本会議会議録
質問文書
平成27年6月定例会企画くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者: | 和田 篤夫 議員 | |
質疑・質問日: | 07/06/2015 | |
会派名: | 自民改革会議 |
○和田委員
それでは、一問一答方式でやらせていただきます。
長期人口ビジョンの素案と総合戦略の素案の骨子、このA3判のところですが、この2つを対比しながら質問をさせてもらいたいと思います。人口ビジョンにつきましては28ページ、29ページに書かれておるところでございます。
人口減少社会の克服に向けた戦略ということで、今回県は人口減少の抑制戦略と人口減少社会への対応戦略、両方の面から取り組むと大きな戦略を掲げております。この考え方については私は非常にいいなと思っておるんですが、実はこの抑制戦略というのは、どちらかと言えばいろいろな施策を打って人口減少を食いとめるようにしたい、つまり希望的あるいはできたらいいな、こういう状況になったから何とかして人口減少をとめなければならない、そういう部分が多い戦略ということだろうと思います。
一方、適応戦略は人口減少社会への適応の戦略で、たとえ抑制戦略がうまくいったとしても人口減少社会の到来自身はとめられない。そういうことから、これに対応した社会をつくろうという戦略ということだと私は理解しております。
そういうことであれば、この素案の骨子を見ると、例えば人口減少の抑制戦略はいっぱい書かれておるんですね。一方、適応戦略ということについては、抑制戦略を一生懸命やっても人口減少をとめられない。合計特殊出生率2.07という目標を掲げておるんですけれども、とめられないということであれば、もう間違いなく人口減少社会になるんだと。
私は、どちらかを重点にするかということで言えば、間違いなく人口減少になるんだから、この適応戦略のほうに力を入れてもいいのかなという感じがするんです。そういうことから言えば、この素案骨子で言えばこの中の1、2、3、4、5という大きな項目。この1項目めは安全な県土をつくろう。それを全部ひっかけてほかの戦略も一緒にやりましょうという考え方だと思います。この第5項目めが適応戦略の中身だと思うんですが、そういう面からいくと施策がちょっと貧弱じゃないかなと思うのですが、そのことについての所見をお伺いをしたいと思います。
○増田企画課長
人口減少の抑制戦略と適応戦略、両面から取り組んでいくわけですが、5番委員御指摘のとおり、抑制戦略は可能な限り人口の急減する社会を食いとめていくという、いわば喫緊の社会減対策、あるいは自然減対策ということでございます。
一方で、今回ビジョンの中でも示したとおり、仮にそうやってやったにしても2060年には300万人程度の人口減少社会になっていく。間違いなく進んでいくという現実の中での適応する戦略を、中長期的な視点を持って取り組んでいくということで非常に重要な視点であると思います。
今回の総合戦略の中には、適応戦略といたしましては、戦略の2−3の柱に、人口減少下における持続的成長、生産性の向上ということを意識していかなければなりません。それを掲げました。また、戦略3−1の柱、移住・定住の促進の中にはライフスタイルの変化への的確な対応ということで掲げているところでございます。また戦略の5、時代に合った地域をつくるというものは、基本的にはこれは全て適応戦略の視点を持った戦略でございまして、その中に地域における新しいきずなの形成でありますとか、持続可能なまちづくり、集落機能の維持、行政運営の効率化などの施策を掲げたところでございます。
この適応戦略は、本県が独自に設置した有識者会議からの提言をいただいて盛り込んだ本県独自の視点でございます。例えば国の総合戦略を見てみますと、国では当面5カ年の自然減対策、社会減対策が中心でございまして、先ほど言ったライフスタイルの変化への対応ですとか、地域における新しいきずなの形成等々の施策が入っていないというところでございます。とは申しましても、5番委員御指摘のとおり、人口減少社会を克服するためということで喫緊の課題である適応戦略というのが目下、中心になる具体的な施策になっているのが事実でございます。
中長期的な視点を持って適応戦略も両面から取り組んでいくことも必要ですので、今掲げている施策に加えて、今後施策の中で皆様の意見を聞きながらより一層厚くしていきたいと考えている次第でございます。
○和田委員
説明をお聞きして、2項目、3項目の中にも適応戦略が含まれているんだというところでございました。ぜひとも、そのようなことも含めて一生懸命やっていただきたいと思います。
それで、長期人口ビジョンの29ページに、抑制戦略についての2つ。要は、子育ての話といわゆる自然減対策と社会減対策ということの考え方がここに書いてありますけれども、このことについて少し質問をしたいと思います。
まず、子供を2人以上持ちたいとする希望をかなえる。これはもう本当にかなえてくれれば、ふえるだろうという考え方なんでしょうけれども、最終的な目標を合計特殊出生率2.07と県は掲げております。これは端的に達成可能目標なのか、希望的な目標なのか、そのことについてちょっと所見をいただきたいと思います。
○増田企画課長
合計特殊出生率2ということは、今1.50ということでございますので、非常に高いレベルにはあろうかと思いますが、これは若い世代が非常に望む、希望をかなえるという皆さんの思いがこもった指標でございます。今、子供を生む、生まないということがそれぞれ個人の考え方、環境いろいろあると思いますが、皆さんこういう方向を向いて社会全体で支えていくと。若い方々が希望しているということでございますので、行政としてはそういう環境を県民の皆様と力を合わせて整えていくことで、必ずや達成できる現実的な目標であると考えております。
○和田委員
達成可能な目標なのか希望的な目標なのか、端的に答えていただけなかったんですが、いずれにしても2人から3人の子供を持ちたいという希望は持っておられる。でも現実的には、例えば熱海市では1.22、裾野市では1.82です。そういうことから言えば地域格差もあります。
私が県のほうで分析しておられるかどうか一番よくわからないのは、持ちたいという希望を持っているんだけれども、現実的にはこの2という数値に達成していないということの原因について、県としてはどのように把握をされておられるのか、お聞きをいたします。
○増田企画課長
先ほどの答弁ではっきりとお答えがなかったという御指摘でございますので、そこは十分みんなで目指すことによって実現可能な目標であると考えております。
また、既婚者が理想とする子供の数は2.43人という意識があるわけでございます。それに翻りまして、既婚者が予定する平均予定子供数は2.01という数字がございます。これは非常にいろいろな問題があると思います。まずは経済的な要因。300万円の壁とよく言われますが、やはり結婚するに当たってはまずは300万円。正規雇用とか経済的な安定がないと、やはり安心して結婚して子供を産むという形にならないであるとか、あるいは仕事の関係、仕事を続けていけるかどうか、あるいは周りで子育てを支えてくれる環境があるかどうか、あるいは安心して子供を預けられる施設があるか等々、もうさまざまな側面があると思っています。
今回の総合戦略の中には、地域みんなで子育てを支援する次世代育成というものを1つの柱に添えまして、その上で結婚、出産、子育てという3つの柱立てをして十分に総合的に支援していくというような形での総合戦略を掲げたところでございます。
○和田委員
達成可能であるということのようでございますので、県としては本当に真剣にやっていただきたいと思います。
現実にいろいろな分析をされて、先ほども言いましたけれども地域の格差がかなりある。例えば熱海市の1.22を2にするというのはかなりの御苦労ですよね。恐らく1.22というのは若い女性の方が少ないんだろうと思います。私の地元の小山町でも20歳代の娘さんは本当に少ないんですよね、現実問題。
そうすると県としては、このおおむね2という目標については、全体として2になればいいのか、あるいは地域ごとの格差がございますが、これを平均的に上げようとしているのか。一生懸命やっているところは一生懸命やって頑張ってもらいましょう。2.5になればもうそのほうがいい。押しなべて結果として2.0になればいいんだという考え方なのか。いやいや待てよと、そうじゃなくて市町の財政のこと、あるいは地域活性のことを考えると本当に1.22のレベルである熱海市――熱海市のことを余り言うのもあれなんですが――そういうところに重点を置いて施策を展開するという考え方なのか、その辺の所見をお伺いします。
○鈴木政策企画局長
今の5番委員の御質問に答えさせていただきます。
先ほど増田企画課長が申し上げましたように、我々とすれば合計特殊出生率2.07は達成しなければいけない。やはり県民の若い方々が希望しているものを達成しなければいけないという趣旨で、これは目標を達成していかなければいけない。そのための施策を実施していかなきゃいけないと認識しておるところでございます。
また、各市町につきましては、今5番委員がおっしゃったように1.82から1.22までいろいろなレベルがございます。例えば裾野市は1.82まで0.2ポイント、この時期に上げているところもございますので、それぞれの子育てに対する取り組みが違うというところもございます。我々とすれば、やはり県民、市民の皆さんの希望をかなえるということを全市町にぜひともやっていただきたい。ただ、それは5番委員がおっしゃっていましたように財政事情等いろいろございますので、すぐにそれぞれの市町が2.0になるというようなものでもございません。そういうところはそれぞれ2.0を目指してぜひ努力をしていただきたいということをこれから地域会議等でも申し上げて、そこを目標にして市町と一緒にやっていきたいと思っております。
○和田委員
御説明ありがとうございました。
今のは自然減対策というお話で、もう一方のこの長期人口ビジョンの29ページの下段に書かれてあるこの部分は社会減対策ということの話でしょうけれども、ここに書いてあるのはどこのデータから持ってきたデータかわからないのですが、ちょっと御質問をさせていただきたいと思います。
私、何回読んでもよくわからない部分があるんです。この29ページの(2)の本県で働き、住みたいとする希望をかなえ、東京一極集中に歯どめをかけるの説明文の前段部分。転出者の転出理由云々と書いてあって、最後のところに、静岡県に住む約9割の人はこれからも静岡県に住み続けたいと希望している。これは静岡県全体の人の認識なのか、それとも転出者に限って調査したところ引き続き静岡県に住みたいと言っておるのか、そこをちょっと御説明願いたいと思います。
○増田企画課長
この静岡県に住む9割の人というのは、静岡県に住む皆さんの意向ということでございまして、昨年度に県が実施いたしました県民意識調査の結果をまとめたものでございます。静岡県に在住します20歳以上の男女を選挙人名簿から5,000人を無作為抽出いたしまして、郵送調査という形で2,729人の方から回答を得た結果でございます。あなたはこれからも静岡県に住み続けたいと思いますかとの問いに対して、住み続けたいという方が72.2%。どちらかと言えば住み続けたいという方が16.3%。合計した88.5%でございますので、約9割の皆さんが希望しているというように表記したところでございます。
○和田委員
ということは、普通そういうアンケート調査は抽出でやってそれを県全体の意識として捉える。もし県自体の意識として、逆の見方をすれば、1割の方が住み続けたいと思わないということも言えるわけですよね。静岡県の人口は370万人。1割と言うと37万人おられるということですよ。がばっと網をかければですね。ということは、住み続けたくないと思って言っておるのか、その辺のところ。住み続けたいと思う人の希望をかなえることは大事だけれども、県は転出者が多いわけですよ。そのことを考えたら、住み続けたくないと答えた1割に焦点を当てないと、結局今の状況をとめられないということになるんじゃないかと考えることはできませんか。お答え願います。
○増田企画課長
残り1割の方でございますが、わからないという方が6%ございます。また、無回答の方が1%ございます。県外に移転したいという方が1.7%、どちらかというと移転したいというような方が3%、4%ぐらいの方がいたということでございまして、5番委員御指摘のとおりそういった方の意見にしっかりと耳を傾けてやっていくことが重要だと思います。
昨年度、私ども県では、実際転出する方にアンケート調査を市町の窓口全部でやりまして、いろいろ意向を聞いたわけでございます。やはり理由のトップは、4割から6割の方は仕事の関係で出ていくという形になっていたところでございまして、しっかりとやはりそこは雇用の場を確保するということを念頭に置いて今回の総合戦略を策定したところでございます。
○和田委員
同じようなことがこの後段にも、今度は学生のことが書いてあるんですね。これは県内で就職フェアをやった。県内でやるわけですから8割ぐらいの学生が静岡県内で就職したい。これは当たり前の数字ですよね。県内でやっているのに5割も6割も県内で就職したくないなんてことはあり得ないわけですが、このことについては特段ここに書く必要もないと思うんですけれども、その下に、また県外の大学に進学した本県出身の大学生の4割は本県へのUターン就職を第1希望としていると書いておりますよね。
これを逆に言えば、本県出身の県外に出た大学生のうち6割はUターンを希望していないということですね。このことの方が問題ではないかと思うのですが、いかがですか。
○増田企画課長
この調査は、全国の大学生にインターネット調査を今年度行った結果でございます。4割、正確に言いますと36%の方が最も希望する勤務地はどこですかという1つを選択する答えに対して、静岡県とお答えがありました。それ以外の方は県外であったわけですが、内訳を申しますと、東京圏と答えた方が56%、名古屋圏と答えた方が6%、あとそれ以外の圏域と、まだ決めていないと答えた方が2%であったというところでございます。
どこの大学かというとこを見ていきますと、名古屋圏の大学に進学した方は54%の方が静岡県への就職を希望しております。またその他の圏域に進学した方も66%は静岡県に就職したいと、静岡県が高くなっております。一方で東京圏の大学に進学した方は静岡県の就職が23%ということでちょっと低い状況にございまして、東京圏への就職希望が77%と非常に高くなっているという状況にございます。
こうした結果を見ましても、やはり本県の仕事の魅力というものを高めて、東京圏からそういう若い優秀な方を呼び込む施策を積極的に構築していく必要があると考えまして、今回の総合戦略にはUIJターンを初めとするさまざまな施策を掲げたところでございます。
○和田委員
要は、県内で働く場とかそういうことをしっかりやれば一気に希望がふえるんだよということのようですね。そういうことで一番下のほうの4行目に書いてあるのは、全国の大学生に希望調査をしたら就職の希望者が3%、全国の大学生ってどのぐらいいるのかちょっとわからないんですが、よく3%も本県に希望しているなと逆に私は思うんですよね。静岡県でそういういろいろな施策を打ってくれば、ここには4割の大学生が本県への就職を検討している。一気に4割もふえる。これってちょっと信じがたいんですけれども。そういうことで、どういうデータでやっているのかちょっとわからないのですが、私はトータル的にここに書かれておられることというのは、いわゆる本県で働き、住みたいとする希望をかなえること。これによって流出を抑えようと、流出じゃなくて来てくださいという戦略をそういうふうに立てようと、こうしているわけですね。
でも、現実は反対に、なぜ静岡県から出ていくのということもしっかり考えないと、来る人の、来てくださいという人の希望をかなえるだけじゃなくて、何で静岡県から出ていってしまうのですかということの対策をしっかりしないと片方だけという気がするんですけど、いかがですか。
○増田企画課長
5番委員御指摘のとおり、やはり転出の抑制ということも非常に重要でございまして、そうしたことのためにも、やはり魅力的な活躍できるような場を設けたりとか、非常に居住しやすい環境を整えたり、教育の充実を図ったりということで取り組んでまいります。
また、一方でやはり最近の兆候を見ていますと、転入者のほうが非常に落ち込んでいるという状況もございますので、東京等に一度大学のときに出た若い学生がまた働くときに本県に戻ってくるような、そういうような魅力的な雇用の場を創出できるように両面から取り組んでまいりたいと考えております。
○和田委員
いずれにしても、なかなか難しい問題だと思いますけれども、真剣に取り組んでいただきたいと思います。
次の質問に入ります。総合戦略の骨子のいろいろな取り組みの中で、説明資料の131ページです。いわゆる人口減社会への適応戦略の中で、行政運営の効率化、最適化と連携の推進という項目がございますね。ここについて私はちょっと本当に大丈夫かなという気がしております。
どういうことかというと、これには本会議でも川勝知事が答弁しておりましたけれども、既存の実際の枠組みを超えた対応をするんだと。この5年間で魅力のある5つの地域圏を形成して、この地域圏における効率的な行政運営のあり方を検討するということが、この131ページに期間を限定して書かれております。
そこで質問なんですが、この5つの地域圏の区分、具体的には137ページに圏域の区分が書かれておるのですが、このことについてはそれぞれの首長さんの意見集約というのはできておられるのでしょうか。まずそのことが1つ。
それから、地方創生というのは基本的には基礎自治体がやるという話ですよね。当然、県もやるんですけれども、基礎自治体が計画をつくって、それについて国が財政的な支援をする、あるいは計画をつくるときに人的な支援もするというような国の方針だと思います。言っていいのか悪いのかわかりませんが、県のほうがこういう5つの圏域を決めること、本当に県が決めてしまうことについて問題はないのかなという気がするんです。さらに、この5つの地域圏の区分というのは、先ほども言いましたけれども、三十幾つの市や町があるんですけれども、その辺の首長さんの考え方というのはしっかり確認をして決められたものかどうか、その辺についてお伺いをいたします。
○広岡地域政策課長
5つの地域圏区分につきまして地元首長の確認をとっているかという御質問ですが、この5つの地域圏につきましては総合計画の後期アクションプランで5つの地域圏という形で定めさせていただきました。この考え方に基づきまして、引き続きこの総合戦略の中でもこの考え方を踏襲いたしまして、各地域それぞれの魅力を磨き上げて魅力ある地域にしていこうということで定めたものでございます。
この圏域というのは必ずしも線をしっかり引くというものでなく、ボーダーレスの部分も当然考えられるということで、社会経済、あるいは交通の状況等々いろいろな状況が変わりますので、それはその都度対応していくということでございます。
今回総合戦略をつくるに当たりまして、改めて首長さんの御意見を聞いたということはございませんけれども、さまざまな市町の担当者との連絡会議等がございますので、そういった中で丁寧にこの考え方を説明してまいりたいというところでございます。
○和田委員
総合計画にはうたってあるけれども、改めてこのことについては首長さんに確認したわけではないという答弁ですけれども、本当にそうであるならば余計にこのことについては本当に慎重に持っていかないと。首長さんは自分の地域、責任を持った市長さんなら自分の市、町長さんであれば自分の町の発展のために、幸せ追及のために一生懸命やっておられる。そのことを十分捉えながらやっていかないと、県のほうは要は総合計画に書いてあるからもう皆さん御理解の上ですよねという前提でこれを持っていくと、私はこの5年間はそのことの検討だけで終わっちゃうんじゃないかなという気もしないでもないんですが、その辺の御心配はないですか。
○鈴木政策企画局長
5番委員のおっしゃることは2つあると思います。1つは今、広岡地域政策課長が申し上げましたが、圏域をどのような方向に持っていくかということについては、総合計画後期アクションプランに掲げてあります。例えば東部圏域で言えば、日本国のシンボル富士山を世界との交流舞台とした健康交流都市圏というテーマを掲げております。それに向かって、各圏域の市町と一緒にやっていきましょうということについては、これはもう既に合意がされていることでございますけれども、御心配されているのは多分、その行政の枠組みの話かなと思うんです。それについてはまだそれぞれ、例えば伊豆半島、東部、志太榛原等々、それぞれの都市の資質なり関係性もございます。それに応じて、県がこういう枠組みでやりなさいということではなくて、どういう枠組みが広域行政として一番適当かどうかをいろいろな選択肢を挙げて、それを市町と一緒に議論していこうということでございます。
○和田委員
であるならば、総合戦略の素案の132ページに市町の体制強化支援と市町との連携促進ということをうたってありますね。これは既にそれぞれの地域の首長さんが一生懸命やっておられると思うんですね。広域行政組合をつくったり、あるいは消防についてもかなりまとまってやれるようになった。こういうことから言えば、既に一生懸命考えておられる。そういうこともしっかりやることによって、行政の効率化が図れるということであれば、わざわざ県がこの5圏域という圏域を決めてこうやってくれという必要も私はないんじゃないかなという気もします。
この地域圏ごとにやるというのはいろいろな意味で大変なことじゃないかなと思うんですけれども、今後その辺については各首長さんの御意見をしっかり聞きながら進めていってもらいたいと思います。これは要望でございます。
あとは、委員会説明資料の中からお聞きします。
これは私、以前所属した委員会のときに質問したことがあるんですけれども、東京事務所と大阪事務所は、例のふじのくに大使館、ふじのくに領事館に名称変更して四、五年になると思います。変更したことによっての功罪をちょっとお聞きしたいと思います。
なぜかというと、委員会説明資料の1ページの4項目めに、東京事務所企業誘致班を1人増員とあります。わざわざふじのくに大使館と名称を決めているのに、ここに東京事務所と書かなければ皆さんに周知できないということのあらわれじゃないかなと私は思うんです。これは前期で委員会に所属したときにも質問させてもらったんですけれども、わざわざ東京事務所あるいは大阪事務所と括弧書きをするような名称になぜしたのかな。よっぽどいいことがあるんだろうなと思いたいんですけれども、そのところについて5年ほど経過してよかったこと、これはよかったよというのがあったら教えてください。
○浅山地域外交局長
ふじのくに大使館と領事館の名称についてお答えいたします。
ふじのくに大使館及び領事館につきましては、それぞれ首都圏及び関西圏の東京事務所、大阪事務所として、それまでは観光とか県産品等の情報発信を初め企業誘致等の事業を進めてきているところでございますけれども、地域外交の推進拠点という1つの任務を持たせまして、在外公館との連携を強化するということで、東京事務所におきましては平成22年、大阪事務所につきましては平成23年からそれぞれ大使館、領事館という名称を使うようになりました。
それで今、5番委員のおっしゃるようにその間の状況を現場のほうに確認してみましたけれども、挨拶とか名刺交換の際には、相手方にとって大使館とか領事館という名称につきましてはすごいインパクトがあって、静岡県が地域外交に対して率先して力を入れてというのがよくわかるということで好意的に捉えていただいていると。それと、大使館とか領事館の方々にこのような形でお話ししますと、富士山が世界遺産に登録されたこともございまして、富士山とふじのくに、さらには静岡県ということでリンクさせることによってプラスの効果がでてきているというような、そのような回答をいただいたところでございます。
また、功罪という質問でございましたので、一方で悪かった点につきましては、大使館や領事館という名称から、一時期はビザの発給に関する問い合わせ等がそれぞれの事務所にあったようでございますけれども、それは当初は戸惑いもありましたけれども、広報とかいろいろな活動等を通じることによって、そのようなものにつきましては正しい理解につながっていると認識しております。
ふじのくに大使館、ふじのくに領事館につきましては、他の都道府県にはない地域外交を所管する事務所として国内外にこれからもアピールできるものじゃないかなと考えております。
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