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委員会会議録

質問文書

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平成19年9月定例会県民委員会 質疑・質問
質疑・質問者:伊藤 育子 議員
質疑・質問日:10/04/2007
会派名:自由民主党県議団


○伊藤委員
 お疲れのところ申しわけございません。最後ですので、おつき合いのほどよろしくお願い申し上げます。
 2点お伺いいたします。
 1つ目、県立美術館。2つ目、SPACです。
 まず、県立美術館についてでございますが、先日、久しぶりでいい絵を美術館で見せていただいたなという展覧会がありました。NHKの「日曜美術館」ですね。あそこで見せてもらっていた絵の生を見ることができたということで、すばらしいなと思ったわけなんですが、そこで美術館そのものの築ももう20年と。そうなりますと、時代の流れというのは、この芸術活動に大きな変化をもたらしているわけですね。
表現の多様性という点から見ますと、20年前にあの美術館が建ったころに、平面の作品だけで勝負ができるという時代というのはもうとっくに終わってると。今、大体平面がどのくらいでしょうかね。平面、立体、そしてまたパフォーマンス、造形まで含めまして、とても平面だけでは対応し切れないだろうというふうな思いで、あの美術館を眺めさせていただいたわけなんですが、SPACのように、これしか見せないという美術館ではないだろうと思うんですね。あの美術館というのは今までの展示、企画を振り返ってみても、いろんな多様な作品を鑑賞する機会を多様な県民に提供するというふうなタイプの美術館と思われますので、今後この表現の多様化にどういうふうに対応していくのか。今のままでは対応し切れないんじゃないかなと思うんですが、今後の運営方針について伺いたいと思います。それが1つです。

 2つ目、県立美術館の料金体系についてお伺いしたいんですが、私が平成12年ですか、国立近代美術館の評議員をやらせていただきましたときに問題になったのが、高齢者の料金だったんですね。あの当時から変わりつつあるなと思ったんですが、県立美術館または国立近代美術館あたりにお見えになる高齢者というのは、決してお金がない方々ではないんですよね。結構生活に余裕のある方々がお集まりくださるわけですね。そうしますと、彼らが無料で、そして小中学生が有料ということは、これは逆なんじゃないかというふうに思うわけですね。
小中学生の料金が無料になっている県立美術館というのは結構あるんですね。鳥取県立博物館、小中学生、高校生、大学生まで無料になってますね。それから栃木県立美術館も小学校、中学校の生徒が無料ですね。高齢者は有料でございます。それから千葉県立美術館は小中学生、それから高齢者も無料。東京都現代美術館が小中学生無料、高齢者は半額。これがこのごろの料金の時代の流れなんですよね。だとすれば、県立美術館の料金につきましても、ちょっとそろそろ考えていただいた方が、むしろ次世代を育成するという点で力を入れてくださるということであれば、御検討いただけたらありがたいなというふうに思うところでございます。

 それから3つ目が、平成15年ごろだったと思うんですが、美術館の運営について、評価の基準づくりで、膨大な資料をいただいたことがあったんですが、あの当時、今も含めて静岡県立美術館の評価というのは大変に高いわけですね。全国でも指折りの評価をいただいている美術館だというふうに私は認識してるんですが、その大きな要素が、あの評価の基準づくりが成功したということだったんだろうと思います。
そこで、その評価の基準をつくったはいいんですが、実際に今の県立美術館の運営のその基準に照らし合わせた弱点とその克服法、解決法ですね。要するにあの評価の基準づくりにあれだけのエネルギーを費やしたその成果が一体何であったのか。あれをつくることによって、どれほどの県民、来館者のニーズ、ウオンツを満たして、そしてあれをつくることによって満足度がどういうふうに変化したのか、数値で示していただければありがたいと思います。

 それからもう1件。これはどうしようもないのかなとは思うんですが、県民ギャラリーの件です。あそこがどれほど込むのか御存じですか、皆さん。私はあのくじに当たったことがないんですよ。とにかく膨大な方がくじを引きに来られる、またはインターネットで申し込まれる団体の数なんですね。それでとにかく当たらないわけですよ。こういうことで生涯学習がこれほど浸透し、そして美術人口というんですか、すそ野が大変に広がっている中で、あの県民ギャラリーの狭さというのか、利用できない、あの宝くじに匹敵するとも思われるような当選確率ですね。あれは何とかならないものなんでしょうかねというふうに思います。

 それからもう1つ。前回行きましたときも見せていただいたんですが、実技室ですね。私もあそこで講座を持たせていただいたことがあるんですが、本当にすべての分野であの一室を使うわけですよ。そうしますと、我々の講座なんかは2時間単位の講座で、前30分というのは、その前の講座の片づけでとられちゃうわけですよ。実質1時間半しかできないわけですね。というふうな、その対応でよろしいのかどうかね。あれはこの時代に対応した実技室のあり方ではないんじゃないかなというふうに思うんですが、その点、今後何かそれらしい計画があるのかどうか、お伺いしたいと思います。

 それからもう1つ。この県立美術館の正式な名前は静岡県立美術館ということですよね。ロダンはそこに入らないんでしょうか。というのは、あのロダン館というのは、皆様方御案内だと思うんですが、どこのロダンの美術館よりも、パリのロダン美術館よりもすぐれてるんですよ、あれは。多分、決してどこの美術館と比べても、あのロダンに関しては勝るとも劣らないだろうというふうに私は思うんですが、もしあの県立美術館の名前にどこかロダンをうたい上げることができれば、集客率はもっと違うんじゃないかというふうに思うんですけれども。
これから空港が1年半後に開港するわけなんですが、世界から人を集めることのできるのはロダン館だろうと思いますので、その点、どうにかならないものなのかどうか。県立美術館で持っている収蔵品なんていうのは、そんなこと申し上げてはなんですけれども、わざわざ飛行機に乗って見に行きたいと思うような作品なんていうのはそれほどないですよ。いや、いい作品はありますよ、県ではありますよ。だけど、わざわざという作品ではないですよね。ところが、あのロダン館については、わざわざ来る値打ちがあるものだろうというふうに思ってるんですね。あれだけの空間にあれだけの作品を持っているところというのはそうないですよ。パリの美術館もしっとりしてすてきなんですが、ああはいかないですよね。となると、これは1つの目玉になるだろうと思ってるんですが、それを売る県立美術館の戦略についてお伺いしたいというふうに思います。

 次、SPACの件なんですが、1995年ですか、鈴木忠志氏が総監督に就任してから12年たったということで、今回新しい総監督がお見えになったわけなんですが、やはり12年経過しますと、静岡県の文化芸術政策のどの部分が実現できて、何が実現できなかったのか、1つの大きなステージが終わったということで、総括する必要があると思うんですね。地方自治法第2条第14項、最小の経費で最大の効果を上げることというふうにうたわれてますが、5億の金を毎年かけてきて、ざっと私の計算では、舞台芸術公園から劇場から、その維持費まで入れますと、ざっとこの10年にかけた金額は130億円ぐらいかなというふうに思うんですが、これで実現できた文化芸術政策が一体何で、そして何が実現できなかったのか、そこら辺を明らかにしておく必要があるだろうと。そして今度来られた新監督に何を期待し、どの文化政策のどういう部分を実現したいと思って新しい監督に就任を依頼したのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
それから、SPACがこの12年間でやってきた事業をもう一度確認しておきたいと思います。その事業の柱ですね。3本ぐらい、これという柱をもう一度お伺いしておきたいと思います。
 以上です。よろしくお願いします。

○大滝文化学術局長
 私からは、美術館の評価とそれからSPACの評価について、お答えさせていただきます。
 それから、今後の美術館の運営方針も含めてお答えさせていただきます。
 県立美術館では、平成15年7月から美術館評価委員会を設置しまして、外部委員からの提言をいただきながら、館の改善方向について検討を行ってきました。美術館評価委員会の提言では、主に経営的な視点から問題点が指摘されました。第1点としては、美術館の目指すべき具体的なビジョンや目的が明確にされていなかったという点。第2点は、運営体制として、館長の権限や責任の範囲があいまいで、リーダーシップの発揮される体制とはなっていなかった。それから、第3点として、近隣住民やボランティア、さらにNPOや企業など、地域とともに成長していくという発想に欠けていたと。この3点を指摘されました。
 この提言を受けまして、館では、館の使命や戦略目標を明確にするとともに、その達成度を検証するための数値目標を設定した自己評価システムを平成17年7月から導入しまして、これに基づいた経営改善を進めてまいりました。また来年度、館長が目標を設定して公約として公表する仕組みをつくるとともに、館長を支援する組織として、美術館協議会を位置づけ、機能強化を図ってまいりました。さらに昨年度は第三者評価委員会を設置しまして、改善への取り組みを外部から評価していただく体制といたしました。
 一方、地域との連携については、美術館周辺の自治会との意見交換や近くのウオーキングなどの参加者への割引券の配布など、さまざまな具体的事業を進めてまいりました。
 それによりまして、自己評価の導入とともに、館の達成目標を毎年度設定しており、その中では単に展覧会の観覧者だけでなく、レストランやショップ、ミュージアムコンサートへの来館者も含めて、利用者をふやす、そしてその満足度を高めるという目標を立ててまいりました。この目標を達成するために、レストラン関係者も含めたサービス改善委員会を設置するなど、館全体のサービス水準を向上させるという観点に立って、これまでにない発想による取り組みを行ってまいりました。例えば、企画展に合わせたレストランの特別料理を設定して、それをPRするなどを行ってまいりました。こうした中で、20周年を迎えた昨年度の年間観覧者は5年ぶりに20万人を超えました。
 それで、利用者の満足度については、70%にするという目標設定をしたんですけれども、平成17年度の実績は69.5%、平成18年度の実績は68.1%とわずかに達成していませんが、個別に見ると中心となる展覧会利用者の満足度は、平成17年度の65.8%から平成18年度には67.7%に向上しておりまして、中には80%を超えている体験教室やワークショップなどの教育・普及事業に対しての満足度、これは非常に高い水準になっているということでございます。
 こうした状況は、第三者評価委員会においても、停滞から脱皮に向けた胎動が始まったようだという評価をいただきまして、今後も第三者評価委員会による指摘事項などの改善を図りながら、館の魅力の向上、利用者の満足度の向上に取り組んでまいりたいと考えております。
 それと最初に御質問いただきました今後の運営方針についてでございますけれども、ただいまこういう第三者評価委員会も含めまして改革の努力をしておるところでございまして、今後の運営については、これらの機関からの意見をいただくなどしながら、関係者とも協議してまいりたいと考えております。

 それと、第2点のSPACの評価の関係ですけれども、鈴木忠志前総監督が世界に通用する舞台芸術振興の創造と公演、それから舞台芸術に関する人材育成、舞台芸術に関する活動の支援、これを3本の柱としまして、静岡県の舞台芸術振興のための活動を推進してまいりました。平成11年度のシアター・オリンピックス、それから平成12年度から毎年開催している春の芸術祭、これにおいては中心的な役割を果たしていただきまして、県民の舞台芸術の浸透に寄与してまいりました。特に舞台芸術の創造と公演におきましては、平成7年から18年度まで、静岡県において39のオリジナル作品を創造するとともに、864の質の高い舞台芸術作品を公演しまして、延べ23万人以上の鑑賞者を得ております。特に静岡芸術劇場がオープンした平成11年3月からは、毎年およそ2万から3万人がSPACオリジナル作品を含む舞台芸術作品を鑑賞しており、静岡において質の高い舞台芸術に触れる機会を提供してまいりました。
 それと、これまで日本を含めてアメリカ、ロシア、フランス、中国、韓国など、20カ国の世界の舞台芸術作品を静岡で紹介するとともに、みずからもアメリカ、ロシア、フランス、イタリア、中国、ギリシャ、台湾などで海外公演を積極的に行ってまいりました。平成13年にロシアで行われた第3回シアター・オリンピックスの際には、鈴木総監督がロシアのプーチン大統領と会談したのが契機となりまして、日露文化交流が始まり、毎年、両国で相互に舞台芸術の公演を開催するようになるなど、国内外、特に海外で高い評価を得ております。
 このように、舞台芸術の振興を通して、舞台芸術の県民への定着、静岡からの情報発信などを着実に実施してきており、金額では換算できませんが、SPACの活動が着実に成果を上げているものと考えております。これも鈴木前総監督のお力によるものと評価しております。
 実現できなかった点ですけれども、できなかったというより、ちょっと足りなかったという点で、人材の育成の県内の広がりという面がありまして、この点については、今後、宮城芸術総監督に大いに期待しているところでございます。以上でございます。

○宇佐美文化政策室長
 御質問のありましたことにお答えしたいと思います。
 第1点の美術館の改修といいますか、いろんなものが単なる美術の絵画だけじゃなくて、彫刻とか新しい文化芸術作品が出てくるということで、19年4月現在で約2,400の作品がございます。その中で、彫刻78点とか工芸とか、いろんなものが出てきていることはたしかでございます。ただ、現時点では、スペースの問題等がございまして、なかなか今のスペースの中でやることについては、非常に厳しいかなと思っております。ただ、表現で子供たちについてもいろんなものをつくってきているということもありますので、例えば改修するにしても、企画展は二、三年ぐらい先を見越して考えているものがあるとか、定期的に実施している展覧会等もございまして、先ほど言われましたギャラリーのことを考えたり、その他もろもろ考えていかなきゃならないと。場合によれば、一定期間閉鎖しながらいろいろ考えてしなきゃならないこともございますので、今後、もう20年たってますので、改修計画を検討する中でまた考えていきたいなと考えております。

 それで、2つ目の料金体系についてでございますけれども、今の常設展については小中高生無料ということになっておりまして、企画展については有料ということで、一般の半額程度となっております。今現在開催中の大正シック展ですけれども、一般は900円、小中高は400円という形になっております。県としても、子供のころから質の高い文化芸術に接することによって、豊かな人間性や創造力をはぐくむことができるという視点もございますので、今の美術館については、中学生については文化芸術鑑賞ということでやっておりまして、これについても18年度については5,000人ぐらいの生徒が富嶽ビエンナーレ、それとロダンを見ているというようなこともございます。確かに、特に企画展の方なんですけれども、実行委員会方式でやっていることもございまして、よりいいものをやるには、そういうことも考えなきゃなりませんので、共催者との調整も必要かなと考えております。
 現在、先ほど局長の方からお話がありました自己評価システム、第三者評価委員会等も進めていく中で、子供たちだけでなく観覧料全体の検討をする中で、今後検討していきたいと考えております。

 次に、県民ギャラリーの件だと思いますけれども、18年度の稼働率は98%です。入場者数が8万人ぐらい。利用団体は38ということで、委員御指摘のとおり、満杯でほとんど使っているというような現状です。利用される方から、もっと別のところがないのかということを言われることもございます。ただ、先ほどのことではございませんけれども、やはり建物の面積を考えた場合には、今の現状では非常に難しい面があると思います。できるだけ回数をふやすために、原則1週間という単位で御利用いただいているということもありますけれども、今、現実にはなかなか対応が難しいということは御理解いただければと考えております。

 それと、もう1つありました実技室なんですけれども、美術館の位置づけとして、当然生涯学習の場としておりまして、確かに1つでは足りないんじゃないかということがあります。しかも今、利用されているものを見ますと、子供たちの粘土教室とか粘土遊び、それとか土曜の工作等、夏休みはフル回転で使っているのが現状でございます。平成19年度上半期の資料を見ますと、約9割が使っておりまして、大人も子供も楽しんでいただいているというのが実情です。ただ、これもやはりキャパシティーの問題、全体の問題がありまして、今、レストランも必要だ、飾るギャラリーも必要だということになりまして、当初つくった時点ではそこまで考えなかった点もありますけれども、これについても、現在の建物内ではちょっと拡充は困難かなと思っておりまして、今後また新たなことも踏まえて検討していきたいと思っております。

 それと、最後にありました美術館の広報と言いますか、PRということなんですけれども、ロダンというのは33体ありまして、非常にPRできる要素かなと思っております。空港もできますと、空港の中に何かそういうロダンをPRするものができないかなということも空港部と検討しております。また、観光の面でも、例えば観光ルートにうまく乗らないかなということも、1つの検討課題と思っておりまして、観光関係の部署とも話しながら、詰めていきたいと、今少しずつ詰めてるんですけれども、やはりほかのものとセットでないと、ここだけというわけにはいかないということで、その点もまた検討してまいりたいと思っております。以上です。

○伊藤委員 
はい、ありがとうございました。
 ハード面では本当に難しいと思うんですよね。でも、これから長い目で見たときに、どうしてもそのスペースというのは必要だろうと思いますので、まあ徐々にということで御検討いただければありがたいと思います。

 それから、料金の問題はすぐにでもできることで、これ、入場料を抑える話じゃなくて、高齢者からは取れという話ですから、それでこっちをただにしようと。無料にする層をちょっと変えたらどうだという提案ですので、意外と簡単にできちゃうんじゃないかなと思うんです、そのぐらいなら。だって次世代を育てるという高齢者の――高齢者っていったって我々も高齢者ですけども――そういう責務を考えたときに、子供らのために我々ちっと出すかぐらいは、できる層の方々があそこにはいらっしゃるんですよね、というふうなことで、きっと御理解いただけるとは思うんですけどね。

 それから、ロダンの件なんですが、これは絶対にやっていただきたいなと思ってるんですが、一昨年ですか、本会議で提案させていただいた、あの空港に一体置いてくださいよ、ロダンを、という提案を再びさせていただきます。あそこを美術館のエントランスだというふうにお考えいただければ、もっと来るんじゃないかなと。あれは見せなくちゃもったいないと思うもんですから、御検討いただきたいと思います。

 それから、SPACの問題なんですが、金にはかえがたいというふうな御説明いただきましたけれどもね。かえがたいんじゃなくて、やっぱり比較の問題で、前回は私は劇団四季との比較でその効果についてお尋ねしたんですが、今回は富山県の利賀芸術財団との比較でお伺いしたいと思います。
 先ほど事業内容を伺ったのはなぜかと言いますと、私、今利賀芸術財団の、舞台芸術財団演劇人会議というこの事業内容を見てるんですが、まるっきり同じで、どっちがどうだかわかりませんよね、この内容を見てますと。そして、もっと困ったことに、先ほど人材育成が足りなかったとおっしゃいましたけど、こちらでは事業の中にきっちり位置づけられていて、もっとやってらっしゃいますよね。それから、フェスティバルも春のみならず秋までやってらっしゃいますよね。というふうに、内容及びコンセプトまでそっくりだなと。これを見ているのか、静岡県の仕事を見ているのか、どっちがどうだかわからないなというぐらい似通っていると思うのですが。
 さて、それはそれとして仕方がない。やってらっしゃるのが、利賀財団の方は理事長が鈴木忠志さんで、それで役員も、まあ言ってみれば鈴木忠志ファミリーのような顔ぶれでありますので、今回、静岡県でお迎えする新総監督の宮城さんという方もちゃんとこの役員に入ってらっしゃいますし、磯崎新さんもいらっしゃいますし、そして御丁寧に静岡県のあのSPACの信望者である静岡市の方が利賀にまで出てらっしゃって、役員になってらっしゃいますよね。おまけに富山県知事が、あの当時、SPACがスタートした当時に総務部長さんでいらっしゃった石井さんが知事でいらっしゃいますよね、富山県は。
 というふうなことで、これは似通っても仕方がないのかなというふうには思うわけです。もっとも利賀の方が10年だか20年だか早く始めたわけですから、言ってみれば静岡県がそれをまたまねしていただいたという話になるわけなんですが、それでもまあ仕方がないだろうと、静岡県の文化政策にとってそれが必要であれば、それは仕方がないというふうに思うわけです。
 しかしながら、1点とっても気になるのは、この予算が今までそれこそ5億円ずつずっとかけてきたわけですよね。この事業を富山県は5000万円から6000万円でやってらっしゃいますよね。そうしますと、私ずっと調べたんです。毎年幾らぐらいだったんですかって調べたんですが、5000万円から6000万円を出たことはないわけですよ。だとすると、4億5000万円の差で買ったものは一体何なんだろうと、それを教えていただきたい。以上です。

○宇佐美文化政策室長
 今の富山の件については、ちょっと資料等持っておりませんので、今回、県の方で19年度の運営費ということで、3億4000万円ほど計上させていただいておりますけれども、この分の経費については、人件費等基礎的経費、財団として芸術局が本来あるべき人件費、それと春の芸術祭、これについては各県民の方に多くのものを見ていただきたいということの経費を補助しているということ、それとすいません、もう1つ、県民の方の人材育成という経費ですね。例えば今回、親と子の演劇教室という形で、9月2日に、例えば御殿場とか浜松の方から親子で来て演劇の楽しみを習うとかいう形で進めている経費とか、県民月間等の経費等、人材育成という形でやっている経費、人件費、それと春の芸術祭、その経費でございます。以上です。

○伊藤委員
 時間がございませんので、これ以上申し上げませんが、何を言っても変わらないと、これはね、というふうなことだろうと思います。ただ、これだけの金額を利賀よりもとにかく数倍の金をかけてるわけですから、だとすれば数倍のものを買うことができるということが県民に実感されなければならないというふうに思うわけですね。だけど、SPACなんて知ってる方、調査なさったことありますか。SPACを御存じの県民というのは一体どのぐらいいらっしゃるんですかって。いいですよ、答えなくったって。大体わかってますので。
 ということで、やはりこれはこれから、それこそ空港の問題と絡めますと、静岡県が舞台芸術のメッカであるということは、これは県民がそう認識していると、そして静岡県に行けばいつでもすごい舞台芸術が見られるんだよと、だからいつでも観光コースの中に入れることができるんだよぐらいのね。我々は唐十郎も見たいですよ。蜷川幸雄も見たいですよ。いろんなすぐれた芸術家がいっぱいいらっしゃるわけですから。でも、静岡県に行けば、それが見れるんだよというぐらいの、飛行機で行っても決して損じゃないよというぐらいの、大体だって1年間に何日しかやってないでしょう、これ。何か私が前回調べたところでは58日、今回の計画を見てみますと、そこまでもいかないですよね。めったに見ることができないという舞台じゃ、私はやっぱりちょっと納得がいかない、県民も納得できないんじゃないかなというふうに思いますので、その辺の御検討を改めてお願いしておきたいと思います。

 それからもう1点要望させてください。まるっきり別件ですが、先ほど2番委員から話がありました。県民のこえ室長にお伺いしたかったんですが、やめておきますね。県民の声に耳を傾けていただきたいというふうに思うんですね。というのは、恐ろしくて県にお伺いもできないというんじゃ困ると思うんですね。というのは、私は地震対策で鈴木局長にしつこくつきまとって、嫌な女だと思われてるかもしれませんが、でも、静岡県の努力というのは私、すごかったなとこのごろ認識してるんですよ。何だこればかりなんて、今までさんざん文句は言ってきましたけど、他県の状況と比べますと、これまたびっくりという数字なんですね。横浜市なんか300万円近くの補助金ですよ、だけど90棟ぐらいしか実現できてないというふうに見ますと、これはすごいなと。それでこのごろは、地震対策をやってないと何となく不安で何となく後ろめたいみたいな雰囲気ができつつあるなと、私は思ってるんですよ。
 ところがこれ、例えばですよ、町に1つしかない幼稚園の先生も、そわそわしてきちゃったわけですね。耐震度をはかってもらったらば、0.7だか0.8だか言ってらっしゃいました。これは何とかしなければと、本当にもうわらにもすがる思いで、それで恐る恐る私学振興室に電話をしたら、それこそ天野委員のおっしゃるけんもほろろに振り払われてしまったと、恐ろしくて電話もできないと。こういうふうな対応って、やっぱりその対応した方が県庁のすべてになっちゃうわけですよ、県民にとっては。ということは、これは県民、税金を納めてくださってる県民ですから、やはりそれなりに、断るにしてもちょっと丁寧に断っていただいて、県政に対する信頼を回復していただきたい、一応要望しておきます。

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