本会議会議録


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令和4年9月定例会厚生委員会 質疑・質問
質疑・質問者:杉山 淳 議員
質疑・質問日:10/05/2022
会派名:ふじのくに県民クラブ


○杉山(淳)委員
 分割質問方式で質問させていただきます。
 引き続き牧之原市の川崎幼稚園の子供の死亡事故についてお伺いいたします。
 事故の詳細については説明があったと思うんですけれども、関係するところがありますので9月19日付の朝日新聞の記事を少しだけ紹介させてもらって質問に入ります。
 記事には、人手不足、保育現場の死角、静岡園バス置き去りから見えるもの、断られた臨時運転、都市部に流れる人材、戦後のままの配置基準との説明がついておりまして、元理事長は当日臨時の運転手3人にも代行を頼んだが断られたと説明、人手不足が影響したかと問われると人を雇うことはなかなか大変、需要はあるが保育士が足りない、運転手が足りないと話した。
 県によると同園では167人の園児に対し保育士、事務職員などスタッフが39人おり国の最低基準は満たしていた。ただ県の担当者は、現場からは基準と実態が合わず運営が大変という声がよく上がっているとありました。
 また、常葉大学保育学部の柴田先生のコメントで、この園に限らず保育の現場では慢性的な人員不足が指摘される。また超過勤務や土曜出勤が増える、職員全員が疲弊していて常にぎりぎりの状態という全国的な情勢もある中で質問させていただきます。
 まず1点目、運営形態については指定管理や公設民営などいろいろな形がありますが、この園が今の運営形態になった経緯について簡単に報告していただきたいです。
 2点目が、国はコロナの感染拡大に対して日々現場で頑張っている福祉や医療、介護職員の処遇改善に補助金をつけたんですが、この園ではどのように処遇改善が実施されていたのか、お願いします。

○鈴木こども未来課長
 1つ目、川崎幼稚園の運営形態についてお答えいたします。
 川崎幼稚園につきましては、学校法人榛原学園が運営しており指定管理等の指定はありません。
 ただ一方で、学校法人榛原学園が運営するほかの施設が平成24年度から牧之原市の指定管理を受けておりました。そのうち静波保育園につきましては、途中から公私連携型保育所に指定されております。
 2つ目の御質問の川崎幼稚園の処遇改善につきましては、全額国庫事業で令和4年2月から9月分までの間、保育士の収入の3%程度の賃金改善を行うための費用補助がされておりました。
 事故翌日である9月6日以降の休園期間の扱いにつきましては、ほかに同様の例がございませんので現在国に問合せをして調整中でございます。

○杉山(淳)委員
 分かりました。
 またいずれ処遇改善について教えていただきたいと思います。

 記事に戻りますが、当日臨時の運転手3人に代行を頼んだが断わられたと書いてあるんですけれども、そもそも誰が休んで理事長が運転することになったのか。例えばコロナの濃厚接触者がいたとかを含めてこの理事長が運転手になった経緯について報告ください。
 もう1つは、別の記者会見で当日この理事長は急いでいたというんですけれども、どこへ行くのに急いでいたのか。最終的に病院と聞いていますけれども、県として聞き取りをやったと思うのでどのような内容になっているんでしょうか。

○小池福祉指導課長
 理事長が運転することになった経緯ですけれども、川崎幼稚園では3名の運転手のほかに3人臨時でお願いできる運転手を確保していたということです。そのいずれにも断られて理事長が運転したという説明を受けております。
 県の聞き取りでは当日病院の受診のために急いでいたという説明を頂いております。

○杉山(淳)委員
 その3人のどなたかが休んだということでいいんですか。それで代理の3人も駄目だったから、理事長が運転しなくてはならなかったということでよろしいんでしょうか。確認させてください。

○小池福祉指導課長
 3名いらっしゃる運転手のうちの1名が欠席で代理の運転手3名に打診したけれども、いずれにも断られたと聞いております。

○杉山(淳)委員
 よく分かりました。
 今後の対応について今日のお昼のニュースでもありましたけれども、福岡県の事件以降どこの園もこんな置き去りなんかしたくないと本当に細心の注意を払っていたと思うんですけれども、いろいろやることがあって忙しい職場に対してさらにかぶせちゃったんじゃないかという危惧があります。
 例えば、本来子供の命を守るためにやっていたタブレット入力が、残念ながら今回は入力が優先になって子供の命がおろそかになった事例だと思います。
 やはり対策を考える上で、子供の命に特化した最後のチェックを重視すべきだと思います。本来子供の命を守ることが、二重チェックをやればやるほどこれもやらなきゃならない、あれもやらなきゃらならないと煩雑がゆえに手抜きやできないことが出てきてしまうことにならないようにお願いします。
 私は、夏場の昼間は送迎車の窓はとにかく運転席でも助手席でも開けておけばいいと思います。細かいチェックとかではなくて、運転席の窓を夕方まで開けて置いておくこともぜひ入れてほしいと思っているんですが、現状検討している内容で報告できることがあれば教えてください。

○鈴木こども未来課長
 現在、夏場の昼間の窓開けはまだ検討しておりませんけれども、先ほどお話がありました二重チェックの必要性につきましては、昨年の福岡県の同様の事故を受けて国が令和3年8月25日に発出した安全管理の徹底について留意すべき事項4項目の1つに、登園時等場面の切り替わりにおける子供の人数確認についてダブルチェック体制を取って徹底することと明記されております。
 同じことを何度もダブルチェックをかけるよりも場面の切り替わり時、例えば今回の場合は児童がバスから降車する際、園に入って保育士に引き渡す際、それからバス内の取り残しがないかというチェックといった要所要所のダブルチェックが必ず必要であると考えております。
 8番委員がおっしゃるように、過度のチェックは職員の負担増や業務上も非効率となり適当ではないと思いますけれども、ヒューマンエラーを防ぎ安全管理を徹底するための二重チェック体制は必要であると考えております。
 今後有識者の御助言や現場の声も聞きながら、安全管理指針にも必要な項目を取り入れていきたいと考えております。

○杉山(淳)委員
 この項目の最後の質問にしたいと思うんですけれども、例えばこの新聞記事にあるように保育士が足りない、運転手も足りない。県の担当者も基準と合わず運営が大変という現場からの声がよく上がっていることをどう生かしていくのか。人員配置と経営面の2つの点から財政的な支援について考えることがありましたら教えていただきたいと思います。

○鈴木こども未来課長
 保育士不足の対応への財政的な支援について、昨年こども未来課で保育士の働き方実態調査を実施いたしました。
 その中で、保育士からは園児と接する時間は非常に満足度が高い、ただ保育士の業務負荷が大きいものとして保育計画書とか教材の作成、園庭の片づけやコロナ対策の消毒作業といった間接的な業務が挙げれられております。
 こうした現状を改善するために、県では国と協力して保育補助者雇い上げ強化事業として保育士資格を持たないけれども知識や技能がある保育補助者を雇った場合の補助や保育人材確保のための子育て支援員養成研修を実施しております。
 子育て支援員につきましては、本年度も450人を定員に研修を実施しておりまして、今後の保育施設での活動が期待できると考えております。
 ほかにも高齢者の雇い上げや用務員的な役割を担う人材についても、保育体制強化事業として補助を実施しております。
 県では、安全管理の体制を強化するとともに、保育士の間接的な業務負担を減らして本来の保育に専念できるための施策についても市町に周知して有効に活用頂けるように努めてまいります。

○杉山(淳)委員
 ありがとうございました。
 最後にこの点につきまして要望しますけれども、戦後のままの配置基準と新聞記事にあるように70年間同じ配置基準ではどこも大変で業務も増えてきていることを県としても把握しているならば、ぜひとも人員の面もそれを支える財政的な面も対策に盛り込んでいただきたいと要望して次の質問に行かせていただきます。ただ単に駄目だったのではなくて、分かっていることに対してしっかり対策を講じていただきたいと思います。

 次に、コロナ禍で国が介護、福祉、医療従事者への処遇改善の補助金を創設しています。全ての補助対象となる機関に対して県が積極的に申請するように指導すべきだと思います。
 この処遇改善について指摘されている問題を紹介しますと、補助対象はあくまでも国の配置基準であって、国の配置基準を上回る配置をした場合は補助金の対象外となり、人的に頑張っている施設には処遇改善ができないことになってしまう。あくまでも国の人員配置基準の分しか処遇改善の補助金を措置してくれないということですが、現状どうなっているのか。
 それと、この福祉、介護、医療従事者の処遇改善は全体の何%くらいが補助申請をしているか。10月から新たなステージに入るわけですけれども、現行どうなっているのか、状況について教えてください。

○勝岡介護保険課長
 介護従事者の処遇改善についてお答えします。
 介護事業所の申請率は9月末時点で91.6%になっていまして、対象事業所のほとんどから申請を頂いている状況にございます。
 それから、県が補助すべきではないかとの質問について、この事業の対象期間は令和4年2月から9月になっております。先ほど8番委員から御指摘のとおり、10月以降は介護報酬の加算分で対応することになっています。
 基本的に処遇改善等については、国が全国一律で行うべきものと県としては考えております。

○石田障害者政策課長
 障害福祉サービス事業所につきましては、9月末時点で申請率は89.4%で介護事業所とほぼ同様です。
 本事業の実施に当たりましては、県のホームページへの掲載のほか各事業所宛ての一斉配信メールなどを活用して直接制度周知を行ってきたわけですけれども、今後も広報に努めていきたいと思っております。
 今回の補助金につきましては、全て人件費の増額に充てることとなっているので、職員の処遇改善は進んでいるのではないかと考えているところであります。
 それから、処遇改善に対する考え方は障害もやはり介護保険制度と同様に国で全国一律で行うべきだと考えておりまして、今後とも国の処遇改善に係る動向を注視してまいりたいと考えております。

○村松医療人材室長
 医療従事者、看護職員等につきましては、55医療機関に対して申請に基づき7月29日に補助金を交付し、申請率は91.7%となっております。現時点では各医療機関からの実績報告を順次求めている状況です。
 補助金の積算に当たりましては、補助対象期間の2月から9月に勤務した全看護師の人数をベースに1人当たり4,660円の補助単価で積算して交付しています。
 なお、10月以降につきましては診療報酬として新設された看護職員処遇改善評価料により対応することとなっております。
 県としましても、各医療機関に通知を発出して届出の周知を図ったところであります。

○杉山(淳)委員
 ありがとうございました。
 次に、介護職の賃上げ目標に届かずという中日新聞の8月17日の記事を引用して、介護のところだけ詳しくお聞かせ願いたいんですが、この記事によりますと、9,000円アップを目指したけれども国からの補助金は月5,000円増で、現場からは目標に達していないとの声も多いということです。10月から補助金がなくなり利用者の負担が増える見込みでその理解を得ることも課題となっています。9月までは終わったばかりなので把握してないかもしれませんが、現状ほとんどのところがこの9,000円アップになっているのかどうなのか。
 また、10月から補助金がなくなって新たな仕組みになるわけですが、利用者の理解が課題ということは要は介護報酬が上がってしまうということだと思うんですけれども、どういった周知がされているのかお伺いいたします。

○勝岡介護保険課長
 賃金改善がどれくらいかは、現状把握できておりません。
 ただ、この補助金自体は介護職員の給料を9,000円アップさせるということで制度設計されておりますけれども、法人の判断で介護職員だけではなく同じ事業所の職員に対しても改善することが可能な制度になっております。

○杉山(淳)委員
 ありがとうございました。
 次回の委員会ではぜひこの厚生委員会資料に処遇改善の結果と今後の新たな制度についての説明を載せていただくことをお願いして、次の質問に移りたいと思います。

 次は、厚生委員会資料1の3ページにあります物価高騰対策の補正予算についてです。
 私はこの間部局長提案の説明のときも直接質問しましたし、議案の件名説明のときにも要望させていただきました公衆浴場、いわゆる銭湯の物価対策がなぜされないのかについて質問させていただきます。
 公衆浴場の銭湯は確かに少ないです。もう本当に少ないんですが、一方で重油の高騰の影響を受けているところ、また廃油を使っているところもあったりいろいろあります。温泉を使っているところもありますが、重油は確実に値上がりしているわけで、それがまず1点です。
 あと他県の多くが支援措置を実施している、特にこの東海エリアや関東の多くは実施していることから、私もやってほしいということで自分なりに調べたものを健康福祉部の担当課に間接的にお渡しするようにお願いしました。
 一方で、銭湯の料金は上限を県が決定しておりまして、既に上限の料金設定をしている場合物価高騰の価格転嫁ができないという前提に立つと、県としてはしっかりとした検討が必要だったのではないかと思います。
 そこで、県として他県で実施している支援内容について、どのようなことを検討したのか伺います。

 次に、これは要望みたいな話になっちゃうんですが、この予算案に反対するわけにはいきませんので予算案は予算案で通してほしいわけですけれども、追加の物価対策の支援等の補正がある場合、検討していただけるのかどうなのか、併せて伺います。

○豊田経理課長
 公衆浴場に対する支援策についてのうち、これまでの検討状況についてお答え申し上げます。
 県では、毎年度公衆浴場の経営実態を把握するための調査を行っております。本年4月に実施した調査におきましては、設備等の老朽化、客の減少、経営者・従業員の高齢化などが経営上の課題として上位に挙がっております。
 長期的に経営を継続していく観点からは、老朽化した設備等の改善への支援が有効であると考えております。これまで公衆浴場の組合に対してはボイラーなどの設備改修に係る助成制度などを御案内しているところでございます。

 続きまして、今後の追加支援の考え方につきましては、9月補正予算におきましては限りある財源を踏まえ、支援金は制度上利用者への料金転嫁ができない社会福祉施設に限定したところでありますが、8番委員がおっしゃるように公衆浴場の利用料金を上げることは簡単ではございません。
 その後、国が追加対策として臨時交付金の積み増しを行ったこと、また交付金活用の推奨事業に公衆浴場も追加されたことから、再度組合の考えなどを確認しながら支援金についても今後検討してまいります。

○杉山(淳)委員
 今1点納得しない答弁があったんですけれども、もともと公衆浴場は地域の交付金のメニューに載っていましたよね。追加されたとなると今までなくて追加されたような話になるんだけれども、もともと国の例示にあったじゃないですか。
 私、新年度のメニューを見たことがありますが、例示にあったのに外した、例示があったけれども他県が全部やっているわけじゃないし件数が少ないから外したと思うんだけれども、今の説明だともともと国のメニューに入っていないようで、そこは事実関係をちゃんと整理してほしいし、国のメニューにあったけれども静岡県は業者のアンケートを取って外したという説明でいいのかどうなのか、もう一度確認させてください。

 それと、直近で県が把握している他県の補助制度は何県くらいあって、どういうものがあるのかを教えてください。

○豊田経理課長
 新たに追加されたという説明の申し上げ方は多少不適切だったかもしれません。そこはまずおわび申し上げます。
 今般、9月に国が新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金について、電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金と銘打って6000億円の追加を決定されました。その6000億円の推奨事業メニューとして8区分が示された中に、公衆浴場等に対する物価高騰支援対策も明記されたことを申し上げたかったところでございます。失礼いたしました。

 もう1つ、他県の状況につきましては大きく2つに分かれます。支援金を交付しているところは、8番委員も御承知されていると思いますが既に16県で取り組んでいると伺っております。
 一方で、これまで御説明申し上げた省エネ化の推進といった方策を取っている都道府県もございます。
 両面ございますので、再度他県の状況を確認しまして、本県としてふさわしい支援策を考えていきたいと思います。

○杉山(淳)委員
 ありがとうございました。
 ここからは要望であり提案させていただきたいと思います。
 今、産業委員会で議論されている中小企業の物価高騰の緊急支援事業がありまして、銭湯はそのメニューに当てはまらないんですね。ですからそういったメニューに入れていただくだけで補助が出る可能性もあるし、そこに入っていないので価格転嫁できないことがあるんだけれども、銭湯のようなものは対象にならないと確認したんですが、ぜひ部局間で調整していただいて、そういうものの拡充でもいいし、今言った中小企業の緊急対策の拡充でもいいし、新たに健康福祉部で他県の例に倣って同じように創設するのがいいのか、ぜひ広い視野で検討していただけたらと要望して、次の質問に移ります。

 次は、前回ちょっと時間をかけて質問しました子宮頸がんワクチンの積極勧奨の問題について、特に前回の委員会で要望したことと、この2月定例会で公明党の盛月議員の質問に対して答弁した内容の進捗についてお伺いいたします。
 この子宮頸がんワクチンは、重篤な副反応が出ているわけで、そのためこの9年間積極勧奨が中止となり、新たな治験の結果を見て再び積極勧奨が始まったわけです。
 協力医療機関は知っていますが、治療機関が県内にないことをどう周知したのか。6月の委員会で周知してくださいねという話をしたのですが、この間どう周知したんでしょうか。
 また、私の質問の後9月ですけれども、先月担当課長にお会いしていただきました被害者連絡会の方の話を聞いて何か対応しようとしていること、または対応を検討していることがありましたらお伺いいたします。

○櫻井感染症対策課長
 副反応が出た場合に治療機関が県内にないということにならないように、協力医療機関等に丁寧に対応するようにということと研修等を実施することで対応しております。
 先日、8番委員のお取り計らいにより全国HPVワクチン被害者連絡会の方との意見交換の機会を頂きました。意見交換では全国の協力医療機関の窓口診療科で多数を占める産婦人科ではなく、実際は小児科や脳神経科を受診されている方が多いことなど貴重なお話、患者家族の生の声を伺うことができました。
 現在、国では全国8ブロックに1つずつある地域ブロック拠点病院をさらに増やしていくことを検討しております。
 県においても相談体制、治療体制の充実強化を図るため、現在県中部地区の医療機関と協力医療機関の追加指定に向けて協議しているところであります。
 指定に当たりましては、被害者連絡会の御意見を踏まえ、特に小児科や神経科など関係する診療科の連携等について確認しているところです。県内3つ目の協力医療機関が指定できた折には、県内東部、中部、西部の3つの協力医療機関の担当者等と意見交換、情報交換の場を設け、さらに連携を強化してまいりたいと考えております。

○杉山(淳)委員
 ありがとうございます。
 それではぜひ、産婦人科の担当医ではなくて、全国的には明らかに脳神経科とか小児科の先生のほうがそういった治療機関を担っていることも含めて、丁寧な周知を今後もお願いいたします。

 次に、2月定例会で盛月議員が子宮頸がんワクチンの質問をしていまして、県が答弁を幾つかしているのですが、それについて質問させていただきます。
 まず、安全性の評価など最新の科学的な治験に基づき正しい情報の普及に努めてまいりますと答弁していましたが、正しい情報とはどんなもので、どう普及してきたのか、また副反応のリスクを含めてしてきたのか、お伺いいたします。
 次に、多様な症状に対応できる協力医療機関を紹介するなどサポート体制を整えており県民の皆様に周知していくとの答弁がありましたけれども、最初に言いました被害者連絡会の方の話ですと多様な症状に対応できる協力医療機関やそこに勤めているお医者さんは静岡県内にいないとのことです。答弁ではサポート体制を整えたとのことですが、どのように対応して何科のどういうお医者さんがいらっしゃるのか、周知について教えてください。
 もう1つ、県として希望される方が不安なく接種が受けられるよう丁寧に正確な情報を提供しながら市町と連携して接種率の向上を図りますとの答弁ですが、丁寧で正確な情報提供とは具体的にどんなことをしたんでしょうか。またそれについては同じように副反応についてもちゃんと含まれているんでしょうか。
 もう1つ、盛月議員は寄り添う相談体制を要望していたわけですが、この寄り添う相談体制の要望に対して検討されているのかお伺いいたします。

○櫻井感染症対策課長
 1つ目の正しい知識の普及についてでございます。
 国がHPVワクチンの安全性・有効性に関する最新の科学的な治験に基づいて作成したリーフレットにつきまして、県のホームページに掲載するとともに、対象者に対しましては市町が個別に発送し、接種医、医療従事者に対しましては市町や県医師会などを通じて周知を図っております。
 リーフレットは4種類ありまして、対象者とその保護者向けの詳細版、概要版、接種後版、そして医療従事者向けとなるわけですが、そのいずれにおいても接種後のHPVワクチンのリスクについて記載されております。
 2つ目の多様な症状に対応できる医療機関はないのではないかという御質問でございますが、県内の協力医療機関は多様な症状に対応できる医療機関であるという認識であります。県内の2つの協力医療機関につきまして、県ホームページ等により周知しているところであります。
 協力医療機関及び接種医に対しましては、本年度設置された地域ブロック拠点を中心に医療機関間の個別相談やケースカンファレンス、講演会やオンライン研修会の実施などHPVワクチンに関する相談支援、協力体制について強化を図っております。
 3つ目の御質問、丁寧で正確な情報発信について具体的に問うということでございますが、ワクチン接種にはリスクが伴うこと、またHPVワクチン接種だけでは子宮頸がんを完全に防ぐことはできないこと、接種後は定期的に子宮頸がん検診、がん検診を受診する必要があることを含め啓発しているところであります。
 4つ目の寄り添う相談体制でございますが、県の相談窓口に加え、各接種医それから各協力医療機関においても接種前、接種後に関わらず相談された方々に寄り添った丁寧な説明、丁寧な接種、信頼関係の構築を心がけるようお願いしているところであります。

○杉山(淳)委員
 ありがとうございました。
 1つだけ納得いかないところがあるんですが、多様な症状に対応できる協力医療機関があるとの認識ですけれども、これは静岡県内にはないと被害者連絡会の方に全否定されたんですね。治療機関はあるのかもしれないが多様な症状に対応できる協力医療機関はないと言ったものですから、答弁であると言った以上また質問させていただきますので、こうですという明確な答えを頂けるようにぜひ早急に対応をお願いしたいと思います。

 次に、協力医療機関ですけれども、これまで副反応の治療実績が少ない病院、つまり多様な症状に対応できる協力医療機関ではないので治療実績が少ないことが前回の委員会で分かったんですけれども、本来ですとこのような協力医療機関というのは私は県立中央病院である県立総合病院が担うべきだと思うんですが県の中部に協力医療機関もないわけで、指定に当たって2か所ありますけれども県の中部にないこと、県立病院が担うべきということも含めてどのような検討がなされたのかお伺いいたします。

○櫻井感染症対策課長
 8番委員御指摘のとおり、現在協力医療機関は県東部に1か所と西部に1か所で中部にはない中で、中部にも協力医療機関を指定できればとこれまでも検討してまいりました。
 先ほども答弁しましたとおり、現在中部地区の医療機関と協力医療機関の追加指定につきまして具体的な協議を実施しているところであります。協議が整い次第、指定に向けた手続を取る予定でありまして、相手もあるため指定の時期は確約できませんが、できる限り早く指定したいと考えております。

○杉山(淳)委員
 本会議で多様な症状に対応できる協力医療機関を紹介するなどサポート体制を整えておりとはっきり言っているので、実際に静岡県はそうなっているよと堂々と言えるようにサポート体制を確認し、もう体制を整えていると言っているので今さら何言ってるんだということになるかもしれないですけれども今の問題では多様な症状に対応できる協力医療機関が心細いので、ぜひ答弁どおりになることを期待して要望して、次の質問に移ります。

 次の質問は、前回の委員会で県立病院機構の問題を取り上げまして、質問中も委員の皆さんの指摘を受けたり、質問後も議運からこうすべきだったんじゃないかという助言や指摘も受けました。なので今回は質問を明確にし、県からの県立病院機構への運営費、その前は交付金と言ったんですが、正しくは運営費負担金が適正な水準であったのかどうかを確認したいため、私は適正な水準じゃなかったという視点で何点か質問させていただきたいと思います。
 この運営費負担金は、不採算医療や高度医療に充てるとして県から交付されているものです。実際の使途や剰余金の使途については、独立行政法人という制度では独立行政法人側の病院機構にある程度の裁量がある制度、つまりどういうものに使うかという裁量があるものだと認識しておりますが、例えば黒字分を翌年度に自由に使えるか、あと剰余金を自由に使えるか、また人件費に使用することは可能なのかについてお伺いいたします。

○藤森医療政策課長
 病院機構への運営費負担金につきましては、8番委員御指摘のとおり不採算や高度医療など政策的な事業に充てることとなっております。
 剰余金の使途につきましては、地方独立行政法人法第40条において中期計画に定める使途に充てることができると規定されております。病院機構の中期計画では施設整備や医療機器の購入等に充てるとされているため、次年度以降損失の補塡以外には施設整備等に活用することができます。これらの規定の範囲内での病院機構の裁量となりますので、負担金を給与改善に充てるという考え方はないと考えております。

○杉山(淳)委員
 ちょっと関連してですけれども、中期計画の使途に充てられるとのことですが、では中期計画を変えればいいんじゃないんですかと単純に思います。人事院勧告が給料を大幅に賃上げしたら困るわけで、後からまた質問しますけれども、火事になったときの修繕費とかあるじゃないですか、建設費じゃなくて。実際に火事になっちゃったわけです。そういうのにも使えないように聞こえたんですけれども、中期計画は簡単に変えられるんですか。ちゃんと議論すれば変えられるものかどうなのか。中期計画を変更すれば、その他の変更した内容で使えるのか確認させてください。

○藤森医療政策課長
 中期計画につきましては、県が中期目標を定め県議会で議決していただくことで、中期目標から中期計画は策定されます。それに当たってはプロセスが必要でございますので、現在の中期計画は来年度までになっておりますが、そちらの中期計画に従って今は考えております。

○杉山(淳)委員
 変更は可能かどうかを私は聞いたんですが、変更可能ということでよろしいんですね、議会の承認を得れば可能ということでよろしいんですね。そこのところを確認させてください。

○藤森医療政策課長
 中期計画は規定のプロセスでの変更が可能でございます。

○杉山(淳)委員
 議会の承認があればという前提がありますが、必要があれば変更が可能ということで理解しました。

 次に、病院機構の運営費負担金についてです。
 今3期に入っているんですが、増額を要求したんですけれども、結果として自助努力で何とかしてくださいということで70億円という金額になったと。またその後病院機構の職員からせめて71億円にしてほしかったという話を聞きました。これは機構の役員の方からです。
 自助努力が結果的に形を変えて職員の賃金カーブの引き下げ、約束していた給与水準の低下、ずっと実施していた県準拠の給料が実施できない形につながったと考えております。
 前回の委員会で、県は労使交渉には関与しないと答弁頂いております。しかし運営費負担金を低く抑えて自助努力せよということが労使交渉に大きな影響を与えたんじゃないでしょうか。つまり間接的に関与していることになっているのではないでしょうか。県としてその視点がどうであったのか、その点については70億円に決定した際は考えていたのかお伺いいたします。

○藤森医療政策課長
 第3期となります令和元年度から5年間の毎年70億円の運営費負担金につきましては、政策的医療への負担としての視点を持って必要な額を予算化しておりますので、給与改定に関与しているという視点はございません。

○杉山(淳)委員
 そのとおりなんですが、71億円あれば私の考えはこうなんです。
 今の答弁を聞いているとなるほどと思っちゃうんですけれども、私は政策医療と不採算医療が足りないと思っているんです。だからほかの経費を食っちゃって人件費に手をつけなきゃならないという視点で質問しているんです。前回もそうですし今回もそうです。だから政策医療だったり不採算医療が、例えば患者さんが増えて不採算医療が予定より増えれば当然ほかの経費から回すしかないわけだからお財布の関係で全体的に窮屈になるわけです。そういう視点で質問しているのでそういった紋切型ではなくて、71億円あればもう少し何とかできたんじゃないかという現場の声についてどう思っているのかということをお伺いしているわけですけれども、どうでしょうか。
(発言する者あり)
 じゃあ次に、2009年の独立行政法人の移行時に、給与や退職金は移行時の現行水準を基本とするという確認の下、県職員準拠でいろいろ決定してきたわけです。県職員準拠できたのはそれまでのいわゆる運営費負担金があったからです。
 県の確認書の2番目の項目に、運営費負担金は適正かつ十分な額を確保するとあります。結果として今回賃金カーブの引き下げになったわけですが、この運営費負担金の適正かつ十分な額を確保したのかについて、私は疑問を持っております。
 そこで、ここはもう質問してもしようがないので質問しませんけれども、3年前は実際にボーナスを0.05月アップしなさいという国の勧告があって、私たち県議会議員も0.05月の報酬改善を受けました。
 しかし、病院機構ではその0.05を年度内に改善するお金がなかったんです。そのときは中期計画を変更して追加の人件費補助もしませんでした。ですので結果的に何もしなかったがゆえに、その年の人事院勧告である0.05月の改善はできませんでした。
 先ほど言いましたように我々議員にも適用されましたが、県準拠であった場合だったら本来そういった勧告を職員の給与にも反映できたものが運営費負担金の額に変更がないがゆえにならなかったということがあります。
 もう1つ、コロナ禍で国は感染リスクに向き合い日々頑張っている医療従事者に対して処遇改善の補助金を創設しました。先ほど進捗の話をしましたが、一方でそれ以上の処遇改悪が行われてスタートを切ったわけです。これについては適当であったかどうなのかは、現在適当じゃないと思うのですが、やはりこれも運営費負担金の額が影響していたと思います。
 ここで質問に入りますが、今回国で予算化して実施した処遇改善の趣旨から言って、そういう途中で処遇改善を実施したものについて現行の制度は対応できるんでしょうか。途中で人件費を9,000円上げろとか1万2000円上げろなどの問題ですね。
(発言する者あり)
 だから、現在の運営費負担金で対応できるのかどうなのか伺います。
 また、今回人事院勧告では恐らく一時金の改善があります。その改善についても対応できるのかどうなのか伺います。
(発言する者あり)
 何でですか。運営費負担金の話です。前回と違いますからね、注意してやってますから。失礼なことを言わないでください。
(発言する者あり)
○須医療局長
 運営費負担金のお話や給与の話がいろいろ出ておりますが、公営企業型の独立行政法人につきましては、まずは独立採算が原則だというところが出発点だと思います。
 県立病院機構も同様で、自分で稼いでいただきたいというところがまず1つございます。その上で県が運営費負担金を支出しているということは、県立病院としての役割を果たしていただきたい、言ってみれば他の医療機関では対応が困難な高度、専門的、特殊系的医療といった県が保健医療政策として求める施策にのっとった医療を提供していただくためでございますので、8番委員からいろいろ御質問頂いております給与改善とこの運営費負担金について結びつけたような内容のものはありません。

○杉山(淳)委員
 先ほど言ったんですけれども、これちょっと分かってもらえなかったのでもう1回丁寧に伝えたいと思うんですが、結果的に不採算医療をやっているんです。政策医療をやっているんです。
 でも、そちらに経費がかかり過ぎちゃって人事院勧告みたいな賃金改善も実施できない状態にあるんじゃないですかと言っているんです。そこで十分な運営費負担金が出たのかどうなのか疑問があるからこういう質問をしているんです。
 今回のように0.1月の改善が人事院勧告で出て、恐らく議員の皆さんの報酬も上がるし皆さんの報酬も上がると思うんですが、運営費負担金でそういう余力がなければ上がらないという問題が出てくるんじゃないかということで、この運営費負担金が適切かつ十分な額で努めるべきという約束があるわけです。議会でも同じことを言っており、それについて現行の中身を精査していただけないですか、できるんですか。

○小長井委員長
 8番委員、それは御意見ということで次の質問に行ってください。

○杉山(淳)委員
 分かりました。
 では、次の質問です。
 9月25日に県立総合病院の先端医学棟で火災が発生しました。この運営費負担金の5か年の中期計画では火災を想定していませんから、火災が起こった場合どう対処するのか。この火災による修繕費がさらに病院の収支を悪化させると思うんですが、現状考えていること、この火事の規模も相当燃えていたと思うんですけれども、どうなんでしょうか、お伺いいたします。

○須医療局長
 こちらの火災につきましては、修繕あるいは施設整備で対応するため、通常の経常収支の外というか、必要があれば貸付金を県は出しますし、あるいは目的積立金で対応する形になるかと思います。

○藤森医療政策課長
 火災に関しましては、まだ機構でも処理中ではございますが、保険もございますしいろいろな精査を行った後で対応を考えていくことになりますので、運営費負担金に直接関わるものではないと考えております。

○杉山(淳)委員
 では、進捗状況が分かりましたら次回の委員会で質問したいと思います。

 次は、非正規職員の処遇改善の問題です。
 厚生労働省は、パート有期雇用の労働者の福利厚生で同一労働同一賃金という指針を出しております。具体的に言うと同一労働同一賃金で非正規等有期の方の通勤手当、特殊勤務手当、休暇制度など福利厚生制度については差を設けてはいけないように求めております。
 県は、福祉や介護の施設から病院、診療所までを指導する立場にあるわけですが、この同一労働同一賃金のガイドラインについてどのような指導をしているのか、また最近指導を行ったものはどういうものがあるのかお伺いいたします。

○小池福祉指導課長
 介護保険施設、障害福祉施設、児童福祉施設等の指導監督を所管しております福祉指導課では、社会福祉施設等における適正なサービスの提供を確保するため、介護保険法、障害者総合支援法、児童福祉法等の関係法令に基づき人員基準や運営基準の遵守状況について指導監督を行っております。
 同一労働同一賃金のガイドラインにつきましては、非正規労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関するものでありまして、当課が所管する各種法令の適用外にあるものとして規定されておりますので、同ガイドラインに基づく指導等は行っておりません。

○藤森医療政策課長
 医療政策課では、医療機関における適正な医療の確保のため、医療法に基づき病院や診療所の構造設備、医療従事者数、衛生管理等について指導監督をしております。
 今答弁がありました社会福祉施設と同様に、同一労働同一賃金ガイドラインは医療法第25条に基づく立入検査での指導監督の適用範囲外でありますことから、指導は国の静岡労働局が行うものと考えております。

○杉山(淳)委員
 対象外ということが分かりました。
 しかし一方で、検査に入る方には知っていただきたいと思います。要望になりますけれども、同一労働同一賃金で平成28年に大きく制度が変わっておりまして、例えばユニホーム1つ取っても社宅の入居1つ取っても、また細かい手当1つ取っても禁止されているということで凡例が出ているもの、守るべきものをガイドラインの指針として示しておりますので、ぜひ検査する方にはそういうことを周知した上で検査に臨んでいただいて、明らかにこれはおかしいというものがあったら、所管外でも必要な監督官庁に伝える役目はあると思うので、ぜひそういうことを要望して質問を終わります。

○小池福祉指導課長
 8番委員の質問で、介護職員等のベースアップ等の処遇改善の周知について答弁漏れがありましたのでお答えいたします。
 10月からの介護報酬に反映されるため、8月末までに処遇改善計画書を提出していただくように同報メール等を使いまして事業所への周知を行ったところであります。

○小長井委員長
 ここで換気のため5分間休憩します。
 再開は14時40分とします。

( 休 憩 )

○小長井委員長
 休憩前に引き続いて委員会を再開します。
 質疑等を継続します。
 では、発言願います。

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