本会議会議録


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令和4年9月定例会総務委員会 質疑・質問
質疑・質問者:蓮池 章平 議員
質疑・質問日:10/05/2022
会派名:公明党静岡県議団


○野田委員長
 休憩前に引き続いて委員会を再開します。
 質疑を継続します。
 では、発言願います。

○蓮池委員
 分割質問方式でお願いいたします。
 まず、6月の委員会冒頭で組織改革、組織文化の改善について伺い、1年間継続してやらせていただくことを申し上げました。そこから確認させていただきたいと思います。
 6月から約3か月たちましたが、組織文化を変えることについてこの3か月県としてどういう取組をされたのか伺いたいと思います。

○松人事課長
 県職員一人一人が県民の生命財産等を守り抜く意識を持って最悪の事態も視野に入れた個人と組織の対応力の強化を図っていくということで、現在職員の意識改革と行動変容を進めているところでございます。
 具体的には、初めに知事から幹部職員に対して訓示を実施したところでございます。この中で現場主義の徹底、情報共有の徹底、関係部局や市町等との連携、リーダーシップの発揮と組織力の強化の4点について訓示したところでございます。
 また、管理監督者の意識改革といたしましては、特定幹部職員の人事評価において評価項目の中に本事案を踏まえた事務の総点検の実施状況や実際にリスクが想定される場合の対処についての項目を追加し、意識の改革を図ることに取り組んでいるところでございます。
 さらに、職員個人の意識改革といたしまして、知事の訓示の内容をベースとして管理監督者に期待される役割や一般職員に必要な心構え等を改めて徹底するため、全職員を対象とするリレー研修を実施したところです。これは上司が部下に直接自分の言葉で伝える方式でございます。
 今後も、新規採用職員あるいは管理監督職員までの階層別の研修、土木や林業等の職種別の技術研修等あらゆる機会を通じて不断の努力等を続けてまいります。こうした取組の積み重ねにより県民の皆様の生命財産等に影響を及ぼす課題に対し、関係部局、市町等と連携して適時適切に対処できるように努力してまいります。

○蓮池委員
 幹部職員に対する訓示や職員に対しての様々な取組によって実際に変わりつつあるという実感はあるんでしょうか。

○松人事課長
 この意識改革や行動変容については一朝一夕でできるものではないと考えており、引き続きあらゆる機会を通じて繰り返し、繰り返しこうした努力を積み重ねてまいります。職員の意識が変わったかどうかの検証方法等についても今後検討してまいりたいと考えております。

○蓮池委員
 今回の台風15号の被害で静岡市清水区ではまだ水が出ていない地域がある。特に今話題になっているのは自衛隊への要請が遅れたことです。知事は田辺市長から上がってこないということでじりじり待っていたと。一方で田辺市長は被災状況を確認してどこが一番重要かをおのおので議論してもらってから要請することにしたと。どちらの発言も被災した県民の皆さんからすると感情を逆なでする責任の押しつけ合いみたいな感じに思うんですよ。松人事課長がいろんなことをやったと言うけど、県民の皆さんがどう評価するか。この2つの組織文化はどうなっているんだと言わざるを得ないやり取りなんですよ。だから、私は組織文化を変えるための訓示を誰かがまず知事に対してしないと駄目なんじゃないかと思うんですけど、そこら辺はあまり質問しても答える人がいないから難しいんだろうけど、トップの意識が変わらないと本当にそのままでは訓示しました、教育しました、検証しましたと言って、本当にこれで変わるのかなという気がしています。
 それに関連して、こういう市町の災害や危機管理事案に関する情報のやり取りに関して今回は極めてずさん。本来は市が何と言おうが、一体どうなっているんだと県から全軍を挙げて支援に入る組織になって初めて、県民の皆さんにああ県も少し変わったんだなと感じていただけると思うんです。次の12月議会でもどう変わったか取組も含めてまた伺いますけど、今回の案件だけ見ても全然変わっていないんじゃないかと私は感じざるを得ません。それは申し上げておきます。

 市町と県の人事交流について事前にいろいろと資料を頂いているんですけれども、今回も自衛隊派遣要請については県と市がしっかり連携を取れていればもっと早くできたと思います。静岡市議会でもかなり前からあそこの取水口については老朽化もあるし、このままにしておくと駄目なんじゃないかという指摘が何回もあって、断水になったときにあそこじゃないかと分かっていらっしゃると思うんですよ。そういう情報が県になかなか入ってこないのは市の体質もあるんだろうけれども、私はやはり県と市の人事交流がきちっとできていれば危機管理上の情報も入ってくるんじゃないかなと思っています。具体的には割愛退職による市町への派遣、研修として市町への人事交流、技術職員等の市町への派遣などがありますが人事交流がどのような経緯で行われているのか。ルールや取り決めが何かあるんでしょうか。この点について教えていただきたい。

○坂本市町行財政課長
 人事交流制度につきましては、派遣先での実務を通じて知識、技術を習得し能力の向上を図るため県と市町で行っているものとなります。
一般職員の交流につきましては、例年10月末に各市町に対し来年度の県との人事交流の実施希望を照会し、希望のあった市町との間で調整を行っております。原則として県から市町及び市町から県の相互交流となっております。
 市町から県への交流につきましては、各市町に対して県における配属希望先を聞き取りまして、それを踏まえて各部局に対して市町職員の受入れが可能かどうか確認を行っております。法務課や地域振興課といった希望が集中する部署があり、各部が受入れができないとされた部署については市町と再調整を行っております。したがって必ずしも希望どおりの交流にはならないこともあります。
 また、県から市町への交流につきましては、県の意向調書等で市町との交流を希望する職員を確認した上で、どの職員をどの市町へ派遣するか人事課で調整しております。
 それから、技術派遣につきましては、市町の短期的プロジェクトの支援や技術職員の確保を図るため、市町に対して県の職員を派遣し技術面における支援を行っております。例年9月に各市町に対して翌年度の派遣希望を照会し、希望に対する派遣の可否の判断について土木職でしたら交通基盤部、林業職でしたら経済産業部といった職種を所管します各部局で調整を行い、その結果を12月をめどに各市町に回答している状況です。各部局においては派遣を前向きに検討しているところですが、県も技術職の確保に苦慮しているため例年全ての要望にお答えできている状況ではないのが実情となっております。
 また、技術職員の採用難については市町においても非常に大きな問題となっているものですから、複数市町による技術職の共同配置や土木職等の採用試験の共同開催について、県と市町の共通課題を検討します行政経営研究会において今後課題検討会を設置し、年度後半に検討していきたいと考えております。

○松人事課長
 次に、市町との交流のうち、割愛退職による市町等の幹部職員との交流についてお答えいたします。
 現在、19市町に27名を例えば市町の副市長、副町長等に派遣しております。例年各市町から、例えば県政全般に精通した職員、または地方自治あるいは地方財政制度に精通した職員、あるいは技術の専門的な知識を持った職員等の要望がございます。これらについては県としてできる限り対応するようにこれまでも努めてきたところでございます。

○蓮池委員
 技術職の人材不足については、先般も新聞報道されなかなかすぐクリアするというわけにはいかないと思うんですけれども、ただ松人事課長から県民の生命財産等を守るためにというお言葉がありました。今は地震や豪雨災害などどこで何が起こるか分からない時代で、市町から要望があって県がそれに適した人材を派遣する仕組みだと先ほど説明がありましたが、危機管理に備えてどういう職員が必要かはそれぞれ状況が違うでしょうけれども、いざというときそのネットワークを強化するための人事交流――押しつけじゃない県から市町への職員の派遣について提案をしたらどうかなと思います。すぐにはできないかもしれないが、所見があればお伺いしたい。

○松人事課長
 危機管理は非常に重要な事項でございます。冒頭申し上げましたとおり、県民の生命財産の保障に直接影響あることですので、7番委員から御提案のあったことは改めて関係部局とも調整して検討してまいりたいと思います。

○蓮池委員
 危機管理上ということなら危機管理部局の案件になるけど、県から職員が行かなくても日常的に連携が取れているところも当然あるでしょう。ただそれだけじゃなくて国とも連携した様々な案件がある中で、やはりもっと県は市町と連携し常に緻密に情報交換していくべきだと思うんです。そうすると県もこの市はなかなか情報が上がってこないぞと分かるでしょう。だからこそ県からいろんな人事交流を働きかけて、危機管理だけじゃなくてその市が困ったときに手助けをする、また県からこういう情報があるがどうだと常にやり取りできる体制はぜひ御検討頂きたいと思います。

 台風15号についてもう1点、県の広報の在り方について伺います。
 K−mixで毎週水曜日に県の広報番組を放送していますよね。9月23日、24日に豪雨災害がありました。翌週28日の水曜日、まだ県内が大変な状況にあるのにもかかわらずこの広報番組ではスポーツ関連の話題で、災害情報とか被災された方への情報とかお見舞いとかが一切なかった。聞かれている方は一体何なんだ、本当に県は被災者に寄り添ってくれているのかと落胆の声が多く寄せられたとのことです。県民に何を伝えるべきか考えることは広報のあるべき姿だと思うんですが、どういう理由でこういう放送をそのままされたのか、その点について伺いたいです。

○岩崎広聴広報課長
 まず、被害に遭われた方たちに本当に心からお見舞い申し上げます。
 先ほど7番委員から御指摘があったとおり、28日のラジオに関しては配慮が足りていなかったと反省しています。
実際に流した内容は、新型コロナのワクチン接種の件と併せてパラスポーツの振興に関するお知らせでした。これはパラスポーツの運動会を通じて障害がある方もそうでない方も参加できる車椅子リレーなどについて紹介させていただきました。
 いまだ台風の影響が続いている中、本当に大変な思いをしている県民の皆様への御配慮がなかったことに本当に申し訳なく思っています。
 御指摘のとおり、我々は日頃自分ごとの視点、県民目線での仕事が本当に求められています。特に広報は一層県民に寄り添い県民と共にあるべきものだと考えています。本当に申し訳なく思っています。

○蓮池委員
 いつも事前に収録したものを水曜日に流すということだと思うんですが、変更等はできないんですか。

○岩崎広聴広報課長
 局との調整の中で変更はできます。ルーチンとしては1週間ほど前にテーマと内容の原稿を送っておりますが、当日職員が出ますので変更は可能でございます。

○蓮池委員
 ちなみに、昨年の7月3日に熱海の土石流災害が発生した際は7月7日が水曜日なんだけど、この日の放送ってどんな内容ですか。

○岩崎広聴広報課長
 昨年7月大雨があり熱海市をはじめ沼津市などでも本当に甚大な被害がありました。その次の週の水曜日のラジオでは職員が出演し冒頭にお見舞いを申し上げています。

○蓮池委員
 ということは、やろうと思えばできる。でも今回はやろうと思わなかった。しようとしなかった理由は何ですか。

○岩崎広聴広報課長
 その点に関しては本当におわびを申し上げるしかありません。私の判断が甘かったということです。今日は水曜日でまたオンエアがありますけれども、そこでは遅ればせながらでございますが県民だよりで紹介している支援策などを御紹介したいと思っております。

○蓮池委員
 今回の台風の対応を申し上げましたけれども、これで組織文化が変わりつつあるとは私は全く実感ができません。本当に県民に何が今必要なのか。ただ目の前にある自分たちの仕事をやればいいみたいな、結局何も変わっていないんじゃないかとしか今は思えない。引き続き緊張感を持って組織文化を変えていくよう努力していただきたいと強くお願いしておきます。

 議案に入りたいと思います。
 総務委員会説明資料10ページ、令和3年度の健全化判断比率についてです。
 将来世代の負担度合いを示す将来負担比率については、ここ数年なかなか厳しい状況が続いていましたが、昨年に比べてかなり大幅に改善はされている。コロナ禍ということで企業の収益の減少や県税収入の減少、それから感染症対策で相当の歳出の増加等もあるんですが、こういう財政状況が厳しい中にあってどういう理由でこの将来負担比率の改善が行われたのか伺いたいと思います。

○山田財政課長
 将来負担比率につきましては、資料にも記載のとおり令和3年度230.9%、前年度の248.7%に対して17.8ポイント大幅に改善している状況でございます。
 将来負担比率は分子と分母の関係になりまして、分子は地方債などの将来負担額、分母は税収や地方交付税等の標準財政規模などで算定される算式になっております。分子が小さくなるあるいは分母が大きくなると指標が改善される関係になっています。
 そうした中で、今回の改善要因は主には分母が385億円余増加したことにより改善したものでございます。これは昨年度普通交付税の再算定があり標準財政規模が増加をしたことによるものでございます。

○蓮池委員
 全国的な順位がまだ出ていませんけれども、これはうちの県だけが改善したのか。また順位が大幅によくなるのか。他県、全国自治体との比較としてはどうでしょうか。

○山田財政課長
 将来負担比率の全国比較についてお答えします。
順位はまだ正式なものとはなっておりませんので控えますが、他県に調査したところ、傾向はおおむね同じで他県も改善傾向にある状況でございます。

○蓮池委員
 全国的によくなっていて、うちの県だけがよくなっているわけではないということですね。分かりました。

 続きまして、説明資料21ページです。
 8月までの調定額は前年度を上回っているとのことですが、これは輸出関連製造業を中心とした企業収益の改善、法人2税の増加が要因だと御説明頂きました。一方で世界的な物価高騰、ロシアのウクライナの侵攻、それから円安となかなか先が見えない状況で企業収益の増加については楽観視できない状況です。
 これから年末にかけて来年度の当初予算の編成が行われるわけでありますけれども、この県税収入の今後の見通しについてどういった認識を持たれているのか伺いたい。

○橋税務課長
 8月末の県の主要税の状況ですが、説明資料にありますとおり、地方消費税につきましてはその輸出取引の還付額の増加により譲渡割が減少し前年度を下回る95.7%となっておりますが、法人2税につきましては世界経済の回復基調を受け輸出関連製造業を中心に企業収益の改善が見られ前年度を上回る111.6%となっております。また個人県民税のうち均等割・所得割につきましては、所定外労働時間の増加に伴い令和3年所得が増加したことで101.1%と前年度を上回っております。
 現在の経済情勢については、令和4年9月の政府の月例経済報告では景気は緩やかに持ち直しているとの基調判断は続いております。現在の基調が続く場合には税収についても堅調に推移していくと現時点では見込んでおります。
 しかしながら、7番委員から御指摘がございました米国における政策金利の引上げなど世界的な金融引締め等を背景とした海外景気の下振れや物価上昇に伴う個人消費の落ち込み、企業経費の増加に伴う収益の減少など景気を下振れさせるリスクがあると考えておりますので、今後も経済情勢を注視しながら税収動向の把握に努めてまいりたいと考えております。

○蓮池委員
 引き続き来年度の予算編成に入っていきますので、しっかり組みながらお願いしたいと思います。

 説明資料17ページの定年年齢の引上げについて確認いたします。
定年延長に伴って定年する人がいない中で、新しく採用する人や職員定数の考え方はどうなっていきますか。定年延長をして新しく採用する職員の数はその分減らしていくのか。今本庁職員で大卒、短大、高卒合わせて約260人くらい新しく採用していますが、もし減るとなると何人くらい減るのか、その点について確認します。

○松人事課長
 定年引上げにより60歳以降の65歳までの職員が増加することに伴い、全体の職員定数を基本的には増やさない考え方の中では、新規採用職員については一定数減少せざるを得ない状況にございます。
 ただ、数については例年の退職者の動向や2年に一度定年退職者が出ないことも踏まえて、平準化を図っていく関係で現在精査をしているところでございます。

○蓮池委員
 分かりました。どのくらいの方が残るかが採用に影響してくるということですね。

 ここには定年前再任用短時間勤務制度という記載があり、そして今回新しく高齢者部分休業というものが出てきた。こういう制度を導入する理由はどういうものなのか。
 また、前の定年前再任用短時間勤務制度とどういう違いがあるのか。
 それから、例えば最初に部分休業をしたいという人が途中で定年前再任用短時間勤務制度に変わりたいとか、また短時間の人が家庭の事情で部分休業にしたいとか、制度途中での変更はできるのかどうかも含めてお伺いします。

○松人事課長
 まず、1点目の高齢者部分休業制度を導入する理由についてお答えいたします。
 定年引上げに伴い、職員の中には健康面や親族の介護などの諸事情により定年までフルタイムで勤務することが困難な職員の増加も見込まれます。このため60歳を超える職員の働き方の選択肢を増やすということで、組織全体としての活力維持や高齢期における多様な生活設計への支援を図ることを目的として、この制度を導入することとしたところでございます。
 2点目の定年前再任用短時間勤務制度との違いでございます。
 両制度とも60歳を超える多様な働き方のニーズに応える点では共通であります。
 まず、再任用短時間勤務制度については、60歳で一度退職し改めて短時間の再任用職員として任用する制度でございます。退職手当を60歳で受給することを前提に人生設計をしていた職員、再任用の身分で定年まで勤務を継続することを希望する職員などの利用が想定されるところです。
 一方、高齢者部分休業制度は、希望する職員の職責、身分はそのまま維持しつつ退職せず部分休業を認める制度ですので、事情変化に応じてフルタイムへの復帰も可能でございます。
したがいまして、60歳で退職して退職手当を受給し再任用されるか、あるいは現職として身分を維持して勤務を継続するかという点が異なります。
 最後、制度間の移動といいますか変更でございますけれども、一旦退職手当を受給した職員については定年前再任用短時間勤務制度からほかの制度に移ることはできませんけれども、現職を維持した場合には短時間に戻ることができるということでございます。

○蓮池委員
 先ほどの職員定数の話に戻りますけども、部分休業は2分の1を超えない範囲で取得できるということですが、言ってみれば1日のうちの半分くらいしか仕事ができない人がいるということです。一つのところに固まることはないでしょうけど、部分休業がたくさん増えた場合、それぞれの職場でその分の仕事は誰かがやらなくちゃいけないことになりますが、そこのところはどのように考えていますか。

○松人事課長
 例えば上限の2分の1部分休業した場合の影響ですが、御指摘のとおり2分の1は非常に大きい数字でございます。一方制度の利用の見込みは、現状再任用の短時間を希望する職員が2割程度かそれ以下の状況であり、部分休業希望者についてもそれほど多くならない見込みでございます。
 一方で職場がうまく回らない事態は避ける必要がありますので、そうした人数に対応する形で今後の組織体制についても十分配慮してまいりたいと考えております。

○蓮池委員
 いずれにしても、今後定年が延長されます。そして高齢者の働き方の多様性に対応した制度が新しくできてくるかもしれませんが、皆さんが働きやすい職場をぜひつくっていただければと思います。

 続いて、内部統制評価制度について伺います。
 この内部統制制度は2年目の運用が終わったところですけれども、この運用を踏まえて制度を導入した成果や今後の課題はどうでしょうか。
 それから、先ほど6番委員からも議論がありましたけども、内部統制評価結果で不備が62件ありましたが、これらの不備の再発防止に向けてはどういう取組をされているのか伺います。

○兼子行政経営課長
 まず、内部統制制度導入の成果につきましては、令和2年度の制度の導入前からもいわゆる内部による統制活動、例えば会計事務指導やコンプライアンスの推進という形で各部門ごとに実施してきたところではございます。ただこの内部統制制度の導入により、それまで個別に実施してきた内部統制活動を可視化、適正化して体系立てて一体的に進めていく体制を整備することができました。これはそもそも本制度が求めているところですし、本県におきましても意義深いものであったと評価しているところでございます。
 また、運用開始から3年目を迎えた現時点での成果は、職員からの制度に対する基本的な質問や相談も大分こなれて減ってきており、徐々にではございますけれども内部統制の趣旨や仕組みに対する職員の理解が進んできていると考えております。
 今後の課題は、監査委員の意見書にも記載がありましたとおり、発生した不備の情報を全庁に分かりやすく共有することなどにより、同様の不備を起こさせないような一層の取組が必要と考えております。
 続きまして、62件の不備の再発防止策でございます。
 この2年間、令和2年度、3年度と精度を増し、どういったところでミスが起こりやすいのかは一定程度分析が進んできていると考えております。
 このため、具体的な再発防止策として、例えば昨年度この評価結果につきまして各部局の担当者に研修会を行って周知を進めてきたところでございますが、今年度はより現場に近い職員に認識をしてもらえるよう、今回の不備の事例等の傾向や再発防止策を周知する説明動画を作成して、各所属の担当者向けに配信したところでございます。
 また加えて、今月10月はコンプライアンス推進月間になっており、各所属におけるコンプライアンスミーティングなどを通じて今回の不備の内容について改めて周知徹底をしてもらうことなども行っており、こういった形であらゆる場を通じて全庁職員に対して注意喚起を徹底しているところでございます。

○蓮池委員
 この評価結果の中で、情報の管理に関する事務については重大な不備が見受けられずおおむね有効と書いてあるんですね。9月の新聞で、県の委託業者がフェア応募の42店舗のアドレスを公開して送信したり、県のお茶振興課がメールアドレスをコピーして相手先だけではなく本文にも貼り付け会員に間違えて送ってしまったという報道がありました。これはこの内部統制制度の情報管理に反する事務に当たりますか。

○兼子行政経営課長
 ただいまのいわゆる情報漏えいというものにつきましては、この内部統制制度の対象になると考えております。
 ただ、今お話頂きましたのは今年度の話でございますので、また来年度の評価といった形でお伝えすることと考えております。

○蓮池委員
 私が聞いているのは、これが重大な不備に当たるかどうか。今回の件は来年の評価に任せないといけないんだけど、こういう情報漏えいは、昨年度も情報の管理に関する事務では前年プラス4で10ありましたよね。10あったけど特にこれは重大じゃないと。具体的な例を今出したんだけど、これは重大な事例になるのかならないのか、基準としてはどうでしょうか。

○兼子行政経営課長
 ただいまお話を頂きました具体的な事例はこれから評価をしますので、重大な不備に当たるかどうかはちょっと申し上げにくいところです。
ただ、例えば被害金額やどの程度の方に被害を被らせたかなどその中身を総合的に勘案し、基準を持ってこれから判断したいと考えております。

○蓮池委員
 監査委員の審査結果のその他のところで改善が必要と検討を促していますが、その考え方については確認しておきたいと思います。
 それから、これらの改善が必要という意見が付された意見に対して具体的にどう対応するのかも伺いたいと思います。

○杉山監査課長
 その他で改善が必要とされた考え方でございます。
 監査委員の内部統制報告書の審査においては、評価手続が適正か、重大な不備の判断が適正かという観点で実施し、今回評価手続及びその評価結果に係る記載がおおむね相当であるという結果でございます。あわせて内部統制の有効性をより高めるための改善意見をその他として述べております。意見では現在の取組の効果、効率を高めるための事項として、リスク解説書のそごの改善、リスクの抽出過程の改善、職員に周知する不備情報の記載内容の改善を求めております。
 また、現在の内部統制も対象としております29のリスクの範囲が財務会計と情報管理の一部となっていますが、監査において繰り返し指摘している、例えば会計年度任用職員の有給休暇の付与誤りや事務放置等の重大な事案が内部統制の対象となっていないため、リスクの見直しについて改善を求めたところでございます。

○兼子行政経営課長
 ただいま話がありました改善に向けた4点の意見につきまして、それぞれこれからどう取り組んでいくかについてお答えいたします。
 まず1点目でございます。
 リスク解説書の改善を図ることにつきましては、各所属がリスクの抽出、自己評価の際にリスクや不備の判断基準として使用するリスク解説書の記載内容に不明瞭な点があるとのことでございましたので、リスク解説書については改正したいと考えております。
 また、2点目のリスクの抽出に当たりリスクを可視化したどのような対応策を整備すべきか十分に検討を行うことにつきましては、この内部統制制度をより有効に機能させるために各所属でどのようなリスクの抽出の手法が適切なのか関係課、制度の所管課等々と一緒に検討してまいりたいと考えております。
 また、3点目の不備に関する情報を職員に周知する際に記載内容の改善を図ることにつきましては、発生した不備の原因や対応策等を含めた記載内容に変更をするなど職員への周知内容の改善を行い、評価結果を職員に分かりやすくフィードバックすることといたします。
 また、4点目のリスクの見直しを図ることにつきましては、単純な判断の誤りとか不注意、非定型的な事務処理等についてこの内部統制制度が機能しにくいこともあり、内部統制制度にとどまらず広い視点で事務の誤りの再発防止を進めるためにどういった方法がいいのかについて、その有効性、効率性等を勘案しながら新しいリスクに内部統制制度の対象事務リスクとして加えていくことも含め、内部統制の推進を各部局と共に対応を検討してまいりたいと考えております。

○蓮池委員
 あとは個人的な意見だけにしておきますけど、こういう新しい制度はスタートすると皆さんの仕事が物すごく増えるでしょう。本来やるべき仕事以外にそれぞれ検討したり、リスクを出したりと。例えば今回の重大な不備に関する事案も結局個人が隠してたので誰もそれが分からなったということなんですが、全てが仕事の流れの中でIT化されて請求事務が行われなかったら幹部職がパソコン上で見られればまだ行われていないことが分かる。それを一々チェックリストでチェックするのは物すごい大変だと思うので、これこそ何かシステム化して皆さんの仕事がちゃんと動いてるかどうかが分かるシステムがあれば――ソフトとして開発するか分かりませんけども――そこでチェックしたほうがよほど早い気がします。そんなことを御提案して、これについては一応終わりたいと思います。

 物価高騰対策として44億4600万円の補正予算が今回計上されています。燃油高騰、円安の影響、それから輸入品の高騰など非常にいろんなところでたくさんの影響が出ている。先ほど山田財政課長が県民が安心して暮らせるように予算を組みましたと説明をしていましたけど、中身を見るととても追いつかないかなという気がするので、財政課として県民生活にどういう影響がどこに出ているかという実態を把握されているかどうか伺いたいと思います。

 それと、最後に非常に瑣末で申し訳ないけど行政改革の無駄の削減という点で1つ。
 いろんなイベントに行くとグッズとしてボールペンとかシャープペンとかくれるけどほとんど使わない。もちろん使われる方もいるだろうけども、こういうものってそれぞれイベントやる部署が決めてやるんだろうけど、県全体で粗品なんかを見直してやめようみたいな議論がどこかで出ないかなと思うんですけど、そこについての所見も伺いたい。

○山田財政課長
 2点御質問頂きましたが、まず1点目の補正予算に関連して県民の状況をしっかり把握されているかについてお答えいたします。
 各部局においていろんな分野の状況や声を確認した上で予算要求していると考えておりますので、一義的には各部のほうで把握をしていると認識しておりますが、財政課としても県議会の皆様から頂いた御要望や各団体からの御要望について把握しておりますので、そういったものを判断して予算編成をしているところでございます。

 次に、2点目のイベント等のグッズの関係です。
 1つずつ必要性についてコメントするのは控えますけれども、効果的に予算を使うという観点で無駄をなくすことは非常に大事な考え方だと思います。これまでも予算編成過程において、限られた財源の中で最大の事業効果を発揮するということでいろんな事業見直しには取り組んでまいりました。特に事業を実施することが目的化し長期間継続しているイベントやパンフレットについては目的に対する効果を検証して、課題解決に直結する事業手法への転換を促してまいりました。
 7番委員御指摘のとおり非常に厳しい財政状況でもありますので、今後県庁全体でより効果的に予算を使えるように予算編成作業等を通じて、事業手法の点検あるいは職員の意識の改革等にも取り組んでいきたいと考えております。

○蓮池委員
 現場を回ってみますと、電気代なんかがすごい上がっていて対前年で比較すると1.5倍くらいで、施設関係だとか運送業者も含めてもうどうしようかという状況になってる。これから電気や水道に対して国の補正が組まれるのでそこは少し期待したいんですが、今回補正でやりましたよといっても、現場に行くとかなりギャップがあることはぜひ認識して次につなげていただきたいと思います。
 それから、イベントのグッズについてですが、1回どんなものがどのくらい配られてるのか確認していただいて、金額は少ないかもしれないけどそういうところから行財政改革を進めていただきたいとお願いして、質問を終わりたいと思います。

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