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委員会会議録

質問文書

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平成28年6月定例会厚生委員会 質疑・質問
質疑・質問者:杉山 盛雄 議員
質疑・質問日:07/11/2016
会派名:自民改革会議


○杉山委員
 それでは、一括質問方式で2問。
 ここのところ、いろいろな地域で問題になっている、例えば先日は、昨年あたりでも川崎市で複数の介護施設における高齢者の虐待の事案がよくマスコミに報道されています。こういう事案を契機としまして、全国的に高齢者施設での虐待が増加をしている傾向にあると聞いておりますが、行政処分もその都度行われているということであるみたいです。
 この高齢者の虐待については、人間の尊厳を著しく侵害する行為であって、決してあってはならない。また介護保険制度の信頼性に係るゆゆしき問題であると思うので、県内の特養ホームでは相当防止に努めているということでありますが、この虐待防止の意識が非常に高まっているところで、この取り組みや施設への支援など、県の対応を教えてください。

 そして、がんセンターですが、新たな抗がん剤の導入というところで御説明がありました。資料2の5ページですが、オプジーボは我が県の本庶理事長が開発に携わってきた画期的な新薬ということで非常に話題になっています。この新薬について教えてもらいたいんですが、新聞報道でも相当いろんな取り上げられ方をして、体重が60キロぐらいの方が1年間ぐらいこれを使用すると、3500万円ぐらいの薬剤費がかかるということです。これを試算した方がいまして、日本の医療費が約40兆円、うち薬剤費が約10兆円に対して、もしこれを使った場合には、5万人程度が1年間使うと1兆7500億円で、非常に財政的にも逼迫させると心配をしている人もどうもいるようです。
 余計なお世話かもしれませんが、また別の資料だと、国の財政を滅ぼしかねないと言っている人もいるようですが、この辺についてがんセンターとしては最新の医療の提供を行っているというような、この高額の薬剤使用についてはどんな考えを持っているか教えてください。

○田光福祉指導課長
 高齢者施設における虐待の関係についてお答えいたします。
 5番委員御指摘のとおり、昨年度来、高齢者施設における虐待報道が非常に多くなされまして、各施設におかれましても、やはり高齢者の虐待の防止については大きな課題という状況でございます。やはり虐待の防止につきましては、それぞれの施設におきまして、防止に向けた取り組みを進めていただく必要がございます。
 そのため、県といたしましては本年度、毎年、指導指針を設けるんですけれども、その指導指針の中で、虐待の防止を重点事項と位置づけまして、施設を訪問する実地指導におきまして、虐待防止に向けた職員の研修の計画であるとか、あるいは体制整備について確認とか助言を行っているところでございます。
 また、毎年、市町の指導監督職員の研修を4月に実施しておりまして、こちらの今年度の研修におきましても、外部講師を招いて虐待防止に向けた指導の研修を行ったり、毎年秋に事業者の皆さんに集まっていただく集団指導を実施しておりますけれども、こちらも虐待防止をテーマとしたセミナーの開催を予定しているところでございます。
 県内の施設の状況を少しお話しさせていただきますと、特に先進的な取り組みとして、例えば東部地区の意識の高い施設が集まって、共同して職員の研修を開催しておりまして、そうした中で、最近では虐待防止をテーマに研修会を開催しております。
 この研修につきましては、グループからの要請もございまして、当課の職員も出席しまして、虐待の起こる要因とか、その対応について、いろいろ意見交換も行ったところでございます。
 県としましては、こういった各施設の取り組みを支援するとともに、市町と連携しまして虐待防止の徹底に努めてまいりたいと考えてございます。

○内田マネジメントセンター長
 オプジーボにつきましてですが、オプジーボは、従来のがん細胞に直接働きかけてがん細胞を死滅させる抗がん剤とは違った作用を持っておりまして、人体が本来持っている免疫機能を活性化させて、がん細胞を死に至らしめる薬剤で、免疫チェックポイント阻害剤という言い方をされております。
 平成26年7月、一昨年の夏7月に、根治切除不能な悪性黒色腫、いわゆるメラノーマの薬として承認されております。昨年12月には、切除不能な進行、再発の非小細胞肺がん、肺がんにも適用がされて、急激に使用量がふえております。
 例えば、静岡がんセンターは、メラノーマが保険適用になりました平成26年7月から12月の下半期ですが、薬剤費が2700万円でありましたものが、ことしの1月から6月の肺がんに適用になってから4億4700万円が1剤――1つの薬剤で薬剤費がかかっております。静岡がんセンターの薬代の12%を占める状況になっております。
 この薬剤費は、ほかの治療法が効かなくなった患者に対して、一定の延命効果、治療効果をあらわすことから、がんセンターでは適用のある患者さんについては積極的に使っていく方針としております。
 使用に当たりましては、薬剤の効果、効能が認められた範囲あるいは関係学会に定めたガイドラインに基づいて、使用基準に合致した患者さんに対して行っていきたいと思います。
 それから、よく効く患者と効かない患者がいるということで、この辺のところがまだ明らかになっておりませんので、どのぐらいの期間投与すれば効くか効かないか判断できるのか、あるいはどういう患者に効くのかという臨床試験も始まっております。これらにも協力する形で、オプジーボをより有効に使用するように努めてまいりたいと考えております。

○杉山委員
 虐待に関しては、いろいろな県の指導やら、そういう会を通じてということはよくわかりますが、大きな問題として、実は社会福祉法人の職員の給与の低さと。つまり世の中の平均給与の中でも相当下にいる方々が勤務している割には肉体労働であり、またいわゆる汚い部分の仕事もしなければいけないことがありまして、本来そこのところをじゃあ是正したからこういう問題がなくなるということでもないと思うんですけど、例えば薄型のテレビが出た当時、1インチ1万円は絶対切りませんよと。つまり32インチあれば32万円という金額は間違いなく切らないと。ところが今はもう1,000円台ですよね。
 そして、肉体労働もかなりある仕事ですから、実はロボットなんかを適用しながら、徐々に職員のいわゆる肉体労働的なものが緩和されていくことが実は私は望ましいんではないかなと考えています。
 ただ、それに対する補助だとか、国の助成が実はまだまだ行き届いていない。そういう状況の中で、ロボット、それから機械を使うことに対しては、各施設の中では二の足を踏んでいる部分があると私は感じているんですね。
 ですから、県費でこれをやることはなかなか難しいことかもしれませんけれども、そういう仕事量と、いわゆるストレスを少しでもなくしながら、そして介護を行っていく部分の中では、そういうことも必要だと思うので、ぜひ静岡県として健康福祉部の中でいろいろお考えいただいて、国に対してそういう助成制度、いわゆるロボット、またそういうものに対する助成金の拡大をお願いしてみたらいかがかなと、山口健康福祉部長やら鶴田県理事にはお願いしたいと思います。

 それから、がんセンターの薬ですけども、ケース・バイ・ケースというのはわかりますけども、保険適用ができないかどうかが一番大きな問題だと思いますので、今は確かに効く人と効かない人がいるのはよくわかりますよ。でも例えば、昔よく言われた言葉だけど、何か戦争なんかが起きたときに、その傷を見て傷は深いぞと言ったら死んじまう人もいるけど、傷は浅いぞと言われると、精神的に大丈夫だから生き返るっていう部分もきっとあると思うんですね。頭が痛くてしょうがないよと言われて胃薬を飲まされて、これは物すごい頭痛に効くんだよと言われたときに効くケースは絶対あると思うんですよ。
 というのは、以前、私が厚生部にちょっとお願いしたことがあるのは、いわゆる多動児が飲む薬があったんですね。こんなことを言っていいかちょっとわからないですけれど、眠ってしまう病気があったんですよ。とにかくどこでも寝ちゃう。起こさなければ30時間でも40時間でも寝ている患者がいまして、その子に効く薬は何といったらその薬だったんですね。県といろんなやりとりをしながら、それを保険適用してくれとお願いしたら、これはこの病気に対して効く薬として認証されている薬ではないからできないと返事をもらったんだけど、実際、効いてるんですよ。
 だから、そういうケースも必ずあるので、今度のこの新薬は、どういう患者にどれだけ効くというのはまだこれからでしょうけども、ぜひ県としてもこれを保険適用できる制度に、国にお願いしていっていただいて、確かに国の財政がというようなこともあるんでしょうけども、これからの高齢者と、2人に1人はがんにかかると言われる時代の中では、大変に有効な薬であろうと僕は感じていますので、ぜひその辺をもう少し前向きに検討していただきたいとお願いして質問を終わります。

○鶴田県理事
 今、御発言の中に、金の発言と5番委員の発言でちょっと違うところがあるんですけれど、保険適用はされているんです。それで、もともとメラノーマだったので数が少なくて、数名使えば3500万円、それが拡大されて、その薬価がそのままなのでおかしな話になっているので、今、中医協で、その金額についてはおかしいんじゃないかと議論が始まっている状況になっているので、今後、今の値段でいくかどうかは、ちょっと議論があるところなんです。
 それと、効果があるといっても、今のところ著効とまあまあで合わせて30%ぐらいのものなんです。ただ、使わなかったら必ずしもということで、効果がある人がいるから使うということですね。
 例えば、私もがんセンターの戦略会議で発言したんですけれど、それをむやみやたらに使うのはおかしいんじゃないかということなんですが、現場においては保険収載されたものは医師の判断で使ってもいいということなんだけれど、がんセンターは日本でも三大がんセンターと言われるところなので、やはりその使い方の基準とか、そういうものを示すべきではないかと発言をしたことはあります。
 それで、例えば100歳の人が3500万円を使うかとか、80歳だったら使うかとか、50歳だったら使うかとか、やっぱりそれはあるんだろうと思うんですよね。100歳の人で1年後に死ぬとしたって3500万円の金を使うかどうか。
 それと、国民皆保険制度を維持するかしないのか。そこに全部の金を使って、保険が破綻した場合には、果たしてそれがいいのかとかいろんなファクターがあるので、やはり議論すべき課題だと思います。

○塚本委員長
 ここでしばらく休憩といたします。
 再開は、15時5分といたします。
( 休 憩 )
 では、休憩前に引き続いて委員会を再開いたします。
 質疑等を継続いたします。
 では、発言をお願いいたします。

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