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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成21年6月定例会企画空港委員会 質疑・質問
質疑・質問者:阿部 卓也 議員
質疑・質問日:08/03/2009
会派名:平成21


○阿部(卓)委員
 それでは、7項目15問お伺いしたいと思います。
 まず、先ほど7番委員からも出ました搭乗率保証についてお伺いします。
 先ほどのお答えの中で、聞きようによっては知事が搭乗率保証について勝手に答えているだけで、まだ協議をしていないと。それについて、空港部は余りあずかり知らんというようにも聞こえないでもなかったわけであって、あえてお聞きをするんですが、JALに対して、附帯決議の努力要請をどのようにしたのかと7番委員が先ほど質問しましたが、それに対して具体的なお答えが――私の聞き漏れかもしれませんが――なかったように思います。
 このJALに対して、私は一つ努力不足かなと思うところがございます。全日空に関しましては、御承知のように搭乗率保証は当然つけてないんですが、この静岡新聞によると、全日空は沖縄と北海道便に関して、開港初日から日本通運と共同して、航空貨物の取り扱いを開始してるんです。これは自由主義経済下における企業として自助努力をして、自分で稼いでいるということなんです。
 ところが、JALが福岡便にその努力をした形跡が見られないと、そのように感じています。そういったところに関して、まだまだJALさんの取り組みに甘さがあるように感じていますが、県当局としてはどのような御認識をお持ちかお聞きをしたいと思います。

 また、この搭乗率保証の導入に際して、2月議会の委員会会議録の一節からちょっと確認をさせてもらいますが、天野進吾委員の質問に対する答弁、天野先生大変厳しい質問されてます。羽田―福岡線の搭乗率は2006年の資料で62.6%、名古屋―福岡便が54.2%と。ドル箱路線でさえこれだけ低いのに、なぜ70%の搭乗率保証を出さなきゃいけないのか自分にはわからないというような御質問をされたのに関して、当時の岩瀬部長代理がお答えになってます。
 そのお答えの中に、11月末の時点で搭乗率の実績を見て、実績がかなり下回るようなことがあれば、それ以降の年間の便数を協議して調整をしていきたいということでございます。したがいまして、半年間だけやるということではなくて年間でお願いをして、半年後に状況を見てその調整をお願いしますということをただし書きで入れているものでございます。これは、附帯決議がつく前の質疑での対応でございます。
 ということはこの岩瀬部長代理の答弁からすると、便数調整を既にこの時点で示唆しているというふうにもとれるのではないかと。また、これを予測していたのではないかというふうにもとれますが、それに関してどのような認識をお持ちなのか、改めてお伺いをいたします。

 続きまして、大きな2問目として、濃霧・雲対策として2つお聞きします。
 先ほどの資料によって、6、7月の実績で就航率が93.9%ということでありましたが、ことしは確かに悪天候であったのは事実だと思っています。ただこの就航率に関して、気象調査を県が平成17年から18年の1年間で実施されていますが、その折の気象調査の内容を開示をしていただきたい。それで、ことしと具体的な比較をするべきだと私は感じています。
 でないと、大変言い方がよくないんですが、またネガティブにとらえられてしまって、静岡空港のイメージダウンにつながってしまうんじゃないかと。ことしが悪天候だったから、非常に残念だけれどしょうがなかったんだということであれば、県民の皆さんも多少納得されるんじゃないかなと感じています。
 すべてのデータを今開示しろというのは無理かもしれませんが、当時の気象データで6月及び7月の就航率は何%と予測をしていたのか、明確にお答えをいただきたいと思います。

 それから、濃霧対策の2点目で、空港の天気予報を地元のテレビ、新聞、ラジオ等の協力も求めて――きょうマスコミの皆さんおいでですけれども――空港の天気予報として特化して、ニュースとか天気予報で出すことができないだろうかと感じます。でないと、行ってみないとわからないじゃビジネス客にはリスクが高過ぎて、空港が最初から敬遠されてしまいます。
 そうでなくて、天気予報である程度予測ができるのであれば、幸いにして当県というのは、天気さえわかれば新幹線等の代替策というのはとりやすいので、ビジネス客も危機管理をしやすい。天気が悪いとキャンセルされるという怖さがあるのかもしれませんが、そうではなくてビジネス客、顧客本位に割り切って、県民の利便性のために天気予報を静岡空港という形で特化してやるべきと思いますが、いかがでしょうか。

 大きな3問目、ILSについてお伺いをします。
 現在はILSというのはローカライザーとグライドスロープ、両方をもって完璧なILSというふうに認識をしていますが、現時点ではローカライザーだけを使っているというふうに認識をしています。
 8月27日をもってグライドスロープが使えるようになると、完璧なILSになるということだと思うんですが、就航率の変化は0.1%という試算もあるようですが、そうではなくて具体的に現在のローカライザーだけだと、地上何メートルまで誘導できるのか。グライドスロープも使えるようになると、さらに下がって何メートルまで誘導できるようになるのか、具体的に教えていただきたいと思います。

 空港整備について、2問お伺いします。
 今年度当初予算で、先ほど7番委員からも出ましたが、ターミナル地区の西側余剰地を小型機用エプロンに整地するための基盤整備費が1億8360万円計上されていますが、このままいくと小型機のエプロン等の整備が毎年されると認識しています。
 ただ、このビジネスジェットの需要がどのくらいあるのか。これが6月、7月で果たして何機ビジネスジェットの利用があったのか、教えていただきたいと思います。

 それから、俗に切山地区と呼ばれる地域で地すべり防止工事を施してますが、去年は予算を大幅に組んでやってますが、その後この時期予想以上の長雨が続いていますが、クラック等ないでしょうか、確認をしたいと思います。

 それから、空港でのおもてなしについて、2点お聞きしたいと思います。おもてなしというか、空港のあり方です。
 1点目は知事からも出てましたが、到着フロアに富士山がないと。これは床にシールを張るとか、正面に写真を飾るとか天井に動画を流すとか、そういう工夫がいろいろできると思うんですが、その後具体的に考えているかどうかお聞きをします。

 2点目です。
 到着ロビーに出てくると、各市町村の物を中心にカタログが置いてあります。だけれども、我々は静岡県の人間なんで、例えば磐田市には何があり、三島市には何がありとわかるかもしれませんが、外からのお客様はそういう認識ではおられない。伊豆なら伊豆、富士山なら富士山、浜名湖なら浜名湖、南アルプスなら南アルプス、これを少しまとめて、ブランド化するということも考えて、静岡に来たら浜名湖だ、南アルプスだと、そういうようなブランド化を考えて、訪問者の立場に立った明確なカタログの配置、もしくは利用方法を考えたほうがいいかと思いますが、いかがでしょうか。

 就航促進について1点お伺いします。
 7月31日の静岡新聞によると、台湾便のチャーター便が好調ということで、チャイナエアラインは増便をするということが記事になっておりました。
 台湾というと、石川県の加賀屋さんですが、加賀屋さんは台湾にホテルも出される、また能登空港を使ってのチャーター便、富山空港を使ってのチャーター便もされておられます。
 行きが例えば能登なり富山におりて、帰りは静岡からとかその逆とか、そういうコース設定というのをしたらどうかというふうに、昨年観光局に提案をしています。当時たしか室長は岩城室長だったと思いますが、この台湾便に関して加賀屋さんとの連携をどう考えているか、ぜひお伺いをしたいと思います。

 それから、貨物の可能性について3件お伺いします。
 まず貨物については、問題点、課題が多くて利用促進協議会で話し合っていくということは理解をしていますが、まず大前提として可能性として、1つ目聞くんですが、空港の24時間化というのは可能性があるのかないのか。もし24時間化が無理であれば、最大限、空港をあけておく時間帯として、将来的に何時から何時まで可能なのか。それによって貨物の可能性の大きさ、小ささが変わってくると思いますのでお聞きをします。

 それから、7月16日の富士山静岡空港航空貨物利用促進協議会設立総会の議事録によると、空港がなかった今まででも、静岡県には8万トンから10万トン程度の国際航空貨物の輸出入があり、長野県や山梨県、周辺県まで含めれば、30万トン程度の国際航空貨物の輸出入があるという議事録があります。
 これをどう静岡空港に持ってくるかということが課題かと思いますが、なかなか一回決まっている貨物をこっちへ変えてくるというのは大変だと感じてはいますが、そのためにどういう努力をしていかれるつもりなのか、お聞きをしたいと思います。

 それから、今あるパイの奪い合いだけじゃなくて、新規の航空貨物をつくり出すという努力もすべきかと考えます。
 先ほど出ました全日空の沖縄便及び千歳便というので、貨物基地が両方ともございます。なので、場合によっては、沖縄からアジア各方面に、千歳から北米方面にという荷物もつくり出せるのではないかと。それに関して、例えば航空貨物といっても、精密機械か生鮮食品かというふうにある程度限られてくると思うんですが、そこら辺で戦略貨物というものを考えているのかどうかお聞きをしたいと思います。

 最後に静岡空港の未来を考えたときに、静岡空港だけではなくて日本の航空施策についてもちょっと見てみなければいけないと思って、少し勉強をさせてもらって愕然としたんです。
 というのはいろいろ勉強すると、日本の航空施策つまり国土交通省の航空施策の方針全般というのは、私は疑問が多いように感じています。
 なぜなら世界のオープンスカイという潮流に乗りおくれている感が非常に強い。そのあらわれが仁川や上海やシンガポールに貨物を持っていかれるというところでもあると思うんです。だからこそ静岡空港がこれから何を目指すのか、建設ありきから脱却して、どんなポジションを目指していくのかということの観点でお聞きをしたいんですが、アジア・ゲートウェイ構想というのが国土交通省が出した安倍晋三政権における日本の航空政策ですが、成田、羽田といういわば世界が欲しがる首都圏の空港が、海外から就航したいというニーズにこたえられていないという現状があります。現在42カ国1地域が成田への乗り入れを希望しながら待たされている。何と言うのかわからないんですが、ウェイティングをしている状況になっています。
 この静岡県としては、この42カ国1地域を把握して、首都圏の空港と同じだと、成田も首都圏まで時間が1時間半ぐらいですけれども静岡空港もそのぐらいで行けますよと、つなぎさえよければということで、売り込みをかけることが可能かと思います。
 そういうことに対して、国に対してアジア・ゲートウェイ構想の進行形として、静岡空港はそのウェイティングをしている42カ国1地域に売り込みをかけるから、国も協力しろよということを迫るべき。そのくらいしないと、地方空港が今後自立していけないと。地方空港の自活を国も助けなさいよということを強く迫るべきと思いますが、いかがお考えかお伺いします。

 最後にもう1つ、ちょっとこれは今回設置された戦略本部に対する提案ですので、御所見をお伺いします。
 静岡空港を今のまま冷静に見ていって、着陸料収入だけでは、全国の地方空港見てもやっていけないというのが現実だと思います。
 だったらば、例えば能登空港は空港に官庁を集めて、人が集まるシステムをつくってます。空港を中心としたまちをつくること、そういうことを考えるべきかと思っています。島田市のメッセ構想にしろ、また新幹線の駅を含めた交通網、在来線も場合によってはそんなに遠いところではない。貨物列車としての使い方もあるのではないかとか、または人を集めやすい商業施設とか、病院とか危機管理施設などの集積を考えること。
 そういうことを富士山静岡空港圏都市構想として、総合的に策定していくというぐらいの壮大な戦略を打ち出すべきと考えますが、いかがお考えになるか、御所見をお伺いしたいと思います。

○岩ア空港部長
 まず1点目の搭乗率保証でございますけれども、これにつきまして、知事が議場において既に見直しの方向を強く打ち出しておりますので、私どもとしましては、知事の意向、知事の指示を受けながらどのような見直しが可能なのか、検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

○白井空港部理事(空港運営・就航担当)
 搭乗率保証に関しまして、JALへの努力要請をどのように行ったかということでございますけれども、附帯決議を受けましてから、6月3日付で覚書を交わすに当たりまして、JALで頑張っていただきたいところはやはり価格の面でありますとか、それからJALの子会社の旅行会社等を通じたツアー商品の開発等さまざまにお願いをして、そういう中で相互に連携を図りつつ最大限のサービスと需要拡大に努めるために、必要な施策を講じていこうということを覚書の中にうたったものでございます。
 努力義務に関することにつきましては、今後日本航空と交渉していく中での非常に重要なポイントと理解をしておりまして、午前中の7番委員の御質問に対しても、その点を含めて慎重にお答えをしたつもりでございます。今後交渉に向けて、県の考え方を知事の了解をとった上で進めてまいりたいというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。

 それから、11月以降の対応でございますけれども、6月3日に覚書を交わしておりますけれども、その中でも附帯決議によって加えた事項、いわゆる11月前でも大きく下回ると予知される場合云々という項目の前に、本来項目として11月時点において下回る場合には、需要喚起の見直し並びに対象期間中の便数及び機材の変更について協議をするということで、便数や機材の変更というのも今後県民負担を発生をさせないための1つの手段として想定をしていたものでございます。

 それから少し飛びまして、空港でのおもてなしのあり方という点についてお答えいたします。
 確かに到着フロアのほうには富士山を大きく打ち出したようなものがございません。モニター等で富士山の映像を流すとか、それから到着したときのコンコースのすぐのところに県の観光協会が広告のスペースを借りて、富士山の写真を張り出したり、さまざましていただいておりますけれども、そういうのではちょっと露出が少ないということで、今後ターミナルビル自体は富士山静岡空港株式会社のスペースでありますので、その県が借りているスペースの中で県が造作できるような部分につきまして、至急対応してまいりたいというふうに思っております。

 そういう中で、到着ロビーに展示コーナーというのがありまして、県下全地域、観光地、全市町村のパンフレットが置いてありますけれども、委員御指摘のとおり、例えば最近は観光を売り出すにしても、観光圏というような形で戦略的な展開がされておりますので、富士箱根伊豆それから浜名湖、南アルプスとある程度のエリアを固めた形での展示の仕方、さらにはそういう観光圏を推進する団体等が新たにつくりましたパンフレット、そういうふうなものを全面に出していくような形のPRができるよう、今後観光局、県の観光協会等とも連携をして対応してまいりたいと考えております。以上です。

○勝山空港部理事兼整備室長
 幾つかお尋ねのございました件のうち、就航率に関しまして、平成17年度に県が気象観測調査を実施しまして、そのときの観測の結果がいかがであったかというお尋ねでございます。
 平成17年5月から18年4月までの1年間にわたって観測をいたしましたが、そのときの結果でございますが、お尋ねは6月、7月ということでしたので、6月の就航率の可能性の予測では97.8%、同じく7月は95.3%という結果になっています。ちなみに年間を通してでは97.8%と、このような数字になってございます。

 それから、空港の天気予報でございますが、これに関しては、現在気象庁が静岡空港における気象情報を既に発表しております。
 これは、エアラインに対してということで公表しております。8番委員の御提案のように一般の方々に気象情報ですとか、例えば予測というところまでは至っておりませんが、いわゆる関係者に対して気象情報が出ているということでございまして、さらにことしの秋からは現在の気象情報に加えて飛行場の気象予報というものも、昨年来1年間データを蓄積してきておりますので、それらをもとに予報も出されると、このように気象庁のほうからは伺っておるところでございます。

 それから、ILSが完全に使用できるような状態になったら、つまりグライドスロープが8月27日から使えるようになるわけですが、これによって実際の飛行機の運航の状況がどのようになるかというお尋ねでございます。
 飛行機が降下してくる高度といたしましては、現在は滑走路から約78メートルの高さが最低降下高といいまして、それよりも上の段階でパイロットが判断をして、着陸するか否かを決める高さとなっております。
 これが今度ILSを完全に使用できるようになりますと、決心高といいまして着陸するかどうかを決める高さが、滑走路から60メートルということになります。したがって、鉛直方向には約18メートルの差ということになります。ただし、これは鉛直方向が18メートルということでございますが、御案内のとおり飛行機は着陸の際には、約3度の角度で進入してまいりますので、18メートルの鉛直方向の高さというのは、水平方向には350メートルの差となりますので、350メートル分いわゆる滑走路に近いところまで飛行機が進入してくることができるということになりますので、その効果に期待するものは大きいものがあると、このように考えております。

 それから、空港全体で地すべり対策工事を施してありまして、それらに対するこの付近における心配はいかがかというお尋ねでございますが、空港本体のみならず周辺部等にいろいろな地すべり防止の観測機器などをセットして、観測を続けておりますが、現時点で我々のところに報告が入っている限りでは、特に大きな地すべりの兆候とかそのようなものは、この雨季に関しては入っておりません。

○石田空港部理事兼空港管理室長
 ビジネスジェットの着陸回数についてのお尋ねでございますけれども、6月でございますが、小型機、セスナも含めまして41回、それから7月につきましては3回という実績になっております。

○岩城就航促進室長
 台湾からのチャーター便についての御質問でございます。
 8番委員から御紹介ありました高雄からの台湾便は、これは台湾からのお客様を主とするインバウンドの便でありまして、旅行業者さんが何人かずつ割り振って販売をしているという中で、富士山静岡空港に着いた後静岡県内を見て、例えば東京ディズニーランドであるとか箱根へ行くとか、他県へも回って、また富士山静岡空港からお帰りいただくと、そういうコースになっています。
 これを見ますと旅行好きな台湾のお客様は、いろいろなところに行きたいと、静岡だけでなくいろいろなところを見たいと。特に静岡には富士山があるということで静岡を選んでいただいているということになりますけれども、こういうところで静岡以外にも回っていただくという行程を見ますと、やはり8番委員から御指摘のありました能登空港あるいは他の空港ですね。
 特に縦のライン、能登空港から入って、例えば加賀屋さんそれから黒部立山アルペンルート、それから長野などを抜けて静岡へ来ると。能登イン・静岡アウトであるとか、静岡イン・能登アウトであるとか、そういう新たな旅行の組み方が可能になるのではないかということで、既に観光局のほうで、関係する県同士の課長レベルで検討を行っておるというふうに聞いておりますので、いつになるかということははっきり申し上げられませんけれど、いずれそういう旅行商品ができて、縦のラインの協力関係で利用拡大ができると、そのようなことが可能になるかというふうに思っております。以上です。

○芝田総務室長
 貨物の可能性についてのお問いかけをいただきました。3点ほどございます。
 まず1点目でございますけれども、24時間化の可能性はどうかという御質問でございました。
 現在富士山静岡空港につきましては、地域との協定で午前7時半から午後8時まで、この13時間が地元との約束事で決められております。現実として、今現在8時半から8時までといった運用でスタートしておるのが現状でございます。
 当然航空貨物ということになりますと、やはり夜間に規模的に大きな機体で運んで、そういった当該の相手先地でなるべく早く陸運のルートに乗っけるというのが一番効率的であることは、まさにそのとおりでありますけれども、やはり私どもの空港の場合につきましては、先ほど申し上げた運用時間で地元との協定等ございますので、まずは私ども今現在スタートしたばかりですので、貨物の実績をいかにこれを大きなものにしていくか。
 そういった中で、将来的な選択肢として貨物専用機――これは目標でもございますけれども――貨物専用チャーター機であるといったものも出てまいりますので、そういった実績を積み上げて、またいろいろな経済的な御理解を県民の皆さん等にいただいた上で、こういった運用期間についても改めて地元等にお願いしていくというような手順になろうかと思いますので、一挙に深夜便ということには、ちょっとそれに至るまでは少し道が長いのかなというふうに考えております。

 2点目でございます。
 現在でも、既に国際貨物の輸出入が8万トンから10万トンあり、また近隣の地域を合わせれば、かなりの量があるわけですが、これをどうやって我が富士山静岡空港に荷を持ってくるかということでございますけれども、1点目のお答えとも重複しますけれども、やはり今スタートし出したものをいかに拡大するか。
 現在就航しておるのは小型機ばかりでございますので、当然荷物を運ぶとなりますとベリー部ということになって、それもばら積みがほとんどということになりますので、こういった状況を1つ1つグレードをアップする。コンテナを使う機材を中型化、大型化を図っていく。こういったことを手順としてやっていく必要があるなと思っています。
 そういった形と荷を集める仕組みにつきましても、今回立ち上げました協議会のメンバー、またその他の方々にも御理解をいただいて、荷を集める仕組み、そういったものをしっかりつくっていくことによって、今成田であるとか中部国際で回っている荷物を静岡空港へ持ってくる、こういった道が開けてくるのかなというふうに考えております。

 それと、3点目でございます。新規の航空貨物をつくっていくことも大事ではないかという御指摘でございます。
 これはまさにおっしゃるとおりだと思います。本県につきましては、工業製品ばかりでなく農水産物が非常に豊富でございます。これらをやはりいろいろな形でもって航空機に乗っけて、貨物として活用していくということも重要なことでございます。
 しかしながら、やはり生鮮食品ということになりますと、空港における必要な貨物施設――冷蔵庫、冷凍庫等の施設も必要になります。それと、またやはり荷を集めるにつきましても、かなりの人を集めなければならない。そうしますと、やはり農協さんであるとか大きな固まりでもって、こういったところに目を向けていただいて、いろいろとやっていかなければならないということでありますので、そういったことも視野に入れまして、今回立ち上げました協議会の中でやると。
 また実務担当者のワーキングも動き出しております。こういったことを、検証なりまた対応等を図って、一つ一つ積み上げていきたいと考えております。以上でございます。

○君塚空港部部長代理
 委員御指摘の42カ国1地域でございます。
 これ自体は公表されているものではございませんけれども、我がほうで調べましたところ、今成田空港への乗り入れに関する航空協定締結の申し入れを行っている国、地域につきましては、委員おっしゃられたとおりでございます。例えばアジア、オセアニアでございますと、モルジブ、カンボジア、パラオ、マカオといった国もございますし、それからEU諸国、アフリカ、中東、中南米――世界各国、申し入れを行っているという状況と把握してございます。
 それから、既に航空協定自体は締結をしていても新規路線を開設したりあるいは増便をしたいという国もございまして、これは例えばポーランド、エジプト、メキシコ、モンゴルといったそういった国々が多数存在するというぐあいに認識してございます。これらの諸国のうち、今後成田国際空港の容量拡大に伴いまして、乗り入れが可能になる国もあると思いますけれども、それでもなおウェイティングが解消されない国もあろうかと思っております。
 そういう状況を踏まえまして、県といたしましては、まずは富士山静岡空港における既存の国際便――ソウル、上海路線の需要喚起と利用者拡大に取り組んでまいります。それから、国際チャーター便を運航する路線の定期便化にも努めてまいります。それから、当初からターゲットとしておりましたタイ、シンガポールといった国々との路線開設の取り組みを行うこととしておりますが、その上で委員の御指摘も踏まえまして、成田でウェイティングしている各国のうち、富士山静岡空港への乗り入れに関心がある国かつ静岡との相互方向の交流が十分に見込める有望な国があります場合には、先ほどアジア・ゲートウェイ構想のお話もございましたけれども、もしその自由化交渉がされていないという場合において、静岡空港へ乗り入れができないというような状況がもしある場合には、国に対して航空自由化交渉を行うよう要請してまいりたいと思っております。
 それから当該国に対して、先ほど御指摘のとおり売り込みを図る余地が十分にあると。首都圏へのアクセスということも可能でございますので、こういったところへ富士山静岡空港への乗り入れの打診をするということも前向きに検討してまいりたいと思っております。

○白井空港部理事(空港運営・就航担当)
 空港を核としたまちづくりについてでございます。
 現行の2010年戦略プラン――総合計画の中にも、地域計画として空港周辺地域の振興計画がございますけれども、新たな総合計画策定の作業を進める時期でございます。
 より一層空港を核として地域振興が図れるような新たな戦略プランが展開できますよう、近々立ち上げます空港の魅力を高める有識者会議等の意見も踏まえまして、企画部とも調整をしながら進めてまいりたいというふうに考えております。

○阿部(卓)委員
 御答弁ありがとうございました。幾つか再質問をさせていただきます。
 搭乗率保証で確認ですが、これは覚書等を確認しても、県民の負担軽減を図る観点から速やかに対応策を協議するということで、この搭乗率保証を途中でやめることになった場合、違約金が発生するとか、そういう覚書ではありません。
 なので確認として、そういう約束はないですねということと、少なくとも片務的な保証制度の見直し、場合によっては取りやめの可能性まで踏み込むということが、今後の県の中で検討されることだと認識をしていていいかどうか、確認をしたいと思います。それが1つ。

 それから、先ほどの濃霧・雲対策の中の天気予報ですが、気象庁が秋から気象予報も出すというのは大変喜ばしいこと、いいことだと思います。
 ただこれを先ほど御提案したように、地元のテレビ、新聞、ラジオ等各局への提供を気象庁に求めていくのかどうなのか。エアラインだけに提供するのかどうなのか、そこを確認します。

 それから空港整備について、勝山理事は先ほど地すべりのところ、特に大きな報告はないということだったんですが、小さな報告があったのかどうか、確認をします。

 それから貨物についてですが、先ほどの航空貨物の8万トン、10万トンというのは、アンケートをとった結果である程度わかっておられると思うんですが、そのアンケートをとった先ですね。
 結局その企業がどんな物を出してるかというのはある程度おわかりだと思うので、そういうところに対して、いわば営業をかけてくるということも、県と航空会社が一緒になって営業をかけていくということも必要かと思うんですが、そのお考えを伺いたい。
 今、飛行機のベリー部で積めるもの、ばら積みできるものというのはある程度おわかりかと思うので、それをやるかやらないか、確認をしたいと思います。

 それから、新規の航空貨物をつくり出すことについてはそのとおりということだったんですが、課題も多いということだったんですが、これこそ県内だけではなくて隣県にもアイデアを求める。
 それから、こういう貨物を新たにつくりたいと、つくってくださいと、皆さん何かアイデアありますかというような公募をすることも1つの手かなと思うんですが、企業というのはアイデアをたくさんお持ちのところです。それで、企業の進捗が決まっていくわけですから、ぜひそういうこともお考えになったらどうかと思います。

 それから、最後の成田空港のウェイティングの42カ国1地域、これを公表はできないまでも把握をされたのであれば、静岡県にとってどこに営業をかけたら可能性があるかという洗い出しをして、徹底的に洗い出しをしてターゲット化をすること。これは外交の話にもなりますから国にも当然協力をさせて、そういう形の組み立てが必要かと思います。
 ぜひそれをやっていただきたいと思いますが、ぜひ国土交通省からおいでいただいた君塚代理の大きなお仕事だと思いますので、御所見をもう一度お伺いします。

 それとともに、首都圏の成田の代替として売り出すのであれば、東京に対するアクセスというもののさらなる整備が急務かと思います。
 また現時点でも、例えば静岡空港は県東部から朝の1便に乗ろうとすると公共交通がないと。自家用車で来ないと間に合わないというような現状もあります。アクセスについてどうお考えか、お伺いします。

 それから、最後の白井理事にお答えいただいた戦略構想で確認をしたいんですが、これは先ほどちょっと言及されましたが、ぜひとも新たな総合計画に空港を核としたまちづくりを入れていくことが、静岡県にとっても空港周辺地域にとっても大きなプラスになるかと感じますが、もう一度御所見をお伺いします。

○岩ア空港部長
 搭乗率保証につきましては、6月3日付でJALと締結したものがすべてでございますので、これのいわゆる法令的なことも踏まえた上で、お尋ねの点も含めて知事の意向を確認しながら進めてまいりたいというふうに考えております。

○勝山空港部理事兼整備室長
 飛行場の気象予報でございますが、これの取り扱いにつきましては、データを出していただきます気象庁とも取り扱いについてちょっと御相談をしたいなと思っております。
 できれば委員の御指摘のように、一般の方々にもお知らせできるような方法があるのかどうなのかということで、例えばメディアの方等も含めて、その辺を検討したいと思っております。
 今のところそれがすぐに出せるものかというところまで、ちょっと私もここで判断できませんので研究課題とさせていただきたいと思います。

 それから地すべりについては、現場のところは、今のところそのような変異があるという情報は上がっておりません。以上です。

○芝田総務室長
 航空貨物について再質問いただきました。
 1点目でございます。
 企業が何を出していくかわかるから、そういったものに具体的に営業活動というようなことでございました。
 確かに統計上では、やはり本県は一般機械であるとか電気機械、輸送用機械も含めてそういったものが輸出対象として上位に出ております。ただそれが具体的にどこの企業かということになると、こういった大きな統計上からはなかなかわかりかねると。また役所のための統計でございますので、具体的な企業の名前をそこから把握することはなかなか困難でございます。
 ただ一方で、昨年度の私どもの委託調査――航空貨物の協議会を立ち上げるに先駆けてのテキストとなる、これからの指針となるような委託調査をやっておる中で、荷主アンケート調査であるとかヒアリング等々をやっておって、ある程度具体的にこういった企業でこういった荷物をといった、たどれるルートも若干出てきておりますので、そういったチャンネルなりを使って、いろいろ調べごとをして、委員から御指摘があったような営業的なお話、これも直接県がということになるのか。また今回、立ち上げた協議会を膨らませていくような形でもっての働きかけ等にもなるのかもしれませんけれども、前向きに取り組んでまいりたいと思っております。

 それと2点目でございますけれども、本県ばかりでなく、他県、隣県等にもそういったアイデアを求めるというところもおっしゃるとおりでございますので、やはり同じ行政のチャンネル、そしてこうした貨物、物流に関しては、やはり民間の主導ということでビジネスは動いておりますので、いろいろ使わせていただけるチャンネル等については、いろいろ使ってまいりたい。広くアンテナを高くしてまいりたいと思っております。

○君塚空港部部長代理
 委員御指摘のとおり、やはり県として戦略的に取り組んでいかなければいけないと思っております。
 どの国にアプローチしていくかということは、やはり交流需要が見込まれるような国、これまでの交流実績等もよく調査をいたしまして、特に有望な国というものを洗い出していくということがまず必要でございまして、そこで成田の枠の拡大においても、なおウェイティングしている国がそこでマッチする場合には、アプローチをしていくと。その場合に、アジア・ゲートウェイ構想以降は、かなり自由化が進んでいるわけでございますけれども、もしその自由化交渉がされてないような場合には、国に対して静岡との需要が見込めるということで、積極的にアプローチをしていこうと。国土交通省から来ているということもございますが、そういったパイプもつくっていきたいと思っております。

 また、アクセスの問題ですね。
 これはやはり成田との比較において、首都圏へのアクセス、新幹線駅へのアクセス。これも今企画部のほうでも、このアクセス対策も進めておりますけれども、特にニーズ、要望も踏まえながら、アクセスの充実を県を挙げて進めていきたいと思っております。

○白井空港部理事(空港運営・就航担当)
 空港を核とした振興計画ですけれども、2010年までの総合計画の中での空港の位置づけは、やはり整備だったと思います。
 これからは活用ということですので、空港ができたことによる効用を、地元を初め県民の多くの皆さんが享受できるような、そういう総合計画を策定できるよう、空港部としても企画部と協力しながら進めてまいりたいというふうに考えております。

○阿部(卓)委員
 1点委員長にお願いなんですが、先ほど平成17年、18年の気象調査で、6月、7月を開示いただきましたが、オープンにできるものであればほかも委員に開示をいただければ、今後もベースになったものがどうであって、ことしの気象との比較ができると思いますので、いただきたいなと思いますが御検討ください。お願いします。
 1点だけ、これは要望として最後申し上げますが、最後の部分、君塚部長代理、白井理事にお答えいただいた部分ですが、先ほどちょっと私も言いましたが、静岡空港というのは建設ありきから脱却をして、どう空港を使っていくか、どう稼いでいくかということ、そのためにはどんなポジションどりをしなきゃいかんかということを考える時期にことしからは来たんだと思っています。
 そういう前向きな中で、さっき君塚部長代理からはターゲット化をしていくということ、パイプをつくっていくということだったんですが、静岡県から国を動かす。そのぐらいでないと、多分地方空港は生き残れないと思いますので、ぜひ先進的な意見具申をすると。その可能性がある空港なので、お願いをしたいと思います。
 それから、総合計画には空港を反映をしていっていただくことがいいかなと思いますので、ぜひお願いをしたいと思います。要望で終わります。

○伊藤委員長
 資料に関する件、よろしいですか。

○勝山空港部理事兼整備室長
 後ほど委員長に確認をしていただいて、情報につきましては御提示できるものと思いますけれども、ちょっと確認をさせていただいてから、委員の方々にお渡しをしたいと、このように思います。よろしいでしょうか。

○伊藤委員長
 はい、じゃあそのようにお願いいたします。
 それでは、その次にいきます。

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