定された農地というものを、やはりもう少し、この目的の中にもあるように、片方で開発を進めながら、もう片方で地域の食と農を生かすということで、具体的に県として既存農地をどのように生かそうとしているのか、そこを改めて伺います。

　東部では、ファルマバレープロジェクトを中心とした「ふじのくに先端医療総合特区」が採択されて、先ほど紹介もありましたように、大分進んでいるところがありますし、規制の緩和も具体化されてきている。片方で、浜松市も総合特区の指定を受けて、いろいろ進めようとしているけれども、いろいろ開発関係で思うようにいかないということも聞いているところですが、これら別の総合特区を進める中で、内陸フロンティア総合特区構想と具体的にどうリンクをさせていくのか。先ほど言いましたように、協議会には入っていないが、ふじのくに先端医療総合特区には参加している市町もあるわけですよね。ですから、内陸フロンティア総合特区の中で、別の特区構想との関連性について、どのように生かしていくのか、お伺いをします。

○伊藤県理事（政策企画担当）
　委員の御指摘のとおり、内陸フロンティアを拓く取組というのは地域づくりですので、まさに地元、地域の方々がどういった形で地元の資源や特性を生かすのか、という視点が必要だと思います。そういった意味では、各市町がそれぞれ総合計画、まちづくりの構想をお持ちになっていますので、そういったものを十分お聞きしながら、連携できるところはなるべく連携していかないといけないと考えております。
　そういった意味で、総合特区ですが、あくまでも規制緩和を中心として、これを活用しながら地域づくりを行っていこうということです。総合特区の要件自体は、先駆性とあわせて熟度が求められております。ですから、具体的にどういった地域で、どういった規制を緩和してほしいのか、また、どういった主体の方が、そこの地域づくりを具体的に担うのかといったものが必要になっています。申請が認められた後に国と協議をしまして、具体的な計画をつくっていく作業に入るかと思います。
　そういった意味で、現時点で具体的な規制の緩和を必要とするというお考えをお持ちの市町が提案をしているという状況でございます。ですから、例えば総合特区については参加しないけれども、地域づくりは一緒になってやっていきたいということで、構想のほうで、県も新たな手立てや施策を講じたりして、いろんな方策を練って実現していきたいと思います。そういった意味では、総合特区のほうに参加されてないから地域づくりを一緒にやらないというより、むしろ一緒にやっていきたいということで考えております。

　それから、農地の関係でございますが、内陸部というのはやはり豊かな自然が残っており、多彩な農林水産物を産出している地域でもあります。ですから、既存の農地で頑張って農業を続けられている方々が農業を続けられていけるよう、例えば、先ほど話がありましたが、新東名のネオパーサのようなところで、自分たちがつくった自慢の農産物を販売するような機会も経済産業部のほうで設けておりますし、また、農産物が食材としてレストラン等で使われる、加工されるというケースも非常に多くございますので、そういった流通加工との連携等につきましても、いろいろ模索を進めているところでございます。
　そういった意味では、総合特区も内陸フロンティアもそうですけれども、内陸部においては乱開発をしないということを一つの戒めというか、まずは大前提に置いているところでございます。

　それと、他の特区との連携でございますが、当然、連携していける部分については連携していくことになりますが、それぞれ方針を立て、具体的な規制を、どういった項目を使うということで行ってまいりますので、直接影響を受けるということは余りないかもしれません。ただ、地域づくりをしていくうえでは、当然、同じ地域づくりの中で進める話になりますので。ふじのくに先端医療総合特区は経済産業部が、浜松のものづくり特区は政令市である浜松市が中心になって進めているところでございますけれども、当然、行政間の連携というのは重要になってまいりますので、そういった意味では、いろいろ情報交換、意見交換する中で、よりよい活用になるよう方策を練っていきたいと考えているところでございます。以上です。

○髙田（泰）委員
　そうすると、まず、この協議会との関連、あるいはスケジュールとの関連ということからしますと、市町はこの総合特区の協議会に入っていかなくても、この全体構想の中で連携なり、あるいは県とのやりとりで参画をしていくことによって、内陸フロンティア総合特区の中で一緒に協議ができていくよという考え方でよろしいわけですか。そこをちょっと再確認させてください。

　それから、農地の活用ということで、乱開発をしないということは大前提になっていますが、かといって、新東名のインターができ、アクセス道路ができということになると、当然、その基幹道路の周辺ということに関しては、既存の、何といいますか、一部荒廃をしたような農地よりも、より使いやすい、まさに総合的にいろいろな目的を持った内陸フロンティア構想で掲げた目標の中で開発をしていこうというほうが、より重点化されてくるのではないかと思います。
　片方ですが、農業を継承したいという方も地権者の中にはいるわけで。具体的に言いますと、例えば、長泉町であれば、あしたか牛、駿河柿、四ツ溝柿など、地場産のブランド化された物を生産している農家の方もいらっしゃるわけです。だけど、直近で道路ができるということになると、もっと開発されるべきところは、しっかり開発してもらっていいが、自分たちがやっている農業に関しては、より効率よく集約してもらうということも必要ではないかという意見も一部で出されているわけです。かつて圃場整備をして、農地として整備をしてきたところかもしれないけど、時代が変わって道路等ができてくると、当然、他の目的で開発をしていくのが有効になるかと思います。しかし、乱開発ではないですが、農業の振興ということから、別の土地で、またしっかりとした圃場整備をしていき集約するということも必要ではないかと考えます。
　そのような考え方を地域が出してきたときに、国・県はしっかりとした支援策がとれるのかどうか。この特区構想の中で、そこまで考慮しているのかどうかというのを、改めてお伺いします。

○伊藤県理事（政策企画担当）
　再確認のありました、現時点で総合特区に参加されてない市町につきましても、先ほど申しましたように、構想の中には市町の取り組み、県と市町が連携して取り組むようなものについても記載してまいりたいと考えておりますし、その実現のためには、やはり市町と県がいろいろ情報交換なり意見交換して、よりよい方向に持っていかないといけないと考えております。例えば、地域政策局も、現地でそのような調整を担っておりますので、そういった機関も活用しながら、一緒になって取り組みを進めていきたいと。
　ですから、今回、具体的な案件、熟度の問題とか、市町のいろいろな事情の中で参加されてない市町につきましても、総合特区が最後ではありませんので、例えば、この後、必要になれば、総合特区の中で規制緩和というのもございますし、また、県としていろいろ施策もありますので、そういった中で一緒になって行っていきたいと考えております。

　また、農業の振興ですが、非常にやはり意欲を持って農業を展開されている方がいらっしゃいます。そういった中で、今まで例えば流通とうまく絡めなかったよとか、売る場所がなかったよとか、いろいろあろうかと思いますが、地域、どちらかといいますと中山間地域が主体になると思います。そういった中で、いろいろ工夫してできるものを行いますが、守っていくものはやっぱりきちんと守っていく必要があるでしょうし、そのために必要な、例えば、まちづくりの中でこういった道路が必要というような話になれば、いろいろ相談に乗る中で、また地域づくりを支援してまいりたいと考えているところでございます。以上です。

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