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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成20年11月臨時会企画空港委員会 質疑・質問
質疑・質問者:岡本 護 議員
質疑・質問日:11/06/2008
会派名:平成21


○岡本(護)委員
 それでは、まず自分なりに経過とそれから飛行する安全性と今後という、大きく3つにわけて質問をしたいと思います。
 最初に、経過の中の基本的な認識ですが、前回のこの委員会で私のほうから、先ほど2番委員が指摘されましたけれども、9月の本会議のスタートつまり知事提案のときに、これらの支障物件は明らかになっていたわけですが、何ら触れることもなかった。その意味では、委員会で指摘したことは県から何も発信をしていない、余りにも事柄を甘く見てはいないかという厳しい指摘をさせてもらいました。この流れは変わってません。そういうことからすると、今回初めて発信をしたのが先月の29日の全員協議会です。これは全員協議会で受けるような内容ではないということを私どもはいち早く申し上げました。我々議会が全員協議会でそれを受けようということについても、これは議会にとっても少し軽く受けたかなという気はしないでもありませんが、全員協議会で報告をして済ませようとすること自体が、まだその時点では私は甘いというふうに認識をいたしております。そんな経過があって、我々は少なくとも開港日が変わり、さらに滑走路の長さが変わり、言ってみればそういうことがあって、基本の部分が変えられることについて、まさに重大な課題であるから、これは本会議にすべしという主張をして今日に至ったということを、まず皆さんに申し上げておきたいと思います。
その意味からすれば、きょうは本会議でいろいろと議論をしましたけども、本来ならここに知事も出てきて答弁に立ってほしい、そのくらいの気持ちでおりますが、今までの経過からするとそうばかりもいきませんので、部長には、知事にかわって責任ある答弁をまずお願いしたいと思います。できるだけ重複は避けたいと思いますが、もし重複があったらぜひお許しをいただきたいと思います。
 最初ですが、整理する意味でしっかりと確認したいのは、支障物件。結果的にはA・B・Cと3つ出てきました。この支障物件のA・B・Cそれぞれに対して、県はいつこの支障物件というものを認識されたのか、A・B・Cそれぞれ、まず月日を教えていただきたい。そしてその認識に対して、いつ、どういう格好で公表したのか、3つ整理したいと思いますので、ここはまず出していただきたいと思います。

 それから、今申し上げましたように、29日の全員協議会で経過についてはそれなりに明らかにされましたけども、しかし今申し上げましたように、29日が来るまでは、我々も一切具体的な中身は知らされていなかったということですね。しかし新聞では、ずっと見ましたけれども、随分事細かに出ているわけですね。そして29日の全員協議会で知事が説明したことは新聞記事に皆出ている、何の狂いもないわけですね。なぜこうなるんですか。これをまず皆さんにお聞きしたい。
今、県民は何を信じているか、新聞・テレビ・マスコミの皆さんの報道することを信じてるんです。皆さん方の言っていることは信じてませんよ。その信じてる新聞報道、テレビの報道によれば、地権者がテレビに出て、県民の皆さんの前で「我々に申し入れがあるんなら交渉する、協議する」と言ってるわけでしょう。県民は丸々それを信じてますよ。我々も今何を頼りにするかといったら、少なくとも29日までは、この新聞・テレビを信頼するしかなかったわけです。そういうことがなぜ起こるのか、言うことがあるのならどんどん言えばいいじゃないですか。これはさんざん今まで言ってきました。このことをまず改めてお聞かせをいただきたいと思います。

 それから、過去2回開港延期がありました。これはもう承知のとおりですが、今回3回目の事情で延期をするということですが、過去の2回の延期と今回の延期の違いをしっかりと御説明いただきたいと思います。

 それから、先ほどもちょっと出ましたけども、地すべり防止対策で、この物件Aについては何とか処理をしたいというふうに思っていたのでしょうが、同意書まで交わしたけども結果的にはそれが拒否をされた、いわゆる覆されたということですが、とするならばこれからの課題として――少し外れるかもしれませんが――この地域の地すべりの対策はどうされるのか。
もしそれが思うようにいかなくて災害でも起きたときには、じゃあだれが責任をとるのか、ここについていま一度お聞かせをいただきたいと思います。

 それから、測量についてもお話がありました。測量のミスということですが、本当にミスがあるのなら、じゃあ測量会社に県は何かアプローチをするのか、損害賠償を請求するのか。
新聞によれば測量会社はミスはないと言っているわけですね。これについて、その辺の整合性も含めて、どういうふうにその測量会社に要求なりなんなりをするのかお聞かせをいただきたいと思います。

 こういうもろもろのこと、これからも言っていきますが、もろもろのことを考えると、物すごく大きなこのダメージというのでしょうか、この空港だけでなくて県全体の信頼を欠いてると思うんですね。したがって、最後に言ってもらえば一番いいかもしれませんが、どのようにその影響度を考えているのかお聞かせをいただきたいと思います。
 こんな新聞記事がありましたので少し紹介をいたしますと、これは11月1日付の新聞で、清水区の小学校の記事でしたね。学校に1通のファクスが届いて、県からの延期のおわびの連絡だと、こういうことですが、この学校は5月の修学旅行で富士山静岡空港を使う予定だったと、北海道まで行き、せっかくだから帰りに北海道から富士山静岡空港におりてくるように計画をしていたが、残念ながら開港がいつになるかわからないでは困るということから往復ともに羽田にしましたと、こういうことが書いてありますね。これはもう気の毒なことだと思います。結局この学校は両方とも羽田を使うわけですが、しかし富士山静岡空港を使うということを子供たちに伝えていなかったのがせめてもの救いですと、これも皮肉めいたことですね。それは確かに救いかもしれません。しかし富士山静岡空港を使うということも知らされていなかった、これはどこかで学校だって心配していたかもしれませんね。こういうことが、子供たちにはがっかりしたことかもしれませんが、しかしそのくらいのレベルでしかものを見てないという、見方が悪いかもしれませんが、そんな見方もできるんじゃないかと思いますので、こと各方面への影響度、これは数字等で示されるものではないかもしれませんが、そんなことをまずお聞かせをいただいて、一段目の質問にしたいと思います。

○石田地域共生室長
 支障立ち木の認識の時期でございますが、Aのエリアにつきましては、9月に周囲の自主的な立ち木伐採が進んだ段階で認識しております。
 残りのBとCにつきましては、11月の中旬、建設部の行政代執行の請求に対しまして、地権者の方が立ち木を自主伐採した際、その境界のところの木を確認した際に、代執行の対象となる木を自主伐採いたしました。そのとき隣にやはりそれと似たような木が存在していたということの報告を受けて、その時期に認識しております。

 それから、測量のミスにつきましての賠償の問題でございますが、航空レーザー測量の成果品につきましては県のほうで受け取っておりまして、それで図化処理の業者にCDデータを貸した段階で報告をいただいた。先ほども申しましたが、これは本来県のほうが正しいデータを航空測量会社からもらうべきであると考えますので、賠償請求について当面今は考えておりません。以上でございます。

○勝山整備室長
 お尋ねのうち、これまで2回工事完成期日を変更している、その理由でございます。
 最初に、静岡空港の飛行場設置許可をいただいた平成8年のときは工事完成期日は15年の7月1日となっておりましたが、その後平成9年度に県の主要プロジェクトの見直しを行った際、このときに当時の用地の取得状況それから工事の進捗状況等を勘案して、平成18年度開港ということを公表させていただいておりますので、平成15年には平成18年11月1日へと工事完成期日を変更させていただいています。これが第1回目でございます。
 第2回目につきましては、平成16年11月に、今回問題となっております土地収用法の適用を決定して事業認定の申請をした際に、おおむね事業認定の申請から用地の権原が完全取得できて、その後の工事の期間等を勘案して、18年11月1日から20年の11月1日に変更したものでございます。これが過去2回の変更の日時とその理由でございます。

 それから、現在地すべり防止対策を実施しているところで、今後はどのようにその地すべり防止対策を進めるかという予定のことでございます。
当初地元の方々、地権者も含めた地元の方々にお示しした県からの提案でありますと、地すべり防止対策は、今問題となっております立ち木等が存在する部分について、まだ工事が未着手という形になっておりますので、県が提示しました計画はまだ未完成というような形になっております。
今後も地元の民生の安定のためには、地すべり防止対策工事は段階的に進めていかなくてはならないと考えておりますので、今もしそこの場所が残った場合でもある程度の安定が保てるような工事を引き続き今年度も、次年度以降は今のところ不確定でございますが、粛々と進めていく予定と考えております。以上でございます。

○岩ア空港部長
 まず今般の支障物件の存在、それから今回の対応策の内容、そういうものが県からの発信がなくメディアに先行して報道をされて、またそこら辺についてどのような認識を持っているのかという御質問かと思います。
今回の対応策の内容等につきましては、委員御指摘のとおり空港が県の重要な社会インフラになり、かつ大多数の県民、できるだけ多くの県民の皆様方に活用してもらいたいと、そういう空港だからこそ、まさしく私ども空港部としてしっかりと説明責任を果たして、皆様の御理解、御支援をいただくことが重要であったというふうに思っております。いろいろな事情があったにしても、これだけ重要な事項につきまして県からの発信がなされなかったことにつきましては、まことに申しわけなく思っております。
 また、プレスにつきましては、私どもも状況について詳細を承知しているわけではもちろんございません。この対応策を検討するに当たりまして、いろいろ専門的なアドバイスをいただくとか、そういうことはいろいろ水面下でやっておったわけでございまして、いずれにしましても、どういう形でプレスに出たのか私どもも詳細は承知しておりませんけれども、私ども空港部としては、まず議会の皆様方にちゃんと説明をするというスタンスでやってまいりましたので、空港部のほうからいろいろな情報提供をプレスのほうにしたということではないことにつきまして、御理解をいただければというふうに思います。

 また、今回の事態につきまして、県全体の信頼を損ねるような事態ではないか、その影響についてどう考えるのかという点につきましては、まさしくこの空港、これまで21年3月開港を目指しまして、エアラインそれから航空に直接携わる方々がいろいろ準備をされてこられましたし、また21年3月の開港を前提に旅行商品の造成に取り組んでおられた旅行会社の皆様方や観光業界の皆様方、それから何よりも21年3月でチャーター便などを活用いたしまして富士山静岡空港から飛び立とうということでいろいろ具体的に考えておられました学校の関係者の皆様ですとか、一部企業の皆様、そしてまた県民の皆様で非常にこの空港に期待をされておられました方々、そういう方々の期待を裏切り、御心配をおかけしたことについて、まことに申しわけなく思っております。また、準備の過程でいろいろ日をかけて準備をされてこられた方々もおられるものと思っております。
今後、対応策を説明して、いろいろ個別具体的にお話をお伺いしながら、誠心誠意御説明を、対応をさせていただきたいとは思っておりますけれども、私自身こういう対応策に至って、かつこれが県全体の信頼問題も含めまして大きな影響を与えたということについて、まさしく御指摘のとおりだと思っております。その点を、そういう認識のもとで私どもも本日議員の皆様方に御説明をさせていただいているということにつきまして、御理解をいただければというふうに思います。

○岡本(護)委員
 最初の、支障物件のA・B・Cの時期ですが、もう一回ちょっと年度と月数を入れていただいて、その認識をしたのがイコール公表の時期というふうに考えていいかどうか、もう一回ちょっと念押しをしたいと思います。

 それから地すべりについては、これはやらなきゃいかんということだと思いますね。だからとにかく、またこれは早く計画を立ててやってほしいと思いますが、この物件が残っているところは残ったままでは多分進みませんね。だから連動するように思いますが、その辺をもう一度、どの程度までそれが単独でやっていける可能性があるのかどうかお聞かせいただきたいと思います。

 それから部長、議会に最優先と言っていますが、そんなふうにはとても感じられません。我々はマスメディアの皆さんから聞いたり、知った中身をもとに当局に質問したり、もしくは折衝したりしているわけですから、それはやっぱり少し認識が違うと思います。もちろんおわびすることはおわびをするでいいのですが、そういう認識でない。だからこのままもし続くのなら、我々は皆さんと折衝する、話を聞くよりも、きょうは一番後ろに見えるマスコミの皆さんと話したほうがよっぽど早いですよ。そうなっちゃうと困るので、それを直してほしいということを言っているわけですよね。そのくらい今、我々に伝わってくる情報はないんですよ。それでみんな困ってるし、我々議員が地元に帰れば、皆さんと同じ立場で、責任ある立場でもろもろ聞かれるわけです。それに何の答えもできないということですから、新聞・テレビのほうが先ですからね、ぜひここは強く申し入れをしておきたいと思います。
 それからいま一度、延期の1回目、2回目とは、やっぱり3回目の今回は質が違うと思いますね。その辺の認識をいま一度お聞かせいただきたいと思います。

○石田地域共生室長
 Aの区域の立ち木等につきましては、平成19年9月でございます。これは周りの立ち木――地権者の立ち木が自主伐採によりまして伐採された時点で認識をいたしました。それから、BとCのエリアにつきましては平成19年の11月。これは建設部が地権者に対して行政代執行の請求をして、これについて地権者が伐採をするということで、現地で立ち会いをした時点で、その特定した伐採する立ち木と、そこに隣接する立ち木の高さが近いということで、そこにもあるのではないかということで認識をいたしました。
いずれにいたしましても、正式な公表につきましては、さきの10月29日に地権者の現地に立ち入りをさせていただきまして、きちんと高さと本数をはからせていただいたというのが正式な公表になります。以上であります。

○勝山整備室長
 今後の地すべり対策工事につきましては、このまま推移した場合に、現在未着手になっている部分について、これまでその部分も切り土をする全体の計画をつくっておったわけですが、その全体の安定性について、例えばそこの土地が残った場合であっても全体の安定性が保てるような、そこを包含したエリアの中での安定性について再検討といいますか、修正の計画を立てて、地形改変に応じていただいている部分に工事を加えることによって、全体としての安定が保てるような計画を立てて進めさせていただくと。御当人も、今工事について拒否されている以外の場所についての工事については協力をいただいているものですから、そういうところについて工事をやることによって、全体の安定を図ることが可能ではないかと考えておりますので、それについて研究してまいりたいと思っております。

○岡本(護)委員
 それでは、2つ目の安全について少しお尋ねをしたいと思います。
安全性については本会議でもずっと質問がありましたように、ILSはとりあえず使わないということですね。これについては特に心配はないということですが、それぞれ周辺の気象状況は調べられていると思いますので、いま一度ここはどんな状況か詳しくお聞かせをいただきたいと思います。それで本当にこれがなくてもいいのかどうかということですね。

 それから進入表面の勾配50分の1を40分の1に変更するということですが、これは航空法の第2条8項に入ると思いますが、40分の1にするということですね。航空法は50分の1というふうにうたってあるわけですが、40分の1にすることが本当に何ら問題ないのかどうかという、どこを見てどうなるのか、ちょっとそこは教えていただきたいと思います。

 それから今言ったように、冒頭の天候に関係するんですが、この辺はやっぱりお茶の産地で防霜ファンをつけていますよね。つまり霧も霜もおりる地域だと思いますので、ちょっとダブりますが、いま一度その天候の状況について心配がありますのでお聞かせをいただきたいと思います。

 それから、ILSは使わないということですが、これはどのくらいその設置費用がかかるのかお聞かせをいただきたいと思います。
それで、ここは心配ないと言っていますが、資料によれば――これも新聞なんですが――全国で97の飛行場のうち、4ヶ所のみがこのILSを使っていないと、こういう言い方ですね。それでそのうち、例を挙げると、松山空港が平成13年に点検修理のためにILSを一時ストップしました。このときに1日80便運航しているうちの最大25便が欠航しているんですね。だから松山と静岡は違うよと言われるかもしれませんが、そういう意味では大変心配です。

 それから、単純な質問ですが、2,500メートルが2,200メートルになったときに、何らILSが使えないのかどうかということ。

さらに、この支障物件の除去請求は、これも航空法49条でできると思いますが、する考えと、いつするのかということも含めてお聞かせをいただきたいと思います。

○勝山整備室長
 ILSを使わない、いわゆる非精密進入方式の場合の気象条件でございますが、本会議の答弁の中でもちょっとお知らせいたしましたが、私どもが平成17年から18年にかけて1年間の現地における気象調査を実施しました。その結果に基づいて県が試算をした結果でございますが、1日のうち朝7時から21時までの正時に一回ずつ、風向風速ですとか見通しの距離、それから雲の高さ、こういうような諸条件を15回観測いたしまして、それらのデータを整理していわゆる着陸可能性調査ということで整理したものを本会議の中でも御答弁させていただいたわけでございます。
そのときに我々が整理した結果で申し上げますと、例えば追い風が10ノット程度でも飛行機は着陸できるという条件のもとで整理させていただいた中、また小型機と中型機に区分される機材の大きさによってそれぞれまた条件が違ってくるものですから、例えば小型機で申し上げると、精密進入の時は97.9%着陸可能であろうと想定しておりましたが、非精密になった場合には――ILSを使わなかった場合には97.8%とその差は0.1%程度で、中型機の場合は97.9%が精密の場合と想定しておりますが、それが非精密進入になった場合には97.3%と約0.6%の差が生じるというような結果を我々は試算をしたところでございます。ただこれはあくまでも、一般的に言われます就航率とはイコールではございませんので、あくまでも我々が1時間ごとにはかった気象調査をもとに実施しておりますので、それが全くダイレクトに就航率につながるものとはちょっと考えておりません。それは先ほど部長も申し上げたとおり、各航空会社がいろいろな細かな分析をして決定されるものだと考えております。例えば我々がやった調査の上でも、飛行機の場合は、例えば見通しが悪くても、一たん飛行場の上に来てホールディングといって上空でしばらく旋回などをして、視界がよくなるのを待ってから着陸するというケースもございますので、そういうようなものを統計的に処理した場合に約0.4%程度着陸可能性が上がると言われておりますので、そういうようなものも加味して実際の就航率に反映することができるものだと、そのように考えております。
 それから、霧の御心配でございますが、確かにあのあたりはお茶の産地でございまして、霧等も発生するということを言われておりますが、我々がその気象調査の中でも、当然霧とか雲とかいうもので見通しの調査をやっておるわけですが、私どもが飛行場の設置許可をとるころ、平成1年から4年ぐらいまでにかけて調査した気象条件と、それからだんだん工事が進んで地形改変がなされてきたときと、気象の状況を比べますと、やはり山あり谷ありで地形の変化が激しかったあそこの土地が徐々に平たんな土地になっていくに従って、霧の発生とか低い雲が立ちこめるとか、そういうような状況は少なくなっていることでございますので、平成17年から18年にかけたこの調査が、それよりも古い十何年前に調査したものよりも今現在の姿に近いものだろうと、そのように考えております。

 それから申しわけございません、ILSの設置の費用でございますが、ILSについては国の直轄事業で設置をしておりますので、ちょっと今現在、私手元に国の直轄事業の費用を持っておりませんで、明確にお答えできません。申しわけございません。

 それから、国内の空港のうち、非精密進入、非ILS進入を実施している空港が4空港あるというお尋ねの中で、ただいま松山空港のお話をいただきましたが、確かにマスコミ報道で私どもにしてみれば衝撃的な数字が報道されたのですが、ただILSが使えなかったということだけの報道を受けていますけど、そのときにどんな気象条件であったかということがわかりませんでしたので、かなり大きな欠航数だというような認識はございますが、ちょっと意外だというような感じを私どもは持ったところでございます。
ただ、ILSといっても、いわゆる滑走路の中心を示すローカライザーという装置は、富士山静岡空港の場合は非精密進入であっても引き続き使えることになっておりますし、いわゆる垂直方向の角度を示す電波を発信しますグライドパスという装置が使えなくなるという非精密進入の使い方なものですから、例えば4空港とおっしゃっている中の南紀白浜空港とか富山空港のように、ローカライザーが使える非精密進入というものでございまして、松本空港のようにローカライザーもグライドパスもない非精密進入というのとは、またちょっと違います。
我々としては今回暫定的に運用させていただきますローカライザー使用の非精密進入の場合は、先ほど申し上げた気象条件等からの着陸可能性調査で申し上げたとおり、いわゆる物すごく大打撃になるほどのダメージといいますか、差は大きくないものと考えております。以上でございます。

○岩ア空港部長
 ILS施設が使えない等の御指摘でございます。一応航空法上、ILSを使いました精密進入、これは進入の勾配50分の1を確保することが必要とされております。一方、ILSを使わない非精密進入、この方式でございますと進入勾配が40分の1を確保することになっております。
これは、精密進入の場合は機器の電波、要は飛行場からの電波を受けてゆっくりとおりてくるということでございまして、勾配が若干緩やかな形、緩やかにおりてこないといけないというような特性があるということで、そのような進入勾配の差があるわけでございます。それで、私ども実は今回いろいろ対応策を考え検討するにあたって、いろいろな視点から検討をしたわけでございますけれども、やっぱり航空機の安全な運航を確保するというのは大前提ではございますけれども、それを確保した上で、やはりこれまで既に定期便として3社が就航を決定していただいていると、そういう状況の中でやはりできるだけ開港する以上は、しっかりとこの富士山静岡空港の機能を100%とは言わないまでもできるだけ発揮できるような形で開港することが重要だろうというような判断でございました。そうした中で、精密進入方式を採用いたしました場合には、滑走路の長さは1,650メートルぐらいまで短縮をしなければならないという試算になりました。その数字でございますと――一般的な公表資料上はいろいろな議論があり、実際の判断はエアラインがやるわけでございますけれども――既に定期便の就航を決定しております3社の機材ですらも就航が極めて厳しいというような状況の中で、やはりできるだけ富士山静岡空港の機能を発揮する形での開港を目指したいという思いの中で、就航率は若干落ちるかもしれないけれども、非精密進入方式にした上で滑走路の長さ2,200メートルを確保することが、より適切な判断ではないかと思いまして、このような対応策を決定させていただいたところでございます。

 次に、航空法の第49条3項の規定に基づきます支障物件の除去請求の行使の件でございますけれども、これは法的措置の一環になるかというふうに認識をしております。
現在地権者の方とは、引き続き支障物件の除去に向けまして協議が進行中でございます。こうした状況でございますので、地権者の方との協議状況等を踏まえまして、それを行使したほうがいいのか、しないのかも含めまして、今後検討していく必要があるものと考えております。

○勝山整備室長
 申しわけございません、先ほど私がお答えした中で、間違ったといいますか、受け取り方で誤解を招く点がありましたので、ちょっと訂正をさせていただきたいと思います。
 先ほど9番委員のほうから、非ILSの空港が4空港とおっしゃったことで、私もそのとおりというふうに答えましたが、4空港というのは、私どもが承知していますのは、富士山静岡空港と同じローカライザーを使用した非精密進入で、かつ日本の内地といいますか、いわゆる離島ではなくて中にある空港が4空港あるということでございます。そこは私のほうから訂正をさせていただきたいと思います。
日本に97の空港がございますが、そのうちいわゆるILSを使った進入方式を使用している空港が52ございまして、それ以外の空港はいわゆる非精密進入であります。繰り返しになりますが、今回我々が運用しようとしている、ローカライザーを使った非精密進入を運用して使っている空港が13ございます。その13のうち4つが日本の本土といいますか、中にありまして、残りの9つの空港はいわゆる離島にございます。それ以外の32の空港は、いわゆるローカライザーも使用していない非精密進入――松本空港がその中に入りますが――そのような分類になっておりますので、その辺は、済みませんが私の説明を訂正させていただきたいと思います。以上です。

○岡本(護)委員
 わかりました。素人判断でしますとね、滑走路が縮まったほうがILSを使ったほうがいいというふうに思うのですが、今の御説明ですとそれは使えないということですから、それはそれで理解します。
ただ、天候も含めて今回この2,200メートルの場合、ILSを使わないで済む、しかもそんなに大きな差がないということならば、一面では心配は少し減りますが、逆に言いかえると何かILSをつける意味があるんですか。本格的な2,500メートルだってなくてもいいんじゃないですか。これは国のことだから、わしは知らんという話にはならんと思いますが、そんなに差がない、コンマ1しかない、あるいは多くてもコンマ6ですか、それぐらいしかないというのなら、ILSをつける意味があるのかどうか。みんなつけているからつけりゃいいというものじゃないでしょう。そういうふうに単純に思っちゃうんです。そこをいま一度お聞かせください。

○勝山整備室長
 先ほど、着陸可能性調査のところで申し上げましたが、航空機の機材によって差がございますので、航空機区分が大きくなれば、先ほど中型機以上と申し上げましたけれど、そういう航空機区分の中でいきますと、0.1%ではなくて0.6%くらいの差が精密と非精密で出てきてしまう。これは、数字を1%未満だと言ってしまえばそれまでかもしれませんけれど、安定的な運航を目指すエアライン――航空会社にとってみれば、やはりそれはそれなりに重大な差であるという認識であろうと考えておりますので、当然そのILS進入が望ましいということには変わりはないと考えております。特に2,500メートルの滑走路で、中型もしくはそれ以上の大型機の定期便就航、その前にはチャーター便というのもあるかと思いますけれど、そういう就航を目指しておりますので、やはりILSは必要なものと、このように考えております。以上です。

○岡本(護)委員
 コンマ1とコンマ6ですからね、6倍も違うわけですから、それは影響があるといえばあるかもしれませんが、それでコンマ1なりコンマ6ならだめという話も含めて、わかりにくい。本当にそういう意味では自分たちの都合のいいようにしか解釈してないなというふうにとらえられてもしょうがないと思うんですね。これ以上言っても進まないと思いますのでそれぐらいにして、最後にいいですか。
 今後の問題について少し、最後にお聞かせをいただきたいと思いますが、まず先ほど7番委員も言っていましたけども、今回のこの暫定2,200メートルというのは、一体これは本当に国が認めてくれるのか、まだオーケーは出てないわけでしょう。我々が今それぞれ仄聞するに、少なくとも成田空港の大きな問題が出てからは、もろもろ規制といいましょうか、法律はかなり改善――改善なのかわかりませんが――改正をされて厳しくなっていると思うんですね、我々この設置側から見れば。その意味で本当に暫定という方式がとれるのかどうかという、これすらまだはっきりしてないとは思いますが、この辺のまず見通しについて改めてお聞かせをいただきたいと思います。

 それで、例えば暫定が長引けば、どのくらいの程度かわかりませんが、それが恒久になれば、そういう認識のときには、国は少なくとも補助金の返還請求をされるんじゃないか、してくるんじゃないか、こういうふうに心配されます。
この辺は、例えば期間である程度言えるのかどうなのか。そしてまたそういう請求にどう答えていくのか、その辺のまず状況認識をお聞かせいただきたいと思います。

 それからもう1つ、冒頭申し上げました、全員協議会当時の皆さん方の予算の執行の仕方としては、たしか予備費で予定していたと思うんですね。今回これが補正となり、予備費ではなくなったわけですが、この辺のいきさつ、考え方についてお聞かせをいただきたいと思います。

 とりあえず暫定運用で行うわけですが、言ってみれば暫定運用のプラスだけではない、デメリットもあると思いますが、メリット、デメリット、改めてわかりやすく比較できればと思いますので、お聞かせをいただきたいと思います。

 それからさらに、この追加工事の期間というのは、余裕がとってあると思いますが、正味どのくらいの時間でできるのか。一番大事なことは、完成してから一定の期間は置かなきゃいかんわけでしょ。これは国際ルールで何て言うんですか、一定の期間は置かなきゃいかんという、だからきょう完成しました、すぐあしたから飛べるという話ではないと思いますので、工事そのものは突貫工事で縮まるかもしれませんけども、その辺含めてどの程度縮められるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

○豊岡委員長
 ここで、審査の途中ですけれども、10分間休憩をしたいと思います。45分再開といたします。

( 休 憩 )

○豊岡委員長
 それでは審査を再開いたします。
 発言をお願いいたします。

○岩ア空港部長
 今回の暫定運用の内容につきまして、これを国が認めるのか、またその見通しいかんという点でございます。
 先月の31日に私どもは暫定運用に向けての工事完成予定期日の変更許可につきまして、国のほうから許可をいただいたところでございます。この許可というのは、県の判断として暫定運用に向けて取り組むことについて、少なくとも関係法令の規定に基づいて問題はないというような御判断をいただいているものと認識はしております。
 いずれにしましても、国に対しましても正式に暫定運用の方針を決めました後に御説明をさせていただいているところでございまして、今後国に、県の判断としての暫定運用についての御理解をいただきながら諸手続というものをしっかりやっていって、開港に結びつけられるものと、私どもは信じているところでございます。

 次に、暫定運用の暫定というものの期間等の問題でございますけれど、特段暫定ということを言ったとき、それが1年なのか2年なのかということについて目途がある――目途と言いますか定義があるわけでもございませんし、基準があるわけでもないというふうには承知をしております。しかしながら、やはり一般論として申し上げれば、暫定という期間が事実上かなり長くなってしまうというのであれば、それは暫定とは言わないわけでございます。そういう意味からしましても、私どもは今回は暫定運用と認識しているものであり、かつこの富士山静岡空港というのは2,500メートル滑走路として、しっかり完全運用しなきゃいかんと、そういう空港だという認識は強く持っているわけでございます。
 今後地権者の方々に引き続き支障物件の除去についてお願いを申し上げますとともに、その協議状況なども踏まえまして、完全運用というものに向けた具体的な道筋というものをしっかりと決めて、それを皆様にも御説明をさせていただきたいと、そういう取り組みを今後やっていきたいというふうに思っております。
 なお、国の補助金の返還要求の件につきましては、報道がなされておりましたけれども、県として具体的に国のほうからそういう指示があったという状況ではございません。ただ、これも一般論でございますけれども、当然暫定というのが事実上暫定でなくなるというような位置づけだというふうに認識されるのであれば、当然そういう議論というのは起こり得るのだろうというふうに思っております。先ほど申し上げましたように、いずれにしても私どもとしては、国からの要請もございましたけども、1日でも早く、完全運用を実現できるようしっかり取り組んでまいりたいと思っております。

○岩瀬空港部理事(路線就航担当)(空港部部長代理)
 予備費の執行の考え方について御説明をいたします。
 当初、できるだけこの工事期間を短くしたという考え方のもとに、予備費での執行ということを一度お願いしたことがございます。そして実は財政室のほうから予備費の配当を受けておりまして、それに基づいて指名委員会とかの発注の手続は済ませております。しかし、先般全員協議会で本日の臨時議会が開かれるというお話が決まりましたものですから、その入札につきましては、新しくこの20年度補正予算の成立を条件としますと、予算が成立しない場合は入札の執行を取りやめるという条件をつけまして通知をしてございます。したがいまして、今議会で議決がいただけましたら速やかに開札して契約をするということで、その場合には予備費は使わずにそのまま不用残となるというふうに考えております。

○勝山整備室長
 工事期間についてのお尋ねでございますが、今回お諮りしております追加工事につきましては、契約をしてから完了するまで順調に進んでおおむね3カ月程度は必要ではないかというように考えておるところでございます。
 県といたしましては、このような非常に時間を急ぐ工事でございますので、現場のほうには例えば夜間工事などをやっても工期的に短縮できる工夫をするように指示をして、何とかできるだけ短くしたいと、こういうようには考えております。
 その後で9番委員のほうからお話のありました、やはり最終的に空港を開港、供用する直前には、AIPによる全世界的な周知期間というのが法で決まっておりまして、それとそのAIPを発行する前に航空情報センターというところにそのAIPの原稿といいますか、印刷にかけるための依頼をしなくてはいけないのですけれど、それについての事務手続期間というのもありまして、それらを合わせますとその期間が約2カ月必要ということになっておりますので、供用直前のその2カ月分については、短縮はもちろんできないということになっております。
 問題は工事期間をできるだけ短縮するという工夫と、それからその間のいわゆる国によってなされる完成検査等ができるだけ短い期間で検査が済ませられるように、県としましては国に対してお願いをするというようなことで、できるだけ早期の開港を目指したいと、このように考えております。以上です。

○岡本(護)委員
 暫定のメリット、デメリットは、また後ほど聞かせていただきたいと思いますが、暫定が結局恒久にならないように最善の努力をしてほしいというのは、これはごく当然の要求だと思います。これはぜひしっかりと対処してほしいと思います。そのためには、支障物件の除去についてどうやっていくかということも一つ一つ協議も含めて抜かりのないようにやっていかなければ、これはかなり難しいことになると思いますので、もし国からそういうような請求をされるともっとややこしいことになりますので、そうならないように全面的な努力をしていただきたいと、こう思います。

 それから、さかのぼりますが、室長ね、先ほどのILSは国の物だからようわからんと言うのも、それもちょっといただけない答えだと思いますよ。わからんならわからんなりに調べてもらえばいいことで、この施設は国の物だという、一つの空港の中にはいろいろあるでしょうけども、そこはもうちょっと認識をしっかり持つのと同時に真摯に答えてほしいなと思います。わかる範囲でお答えいただきたいと思います。もしわからなければ後でもいいです。

○岩ア空港部長
 暫定運用のメリット、デメリットでございますけれども、暫定運用ということのデメリットとしましては、先ほど来委員からも御指摘がございましたとおり、これが恒久化するようなことになるとこの空港の機能は低下すると、このままでいいのかというようなことについて十分留意が必要でしょうし、それからまた短期的なものとはいえども、やっぱり空港機能が低下した形で開港するというのをどう考えるのかという部分についての評価というのはあろうかと思います。
 しかしながら、やはりこれだけ重要な社会資本としてこれまで巨額の資金を投入をして、かつこの空港は今後の静岡の発展のための核となることが期待されている空港だと認識しております。暫定とはいえども、また機能が一部低下するとはいえども、やはりこれを早期に開港するということの静岡県にとってのメリットというのははかり知れないものがあるというふうに思っております。そういう基本的な認識のもとに今回暫定運用による開港という、そういう道を選択させていただいたものでございまして、ぜひとも御支援、御理解をいただければというふうに思っております。

○岡本(護)委員
 最後にしますが、今件のこの開港のいわゆる延期ということをもろもろ考えて、やはり県民からすると、県のもろもろの施策に対して大変信頼をなくしていることは事実ですね。したがって、確かに今、はかり知れないメリットがあると言うけれども、今件のことを考えるとまさにはかり知れないほど信頼はなくしてる、失ってるというふうに理解してもらいたいと思います。そのためにも、少しでもそれを挽回するようにこれから努力をしていただきたいと思います。つまりこれから、この空港以外の道路にしてももろもろの策にしても、少なくとも相当の反発があるということは間違いないと思うんですね。この現場サイドでは皆さん方が大変御苦労されると思いますが、それも十分に受けとめて、少しでも信頼が回復できるような、そんな努めをしていただきたい、このことを申し上げて終わりにしたいと思います。

○豊岡委員長
 要望でよろしいですか。

○岡本(護)委員
 はい、いいです。

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