本会議会議録


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令和5年6月定例会危機管理くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:河原ア 全 議員
質疑・質問日:07/05/2023
会派名:自民改革会議


○河原ア(全)委員
 説明ありがとうございました。
 質問の前に一言申し上げます。
 危機管理部の職員の皆様方におかれましては、地震災害の対策、原子力安全対策に加え、昨今は頻繁に起こる今までにない規模の豪雨等の対応も加わり年間を通じて日夜大変な業務に取り組まれていることに心より感謝申し上げます。
 それでは、一問一問方式で質問いたします。
 まず最初に、危機管理くらし環境委員会説明資料5ページの地震・津波対策アクションプログラム2013の成果と取組についてでございます。
 これにつきましては、過日成果と課題の資料も頂きました。
 その中で、今の説明にもありましたけれども、昨年で終了して、減災目標としていた8割減災を達成したとございます。大きな成果だと思われます。
 ただ、10年間の取組で目標の未達成があったり、課題も出てきたのではないかと思います。
 説明資料6ページの(3)に記載している課題として、早期避難意識のさらなる向上や健康被害対策が挙げられているほか、目標を達成しなかったアクションへの対応が必要とございますが、今後の解決に向けてどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

○部危機政策課長
 アクションプログラム2013の189アクションのうち144アクションがおおむね数値目標を達成し、45アクションが未達成となっております。
 未達成の要因は、避難地整備などのハード面では設計や計画の見直しに時間を要したほか、用地交渉や候補地選定など地元調整が難航したこと、避難所運営訓練などのソフト面では新型コロナウイルス感染症の影響で訓練等の規模が縮小されたことなどが要因であります。
 目標を達成できなかったアクションにつきましては、地震・津波対策アクションプログラム2023に位置づけ継続して取り組んでまいります。
 さらに、わたしの避難計画の全県民への普及を通じて早期避難意識の醸成を図るとともに、風雨よけやトイレなどを設置することで避難施設滞在時の環境を改善するなど、新たな減災目標である想定犠牲者の9割減災の達成とその後の維持、被災者の健康被害等の最小化を図る取組を進めてまいります。

○河原ア(全)委員
 ありがとうございました。
 説明資料の13ページに、先ほど御説明のあった県民の防災意識の高揚がございます。
 表を見ますと、揺れを感じたら直ちに避難すると回答した方が前年に比べて減少しておりますし、また逆に津波警報の発表を見聞きしてから避難すると回答した方が増えています。これは県民の方の意識が低下してるのかなと思いますし、その下の家庭内防災対策についても令和元年度と令和4年度を比較すると、食料とか飲料水の部門で心配になることがあると思います。どのように県民の意識を高めていくお考えかお伺いいたします。

○油井危機情報課長
 今回県民意識調査の中で、揺れが収まったらすぐに避難していただくことがベストだと考えている中、警報の発表を見聞きしてから避難すると回答した方が増えていることにつきましては、コロナ禍における防災意識や自主防災組織の活動低迷などが原因と考えております。
 そのような中で、今後県民の防災意識をどのように高揚していくかでございますが、昨年度からわたしの避難計画の普及を津波浸水想定区域の自主防災組織から開始し、さらに今後3年間で全県民への普及を目指しているところでございます。
 津波浸水想定区域での普及につきましては、まだ不十分な状況ではありますけども、今後の取組の強化によって早期避難意識はもとより、避難のタイミング等の徹底を図ってまいりたいと考えております。
 また、家庭内の対策等も含めて地震防災センターでの啓発であるとか、2月に開設いたしましたデジタル地震防災センターの中の災害疑似体験のVRなどを活用して、県民の意識の高揚を図っていき、多くの県民の皆様にしっかりと周知啓発を行っていきたいと考えております。

○河原ア(全)委員
 ありがとうございました。
 今、意識の高揚のためにわたしの避難計画の普及に重点的に取り組んでいきたいという言葉がございました。私もわたしの避難計画をこの立場になって初めて知ったものですから、どんなものかと思いまして、昨日御前崎市の沿岸部にお住まいの方のところに行って借りてきました。実際見たんですけれども、大変よくできていると思います。
 なおかつ驚いたのは、1つの市の中で地区ごとに中身が変わっています。1つの市で共通したものが1つではなくて場所ごとに変わっているところは工夫されてるなと思いました。また一緒についている作成ガイドがまた詳しく解説されていて、書いたことを全て暗記しなくても書く作業をすることが意識の高揚につながっていくなかなかよい施策だなと思いました。市の危機管理関係の担当職員も非常に有効に使いたい、市民にとってよいものになるだろうと言っていたものですから、よい企画だなと思いました。
 ただ、その中で先ほどもお話の中にありましたし今度のアクションプログラム2023の目標の中にもありましたが、わたしの避難計画の普及を3年間で100%という数字が出ております。これはなかなかハードルが高いんじゃないかなと思いますが、どのような道筋でその数値目標を達成する予定か、お聞かせ頂きたいと思います。

○部危機政策課長
 わたしの避難計画は配って終わりではなく、やはり作成していただくことが重要になってくると思います。
 そういった意味で、なかなか市町の職員の方も人手が足りないこともあり、県といたしましては普及を進める意味で、わたしの避難計画のわたひな普及員を養成していく予定であります。
 わたひな普及員ですが、県では当初自主防災組織の役員の方になっていただくことを考えて市町と調整を進めておりました。現場の市町からは普段活発に活動している市町防災士会や地域防災指導員、消防団など様々な方をわたひな普及員として活用したいという要望もございます。このことから自主防災組織の役員だけではなく、市町の実情に応じて幅広い方々に参加頂くことで、わたしの避難計画の普及を進めてまいりたいと考えております。

○河原ア(全)委員
 ありがとうございました。
 今の答弁の中に自主防災組織という言葉がありましたけれども1つの自治体の中でも、割と周辺部、どちらかというと言葉は悪いかもしれないですけど田舎的なところはほとんどの方が自治会に入っており、自主防災組織にも加入しております。中心部になりますと自治会への加入率が御前崎市でも50%を切ってるくらいです。自治会に入っていない方はどうしてもイコール自主防災組織にも入らないと思います。ですから説明資料9ページの真ん中あたりの人的支援のところで、自力で作成できない住民を対象としたとあるんですけれども、作成できないというよりもそういう気持ちのない方が結構いらっしゃるんじゃないかなと思います。その方々をどれだけ入れていくのか、それとも呼びかけだけでいいにするのか、そのあたりはまた検討していく必要があるのかなと思います。
 無理に全市民、全県民にとすると大変なところがあるかと思いますが、ただこういうものがありますよという呼びかけは非常に大事だと思います。あまり無理に県が要求するとわたひな普及員の方が間に立って大変な思いをされると思いますので、そのあたりをまたお考え頂ければありがたいなと思います。

 次に、説明資料15ページの地域防災力の向上についてでございます。
 女性という言葉が何か所か出てきますけれども、現在の自主防災組織において、女性参画の問題は一つの課題かなと思っているんですが、そのあたりをどのように県として考えているのかお聞かせ頂きたいと思います。

○油井危機情報課長
 昨年度から、防災活動への女性の参画に対する理解を深めるために男女共同参画課と連携して市町職員や自主防災組織の役員を対象とした災害対応力を強化する男女共同参画の視点研修会を開催しています。
 また、養成した女性防災リーダーを自主防災組織につなげ、具体的な活動についてアドバイスするなど地域防災活動における女性の参画を県としても促進しているところでございます。
 それから、説明資料15ページにありますように、県の総合防災アプリでは女性役員の有無も自主防災組織の評価項目としておりますことから、自主防災組織の体制や訓練内容などを改善いたしまして、自主防災組織の防災力を高める取組もしております。
 指標については、女性役員が一人でも参画していれば女性の意見が反映されていると評価しておりますけれども、昨年度県の地域防災計画においても女性の役員を3割以上自主防災組織に入れることを目標値に掲げて改正しました。
 そのようなことから県、市、町合わせて連携しながら自主防災組織における女性の参画の促進に取り組んでまいりたいと考えております。

○河原ア(全)委員
 ありがとうございました。
 先ほどの説明の中で、県の方針として被災者の健康被害等の最小化のために被災後の避難環境の質も確保するという大きな目標があったと思います。
 その観点からしても、やはり女性の意見を取り入れていくことは大変重要じゃないかと思います。
 御前崎市には、NPOで災害支援ネットワークというグループがございまして、そのトップが女性です。女性の気持ちを酌み取りながらいろんな対策を練る活動をされています。やはり女性がまず自主防災組織の役員として入っていくことが非常に大事だなと思います。
 ただ、田舎になりますと自治会の組織と自主防災組織が重なる面が多く、どうしても自治会の役員というと男性の方が多くなります。意識的に県としてアクションを起こしていただくほうが、女性の意見を酌み入れやすくなると思います。今御答弁がありましたけれども、ぜひ強く進めていただければありがたいなと思います。

 次に、同じ説明資料15ページの下から5行目あたりに、台帳整備の必要性を普及するとございます。
 これは、恐らく要支援者の台帳のことかと思うんですけれども、女性と並んで支援を必要とする方が避難し避難所で生活をする上で、どう一人一人をケアしていくかをその地域の方なり自治体が把握するのは非常に大事なことだと思います。その点について、県としてどのように進めていくおつもりかお伺いいたします。

○油井危機情報課長
 災害対策基本法では、避難行動要支援者名簿の作成が市町村の義務とされておりまして、所管する健康福祉部の調査では県内全市町において法令に基づき避難行動要支援者名簿を作成し、各自主防災組織に配布しているということでございます。
 一方で、危機情報課が令和4年度に行った自主防災組織を対象としたアンケートの実態調査では、避難行動要支援者名簿の作成は73%に留まっています。自主防災組織の役員は毎年持ち回りによる交代制が多く、名簿の存在を十分に把握していない可能性があると考えております。
 県では、避難所運営マニュアルや自主防災活動マニュアルなどを作成し、自主防災組織にも配布するなどして周知啓発をしておりますが、その中で名簿の作成についても呼びかけております。引き続き研修会なども通じまして、台帳の作成を呼びかけてまいりたいと考えております。

○河原ア(全)委員
 ありがとうございました。
 先ほどの女性のほうは男女共同参画部門との連携が、支援を必要とする方は福祉関係部門との連携が必要になると思います。その辺も含めまして、ぜひ県から御指導頂ければありがたいなと思います。

 次に、説明資料の18ページ、県の災害対応力の強化でございます。
 先ほど御説明の中で、市町と協力してというお言葉がございました。
 私も昨年まで市の災害対策本部の中におりました。まず市が市民に対して情報を発信したり指示をする場面が非常に多くございます。そのときに何を基に判断するかというと、それは県なり国なりから来た情報です。市だけですとどうしても限られた情報になるものですから、やはり県からの情報等は必要だと思います。
 また、人的な面においても災害対策本部訓練等を行いましたときにも、市の職員だけではなくて、御前崎市で申し上げますと自衛隊、海上保安庁、警察、もちろん県の職員もいらっしゃいましたし、いろんな方が連携していくと、何かが起こったときに市民への対応が非常に円滑になることも分かりました。やはり県の力というものは市町にとっては大変大きいと思いますし、市町のためになる県であってほしいなと思うものですから、今年度、県の災害対応力を強化していくとのことですが、具体的にどのような事業、取組等で市町に協力されていくのかお伺いしたいと思います。

○百P危機対策課長
 最初に、市町支援機動班については、派遣先の市町が実施する応急対策につきまして専門的な見地から助言できるよう、危機管理業務の経験を有する職員を各班に配置し、また派遣先の市町においては幹部職員との協議も想定されることから班長級以上の職にある職員をリーダーとして配置しております。
 市町支援班の役割としましては、大きな災害が発生した市町に派遣し県の支援を要する業務や応援部隊の派遣要請等に係る助言あるいは被害情報の収集等を実施しまして、さらには県本部との調整を行い市町の災害対策本部の災害対応全般を支援する形で行っているものであります。
 また、市町情報収集要員を今年度増員し、初動に対する支援も強化している状況でございます。

○河原ア(全)委員
 ありがとうございました。
 それでは話題を少し変えますけれども、説明資料の19ページの総合防災訓練の実施計画についてお伺いしたいと思います。
 今年度の訓練は、浜松市、湖西市で行うということで、先ほど訓練テーマや実施する主な訓練内容については御説明もございました。
 今年度の訓練の特色、例年の中で今年はここに特徴があるというものをお伺いしたいと思います。

○百P危機対策課長
 浜松、湖西両市とも津波の浸水区域を有しております。そうしたことから、津波を想定したヘリコプターによる救出救助訓練を実施するとともに、在日米軍が救援物資を輸送し避難所運営と連携するなど、多数の防災関係機関と自主防災組織が連携する訓練、あるいは将来の地域防災力を担う次世代が参画する訓練及び防災アプリの活用などデジタル技術を活用した訓練を実施してまいります。

○河原ア(全)委員
 ありがとうございました。
 次の質問に移らせていただきます。
 説明資料の24ページ、25ページの原子力発電所の安全対策及び防災対策でございます。
 25ページの(2)のエ(ウ)要配慮者の避難対策、冬季避難手段の確保等の課題に向けた検討に関連する質問でございます。
 県外の避難先が指定されていて、そちらへ避難する状況も想定されていますが、当市の場合避難先が長野県の中部及び北部の雪の大変多い市町村が指定されております。
 御前崎市の市民の方々が心配されるのは、基本的に車での避難になるわけですが、当市のほとんどの方は普通タイヤの車しか持っていませんし、雪道を走行する経験もほとんどありません。実際冬場にこういう状況があったらどうなるんだろうと心配されている方が多数いらっしゃいます。
 ここについては、検討という言葉が使われておりますけれども、実際にどのような方法でこれを解決していけばいいとお考えかお伺いしたいと思います。

○神村原子力安全対策課長
 浜岡原子力発電所の原子力災害に備えた県及び市町の広域避難計画については、御指摘のとおり長野県や北陸地方など冬季に積雪する地域も避難先となっております。
 冬季に原子力災害が発生し、こういう地域に避難することになりますと自家用車による避難は難しくなります。その対策が課題となっており県及び関係する市町が検討を行っているところでございます。
 1つの方法といたしまして、避難途中の降雪地域ではない場所に自家用車を預ける駐車場所を準備し、バス等に乗り換えて避難先に向かう方法を検討しております。現在この方法実現するために、国などの協力も受けまして県、市町が連携し駐車場所や移動手段の確保に向けて関係機関や関係自治体の協議を進めているところでございます。

○河原ア(全)委員
 ありがとうございました。
 いわゆるパークアンドライドというものかと思いますが、その方式が私も一番いいと思いますので、ぜひ実現できるよう前向きに進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。

 最後になりますけれども、説明資料26ページ、6月2日からの大雨等による被害状況についてです。昨日も、夕方遠州の南のほうは竜巻に近い突風、豪雨がありました。ちょうどひと月前の6月2日も大雨があって、大きな被害が出たわけでございます。
 昨年の台風第15号にも匹敵するような大雨が6月の頭に降り、人的、物的被害の状況にもございますとおり2名の方がお亡くなりになられたほか、多くの物的な被害が発生するなど県下に大きな被害をもたらしたところでございます。
 今回の災害は、昨年の台風第15号の教訓を踏まえて県は迅速に対応されたのではないかと思いますけれども、今回の被害を振り返って県の対応はどうだったかの認識をお伺いしたいと思います。

○百P危機対策課長
 今回の災害では、静岡市、浜松市、沼津市など7市に市町情報収集要員を派遣し、敷地川の氾濫のあった磐田市には市町支援機動班も派遣いたしました。
 派遣した市町情報収集要員からは、派遣先の市町の被害状況を確認し方面本部に電話やFUJISANシステムを通じて随時報告が入り状況を把握することができました。
 磐田市に派遣された市町支援機動班については、磐田市長に同行して被災地の調査を行うとともに、市の災害対策本部会議にも出席してアドバイスを行うなど磐田市の被害状況の把握、応急対策への支援が行えたものと考えております。

○河原ア(全)委員
 ありがとうございました。
 以上で質問を終わりますが、冒頭も申し上げましたけれども、危機管理部の皆様方は年間通じて日夜増える一方の災害に御対応されていると思います。
 ぜひ市町の心強い支援をしてくださるようお願いして質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

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