委員会会議録

質問文書

平成19年９月定例会建設委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	奥之山　隆議員
	質疑・質問日：	10/04/2007
	会派名：	自由民主党県議団

○奥之山委員
　いろいろほかの委員も質問してましたが、プレジャーボートの対策ですが、これ管理運営というのは、どこがどうやるのかというのをちょっと教えてもらいたいんです。例えば浜名湖なんか、ここで見ていますと、漁船等とのトラブルとかいろいろ書いてあります。私、何かのときに、昔提案したことがあるんですが、漁協なんかとのトラブルがあるということですから、その管理運営なんかを漁協にやらせると。この人たちは魚をとって飯を食ってるということで、見方を変えれば海で生活してるわけですから、そのプレジャーボートなんかを経営すると漁協は大変厳しいですから、そういったことがやれれば、そういうところに任せればいいじゃないかと。そうすると、漁協とのトラブルなんてほとんど――自分たちが経営してやってるわけですから、ここはこう通っちゃいかんとか、ここはこうだとかって交通整理ができますから、そういう発想があってもいいじゃないかということで、そういう考え方があるかどうかということをちょっと教えていただきたいと思います。

　それからもう１つ、本会議でもある議員が質問しましたが、私の地元の小笠山運動公園、今スタジアムが雨天は使えないということで、もちろんサッカーなんかは使えるわけですが、こういうところを予定している大きなイベント会社なんかは雨が降るとできないと。５万人入るわけですから、弁当その他で物すごく損害をこうむるということで、安心して使用ができないということもあります。ここを全天候型というか、そういったことにはならないかと。それをネーミングライツという形でやったらどうかという質問がありました。
　私も何年か前にこのことについて質問しているわけです。知事も後になって初めからドームか何かにしときゃよかったなと、こういうことを言ってるわけです。知事は、その後でも建設費の１割から２割くらいでできるならば、今でも県民の理解は得られるじゃないかということですから、あれが300億円ぐらいですから、１割、２割とか、２割、３割といえば50億円とか60億円とかそれぐらいのもので覆いができれば、県民の理解を得られるじゃないかということで、知事は何か大きな、どでかい風船みたいなのをやったらどうかと、こんなことを言ってました。
　私は素人ですからわかりませんが、雨のときだけかぶればいいんですから、ずっとノズルが伸びて、私はエアカーテンみたいなので降ってくる雨をどんどん外へ飛ばしちゃう、そういうものをつくれば、そんなに銭をかけんでもできるじゃないかということを冗談みたいに言ったことがあるんです。
　今からつくるということは大変ですが、もっと言いますと、大分のドーム、これは250億円で、５万人は入らんと思うんですが、ここはいわゆる全天候型になってるわけです。全体として安いもんですから、形はよくないし、幾つか梁もある。ですが雨天のときだけ極端に言うとビニールをかけると。そのときに電気だか何かでするする上げていきますから多少お金がかかると。スイッチを切ればひとりでにぱらっと落ちるということで、非常に簡便にできているわけで、これを見まして、そのことを本会議なんかで言ったことがあるんです。
　設計とか、施工を含めて県が発注するときに、予算を決めて、これでこういうふうにつくりなさいというんじゃなくて、あのときは300億円で、ドームではないですが、そういう形で設計なり発注をしたと。そうじゃなくて、予算が300億円あるならば、この300億円でドームとしてやれるような設計を提案しようと。あるいはドームとしてやれる建設会社が請けよと。そういう発注の仕方があれば、後からつくらなくてもいいわけです。そういう意味での発想が割合静岡県はなかったじゃないかということで、非常に後で悔やんでいるわけです。
　例えば札幌ドームなんか、建設前から私視察に行きましたが、初めから札幌ドーム株式会社ということで、株式会社でスタートして、皆さんが御承知のように外で芝生を養生すると。そしてサッカーのときにはそれが移動してドームの中に入ると。そのサッカーが終わると、その天然芝は外へ出ると。そこを人工芝を敷いて、今度は野球をやると。あるいは天井へは登っていくのにウオータースライダーみたいなところを、エスカレーターみたいなのが登っていって、ドームの頂上から、あそこは羊ヶ丘って公園かな。そこをのぞけるというような展望台があるわけです。人間は割合高いところに登りたい、高いところから下を見たい、下界を見たいと、どこでも高いところに登りたいという本能的な気持ちがあるもんですから、それを利用してそういうものをつくっていると。そこに300人が乗れるということで、この下の芝生が動くという、このシステムも世界初だということですから、そのことだけを視察に来る人たちが世界じゅうにいるわけです。
　最初から札幌ドーム株式会社ということでやって、私どもが行ったときには、ワールドカップの前でしたが、既に年間100幾つかのイベントが計画されてますということですから、準備に人が来る。そして本番があって、次の日は片づけるというと、年がら年じゅう、そこに大勢の人が来ると。そういうシステムがもうできあがっておったと。ですから、そこに入る食堂とか、レストランとか、いろんな土産物屋とかそういったものも、それだけお客さんが来ればということで、どんどん積極的に進出すると、こういうことになっておるわけです。
　そういうことを含めて、私はこれからいろんな設計をするときに、まずアイデアを募集すると。そういう形のコンペを先にやると。
　これを何で言うかというと、前に代官山でこういうことを考えているグループがありまして、そこへ出させてもらいました。それは幾つかの、例えば切り取った山肌、赤茶けた山肌が出ておるところを１つの題材にして、あなたならこの赤茶けたこの切り取られた山をどういう形で設計しますかということで、設計事務所だとか大学のグループだとか、そういう人たちがどんどん手を挙げてコンペをやるわけです。そしてそこに国立何とか研究所の所長さんだとか、大学の先生とかっていう人や設計の偉い人とか、そういう審査員が七、八人ずつといて、その説明を、どういうわけだとかいろいろ質問するわけです。それを我々が1,000円払って、そのコンペを後ろで見学しているわけです。その審査員の人が合意でこのものに決めましたという報告も我々は聞くわけです。そのプレゼンテーションをやる学生やそういう衆の意見を聞いた。ああそんな発想かと。おもしろい発想があるわけです。それを審査員が質問する。
　そういうものを見てきて、私はそういうようなやり方でやれば、例えば小笠山運動公園の問題だとか、草薙もそうです。野球をやっている衆が、沢村が投げたあの草薙の野球場を新しくつくってもらいたいと、陳情にも来てるわけですが、これは政令市の静岡市が半分ぐらい銭を出して、県が全部やらんでもええで、静岡市と県と両方でやりゃいいと思うんですが、例えばそういうもの１つとっても、ただお金をかけてやるじゃなくて、ここにどんな施設をどんなふうにつくったら県民が喜ぶか、使う人たちが喜ぶかというようなことを含めて、全然違う発想で、これからやれるものはすべてやると、公共施設を含めて、あるいは道路１本つくるにしてもそういうようにやると。そうすれば、別に大きな設計屋に限らない１人きりの設計屋でも、１人きりのそういうことを考える人でもアイデアがありさえすれば、そのアイデアを採用すると。そのアイデアを採用した後発注していくと。そういうことの方が私はいいじゃないかなと思うですが、そのことをちょっとお尋ねしたいと思います。

　それから、今年は衛門さんが建設部長になったわけですが、部長は国土交通省ですからどちらかというと土木だとか建設とかやってきたわけです。ここへきて農業とか農地とか森林とか、そういう形の中でまさに建設部ということになったわけです。今までの歩みの中とは違う、全然違う発想というか、勉強になったとか、そういう感想も持っているでしょうし、やりにくい面もあるかもしれん。そこら辺をちょっと教えてもらいたいなと思うわけです。
　なぜかというと、今まで土木ちゅうたら土木をやってりゃいいと。道路をつくったり、橋をつくったりということが土木だと。こういうことですが、建設部というのは、私はある意味では都市をどういうように建設していくかとか、都市をどういうふうに設計していくかというか、例えば私はそういったものの哲学というか、そういうものがあって、建設部ということではないかなと思うわけです。景観の話も出ています。あるいは安心・安全が出ています。道路１本つくるにしても、きょうも歩道と自転車道の話が出ていました。そういったものが事故のないように、道路１本つくるにしても、どういうふうなものをつくるのがいいのかというようなことを、頭の中で考えると。
　例えば、これも本会議で質問したことがあるんですが、浜松は大都市ですから、雇用の場もうんとある。それから文化、芸術、医療、福祉、あるいは県の大学だとかそういうものがいっぱいあると。我々磐田や袋井の衆、かなりの人が浜松に通うわけです。それで朝晩天竜川なんか物すごく渋滞すると。ですから、都市として考えた場合に、これから公共施設をつくる場合には、浜松へはつくらないと。逆へつくると。そしたら浜松の衆が天竜川を渡って東に来ると。そうすると、相互交通になる。全部あそこへ集中するもんですから、みんなあそこへ行っちゃうと。
　ですから、建設部とか都市設計だとかというのは、そういう全体を見て渋滞のないように、道路がスムーズに通行できるように都市を設計するにはどうすりゃええだというようなことがあってしかるべきじゃないかなと思います。そんなことでどういうことを考えているか教えていただきたいと思います。

　それと、さっき公共事業の中に木材をいかに使うかと――８番かな――言ったらすぐ榊原さんか、あんたが手を挙げたわけやね。ちゅうことは、あんたは森林保全だか何かの方の担当なわけです。そうじゃなくて、本当はこっちの使う方が手を挙げないかん。あの人は担当なもんですね。そうじゃなくてこっちの使う方の人が、私らこうやってうんと材木を使ってます。それが地球温暖化だとか木材を使うとか、何かっていいことだでこうやってますというふうに、こっち側の衆が本当は言わなければいけないと思いますので、だれでもいいからちょっと答えてみてください。

　それから、ここ二、三日前の新聞に東名等を含めてインターが簡便につくれそうなことが書いてありました。私も以前からそういう考えを持っておる人間ですが、新幹線ですと、駅をつくると、とまってる前の「こだま」とか「ひかり」を抜いていくということも、一応線路上にいますから、なかなか難しいんですが、車の場合は、インターが幾つあっても、極端に言えば、本線に上手に入れば本線をとめる必要ないということですから、もっとたくさんインターができもいいんじゃないかなと思ってたわけです。ただ、料金の回収というか、そういうものがあってトランペット形みたいなああいうものは、物すごく広大な土地が必要なんですが、ＥＴＣになれば、極端に言えば登っておりるだけですから、ちょっとしたそでをつければ、側道というか合流路を上手につくって、本線とうまくそこがまざり合っていけばいいんですから、そういう意味でインターをたくさんつくると――追加でどんどん建設していくというような国の方針というか、そんなのがちょっと新聞に載ってたと思うんです。そうしますと、県下にはそういう可能性があるところはたくさんあると思いましたもんですから、その辺についてどういうことを考えていくかということを教えていただきたいと思います。

　それから、ここは土地改良もやってるんだよね。私の地元の袋井で日本で最初に土地改良をやった名倉太郎馬という方がおりまして、私はこの人を何とか顕彰していきたいと思っておったんですが、今度何か天竜下流の用水土地改良事務所が移転するというようなことを聞きました。日本で最初に土地改良をやった人が、袋井であるし、静岡県であるし、この人は私の地元ですので、移転するところに一緒に、土地改良の名倉太郎馬記念館みたいなのをつくって、この人をちょっと顕彰してもらいたいなと思っておりますので、その辺をまた予算編成のときにはしっかりやってもらいたいと思います。

　それから、農地利用集積面積ということで、1,834ヘクタールが2,900ヘクタールになったと。これは本会議で知事が答弁してました。
　土地を貸せるにうまくいかんだよと。隣のおやじに貸したくないと。その心理は物すごくわかります。たくさんつくる人というのは、物すごくある意味じゃ大づくりなんですよ。だかだかだかだかつくっちゃって、草なんかろくに刈りゃへんし、うんと大づくりというか、荒らしづくりというか、そういうのを見てるもんで、あんな人には貸したくないということになるんです。
　これは５番委員の質問とちょっと似てるなと思いましたのは、東名だとかバイパスなんかの高架下なんかをどう使うかという話もありますが、あれは市だけじゃいかんもんで、県が一度中に入って借りりゃいいです。県が借り受けて、その市町村なりコミュニティーに貸し出すと。そうすることがいいじゃないかと。
　この土地なんかもそうですが、一たん農協とかそういったのが中に入って、その農地を集積したものをたくさんつくっている担い手農家に全体として貸せると。そういう方法をとれば、多分もっとうまくいくと思いますもんですから、その辺ちょっと研究してみてもらいたいと思います。どう考えてるか、ちょっと教えていただきたい。
　まだ幾つかありますが、ちょっとやめておきます。

○有賀港湾企画室長
　プレジャーボートを漁協で面倒を見させたらどうかというお話ですが、現在、網代、稲取、妻良、静浦、焼津の５漁協におきまして指定管理者制度を導入しまして、プレジャーボートの施設――マリーナ業務というんですか――管理をやっております。ただ、漁協ですから、漁協は本来、漁業の振興に資する施設でございますので、条件として民間マリーナとは違うところとしましては、漁業活動に支障がない範囲内でということが常について回ることになります。
　最近では、漁船数も大分減ってきておりますので、力のあるところでは、そういう業務を管理をしてもらって、先ほど委員がお話になられましたように、漁協ではいろんな海に関する情報とか航海に出るときの支援体制とかいったものもよくわかっておりますので、そういったことを利用しながら、今後とも漁業活動に支障のない範囲内でそういったことはやっていきたいと考えております。

○伏見河川砂防管理室長
　プレジャーボートの管理運営につきまして、浜名湖のお話が出ましたので、説明をさせていただきます。
　係留施設等の管理につきましては、いろいろな形態が考えられると思いますけれども、浜名湖におきましては、財団法人浜名湖総合環境財団がプレジャーボートの係留施設の管理運営を行っております。
　委員からお話がありましたように、もともとそのプレジャーボートにつきましては漁船等のトラブルということがありました。財団の理事につきましては、漁協の組合長さん、それから財団の設立につきましても漁業協同組合から出捐金をいただいてるというようなことで、漁業関係者も運営に加わっております。そういう面から中で意見交換をしておりまして、いろんなトラブルがないよう運営をしている状況であります。以上であります。

○吉添企画監（企画・広報担当）
　まず、設計におけるアイデアを利用した募集とかコンペについてでございます。
　委員も御存じだと思いますが、現在土木構造物等については、そういったアイデアということで、相互評価方式ですとか、入札時ＶＥですとか、あと設計と施工一括で発注する方式とか、いろいろそういった入札方式があります。
　委員が言われるようなコンペのような形については、今まで土木構造物等についてはやってないということで、承知しているところでは建築物では何件かやっていると聞いております。
　今後についてでございますけれども、一般的にそういった土木構造物すべてをというのは、なかなか手間もかかったりとか、なじまないのではないのかと、それもありますので、それについてはまた勉強していくということになりますけれども、個別で大きなものが出てくれば、こういったコンペ等の方式についても当然検討していくべきと思っております。

　それから、木材の利用でございますが、委員がおっしゃいますように、今までは部が違っていたということで、森林関係の部局がほぼ半分以上といいますか、ほとんどの木材利用をやってきたということだと思います。
　旧土木部の方でも、河川等につきましては、板さくですとか木工沈床ですとか、そういった形で、特に災害なんかは環境に配慮しろということもございまして、そういったものでは幾らか使っております。それから、砂防工事等についても使っている事例はございます。
　当然、今後につきましては目標も高くなっているということでございますので、建設部を挙げてそういった現場に使うようにというような啓蒙をしていきたいというふうに考えます。以上です。

○衛門建設部長
　委員の非常に高度な質問なもので、どこまで答えられるかわかりませんが、まず建設部に対しては土木だけじゃなくて農地、森林等が一緒になったことについてですが、やはり同じ社会資本を整備するという点ではそれぞれ事業目的そのものは微妙に違うところがありますが、かなり似通った事業をやっております。例えば道路と農道と林道、街路も含めてどうやっていくかという、それが１つの部に集まったということで、かなり連携して効果的に事業を推進できるものと思います。
　同じようなことが、例えば生活排水とか、あるいは港湾と漁協、海岸もすべて建設部で持っておりますので、そういうことはやっていかなければならないと考えています。
　特にもう１つは、きのうからも御質問が出ておりますが、土地利用に関しましても、土地利用の規制の方と都市計画する方とが同じところになったということで、これは単に建設部だけの問題じゃなくて、企画部とか産業部とかも含めての話になろうかと思いますが、農地には農地の目的がありますし、工業地には工業地の目的がありますので、すぐにほいほいと簡単にいくというものでもないと思いますけども、お互いに情報交換がかなりやりやすくなったのではないかなと思っておりますし、これからももちろんそうしていくように努めていきたいと考えております。
　それと２つ目の、浜松ばっかりじゃなくて、磐田、袋井の方にもという話ですが、これはもう現状としましては、やはりちょっと静岡、浜松が政令市になったので、県だけで余り強引にというわけにもいきませんが、確かに産業立地とか都市開発、いろんな面で連携しながら統一体系等も見ながら進めてまいりたいと思っております。

○鈴木道路企画室長
　追加インターチェンジについてお答えをいたします。
　国では、現在日本のインターチェンジ間が欧米に比べて長いということもございまして、これをもっと短くすべきという方針のもとに、比較的少ない費用で設置ができるＥＴＣ専用のスマートインターチェンジの設置を進めているところでございます。
　静岡県におきましても、既に富士川、遠州豊田で開設をし、それからまた焼津―吉田間の新設についても検討に入ったということでございます。そのほかにも、新東名で静岡市や掛川市、森町、浜松市等で設置に向けて勉強を始めていきたいという意向があるということをお聞きをしております。
　ひとつ数字を参考までに挙げさせていただきますけれども、このＥＴＣの利用率でございますが、高速道路を使うときの利用率が全国で66.4％となっております。これは静岡県内が69.8％と若干高くなっている。それに比べて車載機をセットしている車の率ですけれども、これはまだ割合低くて、全国で23.9％。静岡県内だけを見ますと19.1％ということで、全国よりちょっと低いと。20％前後の車載率でありながら高速道路利用がもう60％、80％ということになりますので、簡易なインターチェンジがふえれば、この辺の車載率もどんどんふえていくでありましょうし、ＥＴＣ利用なんかもふえていくんだろう。それによって既存のインターチェンジの混雑も緩和されるという効果も大いにあるということで、国の方針にあわせて、静岡県としてもこれから整備を進めていきたいと考えております。

○大石（哲）委員長
　答弁の途中ですが、ここでしばらく休憩します。
　再開は、この時計で２時40分。
（　休　憩　）
　休憩前に引き続きまして、会議を行います。

○八木農地局長
　それでは、名倉の方のことについてお答えをしたいと思います。
　まず、名倉太郎馬という人、私、余り詳しくは存じてなくて、済みません。明治の初頭に今我々がやろうとしていることと同じようなことを、先駆的にやられていたということで、これがまた静岡方式として全国に普及したというものの本も今見てまいりまして、感心して改めて敬服をする次第でございます。
　委員のお話のように、磐田用水東部土地改良区の移転に伴って記念館をという計画を持っているというようなお話しですけれども、まことに申しわけありません。私たち内容を具体的に存じておりませんが、土地改良区について、私たちは指導する立場にありますので、日ごろもいろいろな接触をしております。今申しましたように、県のある意味では誇りであるこういった方を顕彰するということが、心情的に私は当然同意をするものであります。それで、多分この記念館をつくる、あるいは顕彰するということは改良区が主体となってやられるんじゃないかと想像されますので、改良区の指導の中、日ごろのつき合いの中で精いっぱいの応援をしていきたいと思っております。

　次に、集積の問題です。この集積については、従来から私たちもいつも口にしておりますように、農業経済基盤整備は一義的には農地の集積を図るんだと。このための基盤整備をするんだということでやっておりまして、22年の2,900ヘクタールを基盤整備による集積の成果として目標に掲げて業務をしております。その中で、正直に申しまして、なかなか進まないというのも事実でございます。それには委員の御指摘もありましたいろんな要因がございまして、その中の１つの要因として基盤整備があることは確かですけれども、それ以外にいろんなソフト的な要因がありまして進まないと。
　現在、どういう制度でこの集積を推進をしているかというと、今申しましたように、我々としてはその基盤整備を通じて集積を図るわけですけれども、ほかには産業部の所管になりますけれども、昔は農地利用増進法という法律、今は農業経営基盤促進法という法律がございますけれども、その中で農地保有合理化法人という定めがございまして、これはＪＡとか、農業振興公社、あるいは一定の要件を満たせば土地改良区もなれますけれども、そういったところが貸し手側の農地を一時借り受けて、それで借り手側の農家に貸し出すという行為をやっています。ただ、それもなかなか数が進まないと聞いています。
　その中で、問題は、１つはおっしゃるように個人、どうしても相対になるもんですから、個人的感情の問題があるとか、あるいはそれの経営集積をする、要するに場所はばらばらで、でも経営だけは１人の人に集めるよというふうな手法が、今主なもんですから、それではなかなか大規模農家はやりきれない。特にお米なんか受け手がないというのが現状になるわけです。
　国もその辺を問題としまして、今後は面的集積をメーンにやっていくんだと。それは要するに場所を合わせるんだと。もうこういう方向に転換してますというふうに言ってます。それとあわせて、最近は、これ国が言い出したんですけど――これは検討中なもんですから、まだ本決まりじゃないようですけれども――農家に貸し出すだけじゃなくて、企業なんかでもいいんじゃないか、それによって企業が大規模経営してくれれば、それはそれでいい。あるいはそれに伴って耕作放棄地の解消にもつながるだろうというような観点から、農地保有合理化事業と内容は一緒なんですけれども、面的集積を図って、借り手を広く、企業なんかにも開放しようという動きがあります。これは、農地法で言えば、実は禁止されているものですから、農地法の改正を視野に入れた、そういった計画も農林水産省は検討していると聞いております。
　その農水省の計画の中で、新しい流れが出てきまして、今ある農地合理化法人のＪＡとか、農業振興公社と別にというか、それを変形させるのかわかりませんけれども、市町村にも農地のコーディネーター的な機能を持たせるような制度をつくろうという提案が今されつつあります。どういう形か正体はわかりませんけれども、これは、多分何らかの形で具体化をされるんじゃないかと、私たちは思っていますので、こういった流れに合わせまして、私たちは基盤整備の立場があるものですから、産業部の部分といろいろありますけれども、連携を図りながら、こういった流れをうまく相乗的効果を出すような基盤整備の計画をこれからはしていきたいと考えております。以上です。

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