• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 委員会会議録 > 委員会補足文書

ここから本文です。

委員会会議録

委員会補足文書

開催別議員別委員会別検索用


平成23年1月過疎・中山間地域振興特別委員会
協議の開始、協議の終了 【 協議 】 発言日: 01/11/2011 会派名:


○中谷副委員長
 では、これより前回の委員会でお話しましたとおり、調査報告書の正副委員長案をお諮りしたいと思います。
 お手元の報告書案をごらんください。
 報告書のうち、11ページから13ページまでの提言部分につきましては、昨年末に事前に皆様に送付させていただいたところですが、まず、私から調査報告書の全体内容を説明し、その後、委員の皆様から御意見をいただき、取りまとめていきたいと思います。
 まず、1ページに「調査の概要」、「委員会の運営方針」、それから「調査の観点」を記載してございます。
 当委員会は、昨年5月18日に設置されて以来、本日も含めて6回にわたって委員会を開催し、調査事項である「過疎・中山間地域の振興による地域力の維持・向上に関する事項」について調査を進めてまいりました。
 1ページ下段からは、その調査内容が記載してございます。
 まず、「本県における過疎・中山間地域振興への取組状況」ということで、第3回委員会で調査をしました関係部局の取り組み状況を記載してございます。
 そして、4ページの中段からは、第4回委員会の佐久間町での地域住民との意見交換の結果を記載してあります。5の「参考人意見」というところです。
 次に、5ページ上段の6「先進地調査」からは、9月に行いました鹿児島県への先進地調査4カ所の結果を記載してあります。
 さらに、9ページ下段の7「県内の取り組み事例視察」では、天竜区内での視察結果を掲載してございます。
 これらの調査結果並びに委員討議の結果を踏まえた当委員会としての提言を、11ページから記載してあります。提言は大きく分けて4つございます。
 まず提言1として「組織体制の強化と市町との連携強化」。提言2として「地域の課題に応じた施策の展開」。提言3として「企業等との協働推進と県民意識の啓発」。提言4として「国への提言」ということになっております。
 その後、14ページには「委員会の活動状況」、15ページには委員名簿を記載してございます。
 11ページから13ページまでの提言部分につきましては、これまで行った関係部局への調査、佐久間町での地域住民との意見交換、県外・県内視察。それらの結果に加え、第2回及び前回の委員会で各委員の皆様からいただきました御意見。それらすべてを合わせた形でまとめたものです。
 提言のボリュームの関係上、すべての事項について細かく記載することはできませんが、主な御意見などは盛り込んだつもりです。
 提言の大枠はこの案でいかせていただければと思いますが、予定では本日が最後の委員会となりますので、どうぞ忌憚のない御意見をいただきたいと思います。
 それでは、11ページから13ページの提言部分、あるいはそれ以外にも御意見等がございましたら、発言を願います。
 
○小長井委員
 この提言部分についてですが、昨日の静岡新聞に静岡総研がまとめた中山間地域の施策にかかわる研究報告書の記事が掲載されていました。記事のコピーは持っているんですが、中身をまだよく読む時間がなかったんですけど。内容からいって参考になる部分が多かったというふうに思います。ですから、その部分を少し研究して、この提言の中に取り込める部分があるのかなというような感じで新聞記事を読ませていただいたんです。その部分がどんなふうにこの提言の中に反映されているのか、またはいないのか。その辺のところを説明していただけたらと思います。

○事務局
 1月10日の静岡新聞に載っておりました記事についてですが、「拠点集落が中山間地域からの人口流出を食い止めるダム機能を担う」という部分がございました。法政大学地域政策研究賞の奨励賞を受賞したということですが、この報告書の内容は承知しておりません。静岡総合研究機構で取りまとめた「中山間地域の施策の研究」という冊子を年末に各委員の先生方にお配りしましたが、それと内容が違うものなのか把握していない状況です。まず、今回の研究報告書の内容を確認することが必要かと思います。

○小長井委員
 戸塚さんの出身地の清沢が調査地域になっていますね。

○中谷副委員長
 「清沢」って書いてありましたね。

○阿部(卓)委員
 この内容は、去年の夏に和歌山へ中谷副委員長と御一緒したとき聞いた、中学校区ごとに拠点集落をつくるという、まさにあれと同じですよね。この提言の中でいうと、12ページにある「モデル地区設定による推進」を少し膨らめれば、十分その静岡総研さんの研究報告書と合致するんではないかと考えます。いかがでしょうか。

○中谷副委員長
 これに対してどうですか。

○中澤委員
 新聞記事だけだとわからないんだけれども、具体的にどこがどういうふうに違うのか。大きな違いがあるのでしょうか。全く右と左で分かれちゃっているのか、それとも、今、阿部さんが言ったように、少し膨らませれば済むことなのか。そこら辺が、ちょっとわからないんだけれども。

○阿部(卓)委員
 去年の夏、和歌山県の新しい取り組みだということで見に行ったものは、例えば、A、B、C、Dという集落があって、それはそれぞれ独立していて、それぞれ役場の分庁舎機能などがあったところで、それが過疎化してきてしまったと。それで、かなりさかのぼって明治のころまでいくと、そこは全部同じ町や村だったと。そういうところまでさかのぼって、戻りましょうと。それで、その4つの地点で一番交通の便がいいところとか、人がいっぱいいるところとかどこか1カ所を拠点集落にして、そこに役場機能とか医者とか、そういうものを置きましょうよと。それで、学校もそこに集約しましょうと。だから、昔の村の単位に戻して考えましょうということですね。それが、和歌山方式です。この研究報告書で言っている拠点集落は、それと同じことだと思います。

○中澤委員
 この新聞の見出しもそのような感じで、まさにそういうことなんだよね。それぞれ独立している限界集落といわれるところがあるけれども、いろいろな機能をそれぞれが持つのではなく、拠点となる集落を1カ所つくって、全体としての連絡機能がうまくいけばいいんじゃないかというような内容ですね。新聞の内容をさらっと読んで、そのように理解しました。ちょうど阿部さんが言われているのと同じなんですよね。
その内容を具体的にこの特別委員会の提言に入れるかどうかだよね。

○阿部(卓)委員
 「モデル地区設定による推進」のところに、その内容を取り入れてしまうかどうかだと思います。

○中谷副委員長
 ほかの委員の皆様、その辺のところはいかがですか。まさに昨日の新聞の話ではありますが。

○蓮池委員
 この特別委員会として、当局への調査、県内・県外の調査、それから実際にいろいろな現場での調査をし、また、委員討議で出た皆さんの識見等によってこの提言をまとめたので、基本的にはこの提言で私はいいと思うんですよね。つけ加えるところがあれば、それは必要だと思うんですけども。一方で全く調査していないところから提言に持ってくるというのも、何かちょっと趣旨が違うのかなというふうな気がします。ですから、皆さんの前回の討議も踏まえた上で提言をまとめていただいたので、基本的にはそのままでいいんじゃないかという気はしますけど。

○中谷副委員長
 ほかにどうですか。

○中澤委員
 今言った、例えば衛星都市というか、そういうふうな考え方もあって、この委員会とは違うサイドから出てきた内容なんだけれども、この提言にある「モデル地区設定」については、やり方はいろいろだし、そういう内容を含んでいるとも十分考えられるし、あえて細かく書くこともないのかもしれない。だから、そういう面では、蓮池さんがおっしゃるとおり提言はこのままにしておいて、具体的な議論の中ではそういった新しい視点が出てきたという共通認識だけ持っていればいいのかもしれないですよね。

○宮沢委員
 3番委員、6番委員とほぼ同じなんですけど、この提言というのは、個々の具体的な政策まで提言しているわけではなくて、ある程度考え方を示しているという理解の中で、ほぼそういう趣旨というのは簡潔に入れていただいているように私は考えますので、特別委員会の提言としてはこのようなまとめでいいんじゃないかなと思っております。

○戸塚委員
 私のふるさとが取り上げられてびっくりしました。私が小さい時は豊かな町だったんだけど、皆様が御存じのような諸事情で過疎になっております。それで、あの提言はどういうことを意味するかというと、もともと中山間地で幾ら豊かな町であっても、拠点となる関所みたいなところがあって、そこにもっと離れた村から出てきては、買い物をしたり、情報をとったりしていたと。それが、拠点となるところが弱くなっちゃったために、その機能すらで利用できなくなっているということで、拠点となるところにもう少してこ入れをする支援が必要なんじゃないかと。農家の戸別補償ではないけれど、拠点となるところに税を投入してでも、その拠点地域を守っていかなきゃいけないんじゃないかということに波及する論法だったんじゃないのかなと読みました。そういうことで、この提言の2の(2)に「モデル地区設定による推進」とありますけど、このモデル地区を設定した中で、そういうことも視野に入れて、そのモデル地区にどういう支援が必要かということで実験をしていく必要があるんじゃないかというようなことを、この提言の中に盛り込めば、あの研究報告書が生きてくるのかなと思いましたけど。

○中谷副委員長
 今、9番委員から、昨日の新聞で掲載された中山間地の拠点のあり方という記事の紹介がありました。そこには、従来の農林業の活性化とか産業振興には大きな金がかかっていたという観点からすると、なかなか厳しい手法だったのではないかということで、今回の研究成果は1つの転換点となる切り口であるとの論評も載っていました。
 従来の私どもの意見を取り入れたこの報告書でいいという御意見、また、12ページの2(2)「モデル地区設定による推進」という提言に関連して、この中に挿入できる部分があれば入れるべきという御意見がございます。両方採用するわけにはいきませんので、どちらかに決めないといけません。どちらかに方向性を決めたいと思いますが、もう少し議論をしていただきたいと思いますが。

○小長井委員
 提言2(1)の「地域の課題と施策展開」の中で、一番最後のところに国の定住自立圏構想について記載した段があるんですけど、そこのところに、例えば、今回、静岡総研が研究された部分で、「集落維持のためには拠点となる集落のようなものをつくっていく強化していくということも必要ではないか」というような――どなたかさっきおっしゃったと思うんですけど――文章をちょこっと入れただけでも、かなり締まってくるんじゃないかなというふうに思うんですけど。
 京都府も、中山間地の集落維持の限界条件というのは個々に研究されていて、集落の戸数が8.5棟以上あって、小学校までの距離が3キロ以内、最寄りの人口集中地域――今話の出ている拠点集落ですね――そこまでの時間が30分以内であることが、その集落を維持するための条件だというようなことで研究した成果もあるんです。この静岡総研が報告している拠点集落をつくっていくというようなことと、似たような視点かなと思うんですよ。我々が1年間この特別委員会でやってきたその視点とは少し違う変わった視点で、この静岡総研も研究をして報告しているわけです。我々が調査した中に、類似したそういった内容がたくさん網羅されていたと思うんですけど、視点としては少し変わっているものですから、そういう部分も入れていただければいいかなというふうに私としては思っていたものですから。

○中澤委員
 今の議論の中の言葉は、広く考えれば提言の中で使われているんですよね。だから、9番委員が今おっしゃったように具体的に盛り込むかということでしょう。だから、それも逆に言うと、「例えば」の話なんだよね。「例えばこういうものがある」とかね。それをあえて入れちゃうかどうか。

○小長井委員
 こうやって関係した委員は今ここにいて、「提言のここの部分に関連することは入っている」と思うんですけど、そうでない人はどうもわかりにくいと思いますので、もう少し具体的に入れていただければ。1行でも2行でもいいと思うんですよね。そういう気がします。

○中谷副委員長
 3番委員、どうですか。

○蓮池委員
 固持するつもりはないんですけど、具体的にそういう例示を入れていくとなると、たまたま静岡総研のそういう発表があったので、「じゃあ」とそれを盛り込むんだけど、ほかのところの例示は入れなくていいかというようなことはどうですかね。具体的には、例えば、提言4の「国への提言」のところで、この前佐久間でNPO代表者から聞いた国土交通省とNPOのタクシーの関連などについて「具体的にはこういうことについてさらに」っていうように、強く要望するのか。結局、我々のこの調査範囲の中で提言するのは、言ってみれば限定的になってしまうのかもしれませんよね。
 「この提言案に絶対加筆、訂正するべきじゃない」というふうに言っているわけではなくて、よくなればそれは当然入れていくべきだというふうに思いますけど。

○小長井委員
 3番委員がおっしゃるような、「拠点集落を強化するために例えば病院をつくれ」とか、そういうふうな具体的な話ではなくて、例えば1行だけ「拠点集落へのてこ入れ、強化」とか、そんな文章を何かの形で入れていただくだけでもいいのかなという気がするんですけど。もし入るようだったら。

○中澤委員
 提言2(2)の「モデル地区設定による推進」の最後に「率先して取り組む市町、地域に対して特区制度の活用など積極的な支援を行う必要がある」って書いてあるわけです。今回、静岡総研が研究報告した内容は、昨日の新聞に掲載されたばかりで確かにまだ日が浅くて、ここで議論したことじゃないし、それが本当にすべてなのかということもある。「例えば」ということでの例の取り上げ方にもかかわってくる。それは、逆に言うと、行政側に「例えばこういうこともあるよね」という事柄じゃないか。当然、行政側に今回の静岡総研の報告書の内容は伝わっているわけですから、「それではそういうことについて県としても市町と連携してどういう援助ができるか」ということで、具体的な施策になっていくと思うんですよ。だから、「提言の中にはそういうことも含んでいますよ」という伝え方だって構わないことだと思うんだよね。

○蓮池委員
 このモデル地区については、私もこの委員会で意見を言わせてもらったんです。拠点への投資というのは、ある意味ではこの「モデル地区の設定による推進」ということが具体策なのかなという気はあるんですね。どこかにモデル地区を設定するということで。そのやり方は、恐らく静岡県でどこを選定してどういう支援をしていくかという地域選定が当然あって、「じゃあこの地域には一番これが必要だな」ということになると思うんです。いずれにしても、何かのモデル地区を1回やってみて、それが何か展開できないか。そういうことで、ある意味で言うと具体策の一例として、この「モデル地区の設定による推進」ということをあえて言わせていただいたと思うんです。しかし、静岡総研の内容はそれとは別のことなのか。この提言に盛り込んじゃっていいのかということ。

○戸塚委員
 この提言2(2)の「モデル地区設定による推進」の下から3行目で、「市町や住民自らが積極的に役割を担うことが地域再生の重要なポイントである」で文章が終わっているんですけど、「重要なポイントであり、さらに、疲弊著しい拠点集落の強化策が求められている」とかにして、拠点集落ということをこの後に一文続けたらどうなんでしょうか。

○阿部(卓)委員
 「拠点集落」というのは一つのキーワードだと思うので、入れるべきかなと思います。
 今、さきほどお話した和歌山の例をだんだん思い出してきたんですが、和歌山のモデル地区は、県が指定するんではなくて、やっぱり地域や市町に自主的に手を挙げさせて、手が挙がったところでしたよね。そうでないと、「やりなさい」と言っても、受け手がいなければどうしようもないので。「自主的にまとまれるよ」というところをモデルとしてまず成功させるんだということを言っていました。実際、7カ所ぐらい動き始めているということでした。そういう和歌山の考え方の全くの後追いは嫌だということになるのかもしれませんが、でも目指す方向としてはそれは正しい方向だと思うので、「拠点集落」というキーワードを入れて、「拠点集落の維持と強化」ということは提言に入れ込むべきだと思います。

○小長井委員
 拠点集落というとちょっとわかりにくいかもしれませんが、私は大川村という村にいたものだからわかるんですけど、昔で言うところの役場のあったところだと思うんですよ。大体そうですよね。役場があったようなところが拠点になって、そこはいろんな機能が結構あって、郵便局とか農協があったりとかする。今まではそういうところが中心になって地域が維持されてきたんだけど、そういうところがどんどん薄れていくと。郵政民営化で、郵便局もなくなってしまう。そういうふうな状況も、集落がなくなる大きな原因だと思いますので――今8番議員がおっしゃいましたけど――ぜひ提言に入れていただければありがたいなと思います。

○中谷副委員長
 2番委員、いいですか。

○宮沢委員
 それに反対ということじゃないんですけど、提言2(2)の一番上段に「成功例を実現することが必要である」という書き方をしていて、この成功例というのは――先ほど8番委員が和歌山のことを紹介していただきましたけど――やっぱりまだまだ全国にあって、我々も調査していないところで成功している事例というのはあると思うんですね。そういう意味で、「拠点集落」という言葉を入れるということに反対しているわけじゃないんだけど、この「成功例を実現する」という中には、全国各地のいろんな取り組みのいい部分をきちっと取り入れてモデル地区をつくっていくということが含まれているんじゃないかという、そんな気もするんですけど。

○中谷副委員長
 この提言の文章の中で、「拠点集落」という単語は現時点で入っていませんが、「拠点集落」という言葉による考え方、波及効果というのは、ちょっと重要ではないかなというふうに私自身は思っています。それぞれ御意見があって、委員長不在の中、難しい決断をすることがいかがなものかというふうに私自身思うわけですが、今御指摘があった箇所に「拠点集落」という言葉だけ入れて少し追加をさせていただくということでどうでしょうかね。言葉がないということもちょっと寂しいのかなと。そんなふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

○蓮池委員
 「拠点集落」という言葉は、聞いたことがあるような気もすれば、初めてのような気もする。

○中澤委員
 初めてでしょ。

○小長井委員
 それだったら、「拠点となる集落」とか。

○蓮池委員
 「拠点集落」という言葉が、どういうことを指すのかということが、普遍的であればそれはそれで入れればいいんだけど、この提言で言っている本来やろうとしていることを具体化させるためには、その「拠点集落」という言葉でいいのか、今おっしゃった「拠点となる集落」というふうにしたほうがいいのか、そこはどうですか。たまたま、新聞では「拠点集落」とありましたが。
(発言する者あり)

○宮沢委員
 「拠点集落」だと幅がちょっと狭くなっちゃうような気がするから、「拠点となる集落」がいいのかなと。

○中澤委員
 阿部さんたちは和歌山の例を言うけど、ほかの人は和歌山のことは知らない。たまたま整合性があるだけなの。だから、逆に言うと突然浮かび上がったことなんだけどね。だから、ちょっと違和感がないことなはい。ただ、制度としておもしろいなとは思うんですよ。
(発言する者あり)

○落合委員
 皆さんの意見を聞いている中で、提言2(1)の一番最後に「周辺市町の外縁を含むようにして発展させる構想が必要でがある」とありますが、そこに「拠点となる集落を維持・発展させる構想が必要である」という形で入れれば、その意味も含まれると思いますし、皆さんの意見もまとまるかなと。「外縁を含むようにして」ということになっていますので。ということは、「拠点となる集落」があるということ。

○阿部(卓)委員
 要は、中山間地を空洞化させないということですよね。だから、どこかに歯どめをつくるにはということ。

○中谷副委員長
 提言の中には、皆さんのおっしゃられる言葉の周りをぐるぐる回っているような表現がいっぱいあるわけなんだけど。

○落合委員
 今議論されている内容の大枠は、この文章で僕は通じると思うんだけど、具体的じゃないものだから。もし、「拠点となる集落」という言葉を入れるなら、提言のその辺りかなと思う。

○宮沢委員
 それではその言葉――「拠点となる集落」というそういう表現の仕方で提言に入れていただくということで、委員長にお任せします。

○中澤委員
 提言2の(1)に入れるか、(2)に入れるか。

○中谷副委員長
 そこもちょっとありますね。
 それでは、委員長がいらっしゃいましたら、正副委員長で打ち合わせをして、文言等々の修正やどこに挿入するかなどを決めたいと思います。その後、委員の皆さんへ修正後の報告書を送りたいと思いますので、御理解いただきたいと思います。
 それでは、全体通してほかに御意見どうでしょうか。前回、それぞれ御意見をいただいているわけですが、どうでしょうか。主には、11から13ページの提言の部分についてですが。

○小長井委員
 県内の視察をして特に一番よく話が出たのは、鳥獣被害でしたよね。地域振興の前に、まず鳥獣被害の話が出たりしましたよね。それがこの提言の中では4の「国への提言」の最後の6行ぐらいですかね。ここでは、シカとかイノシシは書いてありますが、あと天然記念物になっているカモシカの被害も拡大しているんですよ。

○中澤委員
 それだって許可が出れば、個体数の調整をやっていますから。

○小長井委員
 ただ、その許可の出し方が少ないんです。
○中澤委員
 そのために、提言の中で「県が柔軟に支援するべきである」となっているんじゃないですか。

○中谷副委員長
 カモシカは「天然記念物」の前に「特別」がくっついていますからね。

○中澤委員
 そうです。だから、あれは何年前かにやったんだよね。

○中谷副委員長
 個体数調整ということで、もう十一、二年前かにやりましたね。

○中澤委員
 そんなにたつかね。

○中谷副委員長
 ええ、たちます。
 静岡の奥だって被害がひどいでしょう。うちのほうもそうですけどね。

○小長井委員
 カモシカが夜中にいますもんね。夜、車で走っているとね。

○中谷副委員長
 夜、車で走ってても普通にその辺にいますね。「おかえり」みたいなもんですから。私たちはなれているんですけど、カモシカはでかいから、下のほうから来る人はちょっと驚くみたいですね。
 
○小長井委員
 できたら、オオカミの導入について検討してほしいということを文言として入れてほしいんですよ。恐らく、皆さんの同意は得られないと思いますが。

○中澤委員
 そんな簡単にはいかないですよね。オオカミがいなくなっちゃたから。

○中谷副委員長
 オオカミは人間を襲わないからね。

○小長井委員
 生態調整の面では、昔はオオカミがいたもんだからよかったということらしいんですよ。アメリカあたりでは、オオカミを導入して成功している例なんかあるもんですからね。

○中澤委員
 人間は襲わないんですか。

○中谷副委員長
 襲わないんですよ。

○小長井委員
 ほとんど襲わないんですよ。クマは襲うじゃないですか。オオカミは、家畜はやるけど人間はやらないです。

○中澤委員
 家畜は襲うと。

○中谷副委員長
 家畜は襲いますね。

○小長井委員
 あれだけ山の中にシカもカモシカもいるんだから、家畜を襲わなくても当分えさはありますよ。

○中谷副委員長
 ちょっと太ったオオカミをつくりたいなと思ってますが。

○中澤委員
 ニホンオオカミっていないんじゃないの。

○小長井委員
 モンゴルのオオカミはDNAがほとんど同じだそうです。
(発言する者あり)

○中澤委員
 新しい個体を入れることによって、逆に自然の生態系を壊すということもあるわけでしょう。だから、簡単にこういう公の提言で「導入を図る」とかということでもないんじゃないのかな。必ずバッシングが出てくるんですよ。

○小長井委員
 ほかでは、ちょっと検討し始めているところもあるようです。

○中澤委員
 そこまで具体的に書かなくてもいいんじゃない。

○小長井委員
 そうですね。くらし環境委員会で当局へ聞いたら、「伊豆半島で放しても、それが他県へ行っちゃいますから」ということでした。県の考え方は、そういう考え方です。山を越しちゃいますからね。

○佐野委員
 国に言うしかないですかね、その辺は。

○小長井委員
 オオカミの導入については真剣に検討してもいいですよね。

○中谷副委員長
 私もいいと思っています。

○小長井委員
 オオカミの導入については、中澤さんもそういう考え方ですよね。

○中澤委員
 オオカミ導入の何についてですか。

○小長井委員
 賛成か反対かということ。

○中澤委員
 まあ、自然体系を壊してしまうのではないかという自然主義的な方たちがいますからね。

○小長井委員
 自然体系を壊すんじゃなくて、壊してきたからオオカミがいなくなったんですよ。

○中谷副委員長
 中澤先生、作戦としてはオオカミは割といいと思っているんですよ。ほかには、もう余り方法はないですね。

○中澤委員
 シカは、やっぱり食べなくなったからね。食べるということでは、例えば牛などで間に合わしちゃうけど、そうでなければ当然そっちをもっととるでしょう。

○中谷副委員長
 シカのソテーなんかうまいんですけどね。何で食べないんだろうと思いますけどね。

○蓮池委員
 やっぱり処理がむすかしいですよね。

○中谷副委員長
 それもありますね。

○蓮池委員
 処理さえきちっとできれば。

○中澤委員
 時間的な問題でしょう。

○蓮池委員
 だから、捕獲をしてすぐ処理をできる体制をつくるということが必要です。

○中谷副委員長
 そうですね。伊豆の国でしたか、3月末に完成しますね。
 ところで、9番委員、私は今度わなの免許をとります。今月15日にその講習会があって、2月6日に地元で試験を受けるんです。自分の仲間を誘ってね、二十何人一斉にわなの免許をとるんです。

○小長井委員
 いいですね。

○中谷副委員長
 猟友会の人たちも頑張っているんだけど、高齢化もあって、なかなかちょっと対応し切れない。仕方ないので、今度ちゃんとおりを研究してつくるんです。そのおりで捕獲したイノシシなどをどうやって殺すのかということなんですが――ちょっと余談みたいで申しわけないけど――昔は鉄砲だったんですが、今は何でもいいんですね。独特な刺す道具があるんですよ。それを引佐地区とか天竜のほうでも考案した方がいて、それなら絶対大丈夫だそうです。大きなおりがあって、その間に木みたいなものを挿すんだって。そうするとだんだんだんだん狭くなって、イノシシがおとなしくなる。それで、人がいるとそっちが気になって見ているから、その反対側からどなたか元気のいい人がぶすっとあばら三枚をやると。すると、すぐにおだぶつだって。

○小長井委員
 わなをやる人たちの問題は、捕まえた後、生きたままいるもんで、あとを猟友会の人に頼まなきゃいけないというのがあるんです。

○中谷副委員長
 それが大丈夫なんです。やりみたいなもので、新しい道具があるんです。

○落合委員
 だけど暴れますよね。

○中谷副委員長
 大丈夫です。西部農林事務所の所長が、その現物を知っていて、「ちゃんと調べて連絡をください」って言っておきました。免許をとって、それでわなをつくって捕獲して、処理ということになりますからね。とにかく、しばらくはみんな食べてくれるというんで、さばくんですけどね。問題は、余り獲物がふえちゃって、口蹄疫の牛みたいにユンボで掘って埋めようっていうと、なかなか大変になっちゃうんだけど。

○落合委員
 処理をしてくれる加工場があると、本当にありがたい。

○中谷副委員長
 ないんですよ。もうじき、伊豆半島に2つ目が今度完成しますが。

○落合委員
 藤枝でも、今10個おりを注文しているんです。沼津の方がつくっているんです。1個10万円で10個つくって、それを無料で貸すと。そういうふうに今しています。

○小長井委員
 イノシシは、一晩で10キロも20キロも歩くっていうからね。

○中谷副委員長
 そうそう。歩いて行っちゃう。

○小長井委員
 天竜のほうからこっちへ来てるんです。

○蓮池委員
 岐阜かどこかで聞いたんですが、鉄のおりにはイノシシがなかなか入らないんですよ。それで、竹でおりをつくると、それは物すごく入るんですよ。

○小長井委員
 においで入っていくのかな。

○蓮池委員
 鉄は何で入んないのかわからないけど、その竹のおりはすごく入るということで、恐らく県も今いろいろと調査していると思います。竹は、どこにでもいっぱいあるんでね。
(発言する者あり)

○中澤委員
 ちょっと議論が違うんではないですか。

○中谷副委員長
 元に戻したいと思います。済みません。私が余計なこと言って。

○中澤委員
 要は、鳥獣害対策については、この程度でいいんじゃないかなと思うんですよね。それぞれの部署で考えておられることがあるでしょうし。先々どうするかはまた別としてね。だから、そこら辺は、そんなところでとめといたらどうでしょうか。
○中谷副委員長
 9番委員、どうですか。
 最後の6行の鳥獣害対策の表現について、今のこの書き方でほぼ包含しているんじゃないかという御意見がありました。9番委員の鳥獣害対策へのお気持ちもわかるし、私どもも共有はしていますが。このあたりの表現で、よろしくお願いします。

○戸塚委員
 中身のことではなくて、ちょっと文章の書き方なんです。4の「国への提言」の一番下の行に、「県が柔軟に支援するべきである」とありますが、それでは「県がやれば」みたいになっちゃうので、「県が柔軟に支援できるような環境整備に国は努めること」みたいなふうに書かないといけない。

○中澤委員
 県が対応できるようにということでね。

○戸塚委員
 県が柔軟に支援できるように、国が対応すべきということ。

○中谷副委員長
 今の御意見についてはよろしいですね。表現を修正したいと思います。
 ほかにどうでしょうか。細部にわたってでも結構です。
 
○佐野委員
 3の(2)の「森林等に対する県民意識の啓発」についてですが、この辺がすごく県民全体に啓発する一番大事なところになると思うんです。ですから賛同はするんですが、「水源涵養」とか、「生態系の保全」とか書いてありますが、景観的な保全も大事だと思うんです。私は、もっとその辺りを強調していただきたいなと思います。あと、「伝統文化」と一言あるんですが、この辺の中山間地の持っているものを、もう少し強調したいなという気がします。具体的にはもう少し文化のことだとか。「水源涵養」とか「生態系」、「自然保護」、そういう言葉は入っているんですが、もっとその辺の強調が欲しいなと思っています。文化のことは「伝統文化」という言葉は入っているんだけども、そういう一番大事なものを持っている地域だよということを強調したらと思ったんです。「森林等に対する県民意識の啓発」ということで、そうした価値づけにもう少し重きを置きたいなと。

○中澤委員
 同じく3の(2)の「森林等に対する県民意識の啓発」の1行目に「里山・里海」とありますが、その「里海」というのは、どういう定義なんですか。この言葉は、いきなり出てきたような気がするんだけども。

○事務局
 「里海」ですけれども、委員会の中では初めて使う言葉です。環境庁等で使っている言葉です。確かに、一般的かどうかというところはあろうかと思いますけれども。

○中澤委員
 その定義はどういったことなのか。今まで出てきていない言葉を、あえてここで書くのかという議論もあると思う。山のことを書いてある中に「海」が出てくるから。

○蓮池委員
 海岸地域でも過疎地域がありますから。

○中澤委員
 それは確かにね。

○事務局
 環境庁の資料によると、「里海とは人の暮らしと自然の営みが密接な沿岸海域のこと」です。

○中澤委員
 大体意味はわかります。
 過疎・中山間地というと、みんな今まで主に山の中のことを意識していたわけで、現実には海岸部のところも過疎地があるんだけれども、今まで何となくそれはタッチしていなかったよね。だから、いきなりここへ出てくるとどうなのかなと。

○中谷副委員長
 この表現はどうしましょうか。

○中澤委員
 説明があればわかりますけど。

○蓮池委員
 最近、環境庁が使っているんですよね。つい最近聞いたんですけど、「里山・里海」という使い方をしだしたんですよね。だから里海というのは、海だけでなくて、それに隣接する陸地の方も含めてのこと。

○佐野委員
 里山があって里海があるということですね。

○蓮池委員
 要するに昔の漁村みたいなイメージでしょうか。

○小長井委員
 でも、この委員会では漁村というのは余り触れていないから、「里海」とあえて入れなくてもいいような気もしますけどね。

○蓮池委員
 ただ、伊豆へ行くと、海岸部でそういう地域が結構あって、中山間地ではないですけど、過疎になりつつあるというところがやっぱり出てきているので。沼津の戸田地域でも、井田とか本当にどんどん人口が減っているようなところもあるので。ですから、そこは除く必要はないと思いますけど。

○中澤委員
 そう言われればわかる。

○中谷副委員長
 あえて入れる必要はないのかなとも思いますが、どうですか。

○落合委員
 ないような気がするね。

○中澤委員
 言われればわかる。セット用語なのかもしれないですね。

○中谷副委員長
 里山と里海ということ。

○中澤委員
はい。

○中谷副委員長
 それでは、その辺をしんしゃくしていただいて、現状維持でお願いしたいと思います。
 それと、3の(2)に対して10番委員がおっしゃった景観のこととか、環境に対する思いの表現ですが、その辺はいかがいたしましょうか。

○佐野委員
 「景観」という言葉をどこかに入れていただければね。
 あともう1点ですが、森林のことは国産材について、今、県でも力を入れているような木材処理のことは書いてくれてあるんですが、静岡県の中山間地の最大の特色として、お茶が元気だったら中山間地の問題はある程度解決するかなということがあると思うんです。だから、森林の木材だけじゃなくて、茶業の振興というか、そうしたことをちょっと入れ込むと。絶対、それは本県の特色だと思うんです。森林だけじゃなくてね。お茶が盛んだったら、元気だったら中山間地の過疎化とか活性化は解決するという独自性があると思うんです。静岡県の提言だったら、森林にプラスしてお茶をちょっと入れたいと思います。難しいけどね。

○中谷副委員長
 思いはわかりますが、今回の特別委員会の一連の調査で――きょうが6回目ですが――県外・県内視察を含めて、お茶に対して特段こうだというテーマを持っていなかったわけです。あえてここでそれを入れ込んでいくということになると、またちょっと別の視点の問題も出てくるということもあるので、ちょっと無理があるんではないかなという、私はそんな気がするんです。
 景観の件については、皆さんの御意見を聞きながらと思いますが。

○佐野委員
 林業のほうを強調するんだったら、ちょっと。

○中澤委員
 中山間地って現実に茶業の耕地面積が少ないんですよ。それで特色のお茶はお茶であるんだけれども、結局はそこまで入っていくと「経済的にどうなの」、「じゃああなた方は何グラム飲んでいますか」という話になっちゃって、それを笛や太鼓で騒いだところで、食生活そのもの、生活様式が変わっていれば、なかなか振興はしないんですよね。だから、言うだけは楽であっても、例えば、とらえどころをどうやってとらえていくのという話になっちゃうんですね。

○戸塚委員
 尊敬する中澤先生に物申して申しわけございませんが、佐野先生と私は、常々静岡県の中山間地は林業と茶業が再生できればっていうことをいつも考えておりまして、静岡県の提言なので、やっぱりほかの県には余りなく、県の特色である茶ということは必要かなと。今も、中山間地の産出額というのは、そんなに少なくないんですね。提言に、お茶という産業に特化したところがないもんだから、じゃあどこに入れるかというのを考えたときに、提言3(1)の「企業等との協働推進と情報発信」の3行目に、「例えば、県が仲立ちして、地域産材に求める特徴、品質、量など情報を共有する方法も考えられる」とあります。そこの後ろに「中山間地の茶においても6次産業化とか嗜好品の価値を高める連携が図られることも必要」というようなことを、そこら辺りにちょっと入れると、静岡県らしいかなと思ったんですけど。

○中澤委員
 あまり難しく書かないで。もし入れるなら、「茶業振興についても同様」という言葉にすればいいんじゃないかな。別に否定するわけじゃないんだけれども、現実論として、これだけお茶で鹿児島に追い上げられている。根本は、茶の流通取引形態の矛盾ですよね。知事が「一番いい時のお茶が何でこんなに安いんだ」とおっしゃっていますが、それは生産者にとっても同じ。取れる場所によって出る時期が違うのに、早く出たところが高くて、いい時期に出してきたのが安いというのは理屈に合わないんだけれども。茶市場の問題なんですよね。茶商の取引の問題なんですよね。だから、その形態を変えない限り、なかなか適性判断の単価で出てこないでしょう。それはなかなか読み込めないしね。

○戸塚委員
 中澤先生の先ほどの文章はすばらしいです。

○中澤委員
 ありがとうございます。

○中谷副委員長
 「茶業の振興にも努める」と。

○落合委員
 だけど、そうすると、意味合いが大分変わってきちゃう。

○小長井委員
 1つの見方として、中山間地が衰退してきたというのは、もともと森林林業でもっていたところが、森林林業をやりながら、その仕事のない時期にお茶をやったりとか、あるいはシイタケ、こういうものをやってきて集落が維持されてきたんだけど、林業が衰退している中で、お茶もやめてしまう、シイタケもやめてしまうというふうな状況なものですからね。中山間地の核になるのは、やっぱり森林林業だと思うんですよね。だから、取り扱いとしてはこれで私はいいとは思うんですけど、もし入れていただくんだったら、「茶業」という言葉も入れてもいいと思います。だけど、「茶業」だけではだめなんですよ。

○中澤委員
 そういったお茶とかシイタケとか森林で取れるものを、包含的に何て言うんだろうね。

○中谷副委員長
 「林産物」でいいんじゃないですか。

○中澤委員
 「林産物」だと、お茶は外れちゃうんだな。

○中谷副委員長
 お茶は外れます。

○佐野委員
 林業の再生も難しいですよね。林業で経済の産業として成り立つというのは。その面で、文章的にちょっと林業について書き過ぎですね。この辺にちょっと茶業の振興も入れないと。

○中谷副委員長
 12ページの提言3(1)の3行目、「例えば、県が仲立ちして」という文章がありますが、これは単純に材木のことを言っているわけです。それで、文脈からいくと、その後もやっぱり森林のことなんで、ここに急にお茶が登場するというのもどうかなという思いがありますが。どうしましょうか。

○佐野委員
 ここで言っている産業は林業のことだけを言っているんですか。企業が求めている商品とか。

○中谷副委員長
 そうです。

○佐野委員
 林業の再生こそ難しいと思いますが。

○落合委員
 ここに「お茶」を入れちゃうと、やっぱりおかしくなってしまう。

○小長井委員
 それよりも一番大事なのは、この提言1(1)の下から2行目の「専門部署の設置」というところですよね。ここがやっぱり一番大事で、必要だと思うんですけどね。だから、もし取り扱っていただけるなら「専門部署の設置」というところを、もっと強調したような書き方をしてくれたらありがたいなと思う。

○阿部(卓)委員
 「お茶」の件ですが、もし入れるのであれば、提言3(1)の冒頭部分に「中山間地域でも可能な産業の維持・発見を行うには」のところに、「お茶など農林水産品の6次産業化等の推進」とか、そうした一文を入れて包含しちゃう。お茶を入れると、多分お茶だけじゃなくて、ワサビとかシイタケとか、それとか伊豆半島で言えば漁港も過疎地域に指定されていますから、「水産品はどうなんだ」とかいう話になってくるんで、そういう包括した一文を入れる。「お茶など農林水産物」という言い方で。その上で、林業を強調する。

○戸塚委員
 「お茶を初めとした」という言い方ですね。

○落合委員
 だけど、お茶と言いますが、山間部ではみんなだめになっちゃうからね。特にこういう場所については。

○佐野委員
 林業だけに特化するのもおかしいですよね。
(発言する者あり)
 ここの「地域産材」は林業、材木のことだけを言っているんですね。

○落合委員
 とらえ方の問題で、ここに「お茶」を入れたら、本当に全部丸っきり変えていかないといけない内容になっていっちゃいますから。
 大体、朝はパンと牛乳で、お茶を飲まないんだから。それを何とかしなければね。もとがだめだから。

○佐野委員
 そういうような視点を入れてもらうということ。「お茶の消費拡大も」ということ。

○落合委員
 ここに書いてある内容は、やはりメーンが違いますから。

○佐野委員
 材木だってそうではないですか。材木の消費拡大とお茶の消費拡大は同じことだと思います。静岡県なんだから。材木だけに特化するということはおかしい。

○落合委員
 お茶を産業として残していって過疎・中山間地域の維持を図るという文章の形にするなら、内容的に全部変わってきちゃうと思いますよ。

○佐野委員
 でも、3の(1)の「産業」や「企業等との協働推進」が、材木のことだけを言っているんだったら、それはおかしいと思うんですよ。
○落合委員
 確かにね。

○佐野委員
 別に、この委員会だって材木のことを調査したわけじゃないでしょう。全体の産業の活性化ということを調査したわけですから、県産材だけに特化するのはおかしいと思います。

○落合委員
 もう1つ前の段階でそうした議論はすればよかったのでは。今もうこの段階でやるのは、ちょっと。

○佐野委員
 ですから、「産業」と言えばいいと思うんですよ。お茶もシイタケも材木も含めてね。

○中澤委員
 「林業、茶業等も」ということで文章を入れたらどうですか。「茶業等も同様である」というようなことで。

○中谷副委員長
 そうすると、8番委員が言われた「中山間地域でも可能な産業の維持・発見を行うには」のところに、「茶業」という言葉を入れて、表現を加えるということでいいでしょうか。

○小長井委員
 中山間地の基幹産業は林業なんですよ。林業の作業員として従事しながら、茶業をやったりシイタケをやったりして生計を立てて、そこに定住していたというのがこれまでの形なんですよね。だから、中山間地を維持していくために柱になるのは林業で、これは間違いない話です。

○佐野委員
 山持ちの人が言うと、そういうことですよね。

○小長井委員
 これまでの形態はそうだった。

○佐野委員
 でも、林業を再生するのは難しいですよね。

○戸塚委員
 中谷先生や小長井先生は、たくさんのお山を持っているので、1年にちょっとずつ切ってもずっと回っていくかもしれないんだけど。材木は、40年とか70年とか年月がたたなければ売り物にならないでしょう。その間の毎年毎年の現金収入が茶業であったり、シイタケであったり、ワサビであったりしたわけで、そういう複合的な産物のことも載せないといけないかなって。

○佐野委員
 産業という意味でね。

○小長井委員
 委員長、副委員長にお任せします。

○宮沢委員
 地場産業というか地域産業というか、そういうような言葉で入れたらどうですか。「お茶」という言葉を入れてしまうと、また、「それじゃあ野菜はいいの」とか、「果樹はいいの」とかという話になってしまう。やっぱりそれぞれの過疎地域で、生活を支えている産業というのは違うと思うんですよね。だから、そうなってくるとなかなか。
(発言する者あり)

○中谷副委員長
 済みません、12ページの下から4行目に「地域産材に求める特徴」と書いてあって、それで、私は「これは木のことだ」って言ってしまったんですが、そこは事務局が文章にする際に単純にミスしてしまったようです。「地域産材」じゃなくて、正しくは「地域産品」です。ですから、意味合いが違います。材木だけでなく、全部を包含しております。

○佐野委員
 委員長が「全部材木のことだ」っておっしゃるから、「えー」となってしまったんです。

○中谷副委員長
 「地域産品」が正しいです。失礼しました。

○佐野委員
 意味合いが全然違いますよね。
 全部材木のことだとしたら、それは違うなと思ったんですが。

○戸塚委員
 一字ですごく変わりますね。

○中谷副委員長
 そうですね。全部包含しております。
 ほかにどうですか。ほかの視点からでもよろしいのですが。
 それでは、御意見も出尽くしたようですので、この辺で委員討議を終了したいと思いますがよろしいですか。
(「異議なし」と言う者あり)
 それでは、本日各委員からいただきました御意見を参考に、調査報告書の見直しをいたしますが、最終的な取りまとめは正副委員長に御一任いただくことで御異議ございませんか。
(「異議なし」と言う者あり)
 御異議もありませんので、そのように決定をさせていただきます。
 正副委員長で取りまとめたものにつきましては、皆様にお届けした後、当委員会の調査報告書として議長に提出します。また、2月定例会で調査報告書を議場配付の上、三ッ谷委員長から報告をする予定ですので、御了承願います。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp