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委員会会議録

委員会補足文書

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平成21年11月富士山特別委員会
委員討議の開始 、委員討議の終了 【 討議 】 発言日: 11/26/2009 会派名:


○森委員長
 本日はこれまでの委員会で調査してまいりましたことを踏まえて、報告書に盛り込む提言をどのようにするかについて、委員の皆様全員から忌憚のない御意見をいただきたいと思います。当委員会に付託されました調査事項は、御案内のとおり、富士山の活用、例えば文化的な面、観光的な面、広報などに関する事項であります。富士山の持つ大きな価値に主眼を置いた総合的な活用策について提言すると、こういうことになろうかと思います。
 事前に委員の皆さんには調査の要点をまとめた資料を送付させていただきました。また、提言はあくまでも委員の皆さんの御意見を取りまとめて作成するものですが、何もなく御議論いただくのも難しいと考えまして、議論のきっかけとなるように正副委員長で資料を作成したものですから、配付をいたします。なお、先生方に事前に郵送したもののダイジェストというように御理解いただいても構わないと思います。
 ただいま配付いたしました資料にとらわれることなく、どのような提言をするかについて、自由な御意見をお願いしたいと思います。なお、議論に当たりまして、文化、観光、広報、その他の分野別に区切りまして進めてまいりたいと思います。また、分野をまたぐ御意見も中にはあろうかと思いますが、内容を考慮していただき御発言をお願いしてまいりたいと思います。
 それでは、会の運営上、最初に文化面についての御発言をお願いいたしたいと思います。いかがでしょうか。

○花井委員
 議事進行について、ちょっと発言させていただきたいと思うんですけどね、5月に最初の第1回目をやって、そのときには、この委員会としてどういう議論を進めていくのかと、進め方の問題をやりましたよね。その後6月8日に一遍やって、あと7月14日にやったということで、その後、県外視察、県内視察等を行って、きょうということで、きょうはもう取りまとめだというお話、委員長の方から提案があるわけですけれども、実はこの間に7月14日以降、どんなことがあったのかといえば、例えば9月には富士山世界遺産をめぐってイコモスの委員が5人来て、国際フォーラムが9月の初めに開かれて、しかもその中では、これまで想像もしなかったというか、余り構想に入っていなかった話が出てきて、特に富士山の自然のすばらしさについて、これをやっぱり入れていかなきゃいけないんじゃないかという議論があったという報道は私も承知していますけれども、そういう話やら、あるいはそれを受けての学術委員会が開かれるだとか、こういう富士山の世界遺産をめぐってもいろいろな動きがこの間ありました。
 それから、山梨、神奈川の県知事とともに3県知事がサミットをやって、富士山の噴火にかかわる話で、地殻変動があったとか、去年の8月からことし1年間で2センチ動いているという地殻変動が1996年以来初めて確認をされたという記事に接したり、かといえば、知事が突然、富士山の日の制定の話を持ち出されたり、ともかく、――それは12月の議会にかかるにしろ、――この間さまざまな動きがずっとあって、それらについて当局から説明を受けるとか、あるいはただすとか、そういうことなしに、6月4日と7月14日の委員会と、それと県外・県内視察等を踏まえて、さあ、提言のまとめをしましょうというのは、ちょっと私は、最初にこの委員会のあり方を議論したときの意気込みと、実際のこの結果は乖離が広過ぎるような気がするんですね。
 やっぱり、もっとじっくり、どういうふうに今なっているのかという、さまざまな角度から、この委員会としてしっかり議論をするというか、質疑応答も含めて、ただすべきはただして、認識を共有化させながら、その上でまとめようというふうに考えないと。これまでの発言を羅列して、こういう発言がありましたよと、それを踏まえてまとめてくださいねと言われても、ちょっと僕は違うんじゃないかというような気がするんです。
 皆さんの意見を聞きたいですけど、私はこの委員会として、最初の意気込みからして、もうちょっとやっぱりいろいろ議論をした方が、質疑応答だとか、この委員会としての議論をもっと深めた上でまとめに入るべきではないのかなというふうに思いますので、この議事進行について少し私も意見を申し上げましたんで、皆さんの御意見を聞いた上で、適切な議事運営を進めていただきたいと思います。

○森委員長
 きょうの委員会は、今までの議論を踏まえた中で、きょうで終わりということではなくて、きょうは自由濶達なお話をいただいて、そしてまた、新年にも予定がありますんで、そういう機会もあるということを前提に議論を深めていただければありがたいなと思います。

○花井委員
 1月は、きょうのまとめをさらに深めて、最終まとめにするということでしょう。だから、ある意味、きょうからもうまとめに入っているんですね。だから、私そこら辺はもっとやるべきことがあるんではないかと。その上でないと、まとめになっていかないんじゃないかということを申し上げているわけで、その辺について皆さんの御意見はいかがでしょうかね。

○遠藤委員
 7番委員が言われたことももっともだと思いますが、今回、富士山特別委員会という形になると、非常に漠然として、富士山のように大きな問題がたくさんある。その間に、富士山の日の制定問題やら、いろいろな形で出てきた。それから富士山の世界遺産に向けての運動というものが、いろいろな形で浮き沈みをしている。――これは私だけの考え方かもしれませんが、――そういう中で、この委員会では、例えばある程度の方向といいましょうか、焦点を絞らんと、何か漠然として、富士山のすそ野のようになってしまうということもありますので、例えば、世界遺産どうのこうのということとか、また観光とか、いろいろな形のものがあると思うんですよ。そういうものをせっかくいろいろなところを視察させてもらってきて、正直申し上げまして、これはおしかりを受けるかもしれませんが、富士山とは対象にならない地域ばかりであったわけでございまして、そういうことを考えたときに、富士山独特の、これはまさに静岡県のシンボルであり、日本のシンボルであるということ、それから、文化も観光関係もあり、――今、地形の変動の問題も言われているわけでありまして、そういうことも含めて――全部やっていくと大変広くなってしまいますので、ある程度ここでその辺の問題を、皆さんの御意見を聞いて絞られたらいかがかなというような感じがします。

○森委員長
 当委員会のスタート時点でも、今の遠藤委員のお話のように、富士山というのは非常にすそ野も広い、幅広い、奥行きも深いという、こういうことで文化的な面、観光的な面、広報的な面、あるいはその他として世界遺産の登録なども論議をして、そして一つの方向づけを出していきたいと、こういうように申し合わせできておりますので、そういう中で、今、先ほどの花井委員は、さらにそういう枠の中でも深めていきたいと、こういうことじゃないかと思うわけですけども。
 ほかの委員の皆さん、何か御発言ありますか。一応、当委員会のスタート時点での申し合わせについての一つの枠といいましょうか、これにぎっしりとらわれる必要はないわけですけれども、一つの柱といいましょうか、そういうものを踏まえた上で今日まで委員会を開催してきておりますので、その辺のことも御理解いただいて、議論をまさに深めていただければありがたいと思いますし、また、委員会の運営上、最初に文化面、それから観光、広報、その他と、こういうようなことで会を進めてまいりたいと、このようにお願いをしているわけです。

○花井委員
 私は別にこの区分けのことで異論を言っているんじゃなくて、さっきも言ったように、6月8日と7月14日に議論しただけで、その後いろんな動きがあって、そういうものもちゃんとやっぱり聞いて、共通認識を高めた上でまとめた方がいいんじゃないですかと。まとめ方をやたら幅広めろよと言っているわけじゃないです。この間いろいろなことがあったものをそのままにして、これで見ると7月に開催したときに、執行部との質疑がこういうのがあったと、こういう意見も出たというだけではないんじゃないのということだけです。私は別にこの区分けが気になるなんて言っているわけじゃなくて、これはこれで結構なんですけど、この間、いろいろなことがその後ありましたよねということなんです。

○森委員長
 いかがでしょうか。

○須藤委員
 私もきょう、まとめに入るなっていうことを感じながら来たんですけども、そういう中で、ちょっと何かまだ物足りないなというようなものもありまして、もう少し、今、花井委員が言ったように、その後のことについても、もう少し当局からの話を聞いたっていいんじゃないかなんて思っておりました。ただ日程的にどういうふうになっていくのかなというようなこともありまして、前にお話を伺ったことによりますと、1月12日ですね、次回はね。その後、日程的にまだまだこれで閉めちゃうわけじゃないと私は思っておりますが、あとどんな形になるのか、最終、委員会の報告というのが2月でもうやっちゃうのか、あるいはもう少し先へ延ばせるのか、ここら辺のことも考え合わせていかなきゃならないと思っているんですけどね。できれば、1月12日の特別委員会のほかに、もう1回、日程的にどうかわかりませんけども、やっていただければ、先生のおっしゃったような話も当局からも聞けるし、また厚くもなるんじゃないかと、こんなふうに思いますけど。

○森委員長
 今のお話、理解できるわけですけれども、議長との調整、そういうものがありますので、皆さんの意見は意見として、また承りますけれども、きょう、じゃあ、幾日にまた1日やりましょうというのは、少しまた正副委員長にお任せ願いたいと思う。というのは、今申し上げたように、議長との相談もしなきゃいかんと思いますので。
 ほかの皆さん、いかがでしょうか。
 例えば、文化面でいろいろな今まで御発言をいただいております。まず、そういうものを踏まえて、あるいはまた復唱する、念を押すということでも結構ですけれども、いかがでしょうか。

○天野(一)委員
 きょう提言にかかわる事項といって、文化、観光、広報、その他と4つ出してくれていますね。これについての議論をもう1回私は深める意味で、今、花井委員からお話があったように、イコモスの情報とかも含めて、この4項目について、当局からまた新しい情報とか、それから現状について、もう少しデータを出してもらって、議論も深めたりすることも大事じゃないかなと思います。やはり、もう1回、議論を深める形のものを私はやった方がいいんじゃないかと、日程上いろいろ問題があるかもしれないけども、拙速にやらないで、もう1回、7月以降視察をしてきたことも含めて、議論を深める会合をやった上で、まとめの方向にいく方がいいんじゃないかと思います。

○森委員長
 冒頭申し上げましたように、きょう全部まとめてしまおうということではありませんものですから、今、御三方の発言も当局にただしたい点もあると、こういうことですから、そういうことも含めて議長とも相談して、正副委員長で意を用いる方向に努めてみたいと思いますけどね。ただ、一応、それぞれの委員会というのは、申し合わせたものの中で回数などもやっておりますので、御理解願いたいと思います。

○天野(一)委員
 きょう、この提言事項って、すごくいい具体的なことを出されていますので、こういうことを含めて、一度議論したら非常に深まるんじゃないかなと思うんですけどね。

○森委員長
 どうでしょうか、じゃあ、私が最初、文化面からということでお話を申し上げましたけれども、文化、観光、広報、その他あるわけですけれども、とらわれずに御発言をいただきたいなと思います。そういう中で、また、当局へどういうものを問いただしていくかということも出てこようかと思います。

○天野(一)委員
 ですから、きょうこの4つ、せっかく正副委員長がまとめて出してくれたから、これについてできるだけ議論ができるものは議論をして、やれる範囲でやって、できれば次に当局にただせるような仕掛けをしてもいいんじゃないかと思うんですけど。

○須藤委員
 私、今の委員長のきょうのやり方は、これで委員長のおっしゃるとおりでやっていけばいいじゃないかと思っているんですけども、きょうはこれでやっていきながら、もし時間があれば、花井委員がおっしゃったようなことも日程的に追加できれば、もっと深みが出るんじゃないかと思っていますので、きょう、これで進めていただければいいと思います。

○森委員長
 きょう、これダイジェスト版ですけれども、当局から回答もいただいて、――答弁をいただいているのもかなりあるものですから、そういうのを踏まえながら進めていきたいなと思っているわけです。復唱というか、重ね重ねでも結構ですから、特にこういう点をとらえたらどうかというようなものがあれば、例えば富士山の文化については、各委員の皆さんからビジターセンターですとか、あるいは博物館のお話ですとか、幾つか出ていたと思います。

○前林委員
 本年度、自分の思いとして、富士山静岡空港ができて、それをきっかけに、また富士山というものに対する考え方が皆さんやっぱり変わってきた部分もあるんですけども、その中で、私がずっと感じてきた部分は、ある意味で、たしか5番委員が前に御発言されたことがあるんですが、私たち静岡県民にとって富士山はあるのが当たり前なんですね。あるのが当たり前であって、何か、じゃあ、さらにそれを深めていって、もっと知ってもらおうとか、何かそういう努力がもう一歩足りないんじゃないかなという気持ちがしています。
 先週、私、会派の視察で金沢に行ったときに、小松便に初めて乗ったんですけども、ちょうど私の前に乗っていたグループの方々が、石川県の方々らしくて、夕方、空港を出るときに富士山がうっすらと見えたんですけども、歓声が上がるんですね。やっぱりああいうのを見て、よその方々というのは、富士山を見ることで本当に何か心が洗われるというか、そういう思いが何かやっぱりあるんだなということをすごく感じました。
 富士山静岡空港を使う中で、私も何回か上空から富士山の姿を見ながら、もう一度やっぱり静岡県民として富士山に対する思いを、もっともっとほかの県の方々とは違う熱い思いを持てるような、そういう取り組みが県としてもすごく必要じゃないかと。そういう意味で考えたときに、先日、県内視察で富士山資料館に行かせてもらったんですけども、あれはあれでそれなりのものをつくっていただいて、意味のあるものだと思いましたが、やっぱりあそこにもっともっとたくさんの方が来られるということを考えていくのか、あるいはあれにかわるものとして、もっと私たち身近なところに、例えば富士山静岡空港があるわけですから、それに隣接したところに富士山のことをもっともっと知っていただくような、そういう施設をつくるとか、あるいは改めて富士山博物館、富士山と駿河湾とあわせた総合的な自然系の博物館をつくるとか、何かやっぱりそういうものへのアプローチが、いま一つ必要じゃないかなというふうに思っています。
 実は、富士山静岡空港、皆さん、行かれて感じていると思いますけれども、あそこに行って必ず富士山見えるかといったら、なかなか見えないんですね。だから、直接富士山というものにもっともっと触れる機会が、環境があればいいなと、私行くたびに思います。そういう意味では、もう一工夫、あの空港についても欲しいと思いますし、繰り返しになりますけども、もう一つ何か一工夫、この富士山に対して気持ちを込めた、そういう取り組みが欲しいと、漠然とした言い方で申しわけないんですけども、まだまだ足りないと、それが私の最近の考え方です。

○森委員長
 どなたか、やっぱり県民に対してもまだ足りないじゃないかという発言があった記憶があるんですけど、同じようなことですね。

○須藤委員
 今、前林委員がおっしゃったように、私も前々から一般質問等でも何回か申し上げてきましたけども、この富士山特別委員会のありようといいますか、やっぱり、静岡県として富士山の自然環境保全の問題とか、あるいは文化とか芸術とか観光とか、広報の問題についてですね、今まで足りなかったもの、――不足している部分、そういうものを補うために何をすべきかというところに、この特別委員会のありようがあるのではないかと私は思いますものですからね。前林委員がおっしゃったように、本当に我々にすれば、あるのが当たり前と思って、私の場合、特に富士宮市ですから、毎日見ているような状況ですけれども、本当によそから来る人の感動というのは全然違うわけですね。
 実は、きのう、うちの後援会で、朝霧のジャンボリーゴルフ場でゴルフ大会やったんですよ。そうしたら、たまたま霧が濃かったんですけれども、わあっと霧が引いて富士山があらわれたときのその美しさといいますか、すばらしさに、富士宮の人間が「いや、すばらしいな」ということで感動したようなわけですね。よくいろんな人が、外国からも国内からもきて聞きますけども、案外、富士山は晴れてちゃんと顔を見せる日が少ないんですよね。そうしたものを見れないで帰ってしまうなんていうことは非常に残念だと思うと。やっぱり富士山の四季の顔ですね、時々の顔といいますか、そういうものを映像できちっと来る方々に見せて、実物は見れないけれども、そういうもので、迫力あるものを見せて、ああ、こんなにすばらしい富士山かということを認識してもらうということも大事でしょうしね。
 今まで富士山資料についても散らばっているものを1カ所に集中するというような意味においては、富士山博物館、絶対に必要じゃないかと私は思っているんですよ。特に、情けないことは、全国の都道府県にはすべて博物館があるんです。静岡県にだけないですね。知事もこの静岡県を芸術街道にするとか、文化の中心にするとかっていうような話をしている中で、やっぱり静岡県の中心というのは、富士山をまず主体に考えていくというものが、やっぱり売り物じゃないかなと思っています。前林委員がおっしゃったように、富士山博物館のことについては、この特別委員会でもう今までずっと温めていたことで、がまんを皆さんしてきたわけですね。そういうことじゃなくて、もう具体的にしっかりとやっていくという厳しい提言をしていただければありがたいと思うし、同時に、今、この県庁の中に富士山について専門的に扱っていく部署がないわけですよね。そういう部署についても、きちっと設置して、そして真剣にもっと取り組んでいただくような形をとっていただきたいと、こんなふうに思っております。
 きょう、雑談的に話ということですから、あとまた、思いつきで失礼かもしれませんが、皆さんの意見を聞きながら、いろいろな話をさせてもらいます。以上です。

○大石(裕)委員
 今、厳しい提言という話がありましたけど、私もそう思っていまして、以前、5番委員からも話がありましたけど、山梨県と静岡県の取り組みがもう全く違ってしまってきていると。やっぱり、静岡県は富士山が自分たちのものだと思っているという中で、山梨県は非常にお金もかけて時間もかけて、手間暇かけて富士山を活用しようとしているという意味からしても、静岡県がそこに全く立ちおくれてきてしまったと、何もしてこなかったという、それはちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、そういう位置づけです。その上で、富士山静岡空港ができた中で、世界に誇れるのはやっぱり富士山なんだという位置づけを県としてもしっかりするべきだと。そういった中で、これを機会に富士山というものを静岡県民が同じ価値観を持って、親しみ、愛され、それをまたしっかり活用できる、歴史も知っているというような富士山を本当に生かすための構想といいますか、そういったものが必要なのかなと。それにはやっぱり、ある意味富士山をほったらかしてきたというような反省があっていいのかなと思いますけどね。

○森委員長
 ありがとうございました。他の皆さん、いかがですか。

○大塚委員
 先ほど、須藤委員さんの方から博物館のお話出ましたけど、県として、知事の博物館構想というのは、結構各地域の資源を生かしてという構想になっているんですね。そういうものと一つ大きな施設的なものをつくってやるということの是非とか、その辺がまだ県としても整理ができていないと思うんですね。ちょっと私としたら、その辺、早急に整理して、富士山ビジターセンター的なものをつくるならつくるという方向でもっていくべきではないかと。それと、各地域のそういう知事の構想による博物館的なものとうまく連携していくような、トータルな意味の方向性を早く出していくべきではないかということを考えています。以上です。

○森委員長
 ありがとうございました。共通している点は、今まで県行政の中で余りにも触れられておらなかったじゃないのかというようなお話じゃないのかなと。それにはやっぱり何らかのインパクトを与えるようなものが必要じゃないのかなと、こんなような、今、御議論が出ているように受けとめるわけです。ほかの委員の皆さん、いかがでしょうか。

○花井委員
 文化とか、話一つにしめくくっちゃうとなかなか発言しにくい。確かに今、世界遺産の中では文化遺産として富士山を僕らは登録させようということで、暫定登録まで来ているわけですけれども、果たして2012年に本登録になるのかどうなのかというようなこと、なかなかこれまで厳しいというふうにも言われてきているわけで、そういう中で、この間、新聞報道で見れば、来られたイコモスの文化的景観国際委員会委員長のモニカ・ルエンゴ氏を初め、こうした方々は、自然に対する畏敬の念というか、自然的要素と宗教的、芸術的、または文化的な強力な関連性によって定義される景観として、この富士山の場合、とらえることができるんだという中で、特にこの自然の植生だとか自然の美しさというか、この方は特に三保の松原へ来て物すごく感激しているんですよね。不思議な話かもしれないけど、やっぱりその辺は僕らの感覚とは違った富士山を見る目というか、その現場で見るだけじゃなくて、その宗教性というか、その物語性というか、そういうものも含めてすごく感動を覚えたというようなことが言われておりましたけどね。
 だから、我々は、一つはやっぱり文化的な側面として宗教性というふうなことで、かなり強調もされるわけだけれども、同時にやっぱり多面的な要素を持っている富士山をどう生かし、守っていくのか。例えば観光にしても、和歌山の例の高野町長の後藤さんという方ですか、この方が例の国際フォーラムのときにも言っていたのが、観光もいわゆるプレジャーからカルチャー・ツーリズムというものに変えていかないと遺産を守れないよということを言っておられましたよね。
 本当に、石見銀山なんかもう大変なことになって、車を規制するだけじゃなくて、路線バスも全部やめちゃったんですね。みんな歩くという、そういうふうに今変えたようですけども、ともかく、よしんば3年後に、2012年に本登録になると、今でさえも富士山への登山者、――ことしはちょっと去年より1万人ほど少なかったようですけれども、――ずっと右肩上がりで来ている、これがもっと爆発的になる可能性だってあるわけですね。そういうものも今からやっぱり整えていかないと、観光対策というのもね。ただ大勢来てくれるようにやればいいじゃないかというだけじゃなくて、むしろそこら辺はいかにすばらしい富士山を保護していくのかという視点というのは、観光の面からも大事だけども、もっと根源的にいうと、私は前林先生が言われるような自然系博物館、これはもう前から私どもも提案して、既にこれまでの県はそれはやるんだということを何回も言いながら、企画が現実化していないというだけの話であって、これはもう本当にやるだけだと思うんだけども。
 前、NPOの役員をやっていた県庁の渡辺豊博さん、今、都留大学の教授やっておられるようですね。だから、最近よく新聞に、――ある意味、山梨県側を代表してというか、そういう感じで――彼が出てきていろいろ発言をしておりますけれども、彼、一番必要としているのは、アメリカなんかでいうと、僕も前も言ったけど、マウントレーニアというのは、富士山と姉妹関係になっていると。面積的にはほぼ富士山と同じだというにもかかわらず、向こうは国が一元管理をしていて、300人からのレンジャーがいるんだけども、こちらには、山梨県側と静岡県側合わせてレンジャー2人しかいない。
 あれは、たしか箱根自然環境何とか事務所というんだね。富士山とも伊豆とも何もつかないんだよな、あそこは。そういう意味では、やっぱり富士箱根伊豆国立公園といって、そこの国立公園を管理する立場にありながら、名称からして、まず富士山がない上に、本当にスタッフがそろってないと。やっぱりそこら辺は我々としても国がやらなければ県がという考え方、もちろんあるだろうし、そういう面で独自の施設を山梨県側はつくっているとはいえ、私はやっぱり本来一元的な管理をして、この大事な遺産をどう管理し、保護し、守っていくのかという視点抜きに、あれこれ言っても始まらないんじゃないのかなと。そういう意味では、富士山の普遍的な価値をどう守り通していくのかというテーマは、これは実は大変なテーマであって、我々も行政の側に対して、もっともっと、やっぱり、しっかりと体制も整え、頑張っていかなきゃいけないなという点を大いに強調すべきだと。
 もう一つはやっぱり、住民の皆さんの理解をどう得るか、この点では決して静岡県が成功しているとは言えないんじゃないかというふうに思うんだけども。イコモスの委員の1人が言っていたのは、やっぱり地元の皆さんに、どう理解してもらうかと、連携とれるかという点では、もっと柔軟性を持っていくことが大切じゃないかと。提案されていたのは、――たしか規制などに伴う、当然いろいろな規制があるんだから、――規制などに伴う税金の優遇措置なんかも、やっぱり大事じゃないかという提案もしていますよね、僕はこれも大事な話だなと思って。
 一方では、山梨県側は保護するためにいろいろな金がかかると。し尿処理だけでも富士吉田市は3000万円からの金がかかっているということで、入山料を500円から1000円考えているらしいんだけどね。静岡県側は全くそんなことを考えてないけど、山梨県側は結構そういう話に今進んでいるようですね。これはあくまでも私、ほとんど新聞の報道でしか言ってないから、当局にいろいろなことをただしていかないと正確さを欠くかもしれないけども、とにかくそういういろいろな問題ありますよ。
 だから、やっぱりそういうことを含めて、地元対策どうするのか、観光対策どうするのか、そして文化的、自然的、普遍的な価値をどう守っていくのか。多家副委員長が得意な、得意というか議連の会長さんだから、いろいろな富士山世界遺産については詳しいと思うんだけど、今の流れは何となく文化遺産だけじゃなくて、自然的価値も含めると、何か複合遺産みたいな方向に、場合によったらなるのかなというふうなことさえも、ちょっと思わせるような動きの変化が起きてきているということがありますので、そういうものを踏まえながら、うまくしっかりとした対応が求められてくるというふうに私は思います。

○森委員長
 ありがとうございました。実はですね、先般、私ども須藤委員、天野 一委員、海外派遣でスペインへ行ってまいりました。そのときに、イスラムの古い宮殿、これが世界文化遺産に登録されておって、そして、1日の入場者の制限もしておるし、そして、もちろん入館料もいただいて、そういうものをもって、維持管理、保存をやっておる。非常にすぐれたやり方にも接することができました。それから、今のお話の中で、国の方では環境省のたしか箱根に事務所があるわけですけども、これはどちらかというと規制的な事務所、いろいろな事業申請に対する許認可というか、むしろ規制するような、そういう事務所の内容じゃなかったかなと思うわけですが、さらに一層、この委員会での提言として、やっぱり文化庁なり環境省にもいろいろ委員の皆さん方のお話を取りまとめた中で、訴えていかにゃいかん、そういう面も出てくるんじゃないのかなと思います。
 それから、文化的な面というか、先般、東京で交流会がありました。その交流会に出席された方は記憶があると思いますけれど、山形出身の平野さんという女性で大変すばらしい語り部の方、この方が花井委員のさっきの三保の松原、まさに天女のことやら、羽衣の松のことやら、あるいは富士の竹取物語のことやら、非常に魅力的な語り部をやっていただいて、非常にすばらしいなと私は感動しました。こういうような方もおられるんだなと、もっともっとああいう方に静岡県内でも活躍してもらってもいいんじゃないのかなと、そんな思いもしたわけです。

○宮沢委員
 ここにも富士山憲章というのも資料として示してもらってありますけど、まさにこのとおりだと思うんですね。そういう意味で、私たちは富士山特別委員会、静岡県の立場としてやっているんですが、富士山というものは日本のシンボルであるわけであって、そういう意味で、広域的に、あるいは日本の国としてどういうふうにしなくちゃいけないということをきちっと押さえた中で、静岡県として果たす役割はこうだ、やらなきゃならないことはこうだということを整理して、取り組んでいくということが大事かなと思っています。
 どうしても富士山は静岡のものだとか、山梨のものだとか、雑談の中ではいろいろな話をしますけど、この地域全体でいろいろ取り組んでいくということが大事かなと思います。ですから、静岡県としてこういうことをしなくちゃいけないということの中に、例えば博物館の問題も今出ているわけですけど、じゃあ、果たしてこれ県がやるのがいいのか、もっと広域的に国にお願いしていくという方向で進めていったのがいいのかとか、いろいろ問題というか、考えなくてはいけないことがあるんじゃないかなんて思っております。
 一つ視点としては、保護をしていく、あるいは歴史とか文化を伝えていくということと、活用をするということと、二つの視点があると思うんですね。どちらかというと、バランスをうまくとっていかないと、一方に偏ってもなかなか富士山というものをうまく使っていけないんじゃないかなんて思って、そのバランスをどういうところにとっていくのかということを、きちっと押さえておく必要があるんじゃないかと思いますけど。

○森委員長
 非常にその辺が難しいところでね、やっぱり世界遺産登録するには、観光的な側面も大事かもしれないけど、やっぱりいかに富士山のすばらしさをこれからも保護・保全、そういう計画もしっかり立てていかないと登録は難しいのかなと、そんな思いもしましたね。

○須藤委員
 今、世界遺産登録で一番問われているのが、富士山の普遍的価値と信仰とか、そういうことがどういう表現をしていったらいいかということで、また、私もこの間、勝山ですね、世界遺産のシンポジウム、行ってきたんです。話を聞いてまして、表現力の問題、結局、多くのユネスコの皆さんに説得する言い回しといいますか、説得力にいまいち欠けているというところが、なかなか前へ進まないことなんですね。ある意味では、証明をしていかなきゃならないということにもなろうと思うんですけども、そのときに、富士山に対するいろいろな思いというのは割と漠然としているものですから、どうもいまひとつピンとこないというようなところですね。
 それをこれからやらなきゃならないこととして、全国に富士山と名のつくいろいろな山ありますね、そういったいろいろな、特に著名な山なんかの首長なり、市民でもいいですけど、そんな方々とシンポジウムか何かやるとか、――そういう富士山への思いとか、富士山への信仰とかあこがれとか畏敬の念とかそういうものを、――よそに伯耆富士とか、薩摩富士とかいろいろありますけども、そんな人たちも、結局中心はこの静岡県の富士山だというふうに思っておりますものですから、県が主体性を持って、富士山サミットをやるとか、そういう具体的なものをやっぱり起こしていく必要があるんじゃないかと思うんですよね。そういうことによって、また再認識される、脚光を浴びるんじゃないかなと思うんですよね。やっぱり、こういうものはアピール性といいますか、広報宣伝も非常に大事だというふうに思っております。
 もう一つですね、文化とか芸術とかっていう面において、静岡県も例えば富士山の絵とか写真とか、いろいろな芸術品を所有しているし、またあるいは資料としても収集していると思うんです。ただ、全国に散らばっている、埋もれているといいますかね、発掘されていない、あるいは個人が所有しているという、富士山に関する資料というのは膨大なものだと思うんですよ。私はそういうものを全国に静岡県が呼びかけて、資料収集をして、いいものをいろいろ取捨選択して資料編をつくるとか、それが富士山博物館の資料になるような、そういうことも必要じゃないかなと思っているんです。
 私、ちょっと前にも申し上げたかもしれないけど、富士山の火山弾一つとったって、――この近辺には富士山の火山弾幾つかありますけど、私のうちにもあるんですよ、そのすごいやつがですね。それはうちの家宝にしてあるんですけども、そういうのも写真だけだったら提供ぐらいしますけど、なかなか持って歩くことはできないですけども、重たくてですね。――いろいろな絵もそうだし、漆器もそうだし、いろいろ埋もれているものがありますから、そういうものをやっぱり県が中心になってやっていったらどうかと。それを今まで地元の富士宮市なら富士宮市とかっていう市町村にやらせようとしますものですから、なかなかそれだけの財政的な余裕もないものですから、できないということですから、やっぱり静岡県が本当に中心になってやっていくんなら、そういうことについて力を入れていただきたいなと、こんなふうに思っています。以上です。

○前林委員
 今、須藤委員のお話の中の内容と関連するんですが、最近、私、県がつくったものでヒットだと思っているのが、これなんですね。名刺判で、葛飾北斎の絵、浮世絵が2枚入っているやつ、これ、いただいて、非常にこれ評判いいです。コンパクトでもありますし、内容的にもすばらしいもので、外国の方も県外の方もすごくこれ喜んでくれるんですけども、これヒットだと思いました。ただ問題は、ここに載っかっている葛飾北斎の絵の出典が山梨県立美術館ですね。静岡県が持っているものじゃないんです。それ、わざわざ書いてあるので、何で静岡県じゃなくて山梨県立美術館のこの浮世絵を使わせてもらってつくるんだというね、非常にこれはいいものであるがゆえに非常に残念だったというね、そういう意味で、やっぱり須藤さんおっしゃるような、もう1回原点に返って、富士山のいろいろなエッセンスを集中させていくような努力があればありがたいと、そんな気もしました。

○植松委員
 自分にとって、富士山というのは余りにも皆さん言われている漠然で、大きなテーマですので、自分自身も意見はまとまっていないんですけど、富士山で自分が一番感じるのは、登るといっても必ず車で5合目までスカイラインを通っていって登るとか、余りにも安易に登れたり、すそ野までいくと何かどんどんと花火がなっている音がしてみたり、本当に富士山は、ふだん私が沼津から見る富士山と、現実に近くに行ってみると本当に何か違和感がありまして、これで本当に富士山というのは、このままでいいのかと、そういうふうには感じます。
 そんな意味で、これからも富士山の自然を守るため、能動的にみんなで一生懸命になって、管理とか運営していくために、知恵は絞ってはいかなければいけないんですけど、何かちょっとまだ富士山に対して意見がばらばらで、何かまとまっていかないので、もっと国家プロジェクトぐらいの感じでやってもらいたいと思っております。
 それで、具体的には、沼津もそうなんですけど、富士山大使みたいなのをつくって、県内出身者で国内外で頑張っておられる方がそういう大使になってもらったり、あと今言われたように、ああいう名刺をつくったり、前、僕言ったかもしれないけど、ここに職員さんもそうでしょうけど、富士山マークのでっかいやつをみんなつけて、視察でもどこでも回ってもらうとか、なるべくお金をかけない、私自身は博物館に反対じゃないですけど、何かお金をかけると、その方にばっかり責任がいっちゃって、本来の富士山に対する気持ちがちょっとなえるんじゃないかなと思ってますもんで、その辺をしっかり考えて、これからすばらしい富士山を守っていきたいと思っております。そんなところです。

○森委員長
 ありがとうございました。

○天野(一)委員
 今、前林委員から話がありましたね。山梨県はもう既に美術館で富士山に関する浮世絵は全部収集しているんですよ、積極的に。もう既に向こうはビジターセンターを含め富士山戦略が着々と進んでいて、浮世絵なんかももう積極的に山梨県立美術館で収集を始めているわけです。静岡県はそういった意味では、具体的なことはないわけです。
 今、11番委員から話があったように、例えば、自衛隊の問題とかも、今度、富士山世界遺産登録の前に、基地の問題であっても、はっきり言えば、この問題をやったときに避けて通れない問題が幾つか出てくるわけですよ。だから、そういった問題も含めて、この富士山特別委員会は、現状の課題と問題点をえぐり出していくというか、率直に出して、次のステップに持っていくような提言にしないと、タブーなものはタブーなままで残しておいて、例えば自然環境を残していって、一方では自然を壊しているし、それから、今まで富士山の自然を残そうというよりも、便利でどんどん5合目まで行こうという発想の中で、今まで進めてきたやり方がいいのかどうなのかという議論も含めて、私はやはり、かなりいろいろなことを皆さんと意見出し合ってやらないと、この富士山特別委員会をつくった意味がないと思いますので、その辺を今11番委員からもお話があったように、違和感があるような問題も幾つかあるわけですね。だから、もう一度、環境の問題でごみが富士山の山ろくに捨てられているという事実、そういったものも放置できないし、それをどうするかという問題であっても出てくるだろうと思うし、そういったことも含めて、私はやっぱり議論すべきじゃないかなと思っています。

○森委員長
 やはりこの特別委員会に課せられた責務というのは、今の天野委員の御発言のとおりだと思いますね。やっぱり、これから県行政が富士山をどう取り扱っていくか、それが静岡県の進展に少しでもつながっていけばありがたいなと、そういうような具体的なことを踏まえた提言をしていきたいなと、それは望むところであるわけですね。

○花井委員
 非常に矛盾を感じるのがあるのは、富士山を生かして観光に役立てるという発想があるよね。でも片方で、さっきもちょっと私も言ったように、プレジャーではなくカルチャー・ツーリズムというふうに変えていかないといけないよと。委員長も言われたように、スペインの事例もあったけど、例えば、ニュージーランドのマウントクックなんかもそうだけども、あの広大なところを地元の部族が持っていて、それを世界遺産に出すときには物すごい抵抗があって、しかしそれが守られるということならばいいよということで最後に認めた。たしかあそこの、アーミテージホテルだったか何かそのホテルだけしか泊まらせないとかね。そこのガイドが行かないと中へ入らせないとかっていうような、非常に限定的にしてこれを守るために必死になっているんですね。
 そうすると、人を大勢寄せるという観光の考え方と、まさにバッティングするというか、正反対の考え方が保存するためには必要だというようなのが出てくると、その辺は僕らもどう考えるべきかというのは、なかなか大事なテーマだと思うし、その辺をまた突っ込んだいろいろな議論をしたいと思いますけども。
 今、何人かの方のお話の中で、私、一つは山梨に比べて静岡県がおくれているというふうに言われている話として、前にも言ったビジターセンターの話も、山梨は自前でつくっている。私はさっきも言ったように、基本的には国立公園だし、国がもっと一元的に管理をして包括的な監督組織として、これは自然公園法だってあるわけだし、国立公園でもあるという点では、もっと環境省なんかが中心になって、しっかりと富士山に近づく人たちにいろいろな面でわかりやすく説明できるというようなものを、私つくるべきだと思うんですね。
 富士五湖にしても、湖の成り立ちというのをガイドは説明できないということではいけないんじゃないかというのを、勝山のときに提案があったように僕は聞くんだけども、やっぱり富士山と水というのは、特に柿田川の湧水、あるいは湧玉池や楽寿園の小浜池か、ああいうものを僕らはすぐに直観的に感じるんだけども、県内には土先生みたいな優秀な地学の大先生もいるわけだから、そういうものを含めてやっぱりみんながいろいろな側面から知るような機会、そういうものをやっぱりPRもしながら、そういう形のしっかりしたビジターセンターをつくらせる必要があると思うんですね。
 自然系博物館については、これは国につくれといってもなかなかつくらないと思うんです。それは県がやるって言った話だから、それは県がやればいいと思うんですけど、いわゆる、富士山の全体をどう保存するかを含めて、包括的な監督組織としての国がどういう体制を持って、これを守るときにやっていくのかということは、私は国に対して県は積極的に発言していくべきだなというふうに思うんでね、その辺を抜きで、県が各市町に協力を求めると、あるいは住民に協力を求める、もちろんそのことも大事なんだけど、それにはさっき言ったように税制上の優遇措置、そんなこともちゃんとやりながら、しかし国がもっと責任を負えよと、国立公園じゃないかというようなことを、もっともっと強調すべきじゃないかなというふうに思います。

○森委員長
 当然、さっき私も申し上げたように、国ももっともっと世界遺産登録を目指すバックアップをしてくれないといけないと思う。ましてや、今、観光の面でもビジット・ジャパン・キャンペーンも繰り出してやっている一方で、やっぱり富士山の自然環境を守らなきゃいかんと、そういうような話の中で、やっぱり国がもっと積極的に取り組んでもらう、これを訴えていく必要があるのじゃないのかなと、そんなように思いますね。

○多家副委員長
 整理をしなきゃいけない部分というのが皆さんから出されているんですが、まず、文化遺産登録ということで過日のイコモスの考え方をとらえれば、富嶽百景そのものが普遍的な信仰であり、普遍的な芸術であり、普遍的な文化だと、そういうお認めをいただいたような気がするんですが、今度は、いわゆる富士山そのものを考えたときに、5合目以下については複合遺産になって、自然遺産がすばらしいという発想はやはり置いといて、そこには、さまざまな問題、開発の問題や御殿場の問題やそういうことがあるから、そんなことを言い出すと、もう整理しなきゃいけないんで、これはもう置いといてもらうと。先ほど、7番からそういう話があった、それは置いてもらう。
 それからもう一つ、登山ルートが4つ、このことも余りに広過ぎることで、だれがどう管理するかというと、そのことについてもなかなか難しいし、この4本は静岡県道と山梨県道で、幅員4メートルの道路なわけですね、頂上まで。そういうこともしっかりと整理をしなければいけないのではないのかなと、そんなふうな思いがします。
 もう一つは、博物館の話、ビジターセンターの話、もう一つ、管理事務所の話、この管理事務所をしっかりとつくらない限り、入山制限とか自然保護とかさまざまなことをだれがするのかという話の中で、環境省や国土交通省やいろいろな話がありますけれども、やはりこれについては管理事務所をそれぞれの登山口もしくはそれぞれの県が持って当たらないと、そのことはできないような気がします。
 それからもう一つ、富士山をどうとらえるかの中で、芸術、信仰、文化でとらえるときに、いわゆる富士山の歴史の中で、どこでそれが行われて、どんなふうに発達したのか、登山道は何でそんなふうにできてきたのかと、そういう位置づけを本格的に考えていかないと、世界遺産登録ということを考えると間に合わない、そんな感じがします。
 先ほど、山梨県は美術品を集めていると、意図的にすごく集めている。逆に言うと、MOA美術館に行きますと、浮世絵はやっぱり山梨県に負けず劣らず、富士山については全部ありますよね。富嶽三十六景の遺産がありますし、それは個人でやっている美術館だから、――文化芸術財団という財団でやっている美術館だから、県は余りかかわらずに山梨県のものを借りているかどうか知りませんけれども、やっぱり静岡県にもありますし、これ集めるったって、そう簡単に集まるわけじゃないんで、今、山梨県が一つ、MOAに一つと、せいぜいそんなもんだということを思いますので、あえてそのことを前面に出して、何でもかんでも静岡県だという話は難しいのではないのかなと、そんな気がいたします。
 いずれにいたしましても、年間40万人を超える登山者、登山客、そのうち頂上まで行けるかどうかわかりませんけれども、そこまで入らせるということが、果たして正しいかどうか。管理事務所体制をしっかりつくって入山制限をするなり、どんなふうにやっていくのか、そのことも整理をしながら、都市別に整理をする、県別に整理をする、国と県との整理をする、そういうことも一つですし、いろいろなことを今この時点でもう始めないと、2012年までにイコモスが考えているような形、ユネスコが考えているような形に富士山が収れんされるかどうかというのは、非常に課題が多過ぎて、話を広げるんじゃなくて、もうたぐり寄せてくる段階ではないのかなと、そんな感じがします。

○森委員長
 ありがとうございました。

○原副委員長
 皆さんのお話を聞いてごもっともだけど、整理をするのになかなか大変な課題だなと思って、今、聞いておりました。というのはですね、ここで文化、観光、広報、環境とはみんな相反するものなんですね、これ全部がね。そうすると、今までの発言が全部、相反するもの、これをどう両立させるのかというのは非常に難しい。例えば、観光のために一つは5合目までのマイカーの道路もつくった。しかし信仰の立場、文化遺産っていうのは信仰だと思うんですが、ポイントを置くとなると、登山道の保全や保護を含めてこれをどういうふうに表現をして位置づけていくのかというものが、課題となってくる。そしてもう一つは、保護、保全となると立入禁止という問題も、出てくるだろうと。そうすると、遺産イコール地元の皆さんを含めてどういう位置づけをしていくか。世界遺産に登録されるならば、私たちは規制をされるという人もいますけれども、観光的な要素で客がたくさん来てくれるなというものを持つ人も現実にいるわけです。そうすると、そこのところで、保護と保全、そして観光という位置づけをどういうふうに調和をさせていくのかという問題などがでてくるわけですね。
 自然を強調する、あるいは保護を強調する、けれども、それじゃあ、今現実を見て、この間皆さんすそ野に登ってくれましたけど、監視塔があってもいまだに産業廃棄物というのは捨てられっ放し、そして何ら、僕思うのに、撮影機ですか何かがあるんだけど、あれについての実効性がどうであったのかといったら、現実に山へ入れば電化製品から何からの宝の山になっている。そこら辺のまず、この相反するものをどういうふうに結びつけていっていいのかというのが、僕は本当に悩む、現場で悩みます。
 それと、もう一つあるのは、先ほど1番委員が言われた、たしか富士山というのは国立公園との境界がありますよね。その境の下の方についてはもう開発なんですよね、みんな。開発をしていて、やっぱり保護したいというものと、その区別もわからない。そこら辺をどういうふうにしていくんだといったら、みんな相反するものがあって、それを二つ列挙して、どういうふうに整理をしていくというのも一つの仕事にあるのかなという感じもするんですけどね。

○森委員長
 その辺のことを、意外と山梨県はうまくやっているんじゃないですか。観光と自然保護と。

○多家副委員長
 だから山梨県はその二つが挙がっちゃうので、もう両方で両別れして賛成、反対になっちゃっているんですね。

○花井委員
 さすがに議員連盟の会長さんなんで、うまくまとめてくれたけども、ただちょっとね、多家副委員長が言われている中でも、ちょっと違ってきているんじゃないかなと思っているのが、さっきも言ったけども、いわゆる5合目以下のことを言い出すと、もうめちゃくちゃになっちゃうよということはそのとおりなんだけど、現実には、この間のイコモスの委員長が言っているのは、富士山の自然のすばらしさというか、全体のすばらしさ、このことをやっぱり評価基準の、たしか7番だと思うんだけど、これも適用できる最初のケースになるんじゃないか、というアドバイスをしていっているんだよね。それとあわせて、そういう話の脈絡の中から起きているんだろうけど、さっき11番委員も5番委員も言ってたけども、いわゆる演習場の問題というのは、やっぱり出てきているんですよ。そのことについても言っているんだよね。
 だからやっぱり、この問題というのは、富士山世界遺産ということになると、全く抜きには考えられないと。それはどう調整を図るのかというのが、これからのテーマではあるし、これは国の問題にもかかわってくるわけだけども、イコモスの委員が、こういうふうに言っているんですね。演習場については、推薦資産の価値と演習場との関連を分析することが重要だと。その内容によっては、何らかの保全区域としての位置づけを検討するべきであるというふうに提案をされた。だから、あの演習場について少し縮めろよというのか、どういう意味なのか、ちょっとこれだけではにわかにはわからないけども、ああいう形のものでよしとするというわけにはいかないなというニュアンスにとれるものだから、演習場の問題というのは、学術委員会の中でも結構話題になっていたようですけどね。要するに、反論じゃないけど、5合目以下は、もう横に置きましょうよ、じゃなくて、何かこの間の話だと、そういう自然の姿のすばらしさというものも評価基準の中に入れていくことが、世界遺産につながっていくんじゃないかというニュアンスの話が出てたもんだからね。ちょっとその辺はどういうものかなということを、反論でも何でもないけど、せっかく多家副委員長がおっしゃったけど、そんなことも今話題になっているよということだけ、発言をいたします。

○森委員長
 ほかの方いかがですか。

○遠藤委員
 私も富士山世界遺産の問題を議会で質問をさせてもらいましたし、それからユネスコ関係の静岡県側の討論会には出ました。そういう形の中で、富士山の普遍的な価値、芸術、文化関係等々の問題も出てきたんですが、私もこの富士山世界遺産、文化遺産じゃなくて世界遺産の出たときは、――話が出たのはたしか平成7年か8年ごろだったと思ったんですが、静岡新聞あたりが中心になってやられてきて、いろいろなことが出たんですが、そのときに署名するかしないかということの中で話が出たことなんですが、富士山の定義ってどうですかということで質問したんです。その方はたまたまわからなかったんですが、今、7番委員が言っているように、国立公園の問題の線もあると思うし、それでそれを強く出しますと、個人的な、先ほど1番委員が言われたような開発関係、物すごく進んでいるんですよ。それから、かつてはそういうことがやりたい放題という言い方すると、ちょっと語弊があるかもしれませんが、かなりやられてきた。そこへ来て、先ほど皆さんからお話ございましたとおり、まさに原副委員長からもお話がありましたが、ごみ捨て場になっているんですよね、今でもそうなんです。ドラム缶が千何百本も出てきて、たしか年何回か警察か何かのパトロール用のヘリコプターも飛ぶようですが、彼ら、ヘリコプターが飛んでいる間はそんなところに来ませんしね。
 いまだにそういうことをやられているということも考えてみると、やはりその辺の問題について、富士山の定義というものはしっかり打ち出していかないと、なかなか難しくなると思うし、私もマウンテンクックに行ってまいりましたが、入山規制、物すごく厳しいんですよね。それで、ガイドが必ずついて行かなければならない。飛行機で直接行ける部分あるんですが、それもかなり厳しく規制されているということで、ああいうものになってしまうと、富士山も弱ったなという感じもするんですが、やはり、世界遺産になってくると、そういうことも考えていかなければならない。まさに背中合わせの部分もあるということで、そうかといって、基地の問題とか演習場の問題とかいろいろな問題になってくると、これ大変な問題になってくるわけですが。
 私は9番委員が言っていたように、やっぱりビジターセンターをつくるということは、私自体もそう思っているんですが、空港でもいいし新幹線の富士駅の前でも、うちのところでもいいんですが、そういう形の中で、やはりそういう提言も、これは国にやらせるのか、県にやらせるのか、いろいろなことがあると思うんですが、まさに一番初めに私言いましたとおり、富士山の定義的な問題もかなり強く出されてきて、観光にも使いたい、しかしながら山も守りたいというのは、非常に矛盾した大変な問題です。これを解決するのが我々の仕事だと思うんですが、そういうことで、やはりビジターセンター等々については、ぜひお願いをいたしたいと、こんなふうに考えています。

○森委員長
 ありがとうございました。ほかの皆さん、いかがですか。
 それじゃあ、前段、冒頭、それぞれの皆さんから文化、観光、広報、その他、特に世界文化遺産登録などについて、もう一度当局側の説明を受けたいというような趣旨の御発言がございました。そこで、例えば、次の1月12日になろうか、これはこの後、諮るわけですけれども、当局の関係について、どういう皆さんに出席をお願いした方がいいのか、私はこういう面を聞いてみたいというような話に入っていきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 きょうも、ビジターセンターあるいは管理事務所、あるいは博物館、あるいは観光の面での関係、山梨県との関係でおくれをとっておると、あるいは環境省、文化庁へも訴えるべきであると、いろいろな御議論があったわけですけれども、せっかく最初、また当局にもという御発言でございましたものですから、いずれにしても、新春には1回開催する予定は御案内のとおりであるわけですから。こういう関係当局に出席を要請したいということがあれば、あらかじめお願いをしておきたいと思いますけども、いかがでしょうか。
 今まで最初出ていただいたような皆さんでよろしいのかどうか。

○遠藤委員
 それは、正副委員長にお任せしますので。

○森委員長
 それでよろしいですか。

○遠藤委員
 はい、よろしくお願いします。

○森委員長
 それじゃあ、ほかにきょうのところ、御発言ございますか。

○宮沢委員
 もう一つですね、富士山にかかわるさまざまな団体がいろいろな活動をしていると思うんですね。大きいもので富士山クラブっていうんですか、そういうところの活動、あれは広域的なNPOで、東京に本部があるというようなことのようですけどね。やっぱり、そういう団体との連携とか支援というのを、どういうふうにしているかというようなことが、ちょっとわかったら聞きたいなというような気もしているんで。

○森委員長
 所管はどこ。

○宮沢委員
 県民部ですかね。

○森委員長
 東京方面でやっているんですか。

○宮沢委員
 富士山クラブの場合には、東京がNPOの本部になっているということだけど、いろいろあると思うんですね、そういうNPO団体というのは。そういうところのデータがあるのか、県とのかかわりを持ってやっている部分があるのか、どうなのか。これからやっぱり県民にいろいろなことを訴えていくという中では、やっぱり行政がすべてやるということじゃなくて、やっぱり市民活動としてそういうものを取り込んでいくということが大事な視点になってくると思うんで、現時点でのそういうかかわりというのがわかったら知りたいなと思っていますけれども。

○森委員長
 少し当局の方にも聞いてみたいと思います。

○須藤委員
 構成資産の保存管理計画についてなんですけども、これは担当の自治体がそれなりに考えてやっていることだと思うんですけども、これについて、県もどういう絡みでやっているのか、それをちょっとお伺いしたいんですけどね。
 というのは、例えばの話、これ富士宮市の白糸の滝整備基本計画、富士山の世界文化遺産登録に向けて、いろいろと保存の、要するに保存管理計画と関連してくるわけですよ。なぜかといいますと、滝つぼに2軒売店がありますが、これをどうするかという問題とか、橋があるんですけども、余り下へ行っちゃいけないもので、今度は南側へ別の橋をつくるということについて、一つ一つのことを今度、環境省がだめとか、文化庁がだめとか、いろいろなことが絡んでくると構成資産の中で、外せなんていう話になっちゃうかもしれないし、あるいは現状では通らないかもしれないというような、そういう個々の問題が出てくるんですよ。
 そういう問題について、県としてどのように対応しているかということについて、私たちは構成資産についてのことを市町に任せたものについては、何も聞いていないものですから、具体的に細かい話になっていくと、「何だ、こんなところでだめだったら、最初からだめな話じゃないか」というような話になっちゃうんじゃないかと私は心配しているんです。できれば、こういう構成資産について、県がどのようなかかわりを持っているのか、またこれがどういうふうに今進められているのかということについても、もしできれば、この次の委員会にでも担当者にお話をしていただければありがたいなと、こんなふうに思っています。

○森委員長
 要するに構成資産について、今、どういう取り組みをしているかと。

○遠藤委員
 この間、質問したときに、静岡県に25の構成資産あるわけですね。そういう中で、文化庁との関係もあるので、文化庁といわば市町の関係、それに県が指導として、入ってやっていくという話はしていましたが、個々の問題になると、この間、白糸も初めて聞いたんだけれども、例えばさっき三保の松原の問題だったって、ああいう形でやられてきているということで、非常に構成資産の問題に対しても、例えば久能山の問題とか、いろいろ白糸の滝の問題ももちろんそうなんですが、やっぱりそういうことに対しては、市町村を通しながら、文化庁との関係でコンセンサスをとっていくという答弁があったんですよね、私が質問したときには。そういうこともあるから、ある程度の形は進んでいると思うんですが。

○森委員長
 恐らくは県民部あたりの所管室でやっているんじゃないかと思いますけれども、いずれにしても、次回に来ていただいて、そして御説明をいただくという方向に努めていきたいと思います。

○花井委員
 それで、せっかく、そういうのが既にできているものがあるようだったら、それはやっぱり資料として出していってもらった方が議論しやすいと思うんですね。

○森委員長
 いかがですか、よろしいですか。
(「なし」と言う者あり)

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