委員会会議録

質問文書

平成28年決算特別委員会総務分科会質疑・質問

	質疑・質問者：	髙田　泰久議員
	質疑・質問日：	10/25/2016
	会派名：	ふじのくに県民クラブ

○髙田（泰）委員
　それでは、一問一答方式でお願いします。
　まず、県債残高のうち臨時財政対策債及び病院債は毎年のように増加しています。
　当初予算を決めていく中ではやむを得ないことかと思いますけれども、先ほどの伊藤経営管理部長の説明の中でも問題あり、課題ありと説明をいただきました。
　増加の一途をたどっている臨時財政対策債を少しでも圧縮していくことに関して、具体的にどのような手法をとっていくのか。予算体系を決める大枠の中でどのような考え方になっているのかを伺います。

○瀬嵜財政課長
　臨時財政対策債の話題になりますと、いつも同じようなことを申し上げて恐縮ではあるんですが、基本的に臨時財政対策債に対する私どもの認識といたしましては、あくまでも地方交付税の身がわりであると。本来は地方交付税として国からキャッシュで措置されるべきものが、国で地方交付税を賄うだけの十分な財源が用意できないため、いわゆる折半ルールを立てて不足分の半分を地方が借金して賄う仕組みになっているものであります。
　したがいまして、今のところ私どもは臨時財政対策債は地方交付税の身がわりとして国から発行を許可されている額について、私どもの判断で許可額、発行可能額いっぱいまで活用しないで、その分、結果として必要な行政サービスを少し圧縮していかなければいけないという手だてをとる考えは今のところは持っておりません。
　地方交付税のかわりとして、今のところはあくまでもその活用可能額を最大限活用させて、必要な行政サービスの充実に努めていくことが現在の私どもの考えであります。

○髙田（泰）委員
　先ほどの伊藤経営管理部長の説明の中に、平成27年度静岡県財務諸表の概要の説明資料で、臨時財政対策債が大幅に増加してバランス悪化の要因になっていると。今、説明のあったことはよくわかるんだけれども、そのために国に対して臨時財政対策債の廃止を求めていく必要があると御説明いただきました。
　どのように国にアクションをとってきたのか。静岡県だけでなく他の都道府県も同等の考えを持っているのではないのかなと思いますけれども、他県との連携の中で国にそうした働きかけをしてきたのかどうかについて伺います。

○瀬嵜財政課長
　今、７番委員がおっしゃいましたとおり、もちろん本県としても毎年毎年、春と秋に国に対して行っております要望事項の中に、臨時財政対策債を含む地方財政対策に関する見直しの要望を盛り込んでおります。
　そのほかに全国知事会、あるいは関東地方の地方知事会、場合によっては中部県知事会議のように他県と連携して国に対してものを申していく場が幾つかございますので、そうした場を最大限活用して、これまで臨時財政対策債の見直しの要望を行ってまいりました。
　国ももちろん、少なくても総務省サイドはそういった地方の声を認識しておりまして、交付税財源としての国の税収がこのところ多少上向いてきたこともあって、平成26年度まで増加の一途をたどっておりました臨時財政対策債も平成27年度、平成28年度の２カ年は額としては圧縮される方向にはあります。
　また、臨時財政対策債の廃止と同時に、現在発行可能額の配分について、比較的静岡県のようにまだ財政力に多少なりとも余裕のあるところに手厚く配分されてしまう配分の偏在もございまして、そうしたことについてもあわせて要望してきた結果、去年、今年はやや改善された方向になっています。
　ただ、何分臨時財政対策債そのものが国の財政の状況に左右されるものでございます。来年度に向けては、今のところこの９月に総務省から公表されました来年度の地方財政の収支見通しによりますと、また交付税財源が少し厳しくなりつつあり、来年度はまた臨時財政対策債の発行規模がふえるのではないかといった見通しが示されているのもまた事実でございます。

○髙田（泰）委員
　説明内容はよくわかるんだけれども、こうしたバランス悪化を招いてしまう、またトータルの県債残高が増加の一途をたどることに関しては県民が十分理解できないと思うし、我々議会としても毎年のように監査委員を通じて指摘させてもらい、決算特別委員会でも指摘が出ている状況であるわけだから、仕組みとしてやはりわかるようにすべきだと思うんです。
　やはり、国に対して働きかけをしているんだと、その結果こうだったよということも、もっとわかるようにしていただきたかったなと思うんですが、その辺についての考え方はいかがでしょうか。

○伊藤経営管理部長
　今回、財務諸表を公表する中で、バランスシートが悪化している背景は説明したとおりなんですが、臨時財政対策債につきましては後年度の償還費を100％交付税で措置するのであれば、本来ならば企業会計によってきちっと措置されるのなら、資産として未収金で計上できればトータルとしてはバランスがとれる話になります。臨時財政対策債は将来交付税で措置すると言いながら、償還費はいまだにその償還財源をさらに臨時財政対策債で措置する状況になっていまして、必ずしも今の段階では交付税で措置されていない状況でございます。
　そういった問題点は財務諸表を通じて明らかになっておりますので、これらをきちんと県民に向けてわかりやすく説明することによって、この制度の問題点を県民、広くは国民の方に理解していただいて、地方自治体が健全な財政運営をできる仕組みに持っていくように県、知事会等を通じましてきちっと要請、説明をしてまいりたいと思います。

○髙田（泰）委員
　決算ということで、これまでの取り組みに対して県民がわかるように改善していただくようよろしくお願いします。

　次に、実収入未済額の推移の中で県税関係以外で生活保護費返還金、あるいは母子父子寡婦福祉基金貸付金償還金等は増加しています。
　これについては実収入未済額を減らしてきている取り組みはよくわかるんだけれども、その中でこの２つが増加していることに関して対応策はどうであったのか。実態としてなぜふえているのか説明願います。

○杉山管財課長
　母子父子寡婦福祉資金貸付金償還金等については、詳しくは健康福祉部で対応していますが、私どもが聞いているところによれば、非常に大きな金額があって従来からずっと何十年にもわたって問題となっている状況でございます。
　税外収入未収金全体の中でも大きな位置を占めていますが、健康福祉センターを初め出先機関と連携しながら回収に努めていると聞いております。
　なお、さらに今年度から外部委託の手法もとっております。やはり職員だけでは専門的にはなり得ないものですから、債務者も1,200人ほどおりまして延滞金、違約金合わせれば2,000人以上の方を対象にやっていくこともありまして、外部委託を今年度から始めて未収金の縮減に努めていると聞いております。
　もう１件、生活保護費返還金につきましては、健康福祉部の長寿福祉局から聞いているところでございますが、現年分の当初残高と比べて若干ふえている状況でございます。
　ふえている要因につきましては、なかなか返納がままならない人が多くて、滞納については公債権なんですけれども非強制徴収債権と申しまして、税と違って強制執行ができない債権になっております。訪問ですとか、電話ですとか、そういう対策は尽くしているんですけれども、強制執行ができないものですからなかなか今難しい状況になっていると聞いております。
　ただ、こうした債権も多いものですから、税外収入一般につきまして、管財課といたしましては研修会、あるいは手続についての助言、あるいは今後債権を集中化して仕分けをする試みをやっています。税と違って差し押さえができないんですが、本人の了承をとれば資産状況の調査ができると。あるいは本人がずっと何も反応しない状況であれば、裁判所にお願いして債務名義をとることもできる。そういった手続について、道筋をいろいろつけていく試みを今始めている最中でございます。

○髙田（泰）委員
　ありがとうございます。
　それぞれ所管部局が取り組んでいることだと思いますけれども、税内にしても税外にしても統括はこちらでやっていると思うので、減少傾向にあるにしても、やはり一つ一つ内容チェックをしていただいて、それで改善していただいて少なくなってきていると理解しています。問題点があるのならば一つ一つ、改善策は県全体として取り組んでいただくべきだと思うんですが、その取り組みの担当は所管部局だと思います。実収入未済額の推移を下げていくことに関しては、やはり経営管理部でやっていただかなきゃいけないと思いますが、そういう意味ではどういう取り組みをされてきているのか。

○塚本財務局長
　７番委員が今御指摘したように、債権そのものの管理は各部局でやっているところでございます。ただおっしゃるように静岡県全体の債権の未収金にはかわりはないものですから、先ほど杉山管財課長も話したように、管財課と税外収入の債権を持っている関係部局で構成している税外収入債権管理調整会議を立ち上げています。
　この中で何をやっているかというと、例えば徴収の方法については税の職員が――税の場合は滞納税収ですけれども――未収の徴収についてノウハウを持っているので、そういったことを皆さんに周知したり、税の研修に税外収入を管理している職員にも参加していただいて、一緒に徴収の仕方を学んでいただくこと。
　あるいは、今言った母子父子寡婦福祉資金貸付金償還金でやり始めた徴収の委託も、教育委員会でもともとやり始めたものを情報を共有化することによってほかの部局にも横展開していく形になっています。
　それぞれいろいろな形で成果が出たことを共有化することによって、ほかの未収金についての回収率が高まることにもつながりますので、今後もこういった取り組みを通じて県全体の未収金の対策を実施していきたいと考えています。

○髙田（泰）委員
　ありがとうございます。
　いずれにしても、税収率と収入率をしっかり確保していかなきゃいけない大前提があるわけなので、税そのものの徴収率を上げていくことと、税外の一つ一つの課題についても数値的な判断をしっかりとしていただく。ただこの２つの税外収入を単純に見ると、福祉的なところもあるわけだから、それはそれで福祉対策の中で考えていかなきゃいけないなと思いますけれども、今まで取り組んでいただいたことは評価しながら、改善していただきたいと思います。

　次に、不用額の推移の中で平成26年度、平成27年度が大きく増減しているんですけれども、この動きはどういう要因であったのかお伺いします。

○瀬嵜財政課長
　平成27年度の不用額につきましては、今７番委員がおっしゃいましたように、平成26年度から92億円近く減少しております。もちろん不用額ですので、その年その年の個々の事業の執行状況によって少なからず変わってくるわけでございますけれども、平成27年度から平成26年度を振り返って比較をしますと、比較的大きく数字が減っているのが、１つは税収関連法定経費で不用額が大きく減っていることが言えます。
　これについては、その経費の見込み方を平成26年度以前に比べて平成27年度は少し精緻なやり方に変えたと聞いておりまして、それによってこの税収関連法定経費を含む県費奨励費のところで、前年度よりも22億円ほど不用額が減っていることがあります。
　もう１つ、大きく減っているのが一般公共事業のところでございます。こちらにつきましては前年度――平成26年度に比べて平成27年度の不用額が50億円近く減っております。これについては、国の補正予算に基づく対応として、本県が補正予算を組む時期が年度末近くになってきますと、補正予算を組む段階で国の内情をどうしても正確に予想することができませんので、やはり多少多目に県の補正予算の措置をすることになります。
　それに対して、年度の早い時期にそういったタイミングがあって、国の実際の内示に応じて年度内に再度補正をして実際の執行額に近い形に予算のなりを直すことができれば、当然不用額が出なくなるわけですが、年度末になってしまいますと、どうしても結果として国の内示状況に合わせた補正がしき切れません。
　平成26年度はそういった事情がございまして、公共事業で比較的多くの不用額が発生したわけですが、平成27年度については結果的にはほぼ内示に近い形で予算ができたことがございまして、ここのところで50億円ほど不用額が減ったということでございます。

○髙田（泰）委員
　説明はよくわかるんだけど、国の補正の推移によって大きく変わるとか、いずれにしても予算を組む中で限られた財源で事業をやっていくのであれば、限りなく不用額を残さない、縮減していかなければならないと思います。県予算の中心を担う財務担当のところで、もうこれがやむを得ないみたいな説明だったんだけれども、この不用額のあり方をどのように考えているか、もう一度説明をお願いしたい。

○瀬嵜財政課長
　もちろん、自治体の予算はそれぞれ必要があって、しかもその必要性や有用性、さらには金額の妥当性について十分に議論をして予算案としてつくります。なおかつそれを住民の皆様の代表である議員の皆さんに御審議いただいて、議決をいただいて成立、執行するものでございますので、７番委員がおっしゃるように基本的には限りなく予算のとおり執行するのが大原則であるとは思っております。
　その上で、どうしても個々の事業の状況、それは予算を見積もったときと執行段階で少し事情に変化が生じたですとか、あるいはもう少しテクニカルな面で、先ほど言いましたような国の予算に絡むものは予算計上の時期に問題があるとか、いろいろ事情があります。そういうところで多少執行が当初の見込みとずれてくることもやむを得ない。ただし、あくまでも大原則は最初に申し上げたとおりでございますので、そうした場合には速やかに補正予算等で予算等のなりを直して、限りなく予算額と執行額が一致するように、言い方をかえれば不用額が生じないように、計画的な予算の執行を行うのが私どもの務めであると思っております。

○髙田（泰）委員
　よくわかりました。
　次に、施策展開表の中でお伺いしたいんですけれども、まず職員数について、17ページに人口１万人当たりの県、市町村職員数の全国順位の指標があって全国７位となっています。
　目標は５位以内になっていますけれども、この取り組みについて、平成23年度から平成26年度まで７位で状況がほぼ変わらずにきています。職員数を下げていくことが目標と見られますけれども、この現状についてどのような取り組みをしてきたのか。結果としての評価と改善のところには、目標値には及ばないものの、全国都道府県で比較をすれば高い順位を維持していることから引き続き職員数の減少を図りながらという改善策、アクションになっていますが、どのような取り組みをしてきているのかお伺いします。

○八木人事課長
　この指標につきましては、人口１万人当たりの県、市町の職員数の全国順位ということで、５位以内を目標にする簡素で能率的な組織をあらわす１つの指標と考えさせていただいております。
　具体的な取り組みは、まず県につきましては人員配置の問題なんですが、毎年部局の業務量や時間外勤務などさまざまな状況を踏まえまして、定員管理、具体的に職員数がどれくらい必要かを部局から要求を出していただいて、我々のほうで話しながら適正な人員配置を行う取り組みをしております。
　また、市町が入っているのは、県民にとっては公は県も市も一緒ですから、いわゆる県全体で能率的なという意味で市町を加えてございます。市町につきましては市町行財政部門でさまざまな取り組みをしておりますけれども、我々も権限移譲に伴いまして技術職員を派遣し業務を円滑に進めるなど、人事部門としましても市町の行政運営が円滑に進む方策をとりまして、より簡素で能率的な行政ができるように努めているところでございます。

○髙田（泰）委員
　１人当たりの仕事の生産性を上げて効率のいい仕事をしていただくのがベストだと思いますし、コスト削減からしても少人数で仕事をしていただくのがいいかと思います。単純にこの指標のように、１万人当たりの職員数が他の都道府県と比較していかに少ないかだけを競うのが本当にいいのかなという感じもします。片方で職員のワーク・ライフ・バランスだとか、男女共同参画を推進しようだとか、あるいは今問題となっている職員の長時間労働を削減していく動きも何年も前から取り組んでいるわけですよね。
　そうすると、片方ではもっと１人当たりの効率を上げながら労働時間数を減らそうよ、片方ではより多くの職員配置をしながらしっかりとした仕事もするよ、だけど職員数は減らすよ、なかなかどこをとるのかよくわからない。要は職員数だけじゃなくて１人当たりの効率性も含めながら、この職員数はどういうあり方で今までやってきたのか。単なる指標だけだと、ただ減らせばいいととれるわけなんですが、トータル的な仕事の効率化も含め、いい仕事をすることも含め、どう改善して職員数を決めてきているのか、もう一度お願いします。

○八木人事課長
　７番委員御指摘のように、簡素で能率的な行政運営が求められる反面、今、時間外労働の問題ですとか、社会がだんだん変わってきまして、少子化、高齢化になりますので子育てや介護をしながら仕事をする職員もだんだんふえてまいります。おっしゃるように、効率性だけではなくて職員が働きやすい環境をつくるのは非常に重要だと考えております。
　なので、単に職員数を減らす、数字を減らすということではなくて、やはり事務事業の進め方、要は仕事のやり方を見直すのもプロセスの中では重要だと考えています。
　ことしも時間外が非常にふえているという課題もございまして、職員局長を中心に業務を見直すことを庁内挙げて進めております。そういった、単に数字だけを追うのではなく仕事のやり方を変える、その中で効率的なやり方を生み出していく。その一方で、時間外労働や働き方の問題も重要ですので、それは職員のやる気、能力発揮につながるものですから、総合的に考えながら職員の数とか配置をしていきたいと思います。

○髙田（泰）委員
　言われることはよくわかるんだけれども、例えば市町との職員の交流――県職員を市町へと派遣し、市町から職員を受け入れることは、県と市町の職員がトータル的に資質を上げていくことで大きなプラスにもなると思います。県だけで考えた場合に、優秀な県職員がいて１人当たりの仕事の効率がそこそこあったものが、小さい町当たりから職員が入ってきたときに、県職員のレベルに追いつかないことも出てくるかもしれない。
　そうしたときに、県の平均的な仕事のレベルが下がってしまうと、１人当たりの仕事の効率が低下する可能性もあるんじゃないのかなと思います。職員数を４年間で100人削減の目標があり、削減、削減の目標になっている。今まで取り組んできていただいた、削減するだけがいいことではないんじゃいないかなと本当に思うんですよね。
　逆に、先ほど言ったように残業数を減らすことになると、短時間で１人の職員がやる仕事は幾ら能力アップをしても限界があるんじゃないかな。それはどのようにバランスをとって職員数を決めてきたのかな。片方はやらなきゃいけない、片方は下げなきゃいけない。相反する取り組みをしてきているんじゃないかなと感じるんですけれども、その辺はどうなんですか。

○八木人事課長
　７番委員御指摘のように、職員の配置を決めるに当たりましては、単に数的な効率性だけを求めるところでは決められない社会の情勢にもなってきておると認識しております。
　したがって、そういう意味では適正な職員数を決める仕事が今、非常に難しいと感じておりますし、単に指標で職員数を減らすのを求めることがいいのだろうかという議論が行財政改革推進委員会等でも行われ御意見も出ています。我々としましても、簡素で能率的なというのは一つの大事なことなんですが、職員を単に減らすことじゃなくて、もう少し皆さんが理解できる職員配置も含めまして、体制がうまくできて支障がないかも踏まえまして、これから検討していくところでございます。少し答えになっているのかわかりませんが、相反しているものは総合的に考えながら、職員のことも考えながら職員配置、職員数を決めていきたいと考えております。

○髙田（泰）委員
　今までの取り組みが適正だったかどうかは少しクエスチョンのところがありますけれども、わかりました。

　関連してコンプライアンスの関係ですが、職員数を少なくして１人当たりの効率を上げようということになると、コンプライアンスの問題イコール職員のメンタル的な問題にも大きくつながって、結果的にコンプライアンスの関係にも響いている感じがします。
　今まで監査委員からも指摘されたコンプライアンスの問題で、職員のメンタル上の問題からいろいろ不祥事が起きていることにつながってきたかどうか、その辺はどのように伊藤経営管理部長は把握されていますか。

○伊藤経営管理部長
　職員の過重労働等いろいろな形のストレスとコンプライアンスとがどういう関係にあるかについて、明確な分析は出てはおりません。
　ただし、例えば過重労働の結果として、そういったものが交通事故等における不注意などにかかわっている可能性もあるやに思います。それから仕事に対する不満が違う形で、公務外ではありますけれども不祥事例につながっている可能性もあるかもしれないと思っています。そういった意味では、そこを解消すれば不祥事案がなくなる方式は成り立たないかもしれないですけれども、私も予算、定数管理をする立場の部長でありますとともに、職員の健康管理をしっかりと守る役目を持っている安全管理の部長でもありますので、しっかりと職員が働きやすい職場環境をつくる。そのためには先ほど来、八木人事課長も答えておりましたけれども、職員の管理につきまして今までは定数管理で目標を立てる中で、原因ありきの形での運用がなされていた可能性はあります。
　そういった意味でいうと、現在の定数管理計画は平成26年度から平成30年度までの４年間で100人減という形になっていますが、初年度の平成27年度はマイナス15人、今年度当初につきましては逆にプラス１人で、ある意味でここ数年来ずっと定数管理計画の中で職員の削減をする動きが続いておりましたけれども、初めてと言ったらあれですけれども、逆に増員に向かっているところがございます。
　単純に職員の過重部分をなくす部分もありますが、もう１つは新しい、例えば昨年決定いたしました2019年のラグビーワールドカップ、それから2020年の自転車競技の本県開催、そういった新しい仕事もどんどん出てきています。我々は一度決めたから、定数管理計画でつくったから、これを何としても守ることも大事なんですが、やはり時代時代に応じて変化する行政需要に応じて柔軟に見直していくことも大事です。もう１つは職員の健康管理の問題、さらには働きやすい職場環境づくり、ワーク・ライフ・バランスについていろいろな改善がなされておりますので、そういった部分を総合的に勘案して、いい職場環境をつくることでいい仕事ができて、結果で言うと行政サービスの向上につながるという認識を持ってしっかりとした職員の定数管理も含めた、全体としての人事管理、労働衛生管理、そういった部分を進めていきたいと思っています。

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