委員会会議録

質問文書

平成28年12月定例会文教警察委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	髙田　好浩議員
	質疑・質問日：	12/14/2016
	会派名：	公明党静岡県議団

○髙田（好）委員
　一問一答で何点かお聞きしたいと思います。
　１つは、交通事故対策でハイビームの活用、利用が新聞報道されておりました。私は対向車がハイビームだとパッシングしてまぶしいなんてやるわけですけれども、私に知識がないからだと思いますが、ハイビームは使うんだと。
　2015年の県内での夜間における歩行者の道路横断中の交通事故537件のうち、ライトがロービームになっていたのが89％。県警は細かいところまでお調べになるんだなと思ったんですが、道路横断中と書いてあるだけで横断歩道とは書いてないわけで、どこを渡っているかわからないんですが、逆に言うと11％の人はハイビームだったということですね。
　今、すごく明るいライトがたくさん出ていまして、繰り返すようですが非常にまぶしさを感じて、ハイビームで照らされると目が一瞬見えない状況になるライトもありまして、逆に運転手としてはすごく危ないと感じます。ハイビームじゃないと歩行者に気がつかないというのは、どんなところを走っているのか。うちのほうにも農道がありますが、そういうところだと確かに街路灯もないものですから、そういうところはそうだと思うんですけど、ここら辺を走ってもハイビームの車はいないわけです。
　ハイビームにするほうがいいという論調だと思うんですが、まず初めに県警の考え方をお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○出雲交通部参事官兼交通企画課長
　まず、法的な話からさせていただきます。
　道路交通法では、車両等が夜間ほかの車両等と行き違う場合、あるいはほかの車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれのあるときは、車両等の運転者は政令で定めるところにより灯火の光度を減ずる等、灯火を操作しなければならないと規定されているんです。これはどういうことかといいますと、要はハイビームと称される走行用の前照灯が原則だと法律はまず言っています。
　ロービームはどういう名前かというと、すれ違い用前照灯と言うんですね。夜間道路を走行する場合、ロービームと呼ばれるすれ違い用前照灯は約40メートルを照射すると。ハイビームはその2.5倍の前方約100メートルを照射することができるということなんです。
　したがいまして、山間部ですとか交通量の少ない道路においては、ハイビームにした方が歩行者や自転車を早期に発見できます。また相手側からも車の存在を早期に発見、認知しまして事故を回避する効果が期待できます。
　なお、交通量が多い市街地においてハイビームにした場合も効果は期待できますけれども、その反面、対向車の運転者が眩惑される危険性を伴いますので、先ほど申し上げた道路交通法にも規定されているとおり、道路の環境ですとか交通流等に応じましてロービームにするなど、適切な切りかえが当然必要になってくるということでございます。

○髙田（好）委員
　ありがとうございます。
　難しい言葉がたくさん出てきましたが、要するにロービームとハイビームの使い分けだと思います。そうなると先ほどの11％がハイビームだったということが、どういう場面で起きたのか。要するに一般的に大体ロービームなんですね。やっぱりロービームの事故があったのは市内だったんでしょうか。
　ロービームの事故の発生状況がわかれば教えてもらえればと思います。

○出雲交通部参事官兼交通企画課長
　今、事故の状態がどうだったのかという詳しいことについて承知していませんけれども、そのことについてもう少し詳しくお話をさせてください。
　まず、平成27年中に夜間の歩行者の道路横断中の事故は軽傷も含めまして555件ほど起きています。亡くなった方が28人でございます。この中でロービームの車両が８番委員がおっしゃったパーセントになるということでございます。
　道路を横断する人は、必ずしも横断歩道を横断しているわけではございませんし、また横断する場合も斜め横断をして、非常に時間がかかる横断の仕方をする方もいます。そういう方を交通事故から守るためには、御本人が自衛のためにさまざまな反射材をつけていただくとか、反射材つきのエコバッグを持っていただくとか、明るいところを横断していただくとか、信号機や横断歩道の交通安全施設があればそこを利用してもらうことは非常に大切なんですが、一方でドライバーは当然交通事故を起こしてはいけませんから、交通事故を起こさないための工夫がドライバー側として必要なはずなんですね。
　死亡事故を見てみますと、道路を横断中にはねられるお年寄りは自宅近くのいわゆる裏通りを歩いているようなこともありますから、特に裏通りではハイビームにして早く歩行者を発見していただく。また例えば反射材をつけていれば、ハイビームにすることによって、より反射材の効果が高まることもございますので、警察としましては先ほどからお話ししていますとおり、他の交通に影響を与えない状態であれば、ぜひハイビームで走行していただきたいと考えております。

○髙田（好）委員
　今おっしゃったとおり、本来はまず自分が気をつけるのが当然のことですけれども、それに加えてこういうこともあると免許更新時とかそういうときに御紹介いただくことをお願いしたいと思います。

　次に、これも新聞報道にあったんですが、７歳の子供たちの事故が突出しているという記事がございました。県内の歩行中の交通事故死者数を年代別に見ると７歳、要するに学校に上がりたての子供たちが突出しているという報道です。これは長年の調査結果によるもので、多分毎年同じように残念ながら小学校に上がりたての子供たちの事故が多いんじゃないかと思うんです。
　ハード整備で通学路の安全を確保をする――以前も質問しましたゾーン30などをしっかりやっていただくことが大事ですが、７歳の児童が当事者となった歩行中の事故が近年どのように推移しているのか、まずは教えていただければと思います。

○出雲交通部参事官兼交通企画課長
　７歳の児童が当事者となりました歩行中の事故ですけれども、平成18年から平成27年までの10年間を見てみますと平成19年が137人と最も多く、平成24年以降は減少傾向を示しておりまして、平成27年は83人になっております。

○髙田（好）委員
　ピークがあって今減っていると。何かの要因でそうなったと思いますが、本年の状況はどのような状況だったのか。

　また、事故の分析をしていると思うんですけれども、どういうことが原因で事故につながってしまったのか教えていただきたいと思います。

○出雲交通部参事官兼交通企画課長
　本年の状況ですけれども、10月末現在でお話をさせていただきますと、７歳児の交通事故による死者はございません。負傷者は50人になります。

　原因と特徴などですけれども、やはり登下校中の事故による負傷者が19人で全体の38％を占めているほか、飛び出しが原因の負傷者が17人と全体の34％を占めている状況にございます。

○髙田（好）委員
　これは警察だけではなくて、やっぱり学校教育の一環であり、またＰＴＡの活動としても大事なことだと思うんです。私も子供がまだ小さいころは、よく旗を持って朝から通学路に立っていたんですが、ほかの学校は知りませんが、うちの学校はそれをやめちゃったんですね。原因として生活のスタイルが変わったりとかさまざまあって、今は下校時に老人会を初めとして、多くの御高齢の方がボランティアで立っていただいて、本当にありがたい状況があるんです。
　警察では、入学前あるいは入学してから学校に出向いて安全教育をしていただいていると思うんですけれども、もう少し学校との連携を強化していただいて、みんなで見守れば大分事故は減っていくと思います。今までもしていただいていると思うんですけど、そういう協力もぜひこれからまたさらにやっていただきたいと思うんですけれども、どうでしょうか。

○出雲交通部参事官兼交通企画課長
　家庭では、交通安全に対する基本的なルールを常日ごろから教えていただく、あるいは登下校中ですとか自宅周辺における自分のお子さんの交通の行動について見ていただいて危険箇所を子供と一緒に歩いて具体的に教えていただきたいと思っています。
　また、学校では学校行事の中で交通安全教育を取り入れておりまして、警察も小学校に伺って具体的な危険について子供たちの年代に応じた交通安全教育をしておりますので、これからもさらに推進していくつもりでおります。
　子供というのは、先ほど言ったように飛び出しが事故の一番の原因なんですね。学校も大事ですし地域も大事だという理由は、子供は例えば昼間飛び出したことについて夜に話をしても、いつのことを言われているのかわからない。衝動的にぱっと飛び出しますので余り記憶にないまま飛び出します。そこで非常に大事になるのは、やはり地域なんだと思います。そういう危険な行動をとった子供がいたときには、すぐその場で注意してあげることが非常に重要だと思いますので、家庭・学校・地域と警察がよく連携をしながら進めていきたいと考えております。

○宮城委員長
　ここでしばらく休憩といたします。
　再開は、13時30分とします。

（　休　憩　）

○宮城委員長
　休憩前に引き続いて委員会を再開いたします。
　質疑等を継続します。
　では、発言願います。

○髙田（好）委員
　引き続き、あと二、三点ほどよろしくお願いします。
　新聞報道がございましたけれども、県警の１階にありますエスピーひろばが来館20万人達成ということで、本部長みずから記念品を贈呈したということでございました。
　まず、このエスピーひろばの設置の目的と、具体的にここで何をされているのか、その点をお聞きしたいと思います。

○出雲総務部参事官兼総務課長
　初めに、エスピーひろばの設置目的についてでございます。
　警察本部にあります警察広報センター通称エスピーひろばでございますけれども、平成９年４月に21世紀に向けた静岡県警察の広報活動の拠点として、開かれた明るい警察のイメージアップを図るとともに、警察に対する県民の理解と協力を得ることを目的に開館いたしました。
　平成18年にはパソコン機器や大型モニターを導入いたしまして、小学生と高齢者を中心に見て、触れて、体験して、楽しみながら警察活動を理解していただいております。

○髙田（好）委員
　広報活動の内容についてもお願いします。

○出雲総務部参事官兼総務課長
　広報活動の内容でございますけれども、小学校の社会科見学など子供を主体とした団体に対しましては、子供たちにわかりやすい言葉により警察組織の紹介をしたり、銀行強盗を捕まえるまでの警察活動を題材にした子供にも理解しやすいビデオ映像を見せたり、110番にかけるとどこにつながるでしょうかとか、警察のマークは何をイメージしているのでしょうかといった警察クイズを行うなどしながら、子供たちに警察業務に関する興味を引き出す広報を行っております。
　また、御家族や個人などで来館される方に対しましては、展示物を説明させていただいたり、警察クイズやモンタージュ作成を体験していただいたりするほか、展示してある本物の白バイへの乗車、写真撮影などをしていただく中で、警察活動への正しい理解を求めております。

○髙田（好）委員
　今、高齢者とお話しされたんですが、高齢者が団体でお見えになることもあるんでしょうか。

○出雲総務部参事官兼総務課長
　小学生の見学が多いんですけれども、一般の方々の中には高齢者のグループで来られる方もいらっしゃいます。

○髙田（好）委員
　わかりました。
　20万人という来館者数が多いか少ないか、よくわからないんですが、ここ数年の来館者の推移を御紹介いただければありがたいです。

○出雲総務部参事官兼総務課長
　来館者の推移でございますけれども、最近３年間を見ますと平成25年が9,409人、平成26年が9,434人、平成27年は１万1477人となり、わずかではありますけれども来館者は年を追うごとに増加しております。
　また、本年９月23日には平成９年４月の開設以来の累計来館数が20万人に達したことを記念して、来館者20万人達成記念式典を開催したところでございます。

○髙田（好）委員
　ありがとうございます。
　日常的に県警察と身近にあるということはないと思いますので、こういうところを通じて県警察の活動を理解するのは非常に大事なことだと思います。
　来館者数をお聞かせいただきましたけど、これは県下全域からというよりは、やはり静岡市内を中心に、学校から定期的に来ている方が多いんじゃないかと推測をするわけです。これと同じことがほかの地域でできるとは思いませんが、やはり県警察のさまざまな活動――交通安全はもちろんですが、今、おじいちゃん、おばあちゃんが特殊詐欺の被害に遭っているわけです。防災もそうなんですが、子供たちが家庭に帰って、こういうことを聞いてきたよと孫から言われることも非常に重要なことだと思います。活動の拠点はここですけれども、資材とかいろんな財産があると思いますので、それを持って外に出て、多くの小学生に啓蒙活動をしていくことが大事だと思いますが、今、そういうことをされていれば御紹介いただければと思います。

○田中総務部長
　７番委員おっしゃるとおり、エスピーひろばは１つの拠点でございます。啓蒙活動といいますか、広報啓発活動につきましては必ずしも拠点だけでなくて、例えば小学校あるいは地域で、音楽隊を通じたり、県庁別館の１階にシズカちゃん、エスピーくんという大きな人形のかぶりものがあるんですけど、あれを使って子供さんたちの興味を引きながら、学校の活動や地域の交通安全運動にお邪魔したりしながら啓蒙活動をやっているという御理解をお願いしたいと思います。

○髙田（好）委員
　エスピーくんがいらっしゃらないときは、きょうは公務で出かけているんだなと。余分なことですけど、ゆるキャラグランプリ2016もございましたので、またそれに応募されて――ゆるキャラグランプリはすごく利用するのに値するものですので――県警の皆さんの安心・安全を守っていただく活動を多くの人に知っていただきたいと思いますので、またぜひ活用をよろしくお願いしたいと思います。

　それから、平成28年度県政世論調査の結果について見せていただきました。概要報告書の27ページにありますが、犯罪被害に遭うのではないかという不安を感じているのが56.9――57％ぐらいあるわけです。その中で不安を感じている犯罪を見たところ、空き巣などの侵入窃盗とか家や敷地への無断侵入、車や壁などの器物損壊とあるんです。
　私の認識がおかしいのかもしれないけど、空き巣は今、不安を感じる犯罪という意識が県民にあるということは、それだけ多いんだなと思うんですが、私の近所では今言った３つはそんなに日常的に聞くことじゃないんですけど、県民全体から見ると非常に不安を感じているという話ですので、現状を教えていただければと思います。特に空き巣の現状を教えていただければと思います。

○源波刑事部参事官兼刑事企画課長
　平成28年１月から10月の刑法犯の発生、検挙状況を昨年の同時期と比較しますと、全刑法犯の認知件数は平成14年をピークに14年連続減少し、前年対比では1,174件、6.0％減少の１万8366件となっております。
　減っている中での特徴的傾向でございますが、窃盗犯の認知件数が大幅に減少しておりまして、減少した主な手口は空き巣が422件でマイナス120件、マイナス22.1％、このほかオートバイ盗、自転車盗、乗り物盗も減少しているところでございます。

○髙田（好）委員
　ありがとうございます。
　422件に減少しているということですけれども、これは本当に自分で気をつけてもらうしかないわけですので、不安を感じている人が頑張らなきゃいけないんですが、警察としてこういうことを広報、宣伝するのはやっぱり交番だと思うんです。よくうちにも来ていただきますけれども、新聞を出している交番も多くありますので、住民調査だけじゃなくて、そういう注意喚起の活動もあわせてやっていただいて、こういう不安や事件を払拭できるように、ぜひ頑張っていただければと思いますので、よろしくお願いします。

　最後ですけれども、チャイルドシートの着用についてお聞きしたいと思います。
　最初に、チャイルドシートの着用の統計をとることがあるのかどうなのか。
　あれば、どんな数字が出ているのか教えていただければと思います。

○出雲交通部参事官兼交通企画課長
　チャイルドシートの着用率につきましては、県内の全ての路線で、全ての車両に同乗している６歳未満の子供を確認して調査はできませんので、その数字は持っておりません。
　ただ、本年10月末の人身交通事故の統計上にあらわれました事故車両に乗車中の６歳未満のチャイルドシートの着用率は約82％でございます。

○髙田（好）委員
　82％が着用していたということですね。
　事故に遭うかどうかは、着用している、していないとは余り関係ないのかもしれませんけど、そういう調査しかできないのはわかりました。

　やはり、チャイルドシートをつけるべき年代の方がいらっしゃる保育園とか幼稚園でこの重要性をしっかりお話をしていただくことが大事だと思いますが、そのような活動は、今、警察は行っていただいているんでしょうか。

○出雲交通部参事官兼交通企画課長
　言うまでもなく、チャイルドシートは交通事故における被害を防止あるいは軽減する非常に高い効果がございますので、子育て世代に対する安全教育はその都度当然やっておりますけれども、加えてお孫さんを乗せる祖父母の方々についても、これは必要なことだと思うんですね。したがいまして一定の世代に対してだけではなく、幅広い世代に対してチャイルドシートの効果あるいは着用の呼びかけについて常日ごろからやっているところでございます。

○髙田（好）委員
　ありがとうございました。
　最後ですけれども、チャイルドシートは今、かなり高額になっていまして、性能もすごくいいですから高額になっているのも実際見てよくわかります。それで安心・安全が守られていると。ただ余りにも高額で子育てしている人にとっては、うちの娘もそうなんですが非常に買いにくいということで、やっぱり負担がすごく多い。チャイルドシートは今おっしゃっていただいたとおり命を守る大事なものでございますので、子育てを所管している健康福祉部とかさまざまなところに警察からも働きかけなどをしていただいて、できれば補助みたいな――１人目からというよりも２人目、３人目からとか、いろんなことが考えられると思うんですけれども、そういうことも検討していただいて普及に励んでいただければと思います。
　９月定例会の文教警察委員会でも65歳以上の方のタクシー料金が１割安くなるのはタクシーの運転手が負担をしているという話もしましたが、やりたいことがさまざまあっても、なかなかできていないことや障壁がありますので、それを警察から働きかけていただいて、みんなで推進していっていただければと思っておりますので、またぜひ御検討いただきたいと思います。ありがとうございました。

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