• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 委員会会議録 > 質問文書

ここから本文です。

委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成23年8月大規模地震対策特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:小楠 和男 議員
質疑・質問日:08/05/2011
会派名:自民改革会議


○小楠委員
 8番委員いわく、低い所しかなくて全然逃げる所がないところに住んでおります。私自身、海から1キロあるかないかの米津の浜に生まれて、そこを遊び場に育っています。また、私の選挙区は東日本大震災クラスの津波が来れば、一番高い所で4メートルないと思いますので、全域が浸水被害を受けるということですから、本当に人ごとだと思えなくて、岩手県には申しわけなくてちょっと足を踏み入れていませんが、宮城県の石巻市を中心に定期的にボランティアに入っております。そういうことを踏まえて、幾つかお聞きします。
 すごく基本的なことで申しわけないんですが、3月11日の地震のときに各地で震度が発表されたんですが、実は私のところの浜松市南区というのは、震度の発表がなかったんですね。ほかの区は、ところどころ出ているんです。東区もなかったかなって思うんですが、人によると、昔の旧合併前の町村だったところ、町村役場のあったところは出ているんだけども、旧浜松市では1カ所しか出ないんじゃないかとかというような説を言っている人がいるんですが、正しい見解、なぜ南区、東区は震度が出ていないのかについて教えてください。これは基本的な話です。

 実は、被災地へ入ってみますと、本当に津波の猛威というか、すさまじい勢いを至るところで目にするわけなんですけど、さっきから出ているように、この秋にも出るであろう中央防災会議の何らかの中間報告になるのか、何だかわかりませんが、現実にあの津波を見てしまったら低い所に住んでいる我々は待っていられないわけですね。そういうこともある前提で聞くので、答えにくいところもあるかもしれませんけど、お願いします。
 まず、市や町の防災対策本部等の拠点の施設。これは、津波被害を受けるところ以外にちゃんとあるのか。例えば、石巻市の隣の南三陸町は随分報道されましたが、結婚を間近に控えた、たしか遠藤さんという女性だったと思いますけども、最後まで避難の放送をしてくれていたと。現実にそこへ行ってみると、3階建ての建物は鉄骨しか残ってない、ここが防災対策拠点なんです。あるいは、石巻市に今は合併されて雄勝支所となっていますが、旧雄勝町役場。この役場もすべて機能不全です。役場の機能は、高台にある老人ホームの一角を借りて、支所の機能を行っています。それを踏まえて、行政が今の場所の拠点をそのまま使っていていいのかどうかということについて、見直しが当然必要になると思うんですね。例えば、私のところの浜松市南区の区役所。海岸から300メートルありません。当然、何もなくなりますよね。そういったことも含めて、市町に対して防災拠点のあり方等、どのように情報収集しておられるか、あるいは指導しておられるか、お聞きします。

 もう1点は、災害があったときに、物すごく力を発揮するボランティアに関してです。実は、ボランティアの受け入れに関して、各市町、非常に温度差というか、差があります。例えば、石巻市は、石巻専修大学のキャンパスがボランティアセンターなんです。ですから、グラウンドや広大な土地がありまして、長期間のボランティアがテントを張ることができる。あるいは駐車場も十分確保できて大型の資材倉庫も資材テントも置くことができるというようなことで、多分、今回の被災地の中でも一番整ったボランティアセンターです。具体的に言うと、5月の連休のときに全国からボランティアが押し寄せたわけですけれども、連休中のピークのときでも、石巻だけがボランティアを受け入れることができたんですね。もともと予定されていたボランティア以外で突然その日の朝やってくるボランティアも、石巻は受け入れられた。そういうボランティアセンターの機能を発揮できるところを県内の市町がきちんと確保しているのかどうか。実は、さっき言った南三陸町は、残念ながらボランティアがほとんど入っていません。なぜなら、役所も、ボランティアセンターの機能を発揮するはずだった場所も、人もだれもいないからです。ボランティアを受け入れてセンター機能を発揮できるような場所を、各市町で津波、あるいは山崩れ等々の地震災害に影響を受けない所できちんと確保されているのかどうか。どのように検証されているか、教えてください。

 次は、避難所についてです。
 これも津波を受けて避難訓練をやっていただいていますけれども、学校については高層階の建物もあるんで、引き続き避難所の指定がされていくと思うんですけど、何もない公園。これ、今はそのまま避難所になっていますよね。この公園で、津波の浸水域は早く避難所の指定を解除するべきだと思うんですよ。もう標識も取っちゃう。そうしないと、誤解を招きます。それも中央防災会議からどこまでが浸水域だということが出るまでわからないというのかもしれないけど、そこに避難したことによって津波の被害を受けて命を失ったということになりかねない。非常に心配しています。避難所の指定の見直しについて、この津波被害を受けての考え方をお示しください。

 その上で仮設住宅なんですけれども、仮設住宅は被災地では浸水した所には絶対つくってないんですね。浸水被害を受けた所には絶対つくっていません。冒頭申し上げたとおり、私の選挙区は多分全部水につかります。どこにつくるんですかね。浜松市が考えろと言えばそれまでなんだけど、多分私の選挙区も浜松東区も、かなりの範囲で浸水被害を受けます。仮設住宅を建てる場所なんかないんですよね。人口規模にして、私のとこだけでも10万人ちょっと。どうするんですかね。いや、本当にこれね、深刻な状況です。建てるとこ、本当にないと思いますから。それらについての対策、どう考えているかお願いいたします。

 さきほど8番委員の質問の中にもあったんですが、近藤課長さんがお答えになってくれていました。あちこちで地元の自治会の方々が民間のビルのオーナーと交渉していると。私の選挙区でも全く同様です。そういうやりとりの中で課題になっていること、近藤課長からもありましたけど、それを踏まえて2点ばかり申し上げたいんですが。
 1点は、やっぱり外階段と屋上にさくがないってことなんです。学校施設には今回の補正で2校ばかりつきましたが、これから先も続けていくでしょう。この大規模地震対策総合支援事業費補助金。これを民間施設の外階段と屋上のさく、手すりなどをつくるための制度として使うことできませんかね。これを民間企業に全額、自分の負担でやってくれって言ってもそれは無理ですよ。県がやるのか市と協力してやるのか等も踏まえてぜひそういう制度をつくってもらわないと。民間のビルを指定しても、例えば夜間、かぎを自治会長さんが預かっているとして、その自治会長さんがそこに来てくれるかどうかわからないじゃないですか。来れるのかどうか。外階段があれば、さくをだれかに越えてもらわないといけないかもしれないけど、そういうことをすれば、外階段を上がってとりあえず屋上に行けるというような施設が必要になると思うんですね。そういう補助金制度の創設についてお考えをお聞きします。

 セキュリティーの問題って話も出ました。実はこれ全く同じでして、避難指定ビルになろうがなるまいが、低い所しかない私たちの地域の住民は、どこか探して行こうとするわけですよ。かぎがなければガラスを割ってでも中へ入ります。いけないことですよね、普通は。ですけど、扉を壊し、ガラスを割らなければ、高い所に避難できない。命を守るために。これって器物破損、あるいは不法侵入。物を盗み出すことまではしないにしても、本来なら。だけどこういう緊急時、東海地震は東北の津波に比べて、あれは大体20分ぐらいで津波が来ていますけど、5分で来るって言われたらもうみんなパニックになって、そういうこと当然起こります。扉を壊す、ガラスを割って民間施設の中に入る、あるいは学校も同じです。学校だって、必ずかぎがあくとは限りませんからね。そういうことを地域住民がしてしまう。これって免責されるんですかね。そういうことまで地元の方々は心配をしています。こういったときに――警察から1人しか来てないので申しわけないけど――そういった本来なら犯罪行為ですけれども、緊急事態にそういった行為っていうのは免責されるもんなのかどうか、お聞きしたいと思います。

 次は、ちょっとハードの関係ですけれども、5番委員の質問に守屋さん答えてもらっているね。堤防の高さの話なんだけど。私は海岸にいる人間として、ずっと私のところの前の海岸の堤防は6メートルというふうに聞かされていて、自分ではそう思っていたのね。遠州灘の米津浜。馬込川の河川改修も、今回補正予算でやっていただく芳川のほうも6メートルでやっているというふうに僕は承知していたんだけれども、実際に米津の浜へこの震災の後、改めて行って、県の西部農林事務所の看板がかかっているんです。これに7メートルと書いてあるんですよ。7メートルの堤防高を確保していますって立派な看板がかかっているわけ。そういうふうに整備しましたって。きょうの資料を見せてもらうと、高潮高8メートルになっていますよね。実際の堤防の高さって一体何メートルなの。本当わずか1メートルの話でも地域住民はすごく敏感なんですよ。教えてください。あるいは、ここにもっと細かな資料があるならぜひ欲しいし、お願いします。それで、例えば、中部電力が18メートルの防潮堤つくると。日本の国に、すごく潤沢なお金があって、関東から四国、九州まで18メートルの防潮堤をつくってくれると言われても私はうれしくないね。むしろ反対したいぐらいです。白砂青松の先祖代々私たちが暮らしてきたその海岸に、18メートルの壁ができるなんて真っ平御免ですよ。だけど、そこで暮らしている人たちの生命、財産を守らなきゃならない。そのときに、やっぱり大事なのは先人の知恵だと思うんですね。海岸防災林ですよ。私のところは、天竜川から土砂がどんどんどんどん流されてきて、それが波によって押し上げられて、どんどん南へ南へと土地が出ていった。本当の目的はいろいろあるんだけども、農地をふやす。その農地を守るために土手をつくり、松の木を植えて、潮風やなんかからそこを守る。同時に津波のときの堤防の役割も果たしているわけですよね。それが4堤も5堤も、私の子供のころには5堤ぐらいまであった。だけど、開発が進むにつれてだんだんだんだんそれが失われていってしまってる。だから、そういう海岸防災林の機能を強化することを林野庁なんかでも盛んにアピールしているんだね。あれは予算をつけろという意味かもしれないけど、やっぱり私たちは、防潮堤よりもそっちのほうを優先してほしいなというのが、そこに住んでいる人間の気持ちなんだよね。済みません。きょう、林野の関係いないんで申しわけないですけど、そういう防潮堤も含めてでもいいけど、海岸の今後のあり方についてお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。

 もう1点、これも提言に近いんだけれども、国道1号線浜松バイパスっていうのが走ってます。浜松市内へ入らずに迂回をして海岸線を通って、篠原ジャンクションから浜名バイパスへつながる。交通基盤部の方々あるいは皆さん御存じだと思いますけど、このバイパス、私の地域のところ東西に一直線なんですね。これ実は、もとは松林なんです。松林の堤防を1堤つぶして浜松バイパスになっているんです。ということは、津波のときの安全を1つ消滅させて道路ができているって考えてもいいと思うんですね。それで仙台の話をするんですが、テレビ等でも随分報道されてますので皆さんも見ていると思うんですが、仙台の市街地というのは海岸から約10キロです。そのちょうど真ん中に仙台東部有料道路というのが走っているんですね。これが土盛りされている高速道路なんです。ちょうど海岸から4キロないし5キロぐらいのところを走っています。津波はこの仙台東部有料道路でぴたりととまっています。これがなかったら仙台駅周辺まで浸水被害に遭ったというのを現実に私も見せてもらいました。そういう中で今言った国道1号線浜松バイパス。芳川から篠原ジャンクションまで、これを土盛りにして上に上げると、かなりの堤防効果を発揮して浜松市中心街のかなりのエリアが守られると思っているんです。国1ですので直轄です。国のほうに要望していくという形になると思うんですけど、この国道1号線の高架化とでもいうのかな、高架化について御意見があればお伺いしたいなというふうに思います。以上です。

○近藤危機情報課長
 3月11日のあの地震の際、浜松市の東区と南区ですか、震度が出なかったということでございます。現在照会をしておりますが、基本的には政令市につきましては各区ごと、そして市町については合併前の市町村単位で震度が出るということになっております。調査をして回答いたします。後ほど委員長と御相談させていただきます。
 それから、市町の防災対策本部が浸水域の中にあった場合ということで、幾つかございまして、焼津市は、焼津市役所そのものは浸水域の中にございますけれども、消防本部が本部を設置する場所になっておりまして、本部そのものは浸水域の中にはございません。それから、西伊豆町と松崎町、これは3次想定の浸水域の中にございます。ぜひ、その浸水域でない所にもということで指導をしております。それから、下田市、現在浸水域の中にございます。こちらは移転ということで検討をしているところで、前々からぜひ本部の位置についてはよその所にということで指導しております。ただし、市民スポーツセンターというところが設置の代替施設になっております。役場そのものが浸水域の中にありますので、そういったところから耐震性のある浸水域でない所にということで指導しております。

 次にボランティア本部でございます。静岡県の場合は、各市町にそれぞれボランティアセンターの本部の位置は決まっております。ただし、申しわけございません。ただいま私の手元にすべてのボランティア本部が浸水域の中にないと言える資料がございませんので、確認をいたしまして、これも委員長と御相談させていただきます。

 それから避難所でございます。これも市町に浸水域でない所に避難所を設置するようにと指導しておりますが、すべての避難所について浸水域の中にあるかどうか、ちょっと私の今手元にございませんので、調べて御報告いたします。

 それから仮設住宅につきましては、現在、検討課題といたしまして、健康福祉部とくらし・環境部で浸水域でない所で予定地が探せないかと検討しております。以上でございます。

○池田危機政策課長
 民間の施設の屋上階段、それから屋上のさくというようなものに対して大規模補助金を充てられないかというお話がございました。実を言いますと、今、実際に市町のほうからもそういった要望が上がっておりまして、今ちょっと検討中でございます。現在、県のほうでも木造住宅の耐震化であるとか、あるいは屋内家具の転倒防止というような形で、民間の資産ではありますが、そこに対して県の補助金を充てております。そういったこともありますので、民間住宅への補助というのもできないことはないと考えております。恐らく市町が補助制度をつくれば、それに対して県が上乗せするような形でできるのではないかと考えております。まだ結論は出ておりませんけれども、その方向で今、話を進めております。

○口山災害対策課長
 先ほど質問のありました、避難ビル等にかぎがかかっている、例えば、ガラスが閉まっているようなところを破壊して、そのビルに侵入することが罪に当たるかどうかということなんでが、刑法の規定では、本来は不正行為から人を守るためにある法律ですけれども、中には両方とも正しい行為というものがありまして、こういうものにつきまして緊急避難という規定がありまして、結論としては罰せられないという形になります。ただ、その行為が本当に正しいのかどうかということで捜査はいたしますけれども、結論としてはそうなっております。以上です。

○近藤危機情報課長
 済みません。先ほど仮設住宅につきましてくらし・環境部と健康福祉部で現在検討中と申し上げましたが、検討課題だということで、私ども部会をつくってその中でっておりまして、検討しているかどうかというのは確認をしておりません。失礼いたしました。

○守屋河川砂防局長
 遠州灘の米津の海岸の堤防の高さでございますけど、いろいろ誤解を与えているということで、申しわけございません。まず、最初に言われました6メートルという件ですが、現在の堤防高8メートルといいますのは、農林事務所のほうが防災林の前、海辺との間にある土堤の高さを言っているところでございます。8メートルから9メートルということで、8メートルの表記になっております。ただ、その先生おっしゃるところの、7.2メートルというのをちょっと確認していませんので、それは確認をさせていただきます。この遠州灘については、高さをずっと通してあるということで我々は聞いております。それで、今回お出しした資料につきましても、森林保全とも一緒につくった資料でございますので、もう一度しっかり確認をいたします。
 そして、もう1つ、6メートルというお話があったわけですが、これにつきましては、先ほどの農林の堤防等につきましては、もう既にできているようなものでございまして、昭和51年に石橋説が出まして、それから津波対策ということで始まったわけです。当初、安政の地震が過去最大ということで、大体6メートルの津波痕跡で合わせまして、早いうちに着手した施設は6メートルでやっているのが実情でございます。高潮対策がない場合は6メートルということで、馬込川等は今まで御説明しているような形になっております。

そういう中で、危機管理部の資料の32ページから34ページまで、ちょっと蛇足になろうかと思いますけども、中間取りまとめの中で、堤防の質がどうなっているかということですが、駿河湾等につきましては、すべてコンクリートでできております。御前崎から湖西へ至る遠州灘、浜名湖までの間ですが、32ページの図面に黄色く着色されていると思いますけども、これが土堤というようなこともございます。また、ちょっと私ども思っていますのは、先生もおっしゃっていましたけども、昔から、砂丘を築いてうまく利用して防災に使ってきたわけでございますけれども、この遠州灘の砂丘の構造というものが、いわゆる天竜川の豊富な土砂によってできたところでございますので、全国的にもかなり特殊な地形でございます。この砂丘をどうやって評価すればいいのかということで、私どももちょっと専門機関にも聞いてはいるんですが、厚さが結構厚いもんですから、高さを越えなければまず大丈夫だろうと。越えてしまうと砂ですので、固まったコンクリートでないもんですから、比較的もろいかもしれないと。その評価も含めて、この先やっていかなくちゃいけないのかなと思っています。そうしますと、先ほどの全体が砂丘である程度の高さを持っていて、途中に川が流れ込んで低いようなところですと、そこから入った津波が引き波で返ってくるときに、何か壊す可能性もあると。そういったことも含めて検討すべき課題かなということで今考えておりますので、できるだけ早いうちに、専門家の方や、今回できました津波分科会の先生方にもお伺いしながら、解析の方向等も含めてやってもらいたいと考えております。以上でございます。

○岩田交通基盤部理事
 先ほど質問のございました海岸防災林の件でございますけれども、今、守屋局長のほうからもございました。今回の東日本大震災でも陸前高田の松原とか、ああいう海岸防災林が一瞬にして流されてしまっているとか、そういうところもございます。ですから、先ほどのお話の中にもございましたけれども、やはり越流をしたとき砂でできた防災林については非常にもろいというような状況かと思います。我々もその防災林の涵養保全効果というところを今後検証して、高い所が背後にあって堤体幅も非常に広いということであれば、かなりの効果はあると思っておりますけども、逆に海岸部のほうが高くて後ろ側が下がっているというような防災林の状況では、被災する可能性も高いのではないかというふうに考えております。その対策としては、やはり前面の松林の部分だけでもコンクリートを覆うというようなことが必要かと思います。先ほどから回答の中でも出ておりますけれども、現在、国土交通省のほうで海岸の津波対策の検討が精力的に進められております。その中で、津波エネルギーの問題につきましても議論がされておりまして、大石委員のほうからも御質問がありましたけども、もたないのではないかというお話もございます。我々はその新しい所見に照らし合わせて、再度、既存の海岸堤防につきましても、応力的にもつかどうかというところも検証しなければいけないというふうに思っています。既存のものがもしもたないということであれば、現在の施設のように前面に、鉄筋ももちろんやらなければいけないと思いますけども、しっかりコンクリートを前に張りつけて、必要な厚み、あるいは強度を持たせるということ。現在、先ほどの検討会の中でも議論されて、堤防の破壊のメカニズムのところもかなり明確になってきております。それこそ越流したときに、堤防の背後の特にのり肩部とのりじり部について、その越流した波によりまして洗掘を受けて、そして戻り流れによって前面に倒れているというような状況のところもございます。ですから、堤防天端の幅を広くするとか、落差のエネルギーを遮断するために背後に盛り土をしてあげるとか、いろんな手法が今、提案されてきております。現地の状況に応じて、今後、既設の堤防についても強度を上げていくということが、県民の安全を守る上で非常に重要かというふうに考えております。早急に国の動向を見定めた中で、交通基盤部としても対応を図ってまいりたいというふうに考えております。以上でございます。

○野知道路局長
 国道1号の盛り土の対策についてどうかという御質問でございますけれども、今回の東日本大震災の道路に関する教訓ということで、委員のお話のように、仙台の東部道路が盛り土構造であって、海から浸出した津波がそこでせきとめられて、なおかつ避難してきた住民の避難の場所にもなって非常に有効に活用されたというような報告。また、三陸縦貫道が――まだ整備が半分程度なんですけれども――それが山側にあるということで、海岸側の平面の国道が津波で壊滅的にやられたわけですが、そういう山側にある道路が非常に救援のための道路に活用できたと。また、避難のためのスペースとしても使われたと。そういうことがございまして、本県の津波対策で非常に有用な知見であろうというふうに同感で考えているところでございます。県のほうを翻って見てみますと、例えば、静岡の現東名は海岸沿いにありますが、静岡インター付近に15メートル以上のところがあるんですね。そういう面で、既存の現東名等も海岸に近い中にそういう盛り土構造のところがあるというのが――これから検証も必要なんですが――津波に対しての道路としての機能が発揮できるという可能性があるというようなこともあろうかと思います。今、津波の対策でそういう物がない平らなところをどうするかという議論であろうと思いますけれども、たまたま浜松の国道1号自体が、今は平面でございますけれども、最終的な構想としては高規格道路としての整備で高架化をしていくという考え方があるということで、県の施行ではないので断言はできないんですが、もう一度、災害等に対する安全対策ということで、どういう構造にすればそれが可能になるかどうか、それは検証が必要かと思いますけれども、可能性はあるのではないかなと思います。その辺、今回の津波対策会議では、政令市、あるいは国とも連携して検討を進めているところでございますので、研究の1つということで考えてまいりたいと思っております。以上でございます。

○小楠委員
 ありがとうございました。
 特に再度の質問はしませんが、市町がやっている防災の対策について、資料が今ないということはちょっと残念な気もするんだけれども、やっぱり危機管理という意味で取りまとめはどうしても県ということになりますので、しっかり連絡を密にとっていただきたい。やっぱり本当、心配なところが多いと思うんです。防災拠点にしろ、ボランティアセンターにしろ。いざ、地震が起きたときに、全国からボランティアが集まってきたら、自衛隊だってどこに野営するのかっていろいろあるでしょう。そういうことも含めて、やっぱりこちらの受け入れ態勢もきちっとできてないといけないと思うんですね。ぜひ、その辺しっかりと取り組んでおいてもらいたいというふうに思います。
 海岸と道路については、特に道路は国交省、海岸は農林省というような変なセットにとらわれずに生命と財産を守ることなので、ぜひ協力してやっていただきたいなというふうに思います。我々地元としてもそういう機運を盛り上げるような動きを、農林もそうです、海岸もそうです、していきたいと思いますので、どうかこれからもよろしくお願いいたします。

○中谷委員長
 ここで、しばらく休憩します。
 再開は、14時50分です。
( 休 憩 )
 休憩前に引き続いて委員会を再開します。
 質問等を継続します。
 (「委員長、済みません」と言う者あり)

○近藤危機情報課長
 御質問のありました震度計の情報でございますが、新しい震度計を設置しておりまして、3月11日の時点ではまだ調整中でございまして、5月から運用開始いたしまして、現在は震度としては発表できる状態になっております。以上であります。

○中谷委員長
 それでは、9番委員お願いします。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp