委員会会議録

質問文書

平成19年９月定例会企画空港委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	髙田　泰久議員
	質疑・質問日：	10/04/2007
	会派名：	平成２１

○髙田（泰）委員
　10番髙田でございますけども、私からは県のエネルギー政策についてちょっと質問をしたいと思います。
　本県はものづくり県ということですから、エネルギー政策というのは県としても重要な政策だというふうに感じていますけど、これを所轄する企画部の中でこのエネルギー政策についてはきょうの説明の中でも余り出てこないわけです。
　先般の７月16日の新潟県中越沖地震では東電の柏崎刈羽原子力発電所でも地震の被害を受けて、全機の原発が停止をしたと。
　一方、この夏は過去にない暑さ、これも地球温暖化の一環と言われておりますけども、非常に記録的な高い温度ということで、８月22日に最大電力6147万キロワットを記録したと聞いています。
　このため、東電は他の電力会社から電力を融通してもらったり、あるいは電力需要の抑制をしたりといろんな取り組みで何とかこの6400万キロワットの供給力を確保して、この夏を乗り切ったわけです。
　片や、今環境問題、地球温暖化ということで供給増加対策ということについても議論されておりますけども、火力発電所をフル運転することによって国の見通しではＣＯ₂はこの一、二年はかなり増加してしまうという側面的な課題も発生してしまったという状況にあります。
　そういう中で、ものづくり県の本県が抱える非常に重要な状況、もし今度本県の中で地震が来たときに、この原発だけにすべての電力供給を頼っていていいのかどうかっていうことも当然出てくると思います。その中で新エネルギーの取り組みは重要な課題ではないのかなというふうに思います。
　新エネルギーについては今年度環境局の方に所管を移したということもあるわけですけども、本県としてのエネルギー政策のあるべき姿というものについてできれば部長に考え方を伺いたいと思います。

○山村企画部長
　県としてのエネルギー政策もしくはエネルギー政策の考え方という御質問でありますけれども、今現状、組織も変わりまして、エネルギー政策のかなりの部分が環境局の方へ移りました。
　今企画部にあるのが、原発関係の交付金等をメーンとする業務が残っているだけなんですね。ですから、本来県が背負うべきエネルギー政策全体の仕事が環境局へ移ったとこういうふうに言って構わないと思います。
　なぜ移ったかと言いますと、要は大きなエネルギー政策というのは、まさにこれは国の政策であるというふうに思っております。
　例えば先ほど新潟県の例が出ましたけれども、発電はあそこでやっておりますけども、あそこで発生した電力というのは関東一円で使っているわけですね。そうしますと、１県だけでエネルギー云々というのは、なかなか難しいんではなかろうかなと、そういうふうに考えてくると、都道府県がやるべきエネルギー政策というのは、やはり例えば環境の問題であるとか、いろんな実践の分野に移ってきているのではなかろうかなと、こんなふうに考えています。
　そうしますと、当然化石燃料から自然エネルギーへの転換というのが大きく言われておりますし、温暖化の問題でＣＯ₂削減ということもありますので、そうすると、県、それから市町が旗を振る仕事というのは、実際にそういうものを使っている企業なり、それぞれの生活の中でできるだけそういうものを減らしていくような運動をするとか、また新しい自然エネルギーに変えていくとかいうようなかなり個別具体的な事業が後に残ってくるのではなかろうかなと。
　そうすると、それは何も企画部にある必要はないのであって、県とすればかなりの部分で実践を担っている環境局へその部分を持って行ったんではないかなというふうに私は考えております。
　したがって、県にエネルギー政策が全く必要ないとは思っておりませんけれども、私から見るとやはり基幹のエネルギーというのはやはり国の政策であると。それを都道府県単位に落とすとすれば、今言ったようなそれぞれ使い方の問題、それからエネルギー発生源をどうするか、こういうような個別の問題にシフトしてくるのではないかなということで、その部分についてこれから静岡県とすれば力を入れていく必要もあるだろうし、それが県としてのエネルギー政策と言えばエネルギー政策なのかなというふうに、こんなふうに私自身思っています。

○髙田（泰）委員
　ありがとうございます。
　そういう個別の政策、これは言いかえればエネルギー政策と地球温暖化のためのＣＯ₂削減の個々の取り組みっていうのが裏腹、裏腹っていうよりもイコールのところがあるから、それは担当部局の方にシフトしていくよと。それ自体が県としてのエネルギー政策の考え方だよっていうことでよくわかりました。
　したがって、企画部の方としてはやはりそういう観点に立って、横の横断的な形の中でぜひその県としてのあるべき姿っていうものを、政策がばらばらになってもよくないと思いますので、それを取りまとめるということでお願いをしたいと思います。
　その中で、今言われた新エネルギーっていうことについて、ちょっと質問したいと思うんですけども。
　風力とか太陽光とか燃料電池とか、午前中も９番委員等から静岡空港のアクセスバスの関係等々で燃料電池バスの話も出ましたけども、なかなか今の時期に開発が思うようにいってないよっていうふうな御答弁もありました。
　しかし、民間に任せるっていうことでなくて、燃料電池一つについても県としてその技術開発っていうものに、やっぱりバックアップをしていくような施策をとるべきではないのかなというふうなことを感じます。
　原発っていうものが国策っていうことであるならば、やっぱりそういう新エネルギーの個々のことについては県が独自に技術的にもバックアップをしていくような体制づくりっていうものが必要だと思うんです。
　環境対策としては導入率５％っていうものをこのしずおか新エネルギー等導入戦略プランっていうもので挙げていますけれども、この５％っていうのが、そういう面からすると、何か目標が甘いような感じがします。
　技術的な導入策も含めてこの目標値っていうものをエネルギー政策面っていうことからしてどう考えるのか、その新エネルギーの観点から伺いたいと思いますけどもいかがでしょう。

○柴田企画監（地域政策担当）
　10番委員御指摘のとおり、私どもの県の方でしずおか新エネルギー等導入戦略プランというものを策定し、2010年度の目標値を５％というふうにいたしました。
　実は、エネルギー政策全体が国の方の大きな戦略だということで、基幹エネルギーの確保も含めて重要な役割を国の方が担っていますけれども、新エネルギーについての方針的な部分も大きくは国の方から出ているものもありまして、国で2030年度までの新エネルギー導入目標を示しており、一次エネルギー総供給量に対しまして10％程度というような形になっております。
　それで、私どもの県では2010年で５％以上という目標になっていますけども、国の方では2010年で３％程度ということになっていまして、入れ込んでいるものに若干違いがありますので比較は難しい部分があるんですけれども、ただ県として国の目標値を踏まえてやっているということでございます。
　実際、18年度の時点でその達成率が3.9％ということになっておりまして、ある意味補完的なエネルギーということをおっしゃられてもしようがないかなという部分もありますが、まだまだ伸ばしていかなきゃいけないということで、５％まで即達成できるのか、かなり高いハードルでもあるのかなというようなこともあります。
　そういった意味で個々の目標を着々と達成していくということが課題ではないかと考え、先ほど部長からも申しましたようにプランをつくるときは企画部でつくりましたが、実施に当たっては県民部の方で省エネルギー対策等をやるということで、企業等へのＰＲ、啓発等もしっかりやり、働きかけがきちんとできるようにしていきたいということです。
　それから燃料電池のことにつきましては、ちょっと所管外のことではありますけれども、燃料電池車についてはなかなか難しい部分もありまして、そういうことで企業の開発というものについて一層の努力をお願いしていきたいというようなところでございます。

○高田（泰）委員
　余り具体的な回答じゃなかったけれども、所管が移ってしまったということもあって、やむを得ないかと思いますけれども、やはり県の政策の一番頭となるところの企画部ですので、エネルギー政策的な観点から、やっぱり新エネルギーの導入目標達成、あるいはこの目標自体ももっと全国の先ほどトップランナーっていうふうな言い方を９番委員がしていましたけれども、まさに環境を求めるトップランナーの県であるということで推進をしていただきたいと思います。
　ちょっと各論に触れて、いろいろエコ空港のことで質問も出ましたので、私からも５月に環境配慮契約法という法律が国会で成立して、この11月から施行されるということで、じゃあ、具体的に何をどうするかっていうことを議論されています。
　これは国、省庁だとかあるいは独立行政法人等が率先をして、その環境対策あるいは電力の購入等々をどうするか、環境配慮をどうするかっていうのを義務づけるための法律ということであって、国がどういうふうに具体的にやっていくかということが今議論がされていますけれども、地方自治体では国からの率先導入に対する支援事業ということで、本県でも公用車のアイドリングストップだとか、あるいはＢＤＦの使用だとか、今度はこの庁舎に太陽光発電のパネルをつけたり、屋上緑化をするとかというような取り組みをしておりますけども、富士山静岡空港もまさに県が運用する第三種空港ですから、先ほど岩崎理事の方から空港設置までの造成工事のためにあの自然を崩さない、破壊しない形で自然を配慮した工事をやってきた、それももっとこれからは生かすと。
　さらに御質問があったこれからの運用についてもエコ空港を目指して、部局横断的にいろんな意見をまとめて推進するよっていうふうな報告をいただきましたので、非常に心強いなというふうに受けとめましたけれども、その横断的な意見、あるいは検討をどこでやるのか。これは環境局なのか、企画部の方なのか、空港部なのか、その辺はどこで具体化をするのか。
　エコ空港化を目指したこれからの検討はどこが中心になってやるのかということをちょっとお聞きしたい。

○岩﨑企画部理事（政策調整担当）
　いわゆるその静岡空港をめぐる環境対策につきましては、現在のところは空港部を中心にして取りまとめてございます。
　供用開始後のその例えば環境対策とかいわゆる新たなエコ対策とかこれにつきましては、現在それぞれの所管がいわゆる開港後をにらみながら取り組んでおります。これにつきましても現在のところは総取りまとめとしましては、空港部の方で所管をしてございます。
　ただエコにつきましてもいろんな形がございまして、例えば木材を使うエコとか、例えば今お話がございましたいわゆる装置にした環境への負荷だとか、ほかのビルディングでやっていますけど屋上のいわゆる装置化とかいう形での緑化とかいろんな形で現在各部局それぞれ取り組んでございます。
　空港につきましてもそういうもろもろの対策につきましては、各部局がそれぞれアイデアを出しながら恐らく取り組んでいただいているというふうに私どもは受けとめています。

○高田（泰）委員
　ありがとうございます。
　やはりばらばらな検討の場だとなかなか一本にまとまらない、あるいは本来あるべき姿に意見や考え方がまとまらないということもあろうかと思います。
　その一方で富士山静岡空港については、社会と共存する空港ということで、開発する段階から運用する段階、騒音の問題も含めていろんな角度から社会あるいは地域との共存っていうことが必要だと思うので、多方面からその環境の問題も検討する協議会的なものが必要だと思います。
　そういうものをぜひ設置をしていただき、いろんな意見を集約できるような場っていうものをぜひつくっていただきたいと。
　これは要望なんですけれども、ということを意見として終わりたいと思います。

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