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委員会会議録

質問文書

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令和6年2月定例会建設委員会 質疑・質問
質疑・質問者:藤曲 敬宏 議員
質疑・質問日:03/08/2024
会派名:自民改革会議


○藤曲委員
 分割質問方式で質問させていただきます。
 まず最初に、2月議会に提出された逢初川土石流災害に係る再検証の報告書に関してお伺いします。
 令和4年度に逢初川土石流災害検証・被災者支援特別委員会が設置され、阿部委員長と私の2人が参加いたしました。県が行った検証結果についてもう少し深掘りする検証が必要ではないかとの提言に対して、約8か月ぐらいかけて今年度報告書が出ました。本当に膨大な資料ですし、交通基盤部でも大勢の方々が過去の記憶を思い出しながら調査に御協力頂いたことに感謝申し上げます。
 特別委員会の提言では、崩落した源頭部の上の部分の宅地開発は直接的な崩落の原因ではないとして触れられていなかったことについて、報告書の都市計画法の項目では宅地開発に係る検証に対していろいろなやり取りが上がっていました。私たちが知らなかった情報があった一方、2003年の開発行為ですので、全ての資料が残っていないため検証が非常に難しかったことがありました。
 今回お伺いしたいのは、都市計画法の違反があったと言われている源頭部の上の宅地開発です。2003年頃には無許可の開発が行われていた記録が残っています。開発行為により2007年、2009年に漁師の方々から逢初川に土砂が流れ込み伊豆山港まで濁っているのでちゃんと調べてほしいと苦情が出ましたが、2007年はよく分からない、2009年は開発行為があり砂防指定地への追加指定の検討する必要があったのではないかとされているのですが、2003年から無許可の宅地開発で源頭部のすぐ横の部分を切土して土砂を源頭部に捨てた開発行為に関しては砂防法の検証がないんですね。そこについては今回検証の余地があったと思うのですが、検証がなかった理由をお聞かせください。

○杉本参事兼砂防課長
 1番委員がおっしゃった2003年当時の職員への聞き取り調査では、逢初川流域における治水砂防上悪影響が顕在していた事実確認はできませんでしたので、報告書では事実確認ができた2009年のみ追加指定の検討余地があったと表記しております。2003年当時に砂防部局にも無許可開発の情報が的確に入っていれば、追加指定の可能性があったと認識しております。

○藤曲委員
 分かりました。
 2007年当時も開発行為の情報共有はできなかったとありますので、2003年も同じだったと思います。
 2003年当時は熱海市へ権限移譲がされておらず、まだ県が宅地開発をやっていた時期でした。最初の砂防法の区域指定をしたときには何もなかったところが動き出している状況ですので、横連携で情報を確認していたら、開発行為が行われ砂防指定の面指定を見直す議論のチャンスが2007年と2003年だったと思うのですが、そのやり取りがなかったことは非常に残念だったと思いました。

 引き続いて、報告書28ページに逢初川の区域指定に関わる砂防法の指定基準がありますが、逢初川の指定基準は、「土石流危険渓流等に土石流の発生のおそれのある区域または土石流の氾濫に対処するため砂防設備の設置が必要と認められる区域」として基準4に該当となっているのですが、1から7までの基準を見ると、基準6は「開発が行われまたは予想される区域でその土地の形質を変更した場合、渓流等への土砂流出等により、治水上砂防に著しい影響を及ぼすおそれのある区域」にも該当すると思います。逢初川は、基準4に該当と太字になっているだけで基準6は該当していないのですけれども、本来これは解釈的には基準6も当てはまるのではないかと思うのですが、その点についてお聞かせください。

○杉本参事兼砂防課長
 指定基準につきましては、まず治水上砂防の必要性が認められることが前提になります。この指定基準の表の一番上に土砂等の生産、流送、堆積により渓流、河川もしくはその流域に著しい被害を及ぼす区域と記載がありますように、治水上砂防の観点での必要性がまずあった上で、この1から7のどの指定基準に当てはまるかになります。
 平成10年、11年の指定当時の逢初川の渓流部分は、荒廃しているものの上流域は管理された森林地帯があったことから、この時点では開発の見込みがあったとはいえず、基準6の適用にならない認識でございます。

○藤曲委員
 分かりました。
 当時開発は行われていなかったのですが、区域指定の相談を地権者から断られていたことがあったと思います。地権者は地元の人ではなく、将来的に開発行為を行い売却する意図があったから面指定の同意が取れなかったのではないかと思います。熱海市は御存じのように山の上まで宅地開発して別荘地を造っているので、ここも将来的に宅地開発が行われ、位置的には危険だとイメージすると面指定ができたのではないかと思います。
 今回の検証にもありましたが、当時の予測や周辺のいろんな情報を集める必要があったと改めて思いました。これは意見とさせていただきます。

 何回かあった国からの通達についてもう一度確認します。
 砂防指定地に係る国の通達については報告書30ページに記載されていますが、1995年に面指定するようにとあり、そして1998年の国の砂防指定地進達ヒアリングにおいて流域全体を面指定するよう再検討を求められるとあります。再検証の中だけでも4回にわたって面指定も含めた指定の必要があると国から通達があったんですね。それに対して、報告書32ページに流域全域を砂防指定地として指定する緊急性は比較的小さいと考え見送っています。
 当時の担当職員への聞き取り結果で、公文書に早急に指定地に編入する必要がある、しかし前述のとおり流域全体の指定は困難という手書きのメモが記載されていたとあり、これについての聞き取り結果が、このメモ書きについて記憶がなかったとあります。要は書いた人が覚えていないという聞き取り結果なんですね。
 その後、荒廃した渓流への砂防堰堤整備を進捗させるための流域全体の指定に時間を要するため、面指定ではなく、まずは砂防堰堤を造ることを優先したという記憶はちゃんと残っている一方で、流域指定は早急に指定地に編入する必要があるとのメモは記憶がないで終わっている。何で記憶になかったのか、本当にそうなのか。そのままスルーしたことに関して検証がなく、砂防当局として、早急に指定地に編入する必要があることが深掘りされていないと思いませんか。

○杉本参事兼砂防課長
 担当職員の聞き取り調査により、全ての流域指定に時間をかけるよりは荒廃した渓流へ速やかに砂防堰堤を整備し地域の安全を確保することを重視したと確認しておりますので、流域全体を指定するよりも、砂防堰堤の整備を優先するために今回買収するエリア付近周辺を指定したと考えます。

○藤曲委員
 分かりました。
 そうであるならば、まずは砂防堰堤を造ることは分かります。ただ面指定を追加するなり、広げる意識が皆さんにないのはおかしいと思います。面指定ができないならば、砂防堰堤の整備率70%を100%にしなければいけない。問題は砂防指定地等監視員が開発行為をしていたエリアを巡回していないんですね。将来的に面指定を考えているならこの上の部分を見なさいと指示があったはずだと思うのですが、エリアでなく区域指定ではないから見ていないと言われているんです。
 今回検証で横連携の重要性がすごく言われています。情報共有ができなかったのが問題だった。それは県庁内の横連携、市と県との連携もそうだと思うのですが、砂防に関してはやれることがあったのかなと。国の通達が4回あって面指定を考えなきゃいけなかったけれども、結局砂防堰堤の追加工事も面指定もしていない。最初の段階だけで終わってしまったことについて、もう少し砂防部局としてやれることがなかったかについてはどのようにお考えでしょうか。

○杉本参事兼砂防課長
 今回の検証に当たり感じたことは、当時の現場状況の把握は、砂防指定地等監視員が土砂の流出状況により荒廃状況を判断していましたが、1番委員のおっしゃるとおり流域全体を監視していなかったことは反省点であります。もう少し踏み込んだらもっと別の方法で流域全体を監視できたのではないかと考えますので、今後の再発防止対策として、砂防指定地等監視員の監視業務の改善、衛星写真や3次元点群データを活用した荒廃状況の早期発見と監視を図っていきます。

○藤曲委員
 本当に多くの方が亡くなっているだけに教訓としていつも言うのですが、いろいろな部署が自分事として、事故対応の再発防止に生かしていただきたいと思います。
 それは、私たち議会に関しても思うのですが、最初の検証で外部の先生方を入れましたが大変短い期間でした。やはり内部検証の延長というか、県庁OBが事務局としてある程度内容をまとめた上で、外部の先生方が検証し了とする進め方をヒアリングの結果で受けました。私たち議会も県や市と離れた第三者委員会をつくってもらうお願いをしなかったこともあり、前回の検証と今回の再検証の結果を見て正直何も変わっていない、特に検証に関しては1ミリも変わっていないと思いました。内部検証なので新たに違ったことが出てこないのはしようがないと思いますし、文言の表現として検討する余地があったのではないかと考えるのは、検討すべきではないとしないのですね。どうしても同じ内部で検証するとこういう結果になりしようがない。それを議会や特別委員会で第三者組織をつくって再検証しなければいけないとの声も出たのですが、結局そこまでできなかったことは私たちの反省点だと思います。この件に関しては、裁判である程度検証されていくと思うので裁判に委ねるしかないと思います。
 一方で、報告書の最後に再発防止の観点で杉本参事兼砂防課長が言われた今後の再発防止策がちゃんと文言としてあり、これからしっかり取り組もうとする意思をすごく感じられましたので、この再検証をやった意義があったと思っています。

 もう1つお伺いしたいのが、砂防の指定手続の変更を考えている中で、砂防指定が県内幾つかありますけれども、砂防指定をする中で面指定をしていないところも当然ありますよね。その中には熱海市と同じようにもしかしたら上流部で開発行為を行っている、また将来予定されているところがあるとしたら、地域変更してでもやるべきだと思うのですが、現在そういった検討をしている場所があるかお聞かせください。

○杉本参事兼砂防課長
 砂防指定の見直しについては、荒廃状況の情報収集が大事だと思っております。今の段階で砂防課や土木事務所で既に指定されている上流部でここの地域が危ないからすぐに指定してほしいという箇所は把握していません。
 今後関係部局と情報提供の周知等を行っていきますが、情報収集を充実させる仕組みもつくっていきたいと思っております。

○藤曲委員
 盛り土110番のほか、いろいろな部署や県民も関心を寄せていますので、意識を持っていただきたいと思います。再検証後の実効性がどうできているか、実際少しずつでも変えていったら言葉だけではなく再検証が本当に役立ったと思います。そこのところは注視していますので、指定追加の見直しの声が上がった時には柔軟な変更を検討していただきたいと思います。

○阿部委員長
 せっかく1番委員からこれだけ土石流の総括に関して御提言も含めて御指摘を頂いたのでコメントしたほうがいいと思いますが、望月河川砂防局長いかがでしょう。

○望月河川砂防局長
 今回の土石流災害は、発生直後からいろんな取組をしてまいりました。その中で貴い命を失ったことを重く受け止めまして、検証についても真摯に向き合ってきたところがございます。
 1番委員御指摘のとおり、これからそれをどう生かすかが非常に大事でございますので、そこはしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
 特に、最悪の事態を想定してと庁内でも知事から指示が出て現場を動かしていますが、県と現場の一体的な連携のほか他部局との調整が再三指摘されていますので、よく現場を見て今まで以上の対応をし、課題の把握、危機感、行動の3点をセットにした形で対応していくことが何事においても大事だと思っておりますので、しっかり取り組んでまいりたいと思います。

○藤曲委員
 ありがとうございます。
 ぜひそれを実行に移していただきたいと思いますのでよろしくお願いします。

 それでは、次の質問をします。
 9月定例会の建設委員会で、熱海土木事務所の時間外勤務状況の改善についてお伺いしました。
 特に昨年の伊豆山地区復興支援課が非常にひどく大変な時間外労働をされていたので今年は少し改善しているかと思いお伺いしたら、令和4年の1か月平均72.9時間が令和5年8月時点で1か月84.1時間と11.2時間増えていました。すぐに人材と組織の改編をしていただいて改善が進んでいると思うのですけれども、現在組織としてどう変わり、時間外労働がどのくらい改善しているかお聞かせください。

○青木総務課長
 長時間労働の解消を図り職員の負担を軽減することを目的に、政策管理局に設置しております業務応援要員を12月1日から熱海土木事務所に1名配置し、所内全体の工事発注や監督業務の補助や支援により業務の分散化による平準化に取り組み職員の負担軽減を図っております。
 また、用地交渉の担当職員の負担を軽減するため、用地経験の豊富なベテラン職員が土木事務所の枠を超えて支援する体制を整備いたしました。経験の浅い職員に対する助言や地権者との交渉に同行することにより、職員の心理的な負担の軽減や技術の習得を図っております。
 時間外についてですが、前回9月議会に、4月から8月までの平均で84.1時間だったものが9月から1月までの5か月の平均が75.5時間、1人当たり月平均で8.6時間削減することができております。8月までは源頭部土砂撤去工事等があったものですから、相当負担がかかっていたと思いますが、事務所全体で取り組むことで現在はこのような状況になっております。
 引き続き職員の健康に細心の注意を払いながら熱海市と連携して一日も早い復旧・復興を図る体制の確保に努めていきたいと思います。

○杉本交通基盤部参事(防災技術担当)
 熱海土木事務所職員の負担軽減についてお答えいたします。
 伊豆山土石流災害の復旧に対しましては、河川災害の復旧のみならず、源頭部については盛土であるとか、河川中流域においては土地利用やまちづくりの利用者に対して様々な対応を求められております。
 そのため交通基盤部では、発災直後より部局をまたいで組織した逢初川下流復旧・復興チームを立ち上げ、現在熱海土木事務所と関係部局を含めて定期的に意見交換や情報交換をしながら課題を解決してきております。
 引き続き事業進捗を進め、課題が大きく変わっていくところでございますが、関係部局のメンバーを入れ替えながら、伊豆山地区の早期復興を進めてまいります。

○藤曲委員
 時間外が減ったのでほっとしたのですが、9月から1月までの75.5時間は決して少なくはなく、1年間で1,000時間を超える、多分一番残業の多い県職員のレベルに入ると思います。全体で支えようと改善しているのは分かりますので、職員の健康管理をしっかりしていただきたいと思います。

 次の質問です。
 サイポスレーダーの改善についてお伺いします。
 県民の水に関する災害情報の発信を目的に、平成15年よりサイポスレーダーをホームページ上で公開していることは承知しています。雨量、水位情報、河川のリアルタイムの画像、ピンポイント天気予報など普段も利用できる情報が掲載され避難を促すホームページとしてはいいんですけれども、そこまでたどり着くのに結構時間を要するつくりになっていると感じています。
 そこで、新たなステージとなった豪雨災害がこれだけ頻繁に起きる状況の中においては、迅速に水に関する水害情報を県民に伝えるためにサイポスレーダーを改善していく必要があると感じますけれども、県の所見を伺います。

○加茂土木防災課長
 サイポスレーダーの改善についてお答えいたします。
 サイポスレーダーは、台風15号が影響した令和4年9月23日、24日のアクセス数が開設以来最大となったことからも、県民が高い関心を持っていることが分かっております。
 サイポスの正式名称は、静岡県土木総合防災情報システムという水防関係システムの総称です。ホームページで公開しているサイポスレーダーは、県民への情報発信用として監視用のサイポスを基に作成していることから、1番委員御指摘のとおり利用者に配慮した画面構成への変更が急務であると認識しております。
 そこで、まずはサイポス全体の機能向上を目指し、今年度はサイポス一式の基本設計を行いました。来年度からはこの基本設計を基に県民への発信用と監視用に分けてシステム開発を図ることにより、県民が活用しやすいサイポスレーダーの運用を目指してまいります。

○藤曲委員
 これはスマホの県の防災アプリにつながっているのですか。

○加茂土木防災課長
 サイポスレーダーはスマホアプリも用意してございまして、情報を見られるようになっております。

○藤曲委員
県の防災アプリとはつながっていないですか。

○加茂土木防災課長
 危機管理局が持っております防災アプリにつきましては、雨量の情報はリンクしておりますが、その他は別となっております。

○藤曲委員
 私たちはいろいろな情報をなかなか見られないので、県の防災情報に視点がいき、アプリで情報を取ろうとしています。
 今回改善するのであれば部署をまたいで防災情報の画像がリアルタイムで出てきたら非常に良いと思いますので、それもぜひ今後検討していただけたらと思います。以上要望です。

 次に、土木技術職員の人材育成の取組状況と今後の対応についてお伺いします。
 公共工事の発注者は、良質なものを適正価格で整備、維持管理する重要な責務を有していると思います。それに携わる土木技術職員は、企画検査、計画から設計、施工、維持管理など幅広い範囲にわたって重要な役割を担っています。そのため特に土木技術職員は必要な専門知識・技術に加えて様々なコミュニケーション能力やマネジメント能力、知識、教養を身につける必要があると思っています。要はレベルを上げていかなきゃいけないと思うのですが、土木技術職員の人材育成に関して現在の取組状況と今後の対応について伺います。

○岩崎交通基盤部参事(静岡県建設技術監理センター所長)
 人材育成についてお答えします。
 交通基盤部は、美しいふじのくにインフラビジョンにおきまして、県土づくりの専門家の育成を重要な行動方針として位置づけております。
 建設技術監理センターでは、土木の基本的な技術力が習得できる基礎研修や国、他団体との連携により専門知識が習得できる専門研修などを実施しておりまして、本年度は全65日間で45コースの研修を行いました。その結果県職員が758名、市町職員が906名、計1,664名の土木技術職員が研修に参加いたしました。
 これまでは座学中心の研修を行ってまいりましたが、人口減少社会への対応や高度な情報通信技術を活用した現場管理など、土木技術職員に求められる役割はより複雑化、高度化しております。このため大学等の教育施設の活用や重機を用いた現場実習、グループ討議などを行うことにより、社会変化に即応できる人材育成に重きを置きながら、一部では実践的な研修が必要と考えており、実際試行しながらやっております。令和6年度には土木技術職員の研修計画を見直し、令和7年度より新たな計画に基づく研修を本格的に開始するよう交通基盤部一丸となった人材育成に努めてまいります。

○藤曲委員
 市町、県で1,600名が研修を受けていることを存じ上げなくて、今日初めて詳しいことを知りました。視察に行ったことはないのですが、技術監理センターはどこにあるんでしょうか。

○岩崎交通基盤部参事(静岡県建設技術監理センター所長)
 JR用宗駅から東へ約1キロメートルのところにあります。大きい研修場もあります。

○藤曲委員
 また視察に伺わせていただきたいと思います。
 今、岩崎交通基盤部理事(静岡県建設技術センター所長)、そして加茂土木防災課長とお二人に質問いたしましたけれども、役職定年でいらっしゃいます。今のように多くの知識、経験を活かして、ぜひこれからも後進の指導に当たっていただきたいと思います。岩崎交通基盤部理事(静岡県建設技術センター所長)は熱海土木事務所でも大変お世話になりました。

 最後の質問をさせていただきます。
 沼津駅連続立体交差事業についてお伺いします。
 沼津駅連続立体交差事業については、令和5年10月に新貨物ターミナルの建設工事に着手し、令和6年度予算が大幅に増加しております。新貨物ターミナル工事が本格化し、まだ先でありますけれども、いずれ車両基地や高架、本体工事が順次進んでいきます。令和6年度も62億円の予算がついていることを承知しております。
 長い期間止まっていた大きなプロジェクトである鉄道高架事業がついに動き出すと改めて思う気持ちがあります。以前の沼津市原地区の貨物用地については、地権者の反対によって用地取得が難航していた経緯があり、令和3年2月には代執行も行われました。また提起されていた訴訟も去る2月1日に最高裁で県側の勝訴が確定し決着がついたとお伺いしています。
 そこでお伺いします。
 長年にわたり鉄道高架事業の課題や用地取得に取り組んでこられました勝又交通基盤部長に、動き出したこの事業の所感について伺います。また懸案事項へ取り組んだ者として、後輩に伝えるものがあれば併せて伺います。

○勝又交通基盤部長
 沼津駅付近連続立体交差事業についてお答えいたします。
 説明資料107ページにもありますように、この事業は全体事業費が約1034億円で、本年度より工事に着手しましたが令和23年度までの長い期間の事業でございます。今後の補助事業は、来年度に50億円と大きな金額が令和8年度まで続きまして、令和9年度には新貨物ターミナルが供用予定となります。その頃には並行してまちなかの新車両基地や延長で約5.3キロメートルある高架本体工事も本格的な工事が始まり、50億円以上の事業規模の期間がまたしばらく続くことになります。
 現在高架事業が動き出して、沼津駅の周りに民間の再開発事業計画が複数立ち上がってございます。私の予想ですが、今から10年後には沼津市のまちなかの様子が少しずつ変わり始めていくのではないか、正直言うと20年後には今とは全く違うまちができ上がっているのではないかと考えてございます。まさに沼津市にとっては100年に一度の大事業ですが、今から10年前のことを思い出し20年後のことを考えると感慨深いです。
 10年前、私は沼津土木事務所都市計画課の専門官で部下が5人いるPIの部署にいました。PIとはパブリックインボルブメントと言いますが、いわゆる情報を公開して広く市民から意見を聴き、考えを整理する仕事でございます。実はその前の平成21年に、沼津市がこの原地区の貨物駅の地権者約50人の未買収地の代執行をやろうとしておりました。就任した川勝知事が賛成の方、反対の方を集めてお寺で顔を合わせて、当時は貨物駅不要論という話がございまして、事業がストップしてしまった経緯があり、その後PIをやりましょうとのことでございました。
 PIは、今までの行政のやり方を少し反省し、とりあえず市民に意見を聴きなさいということで、我々6人の立場はあくまでも中立でした。賛成でも反対でもないという立場で、とにかく2年間賛成の方、反対の方からいろいろお話を聞いてやってまいりました。本当に賛成派の方からも反対派の方からも、なぜこんなことをやっているんだと最初は怒られっ放しでした。
 そのような状況の中、2年間やっていくと意外といろいろな方から逆に応援の声も頂き、最終的には一応事業は継続する決断となりました。その後沼津市の方々と一緒に原地区の用地交渉をし、代執行につながった経緯がございます。
 当時は県職員、市職員も貨物駅は迷惑施設だとの気持ちがありましたので、その反省点を思い浮かべながら原地区の新貨物駅の工事説明会でも真摯に丁寧に説明していこうという気持ちを忘れず、長い高架事業を完成に導いていただきたいという所感でございます。
 後輩へ伝えるべきことのもう1つは、私の感想になりますが、懸案事項は多分私の後ろの部下もいろいろなことで苦労しているものであまり言えないのですが、懸案事項の仕事は1人では絶対できないと思います。困難なものほど上の人、下の人も関係なくみんなで協力する精神を持って臨んでいただきたいと思います。
 そろそろ異動の時期ですが、何でこんな仕事をやらなきゃいけないんだとか、何でこんな部署に来てしまったんだという思いがあるかと思います。これは誰にもあるかと思います。ただ一生懸命こつこつ地道にやっていけば、誰かがそれを認めて、見ていてくれていると思います。それは内部の人もあるでしょうし、民間といった外の人もあると思います。必ずそういったことがあると思いますので、くじけずしっかり元気に仕事をやっていただければ必ず日の目を見ると思います。私の思いです。

○藤曲委員
 本当は後ろを見てお話ししたかったかと思いますが、皆さんちゃんと聞いていらしたので伝わったと思います。ありがとうございます。
 高架三銃士と呼ばれていた話も聞きましたが、本当に長い期間、まちを二分するような大規模事業をまとめていただいた功績は本当に大きいと思います。沼津市は言うまでもなく人口減少で、特に中心市街地が非常に厳しい状況が続き市民の方々は1日も早く完成することを期待しているので、後輩にその思いをしっかり伝えていただけたらなと思います。以上で質問を終わります。

○阿部委員長
 ここでしばらく休憩します。
 再開は14時55分とします。
[14:40]
( 休 憩 )
[14:53]
○阿部委員長
 休憩前に引き続いて委員会を再開します。
 質疑等を継続します。
 では、発言願います。

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