本会議会議録
質問文書
平成27年9月定例会企画くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者: | 山ア 真之輔 議員 | |
質疑・質問日: | 10/06/2015 | |
会派名: | ふじのくに県議団 |
○山ア委員
よろしくお願いします。
私は、大きく2点につきまして、分割質問方式で質問させていただきたいと思います。
まず1点目ですが、ちょっとしつこいんですが6ページの移住・定住の促進というところで、1点だけ確認の意味も含めまして、質問させていただきたいと思います。
5番委員からこの移住相談センターにおけるターゲットは設けないのかという趣旨の質問がありまして、そのときの答弁といたしましては、特段、定めていないということだったと思うんですが、ただもちろん誰が移住してくださってもそれはオーケーでウエルカムだと思うんですが、でき得れば若い方々、それからお仕事もできる現役の方に来ていただきたいですよね。そうなってきますと、やっぱり今、補正予算で経済産業部から上がってきている就職あっせん機能をここにくっつけて、1名をプラスすることで2名体制でこれからやっていくぞという構えは非常に評価をしているところでして、きっと成果が出てくるんだろうと思っています。
ただ、そうやった現役の方、あるいは若い方々をメーンのターゲットと決めたときに、この相談日が現状、月曜日と祝祭日が休みで10時から18時ということで、土日等々に来ればいいのかということなんですが、ただやっぱり平日の夜間じゃないと来られない人もいるでしょうし、月曜日休みの方々もいらっしゃると思います。その新しく1名追加される方と宮島さんがうまくフレキシブルに勤務体制を組んでいただいて対応していただくことをお願いしたいし、そういった調整が経済産業部とできるのかどうかについてお伺いしたいと思います。
○小林政策監
現在の移住相談センターの休みでございますけど、ふるさと回帰支援センターというNPO法人が管理をしておりまして、そちらの休みに合わせてございますので、月曜日を開けることは困難かなと思います。
それと、夜でございますけども、これもやはりNPO法人の時間の指定でございます。ただ、セミナー等、特別な行事になるときには、もう少し時間延長も含まれておりますので、その時については夜間も開催しているのが現状になります。
○山ア委員
先ほども申し上げましたように、せっかくそういった就職あっせん機能、非常に重要な機能がプラスされるわけですから、最大限、相談者に対応できるように、よろしく連携のほどお願いいたします。
それでは、大きな2点目に移りたいと思いますが、委員会説明資料は全くないんですけれども、NPO活動につきまして、何点か御質問させていただきたいと思います。
まずは、現在の静岡県内のNPO法人の実態をどのように捉えているかということなんですが、例えば、法人数であったり、その活動状況、さらに法人が抱えている課題、強み、このあたりについて見解を教えていただきたいと思います。
○山ア県民生活課長
県内NPO法人の数は、おおむね1,200ほどでございます。やはり大きい法人から小さい法人、いろいろばらつきはあるんですが、総じてなかなか経営状況が厳しいと認識しております。
それぞれのNPO法人の課題でございますが、昨年度末に法人に対する実態調査をやりました。その中で、やはり相変わらず人材の確保の問題ですとか、あるいは資金を確保する手法の問題とかが課題として挙げられておりまして、そこら辺の解決を図ることが今後の課題だと捉えております。
○山ア委員
ありがとうございました。
それともう1つ、平成22年度にふじのくにNPO活動に関する基本指針が改訂をされているんですが、そこから約5年が経過しようとしていますよね。まず、この指針の要点、それからそれに沿った施策がこの5年間でどのように実施されて、成果等々が生まれているのかを教えていただきたいと思います。
さらに、今年度でその計画年度が終わるわけですが、今後はどのような形で進めていかれるのかについても教えてください。
○山ア県民生活課長
平成22年度から今年度までの基本計画で大きな成果としては、NPO活動基金を設けまして県民の皆様、あるいは企業の皆様から寄附をいただいて、NPO法人から公共に資する事業の提案をしていただき、外部の委員会を通して審査をして適正なものに対して補助事業をするといった形で取り組んできたということで、先ほど申し上げた課題の1つである資金の確保の面では成果を残すことができたと捉えております。
ただ、人材の育成の面に関しましては、県でも講座を毎年やったりしているんですが、なかなかこれまで利用を担っていた人材の方々の年齢が高まってきて、新たに若い方が主体となって取り組んでくるところにまだ難があるのかなと思っているところでございます。
こうした部分を踏まえまして、平成28年度からの5カ年に向けて、新しいNPO活動に関する基本指針の策定作業をしているところでございますが、その中でもやはりこれからの主体的な課題を解決していく上では、NPO法人だけではなくてもう少し広く社団や財団ですとか、いわゆる非営利組織、それから企業や支援組織など広く多様な主体が連携して、協働して取り組むことが非常に重要だなと思っているところでございまして、そうしたものに対する活動を結びつけていく。そういう意味での中間支援の業務が非常に重要になってくるということで、具体的な取り組みをこれから年度末にかけて構築していきたいと思っております。
○山ア委員
ありがとうございました。
今の御答弁の中で何点か質問があるんですが、まず資金確保の面につきまして、これまでは県でNPO活動基金を実施してきたということでありまして、今後はそれが市民ファンドに移っていくわけです。移っていく中でも、しっかりとこれまでの課題等を踏まえて、適切な運用もしていただきたいと思うんですが、その辺の市民ファンドに期待するところ、まずそこを教えていただければと思います。
○山ア県民生活課長
どうしても私どものやっていく事業は、年度にとらわれることがありますので、市民ファンドであれば、そういった年度としての壁がとれるのかなと。
それからもう1つは、市民ファンドを担っていただくふじのくに未来財団自身が、融資面だけではなく、先ほど申し上げた人材面に関しても育成のことを事業計画の中に盛り込んでいますので、そういった面からも個々個別のNPO法人の支援に資するようになっていただいたらということを期待しています。
○山ア委員
そのようにぜひ期待するところは多数あると思いますので、これまで県がやってきたその辺のノウハウもしっかりとしながら、うまくやっていただきたいと思います。
それから、資金確保に関しまして、ちょっと関連といいますか、今政府もだいぶ後押しをしようとしていると思うんですが、ソーシャルインパクトボンドというものがございまして、これは投資家から資金を調達して、行政サービスを民間のNPO法人や社会事業者に委託をし、そこで成果を上げて行政コストが減らされた部分を投資家に報酬としてお渡しすると。例えば健康分野でいきましたら、健康プログラムをNPO法人が受託をして、それで何かを施す。そうすると本来100かかっていた医療費が50に抑えられました。その浮いた50には、当然税金も投下されているわけですから、そこは自治体が減らすことができたと。だったらそれを投資家に少し還元しましょうという仕組みでありまして、イギリス発祥で、今日本でも数件パイロット的に事業が始まっているところです。
静岡県内のNPO法人の種類を確認しますと、一番多いのが保険、医療、福祉分野なんです。それ以外にも、例えば環境の保全とか、まちづくりとか、子供の健全育成とか、その辺が1割ぐらいずつあるんですが、そういった意味でいうとソーシャルインパクトボンドで今指摘した種類のNPO法人は十分請け負っていける感覚を私は持っているんです。ですから始まったばかりで今どうこうではないんですが、こういった仕組みも検討して、NPO法人が資金を確保して活動できるよう、ぜひ県庁内でも検討すべきじゃないかなと思いますが、いかがでしょうか。
○山ア県民生活課長
今、10番委員から御紹介いただきました資金確保は、1回目の検討委員会の中でもテーマとして挙げられております。それ以外にもクラウドファンディングですとか、あるいはコミュニティーバンクとか、いろんな資金調達の手法がありますので、そういったときに委員会の中でも検討していただくことも含め、知識の集積に努めていき、できる限りNPO法人の資金調達が円滑にできるようなことを考えていきたいと思います。
○山ア委員
ぜひ、いろんな情報を仕入れながら、進めていただきたいと思います。
それから、先ほどの御答弁の中にもありましたが、中間支援機能を高めていくべきだという発言がおありになったと思いますので、ちょっとそのこともお伺いします。
県内のNPO法人は今、1,200程度あるということなんですが、近年活動を継続されていないとか、それから解散をしてしまったという件数も多々あるわけなんですけれども、ただ持っている資源、それからやられている事業理念等々は非常にすばらしいところが本当はあると思います。そこが活動していないとか何らかの理由でやめちゃうのは非常にもったいない話でありまして、だからこそそういったところにしっかりと手を差し伸べられる中間支援的な存在が必要になってくるわけなんですが、この中間支援機能を強化していくためにこれから県としてどのようなことをやられていくのか教えてください。
○山ア県民生活課長
先ほど申し上げた実態調査の中でも、この中間支援業務についてまだ十分理解が進んでなくて、4割のぐらいの方にしかNPO法人の認知度がないといったことがあります。そういった個別のNPO法人に支援をするところがあることをもっともっとアピールしていかないといけないということが1つあります。
それから、中間支援を担っている組織の中にも、先ほど言いましたように、NPO法人のいろんな状況は本当にすごいスピードで変わってきたりしていますので、いろんな情報を習得する中間支援を担う人材の育成を考えていかなければならないと思っております。
現在、ふじのくにNPO活動センターを県内3カ所設けておりまして、そこに中間支援組織の業務を委託しておりますけれども、底上げを図るようなこともやっていかなければいけないと思います。
○山ア委員
ぜひ、そのように進めていただきたいと思います。
県下の3つのふじのくにNPO活動センターが東部・中部・西部にあるわけでして、県がやるべき役割と市町がやるべき役割というのは違うわけです。床面積だけがだんだん減っていくとかいう話になってくると機能すらも縮小になってしまうのかと、県は非常にその辺は冷たく考えているのではないかという意見も出たりしていたものですから、実はそうじゃないと。しっかりと役割分担をした上で、県は県としていかに中間支援機能を高めていけるかを考えているんだというのをぜひ、しっかりと今度の指針にも盛り込んでいただきたいと思いますし、そこを核としてNPO活動を盛り上げていただきたいと思います。
それから、最後になりますが、今回いろいろと話題というか、大きなテーマになっている人口減少にも関係してくると思うんですが、最近の若者へのアンケートを拝見いたしますと、地域志向が強くなってきていますよね。首都圏よりも自分の生まれ育ったところで活動したい、仕事をしたい、それから社会に貢献したいという思いを強く抱いている若者も多いと。ところがその仕方がわからないということもアンケートとして出てきているんですが、県内にとどまらずどこでもそうだと思うんですが、やっぱり社会の課題に対して果たす役割をちゃんと持っているよと。私たちは自信を持ってそういったことができますと答える方が多いんです。県の調査でも7割ぐらいが自信を持って答えられているわけなんです。
そうなってきますと、さっき言ったように、若者が地元でちゃんとした会社ではなくても、NPO法人等の団体がしっかりとあって、それを支援する県がいて、ちゃんと活動してくれればとどまってくれるという考え方もできるわけなんですよ。ですから、若者を引きとめるすべに、このNPO法人を含めた市民活動団体がなれるんじゃないかなと私は前から思っているんですが、最後にその辺の所見を聞いて終わりにしたいと思います。
○池谷くらし・環境部長
今の点でございますが、私も全く同意見でございます。
NPO法人だけではないんですが、例えば企業でもいわゆるソーシャルビジネスという形で、損得を抜きに地域の活性化に資していこうという会社もございます。例えば最近、伊豆で生コン会社のプラントの跡地に住宅とオフィスを整備して、そこに移住者を呼び込もうということをやってらっしゃる方もいらっしゃいます。そこにはマネジメントでNPO法人の方も一緒に絡んでやるということもたくさんありますので、特に若い方または中堅ぐらいまでの方が非常に意欲的な活動をされているNPO法人の代表の方とか、あるいはそうした企業の、いわゆるソーシャルビジネスをそういう企業の方々に集まっていただいて、それを静岡にいる学生とか、あるいは県外からの学生でもいいんですけど、そういう方々にも聞いていただいて、地方でそういう生き方があるんだということを知らせるような仕組みを、今計画中でございます。詳細が決まりましたら、また御報告いたしますけれども、今年度末をめどに大体30から40ぐらいのNPO等々の方々に発表していただく、それを若者ともう1つはファンドの関係の金融機関の方にも聞いていただいて、そういうビジネスにも投資するという形の仕組みができないかなということを今、模索をしております。
やはりその中には、東京であれば1人の活躍ではなかなか埋没してしまう活動も、違うエリアであればかなりの形で社会に浸透していくと。それがやっぱり1つの生きがいになっていくのではないかなという思いもございまして、実際にそういう活動をされている方もかなりたくさんいらっしゃいますので、ぜひ脚光を浴びて、あるいはそれを見習って、次の若者が同じような形をとっていただくようなことをやっていきたいと思っております。
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