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委員会会議録

質問文書

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平成23年7月観光資源活用促進特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:森 竹治郎 議員
質疑・質問日:07/25/2011
会派名:自民改革会議


○森委員
 それでは、ただいまの3番委員の話、若干関連をしながら伊豆の観光について申し上げ、またお尋ねをしたいと思います。
 今日まで過去15年ないし20年間ずっと観光は低迷続き。例えば、12年前に熱海市の宿泊客は400万人あった。10年後は300万人を切って290万人。一方、神奈川県の箱根は、12年前も350万人、今日も350万人、健闘しているのですね。12年前の我が下田の宿泊客は年間大体130万人、今これが90万人を切っています。お隣の山梨県の河口湖温泉郷は、12年前は下田と同じ大体130万人、今これが170万人から180万人で大健闘している。こういう状況の中で、先ほど3番委員の質問に対して、出野部長が、自分の考えを交えて今後の伊豆の観光政策について述べられました。納得する点もあるし、ちょっと的外れじゃないかという受けとめもしましたけれども、どういう点がこの伊豆半島の観光のウイークポイントなのか、弱点なのか。これは、出野部長にしろ、池谷局長にしろ、加藤局長も観光の静岡県のオーソリティーだから、どなたでも結構ですけれども、伊豆半島の観光の弱点はどこにあるのか。対応策についても、先ほど3番委員の質問に対して答えておりますけど、それぞれあればお尋ねしたい。
 御承知のように、静岡県35の市や町がある中で、一人当たり県民所得のワーストテンは、もうずっと15年、20年変わってない。熱海、伊東、下田、伊豆市、それから賀茂地区の町、これはワーストナイン。ワーストテンは川根本町。ベストファイブはどこか、池谷さんの御殿場であり、裾野であり、小山であり、長泉。これはベストフォーで変わらない。ベストファイブに湖西。同じ静岡県東部だけれども、裾野の一人当たり県民所得は年間440万から450万、我が南伊豆は一人当たり200万を切っているんです。半分までいかない。これはやっぱり富士山の裾野で、御殿場、裾野は広大な土地に企業がたくさん来ている。自衛隊まで来ている。我が伊豆半島は観光しかない。企業誘致ができないんです。この15年、20年、ワーストナインはもう微動だにしない。これが伊豆の経済の実態なのですね。
 追い打ちをかけたのがこの震災、そして先般の台風6号。先ほど午前中に8番委員も触れられておったけれども、皆さん方なかなか企画力がある。「ゴーゴー!キャンペーン」についてもそう。そして、先ほど3番委員、若干お叱りを込めての発言だった。我々もその都度単発的にお願いすることが多過ぎた。それは私どもも反省しなければいけないかもしれませんけど、そういう中で、5月の臨時会でもいろんな政策を取って、今実行してくれている。資料の2ページにも半額キャンペーンもあるわけですね、それから、先ほどの「ゴーゴー!キャンペーン」と、企画はすばらしいですけど、なかなかこれが観光の現場のほうまで浸透してない。ぜひこれからの政策については、観光現場のほうにもよく浸透させていただきたい。なかなかすばらしい商品であること、観光商品たることは間違いないと思う。しかしながら、現場のほうまでもう一歩伝わってないんじゃないのかと。こういうケースがたくさん出ているということも、皆さん方にはいろいろ情報提供を私はしているつもりです。ぜひそういう現場に対しても、もう一度こういう半額キャンペーンなどについては触れていただきたいと、このように思っております。
 それから、同じように、3月11日以降、私どもも、たまたま伊東市とも下田市はいろんな共通事項がありますので、4月13日、4月18日、小野副委員長と一緒に加藤局長や植田課長、それから商工金融課長――渡辺課長あたりにも共通してお願いして今日になっている。5月20日の臨時会の産業委員会、その席で私は皆さん方が伊豆へと家庭サービスをしてくれた人はどれぐらいいるのか、ちょっと手を挙げてみてくれと。吉林部長は下田へ行ってくれました。そのときに、私は3割ぐらい行ってくれればうれしいなと思ってたが、8割強の人が「先生行ってきました」と、うれしかったです。感謝をしました。参考までにきょう来ている皆さんの中で、震災以降、伊豆半島、熱海でもどこでもいいんだけど行ってくれた人、ちょっと手を挙げてください。うわーすごい(拍手)大感謝です。
 それと、そのときに加藤局長にも植田課長にもお願いしたのですが、静岡から西の市長さん、町長さん、商工会、商工会議所、ぜひ伊豆へ泊まろうのキャラバンに行ってくれと。私の地元の総合庁舎の皆さんも、わざわざ家族を呼んで賀茂地域の旅館にかなり泊まってくれている。その実態も聞いています。調べてあります。この静岡から西の市役所の皆さん、町役場の皆さんの情報があれば、どんな状況かも聞きたいと思います。
 それから、これは出野部長以下皆さんにお願いをしたいのは、またお尋ねをしたいのは、今申し上げましたように、伊豆半島の観光の大変な危機に、私と副委員長が商工金融課長にお願いしたのは、5月20日の臨時会で中小企業災害対策支援制度資金の利子補給を議決してもらう。「利子補給をやるから、商工金融課長、あなたは伊豆半島の市長さん、町長さんを訪ねてくれ。市長さん、町長さんにも、市や町でも利子補給をおつき合いいただいて、あなたの町の旅館・ホテルを助けてくれとお願いに行ってきてくれ」と、全部お願いに行って来てもらった。どこの市や町の市長さん、町長さんも快く、若干早いところ遅いところありましたけれども対応してくれた。ですから、この中小企業の災害支援の融資制度は金利が無利子で2年ないし3年間は使えるようになった。先般の産業委員会の報告を受けますと、県全体ではありますが、ほとんどが伊豆のほうで災害資金の融資の申し込みは決まったと。件数が1,900件、資金が170億円を超えて、恐らく7月はこれが300億円を超えるものと思います。大体1件平均が900万円から1000万円。これは旅館・ホテルの皆さんの運転資金にまさに「干天の慈雨」、こういう状況が出ている。
 私の心配は今、3番委員が言ったように、夏になっても今年は梅雨明けが早かったというものの、台風が接近したりして非常に閑散としています。先週、私は、金曜日、土曜日、日曜日に西伊豆から松崎、南伊豆、何回か回ってみた、下田もそう。海水浴のお客がほとんど来ていません、ゼロに近い。そうすると、この秋が心配です。この1000万円や2000万円の運転資金は、この夏までに事欠いてしまうに違いない。3番委員にお叱りを受けるかもしれないけれども、やっぱり秋の誘客ということを考えて実行してくれないと。今、旅館・ホテルの経営者は、もう何十年、百年続いた家業の旅館をやめたい――これ伊豆半島全体です――やめたいというような経営者の皆様が大勢いらっしゃる。
 今、知事は世界一美しい伊豆半島と言ってくれているけれども、それは、かつて20年前まで。熱海から伊東、東伊豆、河津、下田、南伊豆、この国道の沿線は雑草が生い茂り倒産したホテルが並んでいる。これは出野部長もちょいちょいこの伊豆へ足を運んでくれているから、熱海からずっと見ていると思う。世界一美しい伊豆半島は過去のもの、これを取り戻さなければならない。そのために、村松課長がいるけれども、私は建設委員会で伊豆半島の道路の景観形成をお願いした。何カ所かで始めてくれているけれども、いろんなことを複合して世界一美しい伊豆半島を取り戻さなければならない。このことを考えると、観光支援整備事業等、藤原課長にもいろいろまたお願いするけれども、伊豆半島中の市や町から出てくると思うが、そういうものにより積極的に取り組んでいただきたい。
 それでは、具体的に伊豆半島の観光のウイークポイントはどういうところにあるのか、1つや2つじゃないと思います。それに対してもう一度、どういうような対応策を取ったらいいのか。それから、これから秋、年末にかけての考え方。それから、もう1つ考えていただきたいのは、今までいろんな部、局は、当然と言えば当然ですけれども、前年対比の予算を組んでいる。こういう伊豆半島が今まさにタイタニック号――沈没寸前のようなときには、観光振興の予算というのはやっぱり倍増するとか、思い切った観光振興策をとらないと、伊豆半島がますます沈没してしまう。
 この5月、6月、旅館・ホテルの従業員の皆さんが自宅待機、あるいは職場を解雇になる、こういうケースがたくさん出ている。この人たちはどこへ行くか。やはり東京方面、横浜方面、都会へ流れていく。人口がますます減ってしまう。経済基盤がますます弱くなってしまう。こういう現象が今出ているんです。この夏が1つの区切りになれば、秋も耐えられるかもしれませんけれども、非常に大変なピンチであるということは、もう皆さん方、伊豆へちょいちょい足を運んでいただいていますから、よくわかっていると思う。今後の対策についても、皆さん方のお考えをとりあえずお尋ねしたいと思います。

○出野文化・観光部長
 伊豆の弱点は何かということでございます。本当に幾つか問題点というのはあると思います。逆に非常に強い点もございます。
 1つには、きょうは道路企画課長もおりますけれども、伊豆半島のアクセスの問題というのは非常に重要な問題だと考えております。先ほど交通基盤部からの報告にもございましたけれども、東駿河湾環状道路が今どんどん南下して、伊豆中央道につながる状況になりつつあります。やはり国道135号、136号という決まった道しか通れない中で、一般的にハイシーズンでは、もう伊豆は渋滞するから嫌だというような状況もございます。それに加えて今回の震災では、生命線である伊豆急行で、計画停電の影響で「踊り子」が100%動かないというような状況もございました。こういったアクセスの問題、要するに足ですね、首都圏あるいは海外も含めて全国からお客様を呼ぶにふさわしい社会資本が整備されているかというのが、鋭意今努力しているところでございますけれども、その問題が1つあるのかなと。
 それと、もう1つは、先ほど申し上げましたけれども、伊豆地域の宿泊施設の形態が、いわゆるバブルの前の状態の大量に集めてきて、そこで一歩も外へ出さないという非常に大規模な施設が多い。そうすると、稼働率という話になりますと、500人収容300室あるとすると、30室だったら稼働率90%、95%いきますけれども、300室あるとするとなかなか稼働率がそこまでいかない。これは2番委員が一番御存じですけれども、旅館・ホテルというのは施設型・装置型と言われていまして、設備があって人がいないと商売にならない。震災直後は、今2番委員のお話にもございましたけれども、解雇であるとか自宅待機、あるいは雇用調整交付金を使った事実上の自宅待機みたいなもので人が動かない。そうするとどんどん経済は沈滞していく、要するに負のスパイラルに入っていく状態にあったわけです。ここを何とかしなければいけないということで、4月の当初の「ゴーゴー!キャンペーン」、あるいは風評被害を払拭するためにいろんな対策を、とりあえずの対策としては打ってまいりました。
 従来ほどではございませんけれども、やはり伊豆地域に来るお客さんの3分の1強はいまだに首都圏です。それが10年前は半分が首都圏でした。首都圏の割合が減ってきているというのは、ほかのところがふえていることもありますけど、全体のパイが減っていることは間違いございません。県内の宿泊客のピークが平成3年で2700万人あったわけです。これが平成21年度で1700万人という、1000万人落ち込んでいる。伊豆はどうかというと、実は落ち込んだ分の900万人が伊豆地域なのですね。そうすると、いかにバブル崩壊後の状況からなかなか回復できていない、落ち込んできているかということでございます。
 ただ、昨年、一昨年は、台風の被害であるとか、地震であるとか、リーマンショックであるとか、種々の問題がございましたけれども、平成20年までは落ち込みが何とかとまった状態が4、5年続きました。これは伊豆ブランド創生とかいろんな形で事業展開しながらやってきて、その効果が出てきたなということで、私が観光局長になった年には何とかとまったねと。そういう落ち込みがとまって、現状維持から、これから右へ上がるかなというふうに思っていたら、リーマンショック以降のいろんな経済変動、それから自然災害も含めて、非常に厳しい状況になってきた。ここ2年落ち込みまして、ついに1700万人。そのうちの伊豆が今1200万人ぐらいだと思います。ピーク時に比べると本当は800万人、900万人の落ち込みになっていると思います。やはり弱点として旧来型の施設、それからアクセスの悪さ、それと、もう1つは、お客さんに対する考え方と言いますか、黙っていてもお客さんは来るという、ずっと長い歴史がございまして、なかなか積極的に打って出なかったということがございます。
 先ほどの御質問にもございましたけれども、東京の商談会を何で今ごろになってやるんだ、何でもっと早くやらなかったのかというお話もございましたけれども、実は、東京の商談会をあれだけ大規模にやったのは本当に初めてなんです。ちょこちょこビラまきとかいうのはやっていたのですけれども、それはもう細々としてやっていた。一度、2番委員が産業委員会にいたときに――あのときは地震のあとかな――12月の地震のあとの緊急対策で、首都圏で森理世さんなんかを使ってキャンペーンやったことがあったのですけど、商談会まではやらなかったんです。
 今回は商談会まで含めてやって、何が違ったかというと、先ほど私の冒頭の説明にございましたけれども、大きな手ごたえがあったという中身は、首都圏のエージェントさんに、こんないい風景とか、こんないい露天ぶろだけではなくて、ニューツーリズムとかそういうものを入れながら話をしたわけです。そうすると首都圏のエージェントが、「あっ何、伊豆ってそこまでやるの」「静岡ってそこまでできるんだ」というのを再認識してもらったというのが、非常に大きな手ごたえだと感じております。どうしても静岡に送り込む商品というのが、バスツアーでぐるぐると回って帰るという、どうもエージェントさんもそういう感じ方をしていたらしいのですが、「かなり個人客も呼べるね」「送り込めるね」というようなことを言っておられました。個人客は数は少ないのですけれども、まさに何人かの先生方にもおっしゃっていただきましたが、口コミ効果が非常に大きいということもございまして、これからは、やはり先ほど申し上げた、対象を分けて時期を分けて、それで商品の中身を変えながら多様な商品提示をしていくということが、伊豆を含めた静岡県の観光が生きていく道なのかなというふうに考えているわけでございます。
 これから何をやっていくかというお話もございますけれども、やはり首都圏あるいは中京圏、今、首都圏が35%ぐらい、中京圏が15%ぐらいの割合で、約半分が中京圏と首都圏になっていますので、ここからお客をとにかく引っぱってくる。今年のゴールデンウイークの傾向を見てみますと、幸か不幸か安・金・短というようなことで、先ほどのお話にもございましたけれども、かなりインターネットを使った直前予約でぼおんとふえてきて、一部の地域では昨年を上回った――100%を超える誘客があったという地域もございます。やはりインターネット等も有効に使いながらですね、首都圏あるいは中京圏、あるいは県内からのお客さんを特に取り込む、呼び込んでくるということを第一義的にやっています。そのための方策もいろいろ考えていきたい。
 2つ目としては、海外のお客さんも、ここ1カ月強ぐらいで大分戻ってまいりました。特に震災直後は最悪の状態でした韓国のお客さん、実は震災直後はほとんど韓国からのお客さんがゼロという時期が1カ月ぐらい続きましたけれども、最近はこれが戻ってまいっておりまして、現在、アシアナ航空のデイリーで飛んでいる飛行機の利用者が、70%ぐらいの搭乗率になってきた。台湾の戻りは非常に早かったですけれども、これから中国も戻ってくるだろうということで、1つ目は、近隣の首都圏、中京圏からの誘客、2つ目は、やはり海外からの誘客をまず戻そう、そしてプラスアルファーをやっていこうということで、空港利用も含めて進めていきたいというふうに考えております。

○加藤観光局長
 部長の言ったあとで言いにくいわけですけれども、私も伊豆に14、5年かかわりを持っていまして、伊豆信奉者の一人でございます。
 前からずっとイベント等をやりながら感じていたことは、やはり先ほどから言いますように、いわゆる観光客の志向の違いというのは、非常に大きいことでございます。私自身今思っているのは、よく観光は国を見る、光を見るということを言いますけど、今の方々はどうも見るだけでは納得しない。やっぱり自分の中に、先ほどどなたか委員の方からお話がありましたとおり、生涯学習ということを念頭に置いて、うんちくというか、そういうものを非常に欲しがる。そうしますと、今までの旅館に泊まってという部分ではなく、体験を通して培ったもの、勉強したもの、それをやっているうちに夜になってしまったから泊まろうという、泊まることが二次的なものになってきたというふうに感じております。昔の、いいホテルに泊まるから今から一泊するんだよという考え方が変わってきた。そうなってきますと、やはり伊豆の持っている本来の観光地のあり方というのを、やっぱりもう一度見直すことが必要かなと。特に、首都圏のいやしの場であった伊豆、高級感のある伊豆という部分が少しずつネックになってきているのではないか。
 先ほど2番委員がおっしゃいましたように、河口湖という話をしますと、これは全く別格でありまして、昔いわゆる大学の合宿という部分があったので、今のニーズに少しずつ合ってきた。合宿をしながら大量に安い金額で泊めるという、そういうものができている。伊豆はそれに比べるとどうかと言いますと、そういう部分ではなく、高級感のある個人的なという首都圏の方々の思っている希望というのが顕著にあらわれてきている。そうなってきますと、これから伊豆がどうしていくか。値段を下げるということを言っているわけではなくて、そういう高級感のあるものは必要ですけれども、それ以外にやはり低廉なものをつくっていく必要もある。あるいは、それにプラスして、ニューツーリズムというか何かを体験しそして泊まる。例えば、農業体験をして、そして家に帰らないでもう一日農業をやるからここへ泊まると、そういうふうな形で目的を少しずつ変えていく。そのために旅館、あるいは観光業が何をするかということが重要になってくるというふうに考えていますし、それに沿った施策をこれからも考えていかなければならない。
 先ほど、部長からもお話がありましたように、大商談会を本当に初めてやりました。そのときに、いわゆるエージェントは、「伊豆はもう知っている。だからそういう新しいもの、あるいは伊豆がやる気になっていることを見せてくれれば、我々はつくりますよ」と言ってくれています。そういう意味では、名前のあるところをあえてもう一回魅力を発信するのではなく、違った意味での売り方をこれからやっていく必要があるというふうに強く感じた次第でございまして、今後そのような形で予算要求等もしていきたいというふうに思っています。

○池谷交流局長
 直接は今、観光をやっておりませんけれども、昨年まで観光政策課長を2年やっておりまして、戦術だけで戦略がないという張本人だったのですが、あとは静岡空港を担当しておりますので、その辺も含めて伊豆のウイークポイントと、それから今年の夏についてお話させていただきます。
 まず、私も2年間伊豆に入り込みまして、やっぱり思ったのは、非常に魅力のある地域だと思います。ただ、それを生かし切れてないという感じが非常にするんです。そうした中で、今、部長あるいは観光局長からもお話がありましたけど、1つ欠けているところが、今のお話の中でちょっとお話されてなかったことでして、先ほど2番委員のほうからですね、河口湖のお話とか、あるいは箱根が出ましたけれども、そこと伊豆が何が違うのかというと、インバウンド――外国人観光客の受け入れに対する姿勢が全く違うという感じがします。というのは、河口湖は、今は逆風で多分閑古鳥が鳴いているかもしれませんが、ちょっと前までは安いツアーでも中国のお客さんとか台湾とか非常にたくさん受けていた。それに対して伊豆の方々にその話をしても、「いや、うちは中国の人が来るとイメージが下がるから」という話で、そこはある意味では保守的と言っていいんでしょうか、というのがあると思います。
 それから、もう1つは、これは部長のほうからもお話がございましたけれども、観光地としての魅力という形がつくり切れていない。個々の旅館はすばらしいけれども、例えば、3番委員のいらっしゃる修善寺というのは、比較的修善寺という名前で売っていますけれども、それ以外の地域で面として魅力のある、景観もあって憩える場がつくれていたかというと、それがつくれていなかった。例えば、湯布院とか黒川温泉のような地域が大分前から脚光を浴びていますけど、そういう情報がありながら伊豆が動いていなかったというのは、今では非常にそれが大きなウイークポイントの1つではないかなと思っております。
 ただ、そうは言いながらも、昨年もいろいろお話を伺っていく中で、やる気がある若い方が非常にたくさんいらっしゃいます。いわゆる旅館の、こういう言い方をしたら失礼かもしれませんけれども、昔いい思いをした方々ではない二世の方、あるいは伊豆の観光とは直接関係してないけど伊豆を何とかしようという、そういう人材は恐らく日本でも有数だと思います。そういう方々とそれから既存の方々とを融合させながら、伊豆の魅力をもう一度売っていくということによって、まだまだ伊豆は十分光っていけるんじゃないかなと思います。
 それから、今年の夏に関しては、私も非常にこれは危惧しておりまして、昨年の宿泊統計を見ましても、静岡県は北海道と長野県とに続いてですね、7月、8月、9月の宿泊は非常に強いです。去年も4月から6月までは余りよくなかったのですけど、7月から9月で一気に盛り返して、そのときには全国3位という状況でした。ただ、今年の状況を見ますと、計画停電は終わったとしても節電があり、やはり東京の方も、あるいは首都圏の方も涼しいところに行くとすると、まず行くというのは北海道と長野になってしまうのではないかなと。実は、伊豆も私は行きましたけれども、週末は長野に行っておりました。そこには、団体のバスツアー、あるいは林間学校、ペンションに泊まった人も今年の予約は物すごくたくさん入っていると。まさに静岡県と長野県との状況もすごく差があるので、恐らく今年は仮に好天であっても非常に厳しい状況であると思います。そういう意味では、各施設の、特に宿泊施設の方々の経営状況が非常に厳しいということも十分認識しておりますが、そうした中で、私の仕事としては少しずつ回復してきた韓国のインバウンド、あるいは中国、そうしたものを伊豆にもぜひ取り込んでいただいて、少しでも固定費をカバーできるような形でやっていただきたいと思いますが、やはりなかなかそれだけでは厳しいという状況は痛感しています。

○森委員
 それぞれの皆さんから考えを今伺ったわけです。
 一方では、前段私が申し上げたように、伊豆半島の産業というのはもう観光しかない。そして、1つの具体的な資料としては、今申し上げたような一人当たり県民所得が伊豆半島は非常に低く、もうこれも変わらない。それで、今後は商工金融課あたりの融資の実態も判断資料にしていただきたい。中小企業の災害支援融資制度は、今かなり申し込みがある、私先ほど申し上げたように。金融の担当のほうとも情報交換をしながら、的確な対応策を取っていただきたいと、このように思います。
 それから、次は、この委員会というのは観光資源の活用ということでありますから、お尋ねをしたいのは、県内にも幾つかの美術館があります。例えば、熱海のMOA、下田の大正美術館、県立美術館というような美術館、伊東にも池田20世紀美術館、私の知らない美術館もあると思います、長泉だったかなスルガ銀行系の。そういう美術館も、もう一度この観光資源として活用すべきではないのかな。例えば、県立美術館のロダン館などは外国の皆さんにも来てもらってもいいんじゃないのか。私どもは台北へ行きますと、何回故宮博物館へ行っても飽きない。恐らくこれは、東アジアのそれぞれの外国の方が台北へ行くと、故宮博物館に行く。私自身も何回行っても飽きない。故宮博物館とは比較にならないけれども、やっぱりロダン館だとか、それぞれMOA、下田の大正美術館、県内にもそういうものがあろうかと。利用していれば、今どういうように利用しているのか。今後活用すべきお考えがあればお尋ねしたいと思います。

 それから、国際線のチャーター便の資料が出ている。チャーター便では、私ども今まで中華航空などにも何回かお願いに行っています。今この放射能災害が起きていますけれどもね、チャーター便で近いうちに定期便にしようというような――こちらからお願いして中華航空なんかはそうかもしれませんけど――チャーター便でこれから定期便になる可能性、そういうのがどんな状況なのか、情報をお尋ねしたいと思います。

○加藤観光局長
 美術館の観光振興でございます。
 美術館については、私どもも観光の商品の1つとして、大きな期待を寄せているわけでございます。先ほど言いました台湾の故宮博物館もそうですが、あそこまではいかないとしても、静岡県には数多くあるわけです。例を言いますと、既にもうMOA美術館等は台湾からのお客さんの受け入れをしております。これは、向こうに商談会に行ってということもございます。商談会に行ってMOA美術館の方が直接商談会で旅行社と話をして実現したわけですけれども、こういうことは我々も今やっております。ロダン館につきましても、あれだけのものはなかなか全国にもありません。そういう意味では、今後美術館と――この前も中国の関係を話したのですけれども――やっていきたいというふうに思っております。いずれにしても美術館は1つの商品として、旅行のコースの中に入れていきたいと思っていますし、既に入っておりますので、今後ももう少し力を入れていきたいと思います。

○池谷交流局長
 定期便の可能性のことについてお答えいたします。
 これまで空港も、まさに観光と同じ形で、守りばかりだったのですけど、非常に今厳しい状況ですけど、やはり攻めていかないといけない。そうした中で、一番重要なのが新しい定期路線を獲得する、あるいは既存の定期便の充実を図っていくということが大事だと思っております。今、2番委員のほうからもお話がございましたけれども、チャーターというお話もございました。昨年度までのチャーターの実績を考えますと、やはり台湾というのは静岡空港としても非常に定期路線としては有望な路線というか、可能性が高い路線ではないかというふうに考えております。
 静岡県に宿泊する宿泊客の一番が中国、それから韓国、そして台湾というふうな順番でございますので、そういう意味でもインの需要も見込める。あるいは静岡県からも台湾のほうに行かれる方、あるいは台湾を経由してビヨンドでいろんなところ――東南アジアにも行けるという意味でも、非常に立地としてもいいということで、中華航空のほうからも、静岡県を幾つかのいろんな複数の地域と伍してですね、新しい定期便の可能性になる地域だというようなことも内々には聞いております。そうしたことから、今年度、そこを重点的に攻めていきたいというふうには考えております。また、それ以外にも、やはり中国が非常に経済成長しております。今、上海便が週4便でございますけれども、それを週7便化すると。あわせて、それ以外の中国の地域も可能性を視野に入れて、これから頑張っていきたいというふうに考えております。

○小野(登)委員長
 ここで休憩を5分程度でいいですか。3時5分に集まりましょう、よろしくお願いします。

(休 憩)

○小野(登)委員長
 休憩前に引き続いて、委員会を再開いたします。
 質問等を継続します。では発言願います。

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