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委員会会議録

質問文書

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平成29年2月定例会総務委員会 質疑・質問
質疑・質問者:岡本 護 議員
質疑・質問日:03/08/2017
会派名:ふじのくに県民クラブ


○岡本委員
 それでは、一問一答方式で危機管理部に2問、出納局に1問お尋ねしたいと思います。
 まず、説明資料の7ページになると思いますが、大規模な広域防災拠点整備事業のうち5400万円に関係して、富士山静岡空港の防災機能の強化として富士山静岡空港の西側に5ヘクタールを整備する内容で出されております。まず5ヘクタールの応援部隊について基盤整備を平成29年、30年の2カ年にわたって行うとしておりますが、どのような機関がどういう目的で利用していくのかをお尋ねしたいと思います。

○杉浦危機政策課長
 この5ヘクタールの利用の中心になるのは応援部隊であり、自衛隊、警察、消防あるいはTEC−FORCEとかライフラインとかいったものの応援部隊がここを利用します。利用の仕方としてはまずここに集結、特に消防とか警察につきましてはまずここに集結し、そこから被災地へ分散いただく方法をとっていただきます。自衛隊につきましては特殊で、ここを後方支援活動拠点として利用し、全県に展開します第1師団の燃料補給、食事の配給準備とかいったものの後方支援活動の拠点としてここを利用していくことになり、中心となるのはやはり自衛隊が使っていただく形になると思っております。

○岡本委員
 今のお話を伺いますと、ちょうど場所的に富士山静岡空港がすぐそばにあるわけですから、そういう意味でまさに十分に機能を発揮できる機会ができますので、これからも整備を間違いなくしていただきたいと思います。
 もう1つ、平成27年度にいわゆる多目的用地の整備を実施していると記憶していますが、これはこの5ヘクタールが完成するときにどうなるのか、あわせて富士山静岡空港の西側用地の整備に関する全体像や全体計画がどういう格好になるのかをお聞かせいただけますか。

○杉浦危機政策課長
 最初に4ヘクタールを整備し、こちらも同じように自衛隊の後方支援活動として訓練でも実際に使用しましたけれども利用してまいります。簡単に言いますと2ヘクタールは第1師団以外の後方支援部隊、第1師団は主に県内全域を大きくカバーする師団でございますけれども、第1師団以外の部隊の後方支援活動として2ヘクタールを使っていただいて、今回整備しています残りの5ヘクタールにつきましては第1師団が中心となって後方支援活動として利用していただく形で、今考えているところでございます。残りの部分につきましては今後空港局と調整しながら、空港局でも民間活力を使っていろいろな利用方法を検討しているところでございますので、そこら辺と調整しながら、うちが使うことはこれで最後になると思いますけれども、空港局で利用の仕方を検討していくと考えております。

○岡本委員
 わかりました。
 ぜひ地震がないことを祈るわけですが、いざこうして発災した場合はここが拠点となって、できたら受け入れ体制も含めて支援体制をとるということです。一方で富士山静岡空港がもっと大きく発展していかないと、いざ何かあったときに空港ではなくて、主に自衛隊の基地になってしまう感覚すら持ちますので、それはそれで意味があるでしょうけれども、富士山静岡空港そのものもあわせて発展することを期待して、とにかく着実にこの計画が進んでいくことをお願いしたいと思います。

 それでは2つ目ですが、新聞記事で大変恐縮ですが、2月14日の新聞記事に出ていました。県のヘリ救助の有料化は埼玉県でしたね。埼玉県で実はヘリで救助する場合に有料化したいという条例を出されたと新聞記事で見ました。以前この委員会で私は市町の救急車とドクターヘリでかかる費用を紹介して、同時に今度は山岳救助などでかかる費用をお聞きしたことがあったと思いますが、ヘリの救助は1回確か260万円ぐらいと記憶しているんですが、とにかくすごい金額だなと思いました。それだけ金がかかるので、命を守ることですから大事なことですが、例えば埼玉県の記事を見たときにどういう印象を持つのか。場合によってはいわゆるルールを逸脱した登山で救助をお願いしてくる、それも同じように本当にそれだけの金で助けなきゃいけませんが、それで本当にいいんだろうかという危惧も一面ではある。しかしそれは山岳だけじゃなくて交通事故だって無理な運転をしてぶつかれば救急車をお願いしたり、ドクターヘリを頼むわけですから、同じかもしれませんが、しかしこういう方法もあることが紹介されていますので、どう見ておられるのかをお尋ねしたいと思います。

○花嶋消防保安課長
 埼玉県の条例改正案に対する考え方についてお答えいたします。
 県の防災ヘリコプターは、消防組織法に基づきまして市町村長の要請に応じてヘリを使って市町村の消防を支援することができる規定に基づいて運航しているところでございます。防災ヘリを山岳遭難救助の場合に有料化するに当たりましては、実際の運用面におきまして幾つか整理すべき課題があります。
 1つ目が、実際に救助を必要とする方が救助要請をちゅうちょしてしまう可能性です。
 2つ目は、防災ヘリを用います山岳遭難以外の水難救助や救急、消火活動、山岳遭難との整理など課題があると認識しているところでございます。
 したがいまして、埼玉県議会にかかっているのを承知しているところでございますが、埼玉県の今後の動向や消防防災ヘリコプターを運用する他の都道府県や政令市の状況を注視し、見守っていきたいと考えているところでございます。

○岡本委員
 この記事によれば、航空法では例えば今言ったようにどういう事情であれ、名目は何であっても料金をいただくというのは有償という判断でかなりいろいろな意見があって難しいとの見方も書いてあるんですね。しかし、また今言った問題もありますが、同時に費用もかかるし、やっぱり無謀なことを避けて抑えるためにはどこかでそういうことも出てくるかもしれない。ですからこれは埼玉県の動向を見きわめる必要もあると思いますが、また独自にそういうこともぜひ議論並びに検討していただきたいと思うんですね。市町のいわゆる救急車だって有料化すべきじゃないかという意見、タクシーがわりに使うなとかいろいろな意見もあったりしますし、先ほど言いました県に2機あるドクターヘリも実績で1回45万円程度がかかっていると認識していますので、そういうのも含めて個人がすぐ頼んで来てもらうってことじゃないにしても、そういうことも考えるとやはり極力無理させない、しないという予防にもつながると思いますので、実施できるかどうかはもちろんいろいろ課題があるかもしれませんが、ぜひ検討していただきたいと申し上げて終わりたいと思います。

 次に、出納局にお尋ねしたいと思います。
 まず1つは、県が発注しているいわゆる公印、知事の印を初めとする印鑑の発注をそれぞれしていますが、公印の発注についてはどのような仕様だとか条件を持って発注されているのかをお尋ねしたいと思います。

○田嶋出納局用度課長
 公印の発注の仕様と条件についてお答えいたします。
 公印につきましては、仕様の中でツゲ材を指定しております。もう1つ条件といたしまして原料である原木が合法的に伐採されたものかどうか確認する必要がございますので、原木の生産業者から流通業者を経て、県から発注した業者に届くまでを説明できる証明書を添付していただくよう業者にお願いしているところでございます。

○岡本委員
 そうしましたら、納品されている今までのものは間違いなく要件を満たしていると理解していいんでしょうか。

○田嶋出納局用度課長
 現在までのところ、当課で発注した中では全て先ほど御説明しました証明書が添付されておりまして内容を確認したところでございます。

○岡本委員
 そういうこととは思いますが、実はこの業界の一部の人から、現実に原産地の証明書等が本当かどうか疑わしいとの指摘があって、用度課に真相、内容を調査してほしいと依頼がされたと認識しています。それに対する用度課は要望や調査依頼に対して文書で回答しており、その内容についてお聞かせいただけますか。

○田嶋出納局用度課長
 9番委員御質問のとおり、ある業者から証明書について疑いがあるんじゃないかとお話がございました。それにつきまして当課といたしましては、発注した業者に対して証明書がたしかであるか確認しました。さらにその県が発注した業者に納めている流通業者に対しても正しいものであるか、正当なものであるかを確認しております。さらに県が発注した業者に納めた業者にまた納めた原料を供給した業者に対しまして直接ではありませんけれども調べたところ、環境庁も加盟しているグリーン購入のネットワークの登録業者との確認も得ており、当課としては調査したと回答させていただいております。

○岡本委員
 そのように回答されているとのことですが、その中の1つとして例えば証明書はいずれも国産材の鹿児島のものだと、アカネの場合は海外から買ってくることが多いと。今いろいろな証明書を見ていくと、こういう内容で業者から書かれてくるとのことですが、宛名も日付もないと。空欄があるのでその空欄に書き加えて返答もしているみたいなんですね。そういう意味では非常に心配なので、これが絶対的にだめだとは言い切れませんが、業界のやり方として心配な向きがありますので、ここはこれから指導していただかないといかんじゃないかなと思っています。
 先ほどお話がありましたようにツゲでの指定ですが、現実にツゲに似たアカネ材を使って今印鑑が彫られている。材料費は全然もうコストが違うんだそうですね。アカネは今言ったように生息する場所もツゲとは全然種類が違うわけで、ツゲは日本の場合に鹿児島が主な産地だと思いますが、アカネの場合は海外から買ってくることが多い。今言ったようにいろいろ見ていくと、アカネはシャムツゲといってタイから入ってくることが多い。ところがタイにはツゲというか、シャムツゲと言っていますが今はそう言わないんだそうで、アカネですが、タイにはツゲというもの――本ツゲやツゲは生息してないんだそうです。それでアカネがそこに生息していると。したがってタイからアカネを仕入れてくることは可能ですが、しかし今このアカネの伐採は禁じられているんだそうですね。ですから向こうからとって持ってくることは、もろもろの今までの例で洪水等を招いているので伐採はいけないことになっているので入ってくること自体も、タイ材はずっと昔のものを持っていれば別ですが、かなり困難なことになることもありますので、一概にこれでどっちがいい悪いというのはなかなか言いにくいかもしれませんが、やはり業界の体質もあると思いますので、やっぱりいいものをしっかり本物を使っていくように業界の指導もしてほしいと思うんですね。この業界の皆さん方は今言った組合に入っている人たちと、入ってない人たちがいるので、必ずしもこちらから見るとしっくりいっているようには思えませんので、課題も実はあるんじゃないかと思っているし、もう1つは小中学校を中心に業界としては児童活動として就労支援活動を印鑑を含めてやっているんだそうですね。まさに日本文化の印鑑の技術なり文化を彼らはずっと伝承していることからすると、本当のものをしっかりと教えてほしい。こういう気持ちも強く持っていると思いますので、業界の指導にぜひ積極的に当たって、これからずっと支障のないよう印鑑をつくってほしいと思います。
 もう1つ印鑑で、私も不勉強でしたけれども、公印は同じものを何年かたつと定期的に印鑑を注文されていると思いますが、同じものをつくっちゃいけないんだそうですね。例えば知事の印鑑は、今使ってるものと何年か後にまた発注するときに、微妙にそこは彫りを変えてあるんだそうです。つまりいつからいつまでこの印鑑が使われたかが全部証明できるようになっているんだそうです。つくった側はそれを全部持っているんだそうですね。したがって印鑑を見たときに本物の印鑑かどうか、いつの印鑑かは印鑑の形状を見れば、同じ知事の印鑑であってもどこか場所が変えられていると、いつつくったものか全部わかるんだそうですので、印鑑がどんどんなくなる時代だと言いながらも、まだまだ大切なこの日本の風習、文化だと思いますので、しっかり本物を伝承していくようにぜひ御指導なり研究をいただきたいと思います。以上で終わります。

 引き続いていいですか。
 では、質問はこのぐらいにしまして、今から少し発言したいと思いますが、まず1つは、きょうでこの議会、委員会がもう最後だという方々がいらっしゃいますので、まず出納局では岩城徹雄出納局長及び氏原慎介出納局次長兼会計管理課長が、そしてまた人事委員会事務局では萩原綾子人事委員会事務局長が、監査委員事務局では塩澤巌監査課長が本年度をもって退職されるとお聞きいたしております。この4名の皆さんには本当にいろいろと御活躍いただきましたことを改めて御礼申し上げたいと思います。感謝を申し上げると同時に、退職に当たりまして今日までそれぞれ長い間御活躍いただきましたので、経験を語っていただきながら、また後輩の皆さん方に我々にぜひこれからの参考になることをこの場でいろいろと、いろいろといってもたくさん時間はないかもしれませんが、お聞かせいただければと思います。

○岩城出納局長
 発言の機会を与えていただきましてありがとうございます。また過分なお言葉をいただきまして重ねて御礼申し上げます。長い経歴の間、県議会の議員の皆様方には大変な御指導をいただきまして、本当に感謝にたえないところであります。
 昭和54年に県に採用になりまして、どちらかというと経済産業部あるいは観光という、静岡県を外に売る仕事が長かったわけですが、県職の生活最後の年に出納局の仕事ができたことは非常にありがたいと思っております。その理由は2つございまして出納局で県政全般を俯瞰して見ることができたこと、もう1つは公務員の仕事、役所の仕事の基本である財務会計システム、財務会計についてこれをもう一度しっかり勉強できたことの2つがここへ来てよかったと感じているところです。
 この委員会でもさまざまな、たくさん御議論をいただいております財務会計の適正な執行につきましては、これ実は非常に重要な仕事であるとともに、大変な仕事であると思います。といいますのもミスが1つもない状況が当たり前と。その当たり前のことをやるのには日々の仕事、当たり前の仕事を当たり前のようにこなすことが非常に重要で、だからこそ大変な仕事であると日々感じております。これは出納局の職員だけではなく、知事部局の他の職員、教育委員会、警察本部、全ての職員がこのような意識を持って仕事をしていかなければならないものであります。
これは本会議の答弁でもお答えさせていただきましたけれど、ミスのない財務会計を行うには組織的なチェックと職員の知識不足の解消だということを私から申し上げました。特に知識不足の解消については情報共有、実態に即したマニュアル、相談体制の整備を今後やっていく必要があるということで、なお一層職員が利用しやすく理解が深まる内容に改善することを御答弁申し上げました。
このためには、具体的な方策についてはこれから出納局の中で考えていくことではありますけれど、今9番委員がおっしゃられた後輩に与える言葉でありますれば、私の考えでは常日ごろのコミュニケーションが大事であるなと考えております。例えば支出負担行為伺、支出票、旅費の請求、あるいは物品の請求であるとかいう日々の書類の中、各部局の職員と出納局の職員がコミュニケーションをよくし、例えば不備な書類の補正を指導する中で、例えばもう1分、2分時間をとってここを直さないままでいくとこういう重大事故につながる事例、あるいはほかの部局ではこういう事例があって、それをこうしたためにこうなったという具体的事例に即して、出納局の職員が直接各部の職員に面と面、顔と顔を合わせて直接コミュニケーションをとることが、より一層の注意喚起につながるのではないかと考えております。非常に日々、仕事が忙しい中で1分、2分の時間をとるのも惜しいとは思いますけれど、それがやがてミスの少ない財務会計の適正な執行につながると思っております。
 もうしばらく退職まで時間がありますので、今ここで申し上げたことを局内の会議、あるいは送別会にも呼んでいただけるということですから、職員にそういう話をして、これからもなお一層ミスのない財務会計が行われるようお願いしてまいりたいと思いますので、ぜひ県議会の皆様方にも今以上に御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 本当に長い間ありがとうございました。お世話になりました。(拍手)

○氏原出納局次長兼会計管理課長
 発言の場をいただきましてありがとうございます。私もいろいろなところを回ってきましたけれども、最後が出納局ということで、出納局での在職中のことについてお話ししたいと思います。
 私は、出納局といいましても、用度課と会計管理課を出たり入ったりで4回目になります。出納局で13年間世話になりました。私が出納局にいますと、割と出納局は余りもめごとがなく通常であれば問題はないところですが、私が来ますといつも何か問題が起こるということで非常に相性がいいのか悪いのかよくわかりませんけれども、最初に来たときに平成4年まで在職中にあったんですけれども、公金詐取事件が発生して県警が来て会計書類の押収の立ち会いをいたしました。それで出まして、その後平成16年にまた今度は会計管理課に総務主幹で来たときに、簿外郵券とかがありまして、会計とは関係がなかったんですが、職員がダフ屋事件の容疑で逮捕されるとか非常にいろいろなことがありました。最近では平成22年に用度課長で来たときには、会計検査院が全国38県を回りまして、不適正な経理処理が発生しているということで預け金、一括払い、差しかえ、年度内納入をやらなかったとか誤対応について調査するようにということで、全庁調査を行いまして、再発防止策を策定いたしました。
そのとき感じたのは、やっぱり職員は、公金を横領するとかっていうことじゃなくて、通常業務の中で適正な規則にのっとった会計処理をしていないことは認識していながらも、必要悪というか煩雑な規則どおりできないっていうことで、より事業を優先するために物品を、手続を踏まずに購入してしまった事例が多かったように覚えております。これも実際、改正というか対応策といたしまして、やはり現場の事務処理と規則がマッチングしていない、合っていないところがありまして、そういう面を現場の声も聞きながら、ある程度その現場に合った適正な処理ができるように規則を変えたこともあります。職場風土として割と緩やかだったのかということもあろうかとは思いますけれども、今岩城出納局長が言われましたように不適正経理をなくすにはやはりその職場風土を変えていく必要があるということで職員とのコミュニケーション、情報共有等をして、風通しのよい職場づくりが必要と考えております。
 それともう1点は、昨年からの資金運用の関係ですが、マイナス金利政策でいろいろ資金運用ができるように努力してきたつもりですが、預託側の入札辞退とかいう状況が多々つきまして、思うように運用益が上がらなかったのが心残りでございます。
 以上でございますけれども、長い間ありがとうございました。(拍手)

○萩原人事委員会事務局長
 発言の機会をいただきまして本当にありがとうございます。先ほど9番委員から過分なお言葉を頂戴いたしまして、改めまして心より感謝申し上げます。
 県に入りましてこれまでの間、県議会の先生方から厳しくも心温かな御指導をいただくとともに、よき上司、同僚、後輩に恵まれまして、何とか県職員としての職責を果たすことができたと思っております。私のような凡庸な輩をここまで教育してくださり、また仕事の機会を与えてくださいました静岡県そして県民の皆様に深く感謝している次第でございます。
 振り返ってみますと、私は県に入ってから数多くの新規事業に携わらせていただきました。具体的に言いますと総合病院の立ち上げであったり、行政改革であったり、ユニバーサルデザイン、また富士山こどもの国立ち上げなどさまざまなことを経験させていただきました。その中で多くの県民の皆様とお話する機会もいただきました。これまでの経験の中で、私が特に県の職員として仕事をやってきてよかったなと強く印象に残ったことを2点ほどお話させていただきたいと思います。
 私が、最初に勤務したのは県立こども病院でございました。初めて担当したレセプトデータをコンピューターで処理しなければならない業務でございました。実は周りの皆さんが男性ばっかりだったものですから、私1人が失敗を繰り返しまして落ち込む日々が続いておりました。そのような中、窓口業務を担当していたときのことであります。お子様の顔がわからないようにタオルで包み、人目を気にするかのように帽子を深くかぶって来院したお母様がいらっしゃいました。そのお母様の様子がとても私自身気になっておりました。お子様の受診が終わりまして会計手続に来たときのことであります。私たち職員に対しまして、こども病院をつくっていただきどうもありがとうございました。数多くの病院に診てもらいましたけれども、どの病院からも治療方法はないと言われ途方に暮れておりました。でもこの病院ができたおかげで私と我が子の命は救われました。あしたからまた頑張って生きていきますと涙声で話し、笑顔で帰っていかれました。このとき県だからこそ高度な技術力や専門的な能力を最大限に生かし、生まれてきた大切な命を救うことができるんだと改めて痛感いたしまして、私も県民の皆様のために微力ながらもお役に立ちたいとみずからを奮い立たせた次第であります。
 2つ目は、それから30年ほどたちましたこども未来局長時代のことであります。児童養護施設や里親のもとで暮らしている子供たちにも大学などで学ぶチャンスを提供できればと考えまして、県独自の就学支援事業を全国で初めて創設いたしました。実施に当たりましては全県一体で行いたいと思いまして、政令市に何度も何度も足を運び、何とか財政負担についても協力を得ることができました。平成27年度にスタートしたときの支援者はたった1人でしたけれども、平成29年度には14名にもなったと聞いております。また国でも本県の事業を参考にいたしまして制度化し、平成29年度からスタートすると伺っており、とてもうれしく思っております。施設職員の皆様から、子供たちが将来の夢や目標を実現するために大学に行きたいと話をするようになりました、静岡県で生まれたことを誇りに思って、立派な社会人になると思いますとの喜びの声を聞かせていただいたときは本当にうれしく、公務員という職業を選び、県の仕事を続けてよかったなと心から思っている次第であります。
県庁にとって職員は最大の財産であります。人事委員会事務局は人が主役の機関であります。静岡県を支える県職員を主役に一人一人が活躍できる環境をつくっていくのが人事委員会の役割の1つであると思います。定年の年にこの仕事につけたのは本当にありがたく思っております。
 これから、人口減少時代に突入してまいります。後輩の皆様については県民の皆様の痛みを感じられる職員になっていただきたいと思っております。私たちも地域で生きる一員であります。ぜひ県民の皆様とともに地域の問題を語り合い、考え、解決していただければ、誰もが暮らしやすい静岡県になっていくと思います。
 最後になりましたけれども、県議会の先生方には御指導、御鞭撻をいただきまして本当にありがとうございました。改めて心より感謝申し上げます。そして私を導いてくださいました先輩方、上司の方々、また私に従いサポートしてくれた皆様に心より感謝申し上げます。静岡県のさらなる発展と皆様の御活躍、御健康をお祈りいたしております。本当にありがとうございました。(拍手)

○塩澤監査委員事務局監査課長
 発言の場をいただきまして、また9番委員から身に余るお言葉をいただきましてありがとうございます。昭和54年4月からこれまでの38年間、県職員として勤めることができましたのも、県議会の皆様方、職場の上司、先輩、後輩に恵まれ支えていただきましたおかげであります。
 これまでを振り返って感じますことは、パソコンの普及で仕事の進め方が随分と変わったことであります。38年前、新規採用職員として総務部市町村課に籍を置きました。自分を含めて4名の税制スタッフでした。市町村役場の税務担当課から電話で地方税に関する問い合わせがきますと、まずは法令集、通達集、解説書、行政実例の本を調べて、あれこれ自分なりの回答文を考え、先輩に相談し、上司の決裁を得て質問者に電話で回答することが主な仕事でした。法令集と通達集を常に自分の手元に置いて、次に同じ質問が来たときはさっと答えられるように重要な箇所に線を引いておく、そうした毎日でした。また自分の隣の席は交付税の担当でそのお手伝いをすることもありました。B4サイズの縦の用紙に県内75市町村のデータを手書きで転記して、それに補正係数を掛けて電卓をたたいて集計する作業でしたが、なかなか大変な作業であったことが思い出されます。
その後ワードプロセッサーが普及してくると、文字を手で書くことが少なくなり、やがて1人に1台のパソコンが配備されるようになり、現在では職場でパソコンなしでは仕事ができない状態となりました。法令制度の解説、事例や判例は、一々書籍をひもとかなくてもインターネットを通じて最新のものを瞬時に知ることができ、人と話し合ったり相談したりすることもなく、ダイレクトに回り道せずに答えを簡単に手にすることができます。そして回答をメールで送信すれば、質問してきた相手方と言葉を交わすことすらなく仕事が完結してしまう時代となりました。便利で効率的になったかもしれませんが、どこか寂しい気がいたします。この先どうなっていくか少し不安に思います。人のぬくもりを感ずることのできない時代がすぐそこまで来ているとおっしゃる方もおります。
行政の仕事は住民を支える仕事です。孤独の中に人を取り残したり、置き去りにすることのない社会、人のぬくもりを感じながら皆が生き生きと暮らす静岡県であり続けてほしいと思います。退職した後も自分ができる範囲でそのお手伝いをしていきたいと思います。
 皆様方には大変お世話になりました。まことにありがとうございました。(拍手)

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