本会議会議録


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平成25年9月定例会文教警察委員会 質疑・質問
質疑・質問者:池谷 晴一 議員
質疑・質問日:10/10/2013
会派名:民主党・ふじのくに県議団


○池谷委員
 分割質問方式でお願いします。
 まず、平成25年度の全国学力・学習状況調査の関係で、数点質問させていただきます。
 委員会資料の12ページにこの調査の目的について、文部科学省のねらいということで書いてあります。これによりますと、教育政策の成果と課題を検証して、その改善を図る、そしてまた児童生徒への教育指導の充実、そして学習状況の改善等に役立てることが調査の目的でございます。今回、この調査をやって、文部科学省の所見というようなものが各県宛てにきているのか、改善策というものが文部科学省から示されたのか、お聞きいたします。あるいは、やるだけで終わりかということでございます。

 次に、今定例会の増田議員の一般質問でもございました。そしてまた静岡新聞でも連載されましたが、単元テストについてでございます。
 基本的な話ですけれども、文部科学省が考えている学力と本県が考えている学力の考え方にギャップがあるんじゃないかという指摘がございます。そこの点についての認識をまずお聞きしたいと思います。

 単元テストと全国学力・学習状況調査の傾向といいますか、そういうものが合致していなければ、当然ながらそういう単元テストを採用している県のテストの結果は下がると思います。平成25年度の単元テストと学力・学習状況調査の相関関係というものについての所見をお伺いいたします。

 次に、本県では、小学校の点数はかなり低いということでございますけれども、中学校におきましては全国の平均を上回っているということでございまして、小学校、中学校をトータルで見た県内の子供たちの学力というものについて、どんな認識を持たれているのか、お伺いいたします。

 全国におきまして、このように小学校、中学校のデータがあるわけですけれども、例えば静岡県のように小学校では下位だったけれども中学校では上がっている、あるいは小学校は上位だけど中学校は下がっているという県もあるんじゃないかと思います。こうした向上率のデータがあるのか、分析をされているのか、お聞きします。

 今回の中学校3年生ですけれども、成績がよかったということです。この子供たちは小学校6年のときにもテストをやっていると思います。6年生のときの結果について教えてください。

 あわせまして、小学校で全国トップクラスの県は中学校でもトップクラスを維持しているのか、お聞きしたいと思います。

 今回のこの調査結果を受けて、市町教育委員会、そして学校から困った、何かいい方法はないかというような相談があったのかどうか。言いかえると学校サイド、市町教育委員会で、この調査結果に対して緊急に何かやらなければいけない、大変な問題だと感じているとは思いますけれども、県教委に対して直接そういう相談があったのかどうかお聞きしたいと思います。

 本県で公表されました86の平均点以上の小学校の校長先生の名前でしたけれども、この学校の前年の成績がどうだったのかというデータもあるかと思います。前年はちょっと低かったけど今回上がったということについては、何かの対応をしたのかな、何かの取り組みをしたのかなという気がいたします。これについてどんな取り組みをして上がったのかお聞きしたいと思います。

 次に、この調査結果のポイントからお聞きしたいと思います。
 ポイントをうまく的確にまとめられているなと思います。2枚目の下のほうですけれども、「保護者や地域の人たちに公表や説明をしたり、働きかけをした」という回答をした小中学校の割合が大幅に全国より低いということでございます。「家庭や地域と協力しながら、結果を踏まえた授業改善に取り組んでいくことが、課題として考えられる」とまとめられておりますけれども、これは今回の緊急対策でどのように反映されて対策がとられていくのか、お伺いいたします。

 また、その下の確かな学力の定着という項目でございますけれども、間違えた、できなかったというところについてフォローしていかなければ結局その子供たちは伸びないと思うんですね。そういうことが非常に重要だと私は考えるんですけれども、この資料によりますと、「補充的な学習の指導を行った」と回答した割合が全国より低い。これはあまりよくないと思います。大変重要なことだと思いますけれども、これについても緊急対策のいろいろな取り組みの中で、どういうふうに進められるのか、お聞きします。

 そして、他県では下位だったところが上位に躍進したというところがございますね。そういうところの調査をされたのか、お聞きしたいと思います。それと関連しますけれども、その調査の中で、トップクラスの県がどんな副教材、単元テストをやっておられたのかということも、もし把握されておられましたら教えていただきたいと思います。以上です。

○羽田小中学校教育室長
 最初に文部科学省から今回の全国学力・学習状況調査の結果の所見等が示されたかという御質問だったかと思います。
 小学校国語、小学校算数、中学校国語、それから質問紙調査も含めて、報告書の冊子が届いております。ここには問題が書かれていて、反応率という言葉を使っていますが、幾つかの項目があって、例えば1と回答したものは何%と、何番が正答だよというのがわかりますので、正答したのが何人ということもわかりますし、この問題についての分析等が示されております。これが1点目でございます。

 それから、学力について国と県と考え方の違いがあるかということでございます。
 基本的に学校教育法が改正になったときに、学力とは書かれておりませんけれども、第30条には、「生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない」とあります。人によっては基礎的な知識、技能、それから思考力、判断力、表現力、それから主体的に取り組む意欲や態度を学力の3つの観点として捉えております。県におきましてもそのように捉えており、国と県に学力の考え方の違いがあるかという質問に対しては、同じだと私は捉えております。

 それから、単元テストと全国学力・学習状況調査の傾向が合致しているのかということです。
 いろいろな単元テストがあるわけでございまして、全て私も拝見しているわけではありませんけれども、単元テストの問題は、どちらかというと基礎的な問題とそれを活用した問題が主眼になっているものが多いと思います。その中で、興味関心等が図られるものも入れているテストがあるのかなと捉えております。

 次に、中学校において本県は結果が上回っているが、この子たちの小6のときの結果がどうであったか、あるいはトップの県は常にトップであるのかといった小中学校の関係についてです。
 この調査は、平成19年度から過去6回行われております。平成23年度は中止され、平成22年度、平成24年度は抽出調査でした。したがいまして小6の子が3年後の中3になって受けて、両方とも悉皆調査であったということはないんですね。ことし中3で受けた子たちは、平成22年度のときに抽出では受けています。それをそのまま比較した場合には、今回の中3の国語Aについては、小学校のときは全国平均と比較してマイナス0.8ポイントだったのに対して、今回プラス0.7ポイントなので、そこの差はプラス1.5ポイントとなります。国語Bについて同様に見ますとプラス0.7ポイント、数学Aはプラス2.3ポイント、数学Bはプラス4.0ポイントと伸び率があったと思います。

 それから、上位3県の秋田県、福井県、石川県は小中学校ともによくできていて、やはり上位を占めております。

 後半のほうで御質問のありました、静岡県のように、小学校は余りよくないけれども中学校ではいい県がほかにもございます。岐阜県あたりが同じような感じかなと思います。反対に小学校ではまあいい結果だけれども、中学校になると逆に下位になってしまう県も中には数県ございます。

 それから、なぜ本県は小学校では低いけれども中学校で高いかということですけれども、私どもは課題ばかり、悪いほうばかりに目が向くわけでございます。しかし、いい点を分析してよさを継続して、あるいはさらに伸ばしていくというか、そういった視点を持たないといけないと再確認をいたしました。
 これについては、ただ資料を探っていっても具体的にこうだから中学生になるとよい結果になるという確定的なことを言える材料はございません。
 ただ、いろいろなところで御意見を聞くと、単純に中学校の先生の指導力が高いんじゃないかという声もうかがえます。けれども現在、小中学校の教員の交流も積極的に行っておりますし、授業を参観する限りにおいては、根拠はないかなと思います。
 あるいは、中学では学習塾へ行くようになるから、それがいいのではないかという声もあります。実は全国学力・学習状況調査の中にも調査項目がありまして、本県の中学生は全国よりも5.9ポイント通塾率は高いですが、確定的な材料はないと考えています。

○阿部委員長
 羽田小中学校教育室長、答弁は簡潔明瞭にお願いします。

○羽田小中学校教育室長
 はい、すいません。
 そういった傾向が見られますので、特に根拠は、はっきり申し上げられません。

 それから、市町教育委員会から、あるいは学校から相談がありましたかということですけれども、ありました。もう少し何とかしたいと、力をつけたいけれどもどうでしょうということで、学力向上推進協議会の協議に参加させていただきたいとか、村山先生に御指導いただくことはできませんかとか、そういった相談がございまして、対応しております。

 結果のポイントの中で、家庭と地域との連携に関する御質問がございました。
 毎年度つくっているリーフレットを、本年度は教師用あるいは保護者用別々でなく一体型のものを作成して、教師も保護者も同じものを見て学力向上に向かっていくこととしております。

 今回、よい結果が出た学校の取り組みについてです。
 昨年度は抽出校で実施、ことしは全ての学校ということで、まだきちんとその学校を分析したりということはしてございません。学力向上に向けてすぐれた取り組みをしている教育実践校を見ていく中で、私どものほうも分析しながら市町に声をかけていきたいと思っております。以上です。

○山田社会教育課長
 先ほど小中学校教育室長からお話がありましたが、家庭と地域と協力して行う点について、社会教育課サイドからお答えさせていただきます。
 社会教育課では、先ほど申しましたように家庭教育に関するワークシートをつくっていますが、その中に家庭学習のワークシートもつくろうと考えております。家庭学習というものは、学校での学びを補完し、定着させていくものと考えておりますので、学校教育の延長線であると思っております。
 一方、私たちが所管しております家庭教育支援という面では、子供の基本的な生活習慣、生活能力、信頼感、情操とか生きる力――確かな学力も生きる力ですが――そういった部分を主に家庭で教育していくということです。家庭教育イコール家庭学習とは考えておりませんけれども、学校で学んだことは学校だけで身につくものではありませんので、家庭の中で励ましたり、知的好奇心を育むためにはどうしたらいいか、一緒に学びながら考える機会をつくれたらいいなと思います。
 一方、地域との協力ですけれども、現在、学校支援地域本部事業を推進しております。その中で地域の方――退職教員が主ですけれども――が学校に入って子供のドリルの採点をする事例もございます。全部の学校支援地域本部がそういった活動をしているわけではありませんので、こういった事例もあるということで、今後紹介をしていきたいと考えております。以上です。

○輿水学校教育課長
 幾つか、先ほどの学力の質問に対してお答えさせていただきたいと思います。
 よい取り組みをした実践校の紹介に関して御質問があったと思います。昨年は抽出調査でしたので、この結果について公表するという実施要領に基づきまして、昨年実施した学校が本年度の成績と比べて公表をするということは可能だと考えております。
 今、市町教育委員会にお願いをしておるところでございますが、学力向上に取り組んでいる教育実践校のよい事例ということで、学校の実態をよく知る市町教育委員会から推薦いただき、これを県が一覧にまとめまして公表することを考えております。また、学校規模によって取り組みの実践がわかるようになっておりますので、ホームページ等を活用して問い合わせ、訪問等ができるようにと考えております。

 それから、確かな学力の補充学習についてです。
 外部人材の活用ということで、先ほども答えさせていただきましたが、本県が他県に比べて補充学習等の意識が低いというのは、非常にショックなことと受けとめております。夏休み等も含めまして、教員の補充学習への意識、子供の実態に即した補充学習を考えていかなくてはいけないと考えております。これも10月24日の研修会で周知徹底をできたらと思っております。

 それから単元テストの調査についてですが、全国で約7割の都道府県が、都道府県単独の単元調査を行っております。その活用の状態についてはさまざまですが、県単独で問題を作成しているところもあれば、業者のテストを活用して一斉テストを行っているところ、過去の問題を一斉に実施しているところもあるようです。先進県等へはことしも視察に行くなどして調査していきたいと思っております。以上です。

○池谷委員
 単元テストですけれども、報道によれば1社のみといいますか、ずっとそういうところにお願いをしているということです。単純に考えますと、私も一般質問でも言ったんですけれども、比較をしていかないと、いいものを選べないんじゃないかなと思います。文部科学省の調査が学力だとすれば、学力を上げなければならないですよね。したがいまして、そういう余地があるんでしたら、何社も取り寄せて比較して、文部科学省の傾向を見ながら、テストを変えていくということも検討していかなければならないと思いますけれども、その点につきましてお伺いいたします。

 それで、確認ですけれども、同じ小6で他県で下位から上位に向上した事例を調査されたのかということを聞いたのですけれど、回答いただけましたでしょうか。

○輿水学校教育課長
 先ほど御質問いただきました下位から上位へという代表的なものは、高知県の事例かと思います。視察の検討をしているところでありますので、視察に行った場合の報告はさせていただきたいと思います。その他の事例もあるかと思いますので、できるだけ積極的に情報等集めていきたいと思います。

 それから、単元テストについての御質問ですが、本県では独自の単元テストを実施していないと。今、御質問があったものは、小学校で言うところの1月に実施している静岡教育研究会の定着度調査という名前のテストのことではないかと思います。中学校では、学力調査という名前で校長会が主催して実施しているものです。自主的な単元テストの調査を校長会と静岡教育研究会が行っておりますので、本県のものとは別と考えていただきたいと思います。以上です。

○池谷委員
 学力の話でございますけれども、私も今回の結果を受けて、数校の小学校の校長先生のところへ行って話を聞きました。やはりショックはショックということでした。ただ、うちの学校では学校が好きになる、学校に自主的に楽しく来てくれる生徒をふやすんだと。何でもいい、給食でもいい、サッカーでもいい、友達と遊ぶことでもいい。そういうことが基本の基本であるということを言うんですね。ある学校は1,000人もいる大規模校ですけれども、不登校が1人しかいないと。そういうことも、私は大変重要なことじゃないかなと思います。ですから、学力という範疇に入ってないのかもしれませんけれども、そういうことについて教育委員会の御認識をお伺いしたいと思います。

○輿水学校教育課長
 先ほど小中学校教育室長より話もございましたが、学力の重要な要素は、学校教育法にも規定されておりますように、基礎的な知識及び技能の習得、それから思考力、判断力、表現力、3点目に学習意欲というところだと思います。3番目の学習意欲というところが生涯学習を培う一番重要な部分だと考えております。「魚を与えるよりも釣り方を教えよ」と言いますが、小学校段階から学習の仕方をしっかりと定着させるということが、とても重要だと考えております。また社会教育等も関係がございますが、食育、スポーツなどいろいろな環境がその学力の要素にはかかわってくると思います。
 今求められているのは、よい釣り方を指導してきたがやはり釣れないというところがあって、しっかりと釣り方を覚えた上で、釣れる実感、喜びも伴う確かな学力を深めていきたいと考えております。基礎基本ができて、中学、高校で学力がさらに伸びてくると考えております。貴重な御意見だというふうに受けとめて、感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。

○池谷委員
 次に、静岡県生涯学習審議会の答申について、数点お伺いいたします。
 答申の7ページにコミュニティーときずなについて書いてございます。東日本大震災を見ても、きずなづくり、コミュニティー形成は大変重要なことだと思います。ただ、現在の社会では、地域のコミュニティー活動へ積極的に参加したいという大人の方が、特に若い人ですと少なくなっていると思います。
 地域では文化祭とか運動会をしょっちゅうやっておりますが、一方ではこういうことに参加しないという方々も大勢います。これは大変難しい問題であると考えますけれども、この課題を克服するために、教育振興基本計画を含め、どんな施策を考えられているのか、お伺いします。

 次に答申の9ページでございます。
 シニア世代は50歳以上となっていて――本当はもっと年がいっていると思いますけれど――私もそうですけれども、こういう方々を積極的に社会活動に、参加じゃなくて参画してもらうことが非常に重要であると思います。この世代の皆さんは戦後の混乱期も知っておりますし、その当時の地域コミュニティーがどういうふうにやってきたか知っているわけです。そういうノウハウを下の世代に伝えていっていただくためには、そういう皆様をリーダーとしていろんなところに参画をしてもらうことが重要だと思います。この点につきましても、教育振興基本計画を含め、どのような対応を考えておられるのか、お聞きします。

 次に、答申の19ページのリカレント教育についてでございます。
 有徳の人ということが教育振興基本計画の柱になっているのですけれども、県民の方は有徳の人というと、子供を有徳の人に育てるというふうに思っていると思うんです。私は、我々を含めて静岡県民全て、子供から高齢者までの全ての県民が有徳の人になるということじゃないかと思います。そのための生涯学習社会の構築であると思うわけですけれども、静岡県は健康長寿日本一になりました。食とか気候とかいろいろな要素があってということで分析されていますけれど、大きな要素は、静岡県の方々は生涯学習を一生懸命やられているということもあるんじゃないかなと思います。生涯学習をやれば、前向きな心をつくって趣味などやることによって生きる力といいますか、そういうものを育んでいくと思います。ですからリカレント教育の充実を図るというのはこれもまた重要であると思います。
 そこで、これにつきましても総合計画、教育振興基本計画を含めましてどういうふうに実践を図っていくのか、お伺いいたします。以上です。

○渋谷教育政策課長
 静岡県生涯学習審議会の答申のうち、まずコミュニティーの形成につきましてお答えいたします。 
 答申にございますとおり、県教育委員会といたしましても学校・家庭・地域の連携効果は、今後の教育活動を進めていく上でのキーワードになると考えております。ただ、委員御指摘のとおり、コミュニティーの充実に向けて進んでいるのかというとまだまだ課題も多いですし、知事部局でも自治局を中心といたしまして防災や環境など各分野でコミュニティーの形成を推進しているわけでございます。コミュニティーというのは学校の学区単位だとか地域単位ぐらいでできるのが理想的であり、そうしてできたNPOや地域団体と学校がかかわっていくことは本当に大切なことだと思います。
 ですので、今後策定する総合計画や教育振興基本計画におきましても、この答申を踏まえましてコミュニティーとの連携を形成していく考えでございます。具体的なコミュニティーの形成といいますか連携の仕方につきましては、答申の14ページをごらんください。学校支援地域本部の設置の拡大やコミュニティスクールの導入支援などを通じて、学校を支える地域づくりを推進していくということも答申いただいています。こちらに関しましても、取り組みを行うように計画の中に取り込んでいきたいと考えております。

 続きましてシニア世代の活用についてでございます。
 こちらも答申にございますけれども、団塊世代の周辺の方々の社会活動への参加意識は非常に高く、他人のために役立ちたい気持ちも高いということで、この方たちを教育活動に活用していくことは教育の質の向上にとっては本当にいいことだと考えております。
 こうした方々はNPOや自治会、老人会といった組織で活動したり、ボランティアを始めている方も多くいらっしゃいます。具体的にはキャリア教育とか放課後の学習支援や防災活動などさまざまな学校教育の場面で活用できると考えております。ただ学校がこうした方々を活用するには、つながりやすい仕組みが非常に重要になります。学校とこうした方々をつなげるコーディネーターとかキーパーソンを養成する、連携のネットワークを構築するという答申も20ページ記載のとおりいただいています。これを踏まえまして有効にシニア世代を学校で活用できる手だてについても計画の中にしっかり取り込んでいきたいと考えております。以上でございます。

○山田社会教育課長
 リカレント教育などについてお答えいたします。
 リカレント教育など成人の学習機会の充実を図ることは、御指摘のとおり大変重要なことであると考えております。県では生涯学習に関する事業といたしまして、あすなろ夢講座であるとか静岡県生涯学習推進フォーラムなどを実施しております。また、インターネットによる生涯学習情報をマナビット21で提供して、多くの方に利用していただいております。
 また、しずおか県民カレッジといいまして、NPO、市町の講座を紹介いたしまして、それを何単位でふるさと学士になるとか、300単位取るとふるさと修士になるといった規定を設けながら、大学、市町、民間の講座を受けて、より学びたい、上の段階の修士を取りたいといったような県民の意欲を高めております。
 また、全ての市町で生涯学習の講座を開設しております。公民館やさまざまな社会教育施設で行っておりまして、その講座内容につきましても各市町さまざまでございます。
 それから県のほうで――ちょっと落としてしまいました。申しわけありません――県立中央図書館では、生涯学習に資する一般向け講演会、講座、展示会などを、県立大学や県立美術館等の周辺施設や地域住民、NPO、県立高校などと連携しながら実施しております。以上でございます。

○池谷委員
 1点要望と意見ということになりますけれど、申し上げたいと思います。
 全て組織運営といいますか、コーディネートするのは人なんですよね。ですから、そういう皆さんをいかに育てるかということだと思います。コーディネーター、キーパーソンと、この答申にもいっぱい出てまいります。そういう皆さんは、例えば退職した教員でもいいですし、そういう方々を市町教育委員会の社会教育部門に置くとか、現職の教員の方に入ってもらって勉強してもらうということをやっていく必要があるんじゃないかなと思っておりますので、意見だけ申し上げて質問を終わります。

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