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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成27年9月定例会建設委員会 質疑・質問
質疑・質問者:阿部 卓也 議員
質疑・質問日:10/06/2015
会派名:ふじのくに県議団


○阿部委員
 それでは、おおよそ8項目23問程度、分割質問方式で質問させていただきます。
 まず、最初に6月定例会の建設委員会でも質問をさせていただいていました、ため池の監視にスマートフォンを使うシステムについて。
 6月定例会の建設委員会答弁では大阪府での事例紹介と導入検討を提案したのですが、それに対して前向きの御答弁がありました。その後の検討状況をまずお伺いしたいと思います。

○望月農地保全課長
 スマートフォンを活用しましたため池の監視システムについてお答えいたします。
 7番委員から御紹介のありました大阪府の事例でございますが、下流に人家や公共施設があり影響の大きいため池に、スマートフォンを活用しました水位計等観測装置を設置する計画など先進的な取り組みを行っているため、大阪府での調査を実施してまいりました。
 大阪府での聞き取り等調査の結果、スマートフォンを活用した監視システムはため池を管理しております市町職員だけではなく、ため池周辺の住民に対してもどこにいてもリアルタイムでため池の水位データ等を監視することが可能となっておりました。また従来の観測機器システムと比較しまして非常に安価で効率的なシステムが構築できる等の利点があり、ため池の減災対策の1つとして有効であることを確認いたしました。
 このため、本県におきましてもスマートフォン等携帯端末を活用しました監視システムの導入のため、国の補助事業の活用について検討していきたいと考えております。

○阿部委員
 では、国の補助事業を使って早ければ来年度に導入していくことなのか、またこれは県内市町で導入に興味を持つところがあれば共同してやるとの解釈でよろしいでしょうか、確認します。

○望月農地保全課長
 来年度の取り組みについてお答えいたします。
 この携帯端末を使いました監視システムでございますけれども、現在国の補助事業制度はございますけれども、県の事業制度等についてこれから取り組んで調整してまいりたいと考えております。
 そして、来年度できればため池の箇所数の多い掛川市を初めとします中東遠地域とか浜松市のため池で関係します市町と調整を進めて、導入等について検討していきたいと考えております。

○阿部委員
 非常にスピーディーな動きで感銘しました。ぜひこれは、今農地保全課長が調査されたように安価で、しかも行政と現場にいらっしゃる皆さん、またお住まいの皆様が情報を共有できるという意味では、防災という意味では最たるものだと思いますので、ぜひ来年度まず試験的に数多く導入していただいて、静岡県の防災に役立てていただきたいと思います。

 次の質問に入ります。
 次の質問は、説明資料42ページで御説明されておりました新東名関連の件についてお聞きします。
 新東名は今年度中に豊田東ジャンクションまで延伸が見込まれていますけれども、静岡県内全区間が開通後、新東名周辺の県民の皆様からさまざまな御意見や要望、苦情等が聞こえてまいります。それぞれNEXCOには申し入れ等しているようなのですが、なかなか対応してくれないとの叫びも聞こえてきています。
 特に開通後の騒音、振動被害については当初予測されていたよりも大きかったり、また天候状況や季節によって大分違うこともあって、これは県民の健康状態にも直結することでもありますので、ぜひ県としてもNEXCOのことだからではなくて、関心を持ってそれらの諸問題について仲介や関与をすべきと思いますがいかがでしょうか。
 また、苦情だけじゃなくて沿線の地域の皆様からは地域のコミュニティーの推進等で高架下を使わせてほしいと。富士市では一部使っているところがあるようでありますが、同様にそういう形で高架下を使えることを県もお手伝いができればよりいいかと思うのですが、この新東名の諸問題について県は今後どういう形で関与をしていくかについてお聞きします。

○戸塚道路企画課長
 新東名開通後の諸問題、それから高架下利用についてお答えをさせていただきます。
 まず、新東名の開通後に騒音や振動が発生する、あるいは工事中でありましてもNEXCOの工事は大規模な切り土、盛り土等がありますので、地すべりの発生が心配されるといった苦情を県が受けた場合は、私どもからもNEXCOに対しましてその情報の内容を伝えるとともに、状況の把握や原因の究明、対策の検討と地元への説明等の要請をしているところでございます。
 また、高架下の利用につきましては、道路の高架下を利用するに当たりまして国の通達が出されておりまして、道路管理者が地方公共団体や学識経験者等から成る高架下等利用計画検討会を開催し意見を聴取することとされておりますので、県といたしましてはこうした検討会に参加いたしまして高架下利用の促進に努めてまいりたいと考えております。

○阿部委員
 それでは戸塚道路企画課長、ちょっと突っ込んでお聞きするのですが、今まで諸問題について具体的にどのような形でNEXCOと話をして、どのような回答が来ているのか。それから高架下等利用計画検討会でありますが、具体的にそれぞれの沿線市町や沿線の自治会、町内会等からの要望をどの程度県として把握しているのか確認したいと思います。

○戸塚道路企画課長
 まず、1点目の新東名に関する苦情でございます。私がこの4月に着任しましてから、現在工事中の清水ジャンクションの付近で大規模な切り土、盛り土工事をやっておりまして、地域住民の方が地すべりの発生があるのではないかとの心配を抱かれておりまして、地元の方からはNEXCOに対して説明を求めているのですがなかなか説明をしてくれないとのことでありましたので、清水の工事事務所に私どもからその情報を伝えまして、こういう内容でこういう調査をやってこういう設計をやっているんだと、工事はこういうことをやって安全管理はこうしているんだと丁寧に説明してほしいと要請をいたしました。そうしたところNEXCOにつきましても迅速に対応してくださいまして、資料を整えて地元の説明会をやっていただきまして地元の御理解を得た事例が1件ございました。
 高架下の利用につきましては、まだ現時点では新東名の下を使いたいとの具体的な事例がないものですから、現時点ではまだこういった検討会等については動いておりません。

○阿部委員
 わかりました。
 それでは、今の御答弁を聞いてお伺いしますが、もし今後新東名周辺の皆様からの苦情があった場合、どういう形でお受けをしてどういう対応をしていくのか。それから同じく高架下の利用に関しての要望があった場合どういう対応をしていくのか。
 これは多分、それぞれ沿線市町まででとまっているところも多いかと思います。そういうものを含めて今後県として沿線市町とNEXCOとどのような連携をして、県民の皆様の健康問題の改善もしくは周辺環境の改善のために努めていくのか所見を伺います。

○戸塚道路企画課長
 まず、新東名が開通してから騒音等が発生した場合の対応の仕方でございますけれども、まず騒音等が発生している場所それから状況等を把握した後にそれを所管、管理するNEXCOの担当部局に情報を伝えまして、NEXCOだけでは効果的な対応ができないといった場合には、県の環境部局であるとかあるいは市町とも連携をして何らかの対策を検討してまいりたいと考えております。
 また、高架下につきましては高架下を利用したいとの具体的なプランが出てきたところでまた動いてまいりたいと考えております。

○阿部委員
 わかりました。
 そこまで言い切ったからには、それぞれの具体的な話が個々に出てきた場合は、市町にまずお任せしますという逃げを打っちゃだめとそれだけは要望として申し上げておきます。

 次の質問に移ります。
 歴史的資源を核としたまちづくりについてお伺いしたいと思います。
 配付資料の中にもございましたが、歴史的資源を核とした景観まちづくりのセミナーを「プラサ
 ヴェルデ」で10月9日にやりますよとのことですが、これは平成20年施行の歴史まちづくり法に基づいて全国で既に49都市がこの法律による歴史的風致維持向上計画の認定を受けていると。これは県内はまだなかったのですが、それこそ3番委員の地元の三島市が今年度の認定を目指して準備を進めていまして、県としてもまた我々としてもぜひ応援をしなきゃいかんと思っているのですが、この際静岡県としてやっていくのであれば、具体的に少し踏み込んだ支援策を考えたらどうかという提案をしたいと思います。
 この歴史的な風致の維持でありますが、言葉上また理念的に非常にすばらしくきれいではございますが、実際はその建物の所有者の方とか、現地に居住している方からすると決してそう簡単なものではないと。自分の家が自分たちの好きなようにいじれないというのもちょっと困ったことになってしまうので、そういう所有者並びに現地の居住者本意で物事を考えていった場合に、少し具体的な事例を引いて紹介しますと、建物の景観は基本的には建物の外側が景観として維持されていることが望ましいということであります。また内装においても貴重なものや価値のある部分は維持をしていくことが望ましいというのはよくわかるのですが、それをそのまま全部現状維持しろと言うと博物館になっちゃうので、そうじゃなくてそのまま暮らせるようにするためにはどうしたらいいか。もしくはその建物や景観を売りにして商業や観光資源として生かしていくためにはどうしたらいいかを考えたときに、その家を暮らしやすくつくり直せばいいとの発想に転換をした事例があります。
 これは、アレックス・カーさんというアメリカ人がおりますが、この方が篪庵トラストというNPO法人をつくって、古民家の改修とか運営管理委託を全国各地で展開されています。
 例えば、徳島県三好市の祖谷渓、平家の落人集落の祖谷渓。それとか長崎県の小値賀島、それから奈良県の天川村ですか、ああいうところでやられていますが、この方のやり方は骨格は残して壁の中に断熱材を入れると。それから水回りも全部やり直すと。そうするとお風呂とかトイレは快適性を――最近のトイレでいえばウォシュレットを――備えたものにする形で、外観は古民家だけれども、中も古民家の非常にいい部分が残っているんだけれども居住性が非常に高い家につくり直しておられます。こういうものを持ち込んでいく。
 また、先般地方分権推進特別委員会で視察に行ってまいりましたが、富山県富山市に岩瀬まちづくり株式会社というのがあります。これは昔の港町があって、その通りを維持していくためにもともとは酒屋さんが発起人になってつくり出したのですが、その空き家になったところにまちづくり株式会社をつくってそこで買い取ってしまう。それで全部つくり直していくと。また富山市もそれに関連した補助を出していくシステムをつくっておられました。
 なので、せっかく県も景観まちづくり課をわざわざそういう名前にして設置をした以上、こういう思想を持ち込んで市町と当事者、所有者等と一緒になってアドバイスとかそれに関連する補助制度をつくっていく発想を持つべきと思いますが、これに関して所見を求めます。

○植松景観まちづくり課長
 歴史まちづくりについてお答えいたします。
 平成20年に地域の歴史的風致を維持向上し後世に継承するため、地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律が施行されました。
 この法律に基づきまして、市町村は歴史的風致維持向上計画を策定し国による認定を受けることにより各種事業による支援や法律上の特例措置を受けることができます。国による支援の1つとして社会資本整備総合交付金を使いまして、街なみ環境整備事業を活用いたしまして、歴史的な町並みを有している地域について歴史的な建造物の修繕や一般住宅の外観の修景などを行うことにより、良好な町並みを維持、再生することができます。
 現在、県内で三島市がこの認定を目指しているところでございまして、県といたしましても計画の策定と認定後の事業採択について支援をしてまいります。
 7番委員から指摘のございました古民家や空き家の改修、活用につきましても地域の歴史的な資源を活用した景観づくりを進める上で大変重要な取り組みであると認識しております。県内でも松崎町のなまこ壁の保存などは現在課題になっておりますので、全国の先進事例をこれから勉強して参考としていきたいと考えております。

○阿部委員
 三島市は、ぜひ認定されてほしいと思いますが、それに際して今僕がとうとうと申し上げたように、国の補助等がない部分で現場本意で考えたときに、今言ったようにそこに住み続けられる、生活感のある観光地、生活感のある景観として守っていくためにやはり県としても何らかの補助、アドバイス制度をつくっていくべきと思いますが、もう一度、そういうことに関して検討する所存があるかどうかお聞きします。

○植松景観まちづくり課長
 現在、市町が行う景観形成事業に対しての県の補助事業はございません。都市局の中ではそういうものは必要であろうということで現在検討しているところでございます。
 景観づくりを行うに際して市町に対してのアドバイザー制度がございまして、有識者を県の費用負担で派遣してアドバイスをする制度はございますので、そちらはこれまでも県内市町が活用してまいりましたけれども、各市町にこれからも情報提供していきたいと考えております。

○阿部委員
 わかりました。ぜひ検討していただきたいと思います。
 これは、いつも5番委員がおっしゃいますが、静岡県が観光県としてしっかりと地位を固めていくためには、せっかくゴールデンルートにいるので寄っていただく、また私が本会議で申し上げたように今度大河ドラマの舞台にもなりますので、こういうところにきちんと補助制度をつくっていったりすることが全ての土台づくりにつながっていくと思うので、ぜひ今景観まちづくり課長がお答えになりましたが交通基盤部長以下、部を挙げて御検討いただきたいと思います。これがまちづくり、ひいてはその町の品格をつくっていくと思いますので、それはよろしくお願い申し上げます。

 次の質問に入ります。
 次は、先ほど6番委員からも少し関連の話がありましたが馬込川の河川整備事業についてお伺いします。
 現在、馬込川におきましては馬込川水系の河川整備基本方針が策定作業中でありますが、基本方針の検討がスタートした平成23年からわずか5年ではあるんですが、先ほどまさに6番委員からもありましたように気候変動が大分大きくて、このところの雨量の増加、特に短時間に集中して雨が降ることが著しいというのは私だけじゃなくて皆さんも認識されていると思います。
 先般、新聞記事で拝見しましたが、9月14日の県の河川審議会で基本方針が一応了承をされたようでありますが、果たして今まで検討してきたもので整備内容が十分であるのかどうか非常に心配があります。ですので、河川審議会では先般の浜松市で起きた冠水等々も踏まえてどのような議論がなされたのかお伺いをするとともに、もう1件、所管課として今後この方針にまだ変更、見直しが必要と思うところがないのか、もう一度確認をしたいと思います。

○長縄河川企画課長
 馬込川の河川整備事業についてお答えいたします。
 先般、9月14日に県の河川審議会を開催いたしまして、馬込川水系河川整備基本方針案について御議論いただきました。この河川整備基本方針といいますのはその川の将来的な整備の姿を定めるものでございます。基本方針ができました後にはおおむね二、三十年間で行う具体的な整備の姿を定める河川整備計画をつくってまいります。
 馬込川水系河川整備基本方針におきましては大きく4項目ほどございまして、まず1つは災害の発生の防止または軽減に関する事項、2つ目としましては河川の適正な利用や河川環境の整備保全に関する事項、3つ目に河川の維持管理に関する事項、4つ目に地域との連携と地域発展に関する事項、こういったことについて定めております。
 その中で、災害の発生の防止または軽減に関する事項といたしましてお諮りした案の具体的な内容といたしましては、年超過確率50分の1の規模の降雨による洪水を安全に流下させることのできる治水施設の整備を目指すこと。加えまして地形特性により市街地で発生している内水被害の軽減について支川管理者や下水道管理者と連携を図って対策を進めること。さらには地球温暖化の影響等による想定を超える洪水や整備途上段階での施設能力以上の洪水が発生した場合においても被害をできるだけ軽減するため、平常時より関係機関や住民等と連携し、防災情報伝達体制や警戒避難体制の整備、洪水ハザードマップ作成の支援、防災訓練による防災意識の向上などの自助、共助、公助による地域防災力の充実強化を図るといった内容をお示ししたところでございます。
 これに対しまして、河川審議会におきましてどのような議論があったかにつきましては、まず治水の関係で申しますと、ちょうど河川審議会の開催の前の週に高塚川周辺を初めとして大きな浸水被害があったことで、報道などでも取り上げられていたことを踏まえた御意見が多くございました。
 具体的には、高塚川周辺の内水被害を排水ポンプで馬込川に排出する場合に、あの辺は市街化調整区域ではあるんですが現状は市街化されている中で、市街地として市街地から排出される量を見込むのかという御指摘であるとか、あるいはここ3年間続けて危険な水位を超えている状況から危険な川であるとの認識を強調する必要があるんじゃないかという御意見、あるいは治水に関しても県と市との役割を具体的にする必要があるんじゃないかとか、農地の宅地化にどう対応するか、こういった御意見をいただいております。
 また、環境につきましてもかつてはヤリタナゴが生息していたとの記述があったほうがいいんじゃないかという御意見もいただいております。
 2つ目の基本方針の案についての変更、見直しについてでございますけれども、お示しした基本的な考え方自体には修正は不要であると考えております。ただ、いただいた御意見を踏まえますともう少し市民の方にもわかりやすい書き方に工夫するべきじゃないかというところが見受けられますので、そういったところにつきましては修正をした上で決定していきたいと考えております。

○阿部委員
 河川審議会に出席された河川砂防局長にお伺いしたいと思いますが、その議論の中で、先ほど来河川企画課長の答弁では50年に1度の豪雨を想定しているということでありますが、3年間連続して氾濫危険水位を超えていますね。これは決して気候のことだけではないと私は思います。馬込川の沿線を見ると急速に市街地化も進んでおりますし、また今まで保水力があった農地も失われています。なので馬込川に入ってくる支川の水量もふえていると、実際大雨が降った日に現場を見に行って肌で感じていますが、そのあたりもしっかりと把握した上で今の河川企画課長の御答弁でいいのかどうなのか。これは僕は大きな問題だと思います。ここでもし言い切って基本的なものは見直しませんと、変更不要と思っていると言い切られましたけれど、後で取り返しがつきませんよ。その辺をきちんと責任を持って言い切れるのか、もう一度そのあたりもきちんと現場と話し合ってことしの河川審議会の前の週の状況もきちんと分析をして最終的な答申をつくろうとしているのか、もう一度確認します。

○杉保河川砂防局長
 馬込川水系河川整備基本方針についてお答え申し上げます。
 方針案にまとめてございます治水対策でございますが、基本的には今7番委員から御指摘がありましたように流域の開発等に伴う流出土あるいは気候変動、また雨の降り方等も考慮しまして、河川への降雨水量をシミュレーションの形で試算して確認をしております。土地利用をどんなふうに想定するかはモデル的になりますけれども、このシミュレーションの検証には実は昨年の台風18号の出水の状況とあわせまして検証してモデルが確かであるという検証のもとにシミュレーションの計算をもって治水計画をつくっておりますので、7番委員が危惧しております流域の開発の状況だとか土地利用あるいは流域の保水能力の低下といったものの状況と現状についてすり合わせをしたものを確認した上での検討でございますので、実情に合った治水計画であることは確認済みだと認識をしております。
 ただ、今後の雨の降り方あるいは土地利用の変遷は不透明な部分がございますので、一度方針を決めますけれども、流域の大きな変更等がありましたらこれは逐次見直すことも可能でございます。管理に不都合な点がございましたら、そこは一度決めたものをずっとやり遂げるものではありませんので、見直しの方策も考えておりますので、あくまでも実情に合っているかについてはしっかりと今後検証しながら方針に沿った整備計画を進めていきたいと思っております。

○阿部委員
 わかりましたが、1つだけ確認をしておきます。
 川の厄介なところは二級河川――県管理河川ですが――そこにさっき言ったように県が管理していない支川が合流してくるということがあります。そのシミュレーションの中に支川からの流入量は当然シミュレーションのデータとして入っているでしょうが、それがこの水量以上になったらば、このシミュレーションは崩れますということをきちんと、例えばその河川が浜松市の所管河川であれば浜松市には言っておかなければいけませんし、それからまた周辺開発を許可する場合に河川管理者だけじゃなくて、周辺の土地の許認可をする際も用途変更によってどれだけの保水力が落ちて河川に水が入ってくるか、また都市化によって生活排水等がふえてくるかもきちんと考慮しなければいけない。そういう危機管理をしなければいけないと私は思います。そこまでやっていただいて初めてこの基本方針を良とできるものだと思いますが、その点もう一度確認しておきます。

○杉保河川砂防局長
 それでは、馬込川水系河川整備基本方針についてお答え申し上げます。
 7番委員の御指摘のとおり、シミュレーションの詳細についてはしっかりと支川の流入あるいは土地利用に応じた流入も見込んでやっておりますので非常に精度の高いものだと考えております。ただ、今御指摘にあったように今後支川の管理者であります浜松市あるいはそこにお住まいの方、こうした方と連携をとりながらしっかりと流域全体での治水対策を進めてまいりたいと思います。
 また、土地利用についても非常に観点が大きいものですから、基本方針の中には先ほど河川企画課長から申し上げましたように総合的な治水対策をとることで適正な土地利用のことも言及しておりますし、県と市の役割分担もしっかりこれからやっていくことも記載をしてまいりますので、そこに書かれている基本方針の文言に沿った管理をすることで実情に合った管理ができる文言になっていると考えておりますので、これをもって方針としていきたいと考えております。

○阿部委員
 わかりました。ぜひそうしていただきたいと思いますが、そのシミュレーションのそれぞれの公表できるデータは公表して、実際万が一馬込川が決壊したり冠水被害が出た場合、シミュレーションのどの部分が崩れたのか、また県のほうから今僕が申し上げたようにここはデッドラインですよと示してそれを超えてしまった原因は何なのか。例えばそれが野方図な市街化であるのか、農地の放棄であるのか、そういうものをきちんと原因究明できるようにしなければ河川管理はできない、治水というのはできないと思います。そこをきちんと市も県も周辺住民も開発業者も意識を同じくしておかないと河川管理はできないと思いますので、治水はできないと思いますので、そこをくれぐれもお願いをしておきます。ぜひ交通基盤部長以下、河川関係の皆様にはお願いを申し上げて要望としておきます。

 次の質問に入ります。
 浜松の防潮堤の植栽工事についてお伺いします。これも同じく私が本会議等で質問をさせていただいていますが、植栽の工事の発注が始まったようでありますが、何点か確認をさせていただきたいと思っております。
 まず、この植栽の工事に当たって樹種が指定されていますがこの樹種の選択理由と、選択するに当たって試験植栽をしているはずです。その結果、どのレベルのいわゆる着床率と言うんでしょうか、そのまま植わって生きながらえているという数値が出たものが採用されているのか、まず1つお伺いします。

 2つ目は、クロマツは抵抗性クロマツを導入するということでありますが、この抵抗性クロマツは他の樹種と設計単価について違いがあるのか確認します。

 3つ目、この抵抗性クロマツですが、抵抗性というと通常の松に比べて植栽したら消毒や手入れの手間が軽減されるのかなと聞こえますが、この点どうなのか確認をしたいと思います。

 4点目、苗木の生産は時間がかかります。工業製品ではないので発注に関してこの辺の配慮を考えてやるべきだと提案してきましたが、配慮を考えたか。またこの生産の継続性は例えば1年、2年のスパンで考えていかなきゃいけないんですが、どのように考えているのか。

 5点目、先ほど3番委員がまさにおっしゃいましたが、地元の中小企業事業者への受注機会をふやすための条例を議会としても通しているわけです。この堤防の本体工事はまさにそのとおり地元の業者を中心にしてやっているわけでありますが、この植栽に関してもぜひ地元経済に寄与するためにも、またその後の維持管理のためにも入札条件の中にそのような配慮をしたのかどうなのかお聞きしたいと思います。

 最後に、広葉樹の部分はボランティアの皆さんが植えるとのことですが、今までの事例を見るとボランティアの方の植えたところが残念ながら植え方が不十分で枯れてしまうことが多かったりということがあるようですが、そのボランティアの皆様の植え方とか、ボランティアの皆様をどう集めてどういうふうに責任をもって管理していくかに関してはどうなっているか。以上、6点についてお伺いします。

○藪崎森林保全課長
 浜松防潮堤の植栽のうち、樹種の選択理由と試験植栽の結果についてお答えいたします。
 樹種の選択に当たりましては、平成25年度に治山砂防関係、海岸林、津波関係といった専門家の方々にお集まりいただきまして浜松市沿岸域防潮堤整備に係る植栽計画検討会を開催いたしまして、植栽する樹種を選定いたしました。
 選定の方針といたしましては、海側から陸側までの林帯全体、要するに林、森林全体で防災機能を担って津波の減災効果を持っているというようなことを中心に選んだものであります。また加えて効果的、継続的に管理が行え、かつ経費の縮減が図れることに関しましても配慮して選定したものであります。特に現場の周辺で見ることができる広葉樹などの選定もいたしておりまして、クロマツのほかにトベラ、マサキ、シャリンバイあるいはヒメユズリハといった常緑の広葉樹についても選定しているものでございます。
 試験植栽の結果なんですけれども、平成26年度に植栽した樹木ということで、まだ1年たっていないということがございまして、十分な結果が得られたものではございませんけれども、これにつきましては県の森林・林業研究センターが調査を行っているものでございます。
 結果につきましては、従来から潮風に非常に強いと言われておりますクロマツ、トベラ、マサキ、シャリンバイといった樹種につきましては非常に良好な生育をしておりまして、90%以上の活着率という状況でございますけれども、植栽した樹種のうちのクスノキですとかエノキ、ユズリハという樹種につきましては塩の害でありますとか飛んできた砂によって葉っぱが傷めつけられているという状況で、かなり成績が悪いというところでございます。ただ、これにつきましても時期がずれることによって、根さえついていれば下から葉が出てくることもありますので、まだ一概に活着率がどのくらいということが言える状況ではないことをお聞きしております。
 いずれにしましても、防風工というか風を抑えるための柵みたいなものは必要であると言われておりますし、また通常の砂地から土を盛ったことで山土が盛られておることから、広葉樹でも防風工などをしっかりやれば活着が見込めるのではないかという中間報告をいただいているところでございます。
 先ほど申しましたようにまだ経過がたってないことから、またこれからも長期的な調査を行っていきたいと考えております。

○石垣河川海岸整備課長
 抵抗性クロマツの設計単価についてお答えいたします。
 クロマツあるいはその他の広葉樹を使用しておりますけれども、県の単価あるいは物価資料がございますので、そういった単価を使って設計をしております。抵抗性クロマツとその他のクロマツにつきましては、直接工事費の単価では倍以上の開きがあると聞いております。

 続きまして、苗木の生産に時間がかかることでそういった面に関して配慮しているかという質問でございますけども、クロマツにつきましては森林保全課から静岡県山林種苗協同組合へ、その他の広葉樹につきましては西部農林事務所から苗木生産者に情報提供しております。8月には浜松土木事務所が中心となりまして意見交換会を開いております。今後も効率よい生産が図られるよう連携していきたいと考えております。

 続きまして、地元業者の育成と地元経済に寄与するように配慮はしているかという質問でございます。
 地元業者の健全な発展あるいは県内産品の優先使用という基本方針に基づきまして制限付き一般競争入札で行いますけれども、浜松土木事務所管内に営業所を有する者という条件をつけて入札をしております。また総合評価におきましてもそういった営業所があることによって加点していることで配慮したものであると考えております。

 最後でございますけれども、ボランティアの植栽につきましては、6月定例会の建設委員会でもお答えしたかもしれませんけれども陸側の花壇を植栽していただくですとか、造園業者によって植栽の箇所を少し植えやすくする準備だとか、そういった配慮をしております。
 また、市民のボランティアの方が植えた植栽につきましては、工事期間中であれば請け負った県発注の請負業者で養生と管理をしておりますし、その後完了しましたら浜松市の森林部局と話し合いを行いまして管理等につきましては検討していきたいと考えております。

○菅沼森林整備課長
 7番委員御質問のうち抵抗性クロマツは通常の松に比べ植栽の後、消毒や手入れの手間が軽減されるのかにつきましてお答えいたします。
 松枯れ被害を防ぐ作業としましては、松材線虫病を松に感染させるマツノマダラカミキリ――カミキリムシですけれども――これを駆除する薬剤散布ともう1つ枯れた松を感染源としまして被害が拡大することを防ぐために枯れた松を伐採して破砕などをする伐倒駆除の2つの作業がございます。
 このうち薬剤散布につきましては、抵抗性クロマツを植栽しましてもマツノマダラカミキリがいなくなるわけではないものですから、引き続き薬剤散布は実施する必要がございます。
 一方、伐倒駆除につきまして抵抗性クロマツは枯れにくい松でありますので枯れる本数が少なくなることで、こういった手間は軽減されることになります。

○阿部委員
 御答弁それぞれありがとうございました。
 何点か再質問をしますが、まず藪崎森林保全課長。
 先ほどの御答弁だとまだ試験植栽の結果が十分ではないと。クスノキ、ユズリハは悪いということをおっしゃいました。ただ広葉樹は山土なのでオーケーではと考えているということだったんですが、今回の樹種の中にはこれらは入っているんでしょうか、入っていないのでしょうか。入っているのであれば、今後植栽の結果がまた1年、2年たっていく中でやはり悪いということであれば、今後の植栽の発注に関して外していくのが妥当な考えだと思うんですが、そのあたりどのような考えでいるのか再質問します。

 それから、石垣河川海岸整備課長。
 クロマツは他の樹種に比べて倍以上高いということでありますが、これは菅沼森林保全課長にもあわせてお聞きすることになりますが、クロマツを生産するに当たってなぜそのような高めの単価になってしまうのか、確認したいと思います。

 それから、石垣河川海岸整備課長にもう一度。
 地元業者に配慮をとの中で営業所を浜松市に有する者という御答弁がありましたが、これについて私はいつも思うんですが、営業所を有するだけだと抜け道になってしまうのではないかと。例えば大手のゼネコンさんなんかだと、諸手続はありますが簡単に営業所は出せてしまう。これはいわゆる地元企業が圧迫を受けることにつながるのではないかという危惧があります。
 なので、例えば地元に本社があるものとか地元の工事の実績があるものとか、そういう形が望ましいのではないかと考えますが、答弁を求めます。

○藪崎森林保全課長
 試験植栽の結果とそれを今後の植栽に生かしていくのかというお話でございます。
 先ほどのヒメユズリハ、エノキ、クスノキといったものが今現状として生育が悪いという説明をさせていただきましたが、これにつきましては防風柵が十分に施工されていない場所での結果でもございますので、そういうものをしっかりやっていく必要もあるかと思います。
 それともう1つ、広葉樹を植栽していった場合、もともとこの海岸の防災林は背後地の住家でありますとか農地を塩の害だとか風の害から守るという1つの大きな目的を持っております。これにはやはり高くなる木――高木が必要でございまして、塩の害に強いトベラだとかマサキ、シャリンバイといったものは比較的木が高くならない樹種でございますので、それを補う意味でこのオールマイティーであったのがクロマツであったわけですけれども、松くい虫の害だとかいろいろな問題があって今後広葉樹に転換していくことを視野に入れて海岸防災林を育てていくとすると、やはりそういう高木の樹種の中からも幾つかは選びながら育てていく必要があるかと考えております。
 今後、試験植栽の結果を再度少し時間を経過して見ながら、植栽する樹種については選定していきたいと考えております。

○菅沼森林整備課長
 クロマツの苗の単価が高い理由についてお答えいたします。
 抵抗性クロマツの苗の生産につきましては2つ方法があります。1つは抵抗性の松の種をまきまして出てきた大きな苗木に実際に松材線虫を接種してみて生き残るかという接種検定をします。検査で生き残った苗を抵抗性のクロマツとして出荷すると。この接種検定等の作業の手間もしくは枯れてしまうリスク、こういったところから単価がどうしても高くつく。
 もう1つの方法が、抵抗性の松を母樹としてこれのクローンを挿し木でふやします。この挿し木のふやし方につきましても発根率が悪いと非常に生育に手間がかかるといったことから、通常のクロマツに比べますと単価がどうしても高くなります。

○石垣河川海岸整備課長
 浜松土木事務所管内に営業所を有する者という答弁をいたしましたが、制限付き一般競争入札を実施の基本としておりますので、その場合の想定者数、要は競争性を高めるためということで20者程度が一番望ましいとなっておりますので、この場合は主たる営業所、本社があるという規定ですとその数に達しないこともございまして、浜松土木事務所管内に営業所を有する者という規定にしております。
 ただ、7番委員御指摘の実績に関しましては静岡県内の国または地方公共団体の発注した造園工事のうち植栽工を元請として施工した実績があることを条件としておりますので、そういった実績についてはしっかり加味させていただいている状況でございます。

○阿部委員
 御答弁ありがとうございました。
 それぞれわかりましたが、藪崎森林保全課長、先ほど申し上げたように、堤防の植栽の活着率がいい堤防が――緑の堤防が1日も早くできることが重要ですので、柔軟性を持ってぜひ今後の発注作業をしていただきたいと思います。
 また、石垣河川海岸整備課長、競争性を高めるためなのはよくわかりますが、ぜひ先ほど申し上げたように本来の地元経済の活性化にも鑑みて、またその後の維持管理も鑑みて業者の入札資格については検討していただきたいと思います。要望として申し上げます。

 最後の質問を申し上げます。
 総合戦略案の149ページ、150ページ。ここに地域に必要な生活交通の確保についてがございます。これに関して3つ質問をします。
 1つ目。バス、鉄道の輸送人員の目標数値の算出式と想定数値の設定根拠がどうなっているのか。なぜ問うかというと、全県でバス路線は減少傾向にありますね。また少子高齢化や人口流出の大きい今日の現状から現状維持ということに疑問を感じます。これいかに。

 2つ目。デマンド運行のほうが私は効率的であると考えるんですが、これはもう皆さん御承知のとおりですが、この導入が進まないのは市長の交通計画にデマンド運行という思想が反映されてないことに元凶があると考えますが、これについて所見を問います。

 最後に、県として総合戦略で目標をうたう以上、もう少し公共交通体系について全県的な理念、方向性があってしかるべきだと思います。本年度初めて御承知のように交通基本法に基づく交通政策白書が策定されていますので、今後地域公共交通体系のあり方も含む県としての例えば交通政策大綱のようなものの策定を考えるべき時期だと思いますがいかに。この3つお願いします。

○林地域交通課長
 まず、総合戦略の目標数値――県内の鉄道旅客輸送人員、県内バス旅客輸送人員を維持する目標数値でございますけれども、数値目標の算定方法と設定根拠についてお答えいたします。
 数値については、国土交通省が行っております――年1回公表しておりますけれども――都道府県別の旅客地域流動調査で静岡県内から出発された方、首都圏内に到着された方の人数を足し合わせて出した数値でございます。鉄道についてはJR及び私鉄の乗客数、バスについては10人以上の乗り合いバスの数値でございます。
 7番委員御指摘の少子高齢化、人口流出の現状で路線バスが減っている状況でこの数値で大丈夫なのかという御質問でございますけれども、これらの公共交通の役割を見ますと地域住民の生活の足という観点だけではなくて、地域外から訪れる訪問客、観光客の方の数もカウントした数字でございます。いわゆる交流人口の数値も合わせた数値でございますので、この数値目標につきましては県全体として達成できる数値ではないかなと理解しております。

 続きまして、デマンドタクシーに効率性が高いということで切りかえるべきではないかという御質問でございます。
 県では現在のところ、道路運送法に基づき各市町が設置しております地域公共交通会議に参画いたしまして市町の自主運行バスの利用実績を確認するとともに、乗車率の低いバス運行についてはデマンド化など新たな交通手段への移行を検討するようその都度働きかけておるところでございます。
 御指摘のデマンドタクシーの運行への切りかえにつきましては、行政費用の低減や自宅送迎などの利便性の向上などの例があるものの、一方で会員制ですとか登録制による一般利用者の制限、運賃や利用料金の増加、乗り合いタクシー事業への影響などのデメリットもありますことから、利用者である地域住民の意向やその他の交通事業者との調整などが必要となってまいります。
 県としましては、地域住民の意向や市町の調整状況を見定めまして、地域の実情に応じた運行形態になるような助言をしていきたいと考えております。

○曳田委員長
 質疑の途中ですが、本日の審査は7番委員、時間なもんですから質疑の途中ですが・・・・・・。

○阿部委員
 大綱をやるかどうかだけ答えさせてください。
(発言する者あり)

○曳田委員長
 じゃ、そこだけきちっと答えてください。最後だけ。
(発言する者あり)

○林地域交通課長
 御指摘の国の交通政策白書にも記載のあるとおり、国が示している進むべき施策としまして地域公共交通のネットワークの再構築を進めていくべきということで提言といいましょうか、示されております。
 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律が改正され、これにより県が主体的に地域の公共交通の再構築を目指すためのマスタープランである地域公共交通網形成計画や再編の具体策を盛り込むアクションプランである地域公共交通再編実施計画を策定できるようになっております。
 県では、これを受けましてリーディングケースとして南伊豆町、西伊豆町でこの計画の策定を進めておるところです。

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