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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


令和2年6月定例会危機管理くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:阿部 卓也 議員
質疑・質問日:07/06/2020
会派名:ふじのくに県民クラブ


○阿部委員
 分割質問方式でお願いします。
 リニア関連から質問させていただきます。
 まず、今各委員から質問が出ていますので、私からはトップ会談関連とJRとの今後の協議関連について大きく1項目。それから今7番委員からも出ましたが、自然環境保全条例の関連で2項目め。3項目めに今後の論点についてお聞きしたいと思います。
 まず1項目めですが、トップ会談で知事は静岡県以外の工事の遅れを金子社長に指摘されました。静岡県だけが遅れの原因ではないでしょうと明言を求めたんですが、それに対して静岡工区は工期の締切りが早いからだとの内容の御説明だったと思います。であれば、それを分かりやすくしていただくために各工区の工期や進捗状況を今後JRに明示していただいて、このトップ会談の成果として静岡県だけが遅れの原因ではないことと、それぞれの工区が持つ問題点や課題についてつまびらかにしていただくべきだと思います。これはトップ会談の成果としてまず申し入れるべきだと思いますが、所見を伺います。

○織部くらし・環境部理事(南アルプス環境保全担当)
 対談の場でも知事から2か所ぐらい遅れているところがあるとお知らせしたところであります。ただいまの8番委員の提案について、JR側に申し出ていくことをまた検討していきたいと考えております。

○阿部委員
 これは静岡県民にとっても静岡県だけのせいにされているのは甚だ遺憾であります。これはやっぱり静岡県として断固としてきちんとJRに申し入れるべきだと思いますので、重ねてお願い申し上げます。

 次に、今各委員の議論の中でも出ましたが、県とJR双方ともトップ――いわゆる知事、金子社長と事務方、それから現場の情報共有が不十分なところがあるのではないかとの危惧をやっぱりこの議論を通じても感じます。先ほど御答弁いただいているとおり懸案についてはぜひ意思疎通に今後努めていただきたいと思います。
 先日我々ふじのくに県民クラブは会派のリニア問題のプロジェクトチームとして現地視察をいたしました。私もその一員として現地に参りましたが、その現地視察の際の現場のJRの方の御説明の中にも――大変失礼な言い方ですが――矛盾点が数多くありまして、ここは今のお話と先ほどのお話と矛盾されておりますよねと言うと黙ってしまわれる。
 例えば具体的なことを1つ言うと、ずっと東俣林道を行きますと、畑薙断層に代表されるように地質が非常に悪いことを実感しながら工事現場まで行きました。その際に正確にはどうか分かりませんが、断層が年間4ミリ動いているところもあると聞きまして、ということは10年間で4センチずれる。そんなところにトンネル作って大丈夫なのかと素朴な疑問がまず出ます。またこれは本体工事――JRのリニア工事とは直接的に関係ない地域貢献になりますが、静岡市がJRにトンネルを掘っていただく出口の候補予定地も視察いたしました。そこの地質は雲母のような非常にぼろぼろ、手でやっても潰れるような石でしたけれども、そういったものも現地へ入られる前に分かっておられましたかと話をしたら、それに対しても黙ってしまわれる。これは入られてから気がつかれたんだなとか、でもそれを言えないのが組織の悲しさでありまして、私はJRの現場の方に同情を禁じ得なかったわけであります。
 そこで次に、もしトップ会談の第2回があるのであれば、知事ももちろんうちの現場の声を聞かなきゃいけないんですが、JRも市町はもちろん自社の工事現場の声を聞いて実情を知って、修正すべきところは修正するべきと。社長、それをぜひそうしてくださいと。それが物事をうまく、この工事を円滑に進めていく第一段階ですよと静岡県としては提言すべきだと思いますが、御所見を伺います。

○織部くらし・環境部理事(南アルプス環境保全担当)
 今8番委員がおっしゃられたとおりかと思います。国の有識者会議におきましても、やはり地元がどういったところに不安を感じているのか、そういったことを踏まえた上できちんと説明しなさいよといったことが指摘されております。まさにそういった地元、現場の声を聞いた上で、そういった指摘がされておりますので、次回の有識者会議においてもそういった点を踏まえた説明がなされてくると期待しております。

○阿部委員
 我々も現場を調査してみて想像以上にひどいことが分かりました。これは議会としても今後様々な形で現場調査をしなければいけない必要性も痛感しているところです。それだけ申し添えます。

 それから3点目ですが、先日静岡新聞の一面に静岡大学の教授の御指摘で工事予定地の県境部分の地質調査をする必要があるのではないかとありました。これが1つ。また実際に今工事エリアでJRは垂直ボーリングをされてません。これは実際現場を見てみて、なかなか難しいところで簡単にはできないんですよとの回答でしたけれども、いやいや違うでしょうと。このヤードのところが平たん地でありますよねと。こうしたところでも、直接ここがトンネルの上でなくても同じエリアであれば、例えばそれぞれ近くにヤードがありますから、そうしたところでもできるでしょうと実際に現地を視察して痛感いたしました。この2点についてもぜひ申し入れるべきと思いますが所見を伺います。

○織部くらし・環境部理事(南アルプス環境保全担当)
 データ調査等が不足していることは専門部会でも指摘されていることであります。ずっと言い続けていることで、始めている部分もありますけれども、問題はそのデータがないことと今までも結果だけを知らせてきていると。どういったデータを使ってそうした結果になっているかが全然分からないですねとずっと指摘しておりまして、この前の有識者会議においてもそうした指摘がされております。それを受けて具体的にどういった数値を使ってそうした結果が出てきたかが今後明らかになってくると考えておりますので、有識者会議の議論を私どもも注目しているところであります。

○阿部委員
 これは静岡県としてしっかり世間に訴えなきゃいけないことだと思いますが、例えて言うと我々どなたでも新居を建てようと思ったら、そこの地質調査をします。それが当然の決まりです。ところが今のJRの主張だと、ボーリング一本掘ってないくせに隣の県のデータをもってきて工事やってくれという話ですから、これは絶対看過してはいけない話です。家に例えたら隣の町内会の地質調査を持ってきましたからこれでいいでしょうと言われてるようなものなので、ここは強く訴えていただきたいと思います。

 次の項目に入ります。
 自然環境保全条例の関係ですが、先ほど7番委員からの御質問もありました。1つちょっと掘り下げてお聞きしたいんですけれども、保全計画書を作成していくくだりであります。保全計画書は実質数か月でできるといったことだったんですが、静岡県は今まで47項目の質問をJR側に投げかけていると思うんですけれども、この回答を頂かないと保全計画書には着手すべきではないと思うんです。所見を伺います。

○松自然保護課長
 先ほど仮定の話として、仮に今JR東海が希望している追加工事をトンネル掘削工事とは切り離して協定を結ぶとした場合の手続としては、通常の条例の手続にのっとって計画書がまとまった段階から1か月ないし協議の状況によっては数か月程度を要するとお答えしたところです。
 仮にトンネル掘削工事についてのこれまでの協議を踏まえた全体を通しての協定を締結するとした場合には、当然国の有識者会議あるいは本県の2つある専門部会の結果を踏まえてそれらを自然環境保全計画書に反映する手続になりますので、先ほどお話した1か月ないし数か月とはまたそれは異なるものですから、どのくらいかかるかといった点については現時点では申し上げられないところであります。

○阿部委員
 当局側に申し上げるんですが、やはり今のように後から実はこうしたプロセスを踏んでもらわなきゃいけないんですよといったことは、先方も当然分かってるだろうなとの思い込みだと誤解を招くことになります。今の答弁も議事録に残る話ですから、こうしたプロセスを踏んでいかないとできないんですよといったことはきちんと正確に残していかなきゃいけないと思いますので、今後御答弁いただく際もその辺も丁寧に御答弁いただくといいかと思います。とても大切な静岡県の未来を左右する話ですので、当局側もそこはぜひ。マスコミの皆さんもそこを誤解されてしまうこともありますので、マスコミの皆さんもJRも十分に御注意いただきたいと思います。

 それから、自然環境保全条例の関係でもう1点お聞きするんですが、今回静岡県のレッドデータブックの改訂がありました。説明資料の15ページですけれども、この中で確認するんですが、今回特に絶滅が心配される種がこのレッドデータブックの中にあるのかどうか挙げていただきたいと思います。

 それから、その絶滅が心配される種が大井川上流エリア、いわゆるリニア工事の影響が生じそうなエリアにどのくらいの動植物、菌類があるのか教えていただきたいと思います。またこの対象種に対して工事により危惧される学術的な見解をお持ちであればお聞きしたいと思います。

○松自然保護課長
 まず、特に絶滅が心配される種でありますけれども、個体数が危機的な水準にまで減っている絶滅の危機に瀕しているものが絶滅危惧T類で310種類。そこまではいかないんですが、大幅に減少しているなど絶滅の危険が増大している絶滅危惧U類が308種、合計618種であります。

 それから、今回のリニア工事の影響を受ける可能性があるものがどのくらいかでありますけれども、これまでの調査により確認できているものとして動物で94種、植物で196種あります。
 学術的な見解ですけれども、現在生物多様性専門部会で有識者の方から御意見を頂いておりますが、このトンネル掘削工事に伴いまして大井川の水の流れ、水量が減少、あるいは水質が悪化する、あるいは水温が上がるなどによりまして既存の動植物への影響が懸念されているところがあります。
 このため、まずはこのエリアの生態系を十分把握する必要がありますので、この地域のいわゆる食物連鎖図を春、夏、秋、冬のフルシーズンで作成すべき、あるいは工事による影響を工事着手前から十分に把握する必要があるので、例えば水量のモニタリング調査のポイントを明確化すべきといった御意見を頂いているところであります。

○阿部委員
 対象エリアに合計290もあるのはちょっとびっくりいたしました。であれば今の御答弁のとおり専門部会の意見は非常に重要になると思いますので、この絶滅危惧種T類、U類の多さをしっかりJRにも御認識いただいて、これに対してのしっかりした学術的な見解、対応をいただかないと種の絶滅を促進してしまうことになりますよとしっかりとお伝えいただきたいと思います。それだけ強く申し添えます。

○四本委員長
 ここでしばらく休憩します。
 再開は13時15分とします。

( 休 憩 )

○四本委員長
 休憩前に引き続き委員会を再開します。
 質疑等を継続します。
 当局より発言を求められておりますので、許可します。

○小川廃棄物リサイクル課長
 先ほどの7番委員の質問に対しまして、答弁漏れがあったものですから回答させていただきます。
 まず最初に、レジ袋が有料化になったことに対する啓発活動の内容と効果についてであります。
 県ではセブンイレブンや市町と連携しまして、6月30日に静岡市内の店舗において、マイバッグの使用が進んでないコンビニエンスストアで利用してもらいやすい常に携帯できる小型のマイバッグを配布しました。
 それからもう1つ、レジ袋を断りますと地球温暖化対策アプリ「クルポ」のポイントを付与しまして、レジ袋を利用しないで買物をしていただくよう呼びかけたところであります。長泉町、浜松市の店舗でも同様に実施していく予定であります。このほか6R県民運動の賛同者である浜松の海を守る会がファミリーマートで同様の啓発を実施したところであります。
 効果につきましては、複数の報道で取り上げられましたことから、6R県民運動の認知度と併せて高めることにつながったものと考えておりますが、実際のレジ袋の削減につきましては、これから市町やスーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの事業者に協力いただき、調査検証してまいりたいと思います。

 それから、新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえたごみ対策の考え方についてでありますけれども、マスクや防護服といったプラごみが増えていることに対しましては、プラスチックの機能面や衛生面での価値が見直されておりまして、一時的にはやむを得ないと考えております。こういったごみにつきましては、密閉したまま焼却するなど廃棄物の適正な処理の推進に努めてまいりたいと思います。また衛生面に配慮しながら繰り返し使える布製のマスクやマイバッグを洗って使用するなどプラスチックの排出を抑制する新しい生活様式について普及啓発してまいりたいと思います。

○阿部委員
 先ほどリニアの問題のうち環境について掘り下げましたが、最後の項目として今後の論点について何点かお伺いします。
 このリニア問題の本質、静岡県として一番の大切な問題は水問題であります。大井川の最上流部だけではなくて中流域には御承知のように数多く15のダムがあります。水利権の問題は所管が交通基盤部かもしれませんが、水の問題を考えたときにこれらのダムの水利権の問題も一緒に考えていかなければならない問題であります。特に東電の田代ダム、これは2025年に水利権の切り替えが来ると思うんですが、現況どうなっているのか把握していれば教えていただきたいと思います。並びにダムを持っている中電、それから特種東海、国の長島ダム、これらについても併せて現状を御承知の部分があればお伺いしたいと思います。

○織部くらし・環境部理事(南アルプス環境保全担当)
 田代ダムにつきましては2025年ですので、まだ具体的な動きはありません。交通基盤部と連携して現況等状況をよく把握した上で手戻りのない形で情報収集に努めていきたいと考えております。
 中部電力、特種東海につきましては利水団体の中に入っておりますので、この水の問題についてきちんと情報共有して今後に努めていきたいと考えております。

○阿部委員
 分かりました。利水団体に中電、特種東海が入っているからいいのではなくて、事前に打ち合わせできることはしっかりとしていただきたいと思いますし、田代ダムの水利権の問題は大井川流域の先生方もおいでですけれども、かつて水問題があって大きな関心事でもありますので、5年あるんではなくてもう5年しかないと思って十二分に地元の意向をしっかりと酌んで準備をしていくこと、下打合せをしていくことが大切だと思います。所管が違うではなくて包括して県として考えていただくようお願いします。

 それから、その件も含めてでありますが、知事と流域市町の首長とのリモート会議がJR東海の社長との会談前に行われました。先ほど来各委員から指摘が出ているように認識の共有、ベクトルの一致は非常に重要なことなので、随時行って問題点を共有しておくべきと思います。今後もぜひ実施していただきたい。これは要望としますが、もし今後の予定が決まっているようなら、これもお聞かせいただきたいと思います。

 併せてもう1点、かつて難波副知事が沿線の各県に静岡県の状況説明に行ったことがあります。今回もやはり大きな分岐点でありましたので、各県や各圏域の経済界――先般中部圏の経済会の会長が代わられてリニアに関するコメントも拝読をいたしましたが――やはりそういったところにも静岡県としての特使を立てて静岡県の立場、現状、正確な状況をしっかりと御認識いただくことが先ほど来出ているように静岡県が悪者になってしまうといった誤認識を国民の皆様に生まない1つの方法だと思いますので、これも併せて考えていくべきと思いますが、この2点について所見を伺います。

○織部くらし・環境部理事(南アルプス環境保全担当)
 流域市町との会議は、先月16日に行われました。今、8番委員の御提案にもありましたが、やはり随時やっていく必要があると思います。流域市町と県が一体となって取り組んでまいりましたので、具体的にはまだ決まっておりませんけれども、引き続き一体で取り組めるようにこのような会議をまた企画していきたいと考えております。

 リニア沿線の他県等への説明でありますけれども、昨年7月に難波副知事、くらし・環境部で伺ってまいりました。本県の取組や立場はそのときによく御理解いただいたと思っております。状況が変わってきたところでありますので、実際に行くか、また情報提供等を積極的にして本県の立ち位置をきちんと説明してまいりたいと考えております。

○阿部委員
 分かりました。双方ともしっかり対応を具体的にお願いしたいと思います。

 リニア関連で最後ですが、今後のJRとの協議について、2点ほど確認させていただきます。
 1つは、先ほど申し上げたように、私は現地に入って現場の視察をした際に痛感したんですが、工事、工法等の専門的見解についてJRの方も実はそこまで詳しくないのかなと。専門家じゃないものですからといった御回答もあったりして、そういった認識を受けました。
 多分皆様ももしかしたら交渉や協議の中でそういった認識を受けるときがあるかもしれませんので、JRには鉄道総合技術研究所がありますが、このJR鉄道総研とか、これだけ大深度のトンネル工事ですから、これをやれる業者は日本の中ではスーパーゼネコンと言われる企業群しかないわけでありますから、これらゼネコンの皆様やJR総研の専門家の話も聞きたいと。でないと専門的な工法についての正確な見解が出せませんよねといったことを申し入れていくべきだと思いますが、それについて所見を伺います。

 もう1点、これは最後にですが、先般の知事と金子社長との会見を受けて浜松市長がJR側との契約に瑕疵担保責任を入れて契約を締結すればいいんだといったことをおっしゃってましたが、私もそんな簡単な軽いものではないですよと市長には申し上げているんです。この瑕疵担保責任の契約を締結すればいいといったものではないと思ってますが、この瑕疵担保責任について県としての所見をお聞かせいただきたいと思います。

○織部くらし・環境部理事(南アルプス環境保全担当)
 JRの鉄道総研ですとかゼネコンの方にも御意見をといったことでありました。専門部会の場においてもコンサルタント会社などに説明の場に来ていただいて説明していただいております。またまだそういった点でも不十分な点がありますので、こういった方々にも専門部会の場に出席していただいて説明していただくのも1つの方法かなと考えております。

 瑕疵担保責任ですけれども、今は水資源ですとか自然環境への影響を回避できるかどうかを熱心に有識者会議や専門部会で議論しております。とにかくトンネル掘削工事によって影響が出ないように対策を措置してほしいと議論しております。今そこに議論が集中しておりまして、もしそこで影響が出るとの結論があれば、そういった補償の問題ですとか瑕疵担保の問題が出てくると考えております。当面は影響回避に向けて熱心に議論されていると理解しております。

○阿部委員
 後半の瑕疵担保責任についてだけ1つ意見を添えますが、今まだその段階ではないことは全くそのとおりだと思います。もしその段階になったときは、浜松市長が言うような簡単なものではないと思うんですが、瑕疵担保責任を求めていくこと。ただこれは普通に考えても、今までJRがほかのエリアで瑕疵担保責任を認めてきたかというと必ずしもそうではないと思いますので、ここは逆にもしそういった段階に至ったら強い決意を持って静岡県の水を守るんだと、ぜひ強い立場で交渉に臨んでいただきたいと意見を添えます。

 次の質問に入ります。
 廃棄物の関連について1つ提案をいたします。
 産廃処理などの問題については、どうしても地元の反対があられたりして、必要だと思いながらもなかなか進まないことがよくあります。
 これは行政に携わる者なら皆同じ頭の痛い問題だと思いますが、その中で東京都がスーパーエコタウン構想を実施しています。東京都だけじゃなくて埼玉県や北九州市などが同じような事業を推進していますが、リサイクル施設を集中的に立地させることですね。リサイクル施設の集合団地を造るといったことです。
 東京都のスーパーエコタウンを簡単に申し上げますと、廃棄物問題の解決と環境産業の立地を促進し循環型社会への変革を目的とすると。そこに既に今立地をされているのはPCB廃棄物処理施設及びこのPCBのガス化溶融等発電施設、建設混合廃棄物リサイクル施設、食品廃棄物リサイクル施設、廃情報機器――パソコン等ですね――リサイクル施設、瓦礫等汚泥リサイクル施設、埋蔵廃棄物リサイクル施設等こういったものを集中して、場合によっては廃棄物からエネルギーになるものを作り出してそこで使うといった本当に循環型の団地であります。
 残念ながら今まで静岡県はこの考え方をしてきませんでしたけれども、内陸フロンティア構想がありますが、新東名沿線の周辺市町ともよくよく相談をした上でこうしたスーパーエコタウンを計画したらどうかと考えますが、所見をぜひ伺いたいと思います。

○小川廃棄物リサイクル課長
 スーパーエコタウン構想についてお答えします。
 エコタウン事業につきましては、リサイクルを通じてあらゆる廃棄物をゼロにすることを目指すゼロエミッション構想に基づき、平成9年から平成17年までの9年間で全国26地域が承認されております。平成17年度に経済産業省が施設整備に対する補助金を廃止しております。したがいまして、その後国の承認を得たエコタウン事業はなく、今後本県において国の補助金によって施設整備を行う事業の実施は難しいものと考えております。
 内陸フロンティア事業などと組み合わせて事業を計画することについては、事業者の将来的な採算性や経営戦略と密接に関わることや地域の意見などもありまして簡単なことではないと認識はしておりますけれども、ゼロエミッションの理念につきましては循環型社会の形成のために意義がありますので、廃棄物業者等の意見を聞きながら研究してまいりたいと考えております。

○阿部委員
 ここできれいに答弁が出ると思っていませんでしたので、これはこれからの循環型社会をつくっていくためにも環境問題を考える中でも一番生活に密着した基本の部分ですので、ぜひ県として研究を広く、また本格的にしていただくよう要望を申し上げまして質問を終わります。

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