本会議会議録


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平成27年9月定例会企画くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:山ア 真之輔 議員
質疑・質問日:10/07/2015
会派名:ふじのくに県議団


○山ア委員
 それでは、よろしくお願いします。
 大きく2点に分けまして、分割質問方式で質問したいと思います。
 どうしても重複してしまうものですから、合間を縫いまして質問させていただきたいと思うんですが、1点目は県政世論調査の関係でございます。
 委員会説明資料の6ページにございますが、調査項目の中で、基本調査と課題調査とがありまして、課題調査のことに関しまして質問させていただきたいんですが、今回2つ質問項目があります。“ふじのくに”美しく品格のある邑づくりに関する意識と、文化財の公開に関する意識という2つをチョイスされているんですが、このチョイスの仕方、どういう基準で課題調査として選ばれているのかということを教えていただきたいのと、過去はどのような設問があったのか、この2点につきまして、お答えいただきたいと思います。

○神戸広報課長兼県民のこえ室長
 こちらの課題調査につきましては、部局から今こういう、非常に問題になっていることがあるから調査をしたいと要望を受けまして、私どもがこの調査をしているという経緯でございます。それとあと、具体的な内容につきましては、ちょっと今資料を探しておりますので、後ほど答弁させていただきたいと思っております。申しわけございません。
 それで、今年度が“ふじのくに”美しく品格のある邑づくりと文化財の公開で、昨年度が環境保全と臓器提供に関しての意識、それと防犯及び交通安全の3項目でございます。一昨年度が観光客の受け入れ、もりづくり県民税、まちづくりについてという調査をしております。

○山ア委員
 ありがとうございました。
 各部局の問題意識の中でそうやって挙げていただいていると思うんですが、ここに書かれているように、やはり重点調査項目となっています。県民にとって、県政にとって重要だと思われる項目を私は挙げるべきだと思いまして、客観的に考えて、そのときどきのトピックスがやはりありますよね。今であれば人口減少下での地方創生の問題であるし、あるいはいろいろ波紋を広げている県都構想でもありますし、そういったところがなかなか近年取り上げられてきていないというのを、前々からちょっと疑問に思っていました。そのあたりは今後に向けて改善をしていただきたいなと思います。

 それから、9番委員からもお話がありました、調査の仕方ですが、郵送を使ってやられていると。それで先ほどのお答えで今後はインターネットも活用していければということがあったと思うんですが、それに加えてぜひ、確かに設問をふやすと回答率が低くなるというような嫌いもあるんですが、ただやはり調査の意義を高めていくためには、年代をもうちょっとしっかりと調べるとか、所得層を調べるとか、あるいはこの静岡県にどれぐらい居住されているか、そういったところを調べた上でクロス集計をして、そこで答えを出していただければ、多分その先々の施策への展開がかなりクリアになってくると思いますので、今の調査よりももう一段レベルアップしていただきたいですね。ぜひその辺についての見解がございましたら、お答えいただきたいと思います。

○神戸広報課長兼県民のこえ室長
 毎年の調査に当たりましても、それぞれ男女であるとか年代、所得、職業――農林水産業などの職業――それから持ち家かどうかというような、いわゆる属性についての回答をいただいた上で調査をしております。
 したがいまして、10番委員御指摘のお話ですが、もう少し深掘りした調査ということについては、今後も可能でありますので、そういう方向で調査を進めてまいりたいと考えております。

○山ア委員
 ぜひ、大切な事業だと思いますので積極的にやっていただきたいと思います。

 それで、大きな2つ目なんですが、これも若干重複しますが、多文化共生につきまして質問をさせていただきたいと思います。
 これは、たしか8番委員からも話がありました、主要指標の見直しというところがございます。今回、多文化共生という言葉の認知度という項目を、外国人住民に親しみを感じる割合に変更することで、確かに表面的なことから少しわかりにくい指標に変わっていくのかなとも思います。ただ、そうはいいましても多文化共生という言葉はちょっと特別な意味を持っていると思うんですよね。一昔前は国際化と言っていればよかったですけれども、今はそれぞれの文化を認め合う、それから理解をし合う、そして一緒に共生する、ともに生きるということが大事だよということで積極的にPRしてきたはずですから、この多文化共生という言葉を知ってもらう、あるいはしっかりと認識してもらうことは、引き続き大切なことだと思うんですが、そのあたりに関しましてはどのように捉えられておられますか。

○諸星多文化共生課長
 10番委員がおっしゃるとおり、まさに多文化共生の意義を知ってもらうことは非常に重要なことだと思っております。ただ見直しに当たって、多文化共生という言葉だけ知っているのでは意味がないなということで、多文化共生の内容も含めて、広く周知するという取り組みは非常に重要だと思っております。そういう意味で、多文化共生について、まだまだ関心も持っていない方が多いものですから、多文化共生という言葉が多く、もっともっといろいろなところで露出して、なおかつまた外国人が身近にいるということを多くの方が感じられるように取り組みながら、その中でやはり平等とか互いの文化を尊重することが必要だよということを伝えていく取り組みをしていきたいと思っております。
 具体的には現在、多文化共生意識普及プロジェクトなどをやっておりますけれども、引き続き、おっしゃっておられる観点で進めていきたいと思っております。

○山ア委員
 そのためにいろいろな取り組みをされていくということなんですが、委員会説明資料の11ページにあります外国語ボランティアバンク登録者数、それから多文化ソーシャルワーカーの育成が順調にふえてきておりまして、今後もさらに伸ばしていただきたいと思います。
 今申し上げた2つ、外国語ボランティアと多文化ソーシャルワーカー、こういった方々は県内でどのような場面で活躍されているんでしょうか。ちょっと例がありましたら教えてください。

○諸星多文化共生課長
 まず、外国語ボランティアバンクです。
 外国語に堪能な県民をボランティアとして養成をしておりまして、現在1,000人を超える方々が登録をされております。県国際交流協会で毎年3回程度の研修会をやって、その技能がさびつかないように、また一層の資質の向上を図ることをやっております。
 こういう方の活用ですけれども、活用したいという県民の方は県国際交流協会にこういう場面で使いたいという要請をして派遣をするということです。外国語ボランティアの方は、基本的には身近な場面でコミュニティー通訳として外国人県民に対してコミュニティー支援をするという形で活動していただいていると思いますけれども、その辺の活動が見えるように、そういう活動状況もしっかり把握して、それが広がっていくようにしたいと思います。またいろいろな場面、日常の会話だけではなくて、例えば医療通訳は、病院に行くときに言葉の問題があるというところで活用される場面もありますので、医療通訳の研修なども含めてそういう中で取り組んでやっているところでございます。
 ソーシャルワーカーですけれども、平成25年度にソーシャルワーカー育成研修というのを開始いたしました。これは1日の講座でございまして、この方々が本当にソーシャルワーカーとして外国人の相談を最初から最後まで一貫して対応できるというような人材まで、はっきり言って備わっているとまでは申し上げることができないのかなと思っているんです。とりあえずいろいろな窓口で外国人に対応するような方々に、外国人の対応の仕方を知っていただいて、それで一緒に研修を受けた方々が相互にネットワークをつくりながら、自分で解決できないことはつなぐといったような形で、とりあえず研修を受けた方にその成果を使っていただこうと思っております。この方がどのように配置されてどのように活動されているかというところまではまだ至っていないという状況になります。

○山ア委員
 外国人のお客さん、旅行者が特にふえてきている近年におきまして、そういったボランティアだとかソーシャルワーカー、こういった方々が活躍できる場を、あるいは活躍できる能力を、もっともっと高めていただきたいと思いますし、2019年、2020年には国際的なイベントが本県でも開催されるということで、先ほど諸星多文化共生課長もおっしゃいましたが、医療通訳のような専門的な人材も必要になってくると思うんですね。
 昨年の本会議で私はこの医療通訳に関しまして質問させていただきました。本県におきましては一部病院を筆頭にやられているところもありますが、まだまだ全体としてはその数もおりませんし、あるいはそういった派遣をするような仕組みも整っていません。現状において、約1年たちますが、医療通訳を取り巻く状況がどのように変わってきているのか、お聞かせいただきたいと思います。

○諸星多文化共生課長
 外国人県民が医療機関を受診する際などに、言葉による障害がなく意思疎通が図れるよう、医療通訳のあり方を検討するため、健康福祉部の関係課、県立病院、県国際交流協会を構成メンバーとするワーキンググループを立ち上げまして、昨年10月に会議を開催しました。昨年度は2回、今年度はこれまで2回開催いたしまして、それぞれの所属の取り組み内容の現状、先進事例を一緒に学ぶ、それから医療関係者の研修などを行いまして、関係者間で課題の共有を図りながら医療通訳のあり方を検討しているというところでございます。
 それで検討の方向といたしまして、やはり専門性を高め、医療機関での通訳の配置の拡大が求められるかと思いますけれども、そのために医療関係者の理解促進を健康福祉部と連携して進めるということが1つございます。
 それからもう1つは、やはりボランティアベースの活用です。
 外国語のボランティア等に対して研修を行いながら、ボランティアの役割、活用方法を明確にしてボランティアの医療通訳として、研修を受けた人が安心して活動できるための環境整備と、そして人材の拡充を図っていきたいという方向で検討を進めているところです。
 それで今、この検討の過程で、実は厚生労働省が行っている事業で医療機関における外国人患者受入環境整備事業というのがございます。これは地域に医療通訳拠点病院をモデル的に設置するという事業がございますけれども、これについてワーキンググループを中心に県内の医療機関に応募をいろいろ働きかけたところでございます。その結果、磐田市立総合病院に応募していただきまして、このたび採択されました。ですからそちらでの医療通訳の実践のデータとか、そういうものをこれから参考にして、また広げるためにはどうしたらいいかということのいいデータが得られるのではないかと思います。
 今後とも、医療機関のニーズを見ながら健康福祉部と一緒になって、静岡県の実情に合った医療通訳体制の整備に取り組んでいきたいと考えております。

○山ア委員
 御答弁ありがとうございました。
 そういった話で国もかなり本腰を入れてきていると。それで2019年、2020年あたりの国際的なイベントにも本県としても間に合わせていかなきゃいけないと思いますので、ぜひこれまで以上のスピードで取り組んでいただきたいと思います。
 前にも申し上げましたけれども、観光のボランティアだとか、そういった明るい面での養成はかなり進んできているんですけれども、大事なのはそこから先、何かあったときにしっかりと手を携えることができる、そういった専門的な人材がいるということだと思うんですね。それがやはりおもてなしの県、観光立県につながっていくことだと思いますので、ぜひこの医療福祉分野における外国人の言語的な支援策を、積極的にほかの部局と連携をしながら進めていただきますことを要望して終わりにしたいと思います。

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