本会議会議録
質問文書
平成28年2月企画くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者: | 天野 一 議員 | |
質疑・質問日: | 03/08/2016 | |
会派名: | 自民改革会議 |
○天野(一)委員
一括方式で数点質問したいと思います。
建築物の耐震改修に対する中で、12月末で耐震の審査が終わって報告がもう出ているわけです。これは静岡県では中小企業のホテル・旅館で何件ぐらいあって全体的に耐震をしなければならないケースがどのくらいあるのか、そういう数字はもう出てるのかどうか、それをお伺いしたい。
それから公表する時期はいつごろ公表する計画なのか、公表する仕方はどういう形でしようとしているのか、その点についてお伺いしたいと思います。
今9番委員から一般廃棄物や産業廃棄物の問題が出ましたけれども、平成20年からずっと一般廃棄物も産業廃棄物も減少してきました。このことはリーマンショック以降の産業の停滞と消費が減った結果なのか、その分析についてどう考えているか。当然産業とこの廃棄物の問題とは関係があると思うんですけれども、今までこういった問題について経済産業部とくらし・環境部と廃棄物の問題を含めて景気のこととかそういったものについて議論したことがあるのかどうか、その点について伺いたいと思います。
次に、県営住宅の入居の実態。
多分1万5000戸近くはあると思いますけれども、県営住宅に入っている入居者の年齢、構成は今までは親子4人とかそういった形であったと思うんですけれども、非常に変化をしてきて多分高齢者の入居が多くなったと思うんです。今県営住宅の入居の実態を見ると今のような高齢者だけが非常に多い実態になってきたときに、今までと同じような県営住宅をつくっていていいのかと。リニューアルとかを考えたときに、新しい時代に入居する県民の形が変わってきているわけですから、過去には安い家賃でそこで持ち家を持つとか独立するとかという形になってきたのから、これから5年、10年先の県営住宅の入居者のありようはかなり変わってくる。そうすると今のような県営住宅のつくりでいいのか、そういったことについての議論はあるのか。ただ単なるリニューアルとかエレベーターをつけるんじゃなくて、そういった問題について考えているかどうかをお聞きしたい。
4点目はユニバーサルデザイン。
これはかなり普及してきたと思うんです。だけども県民の中でユニバーサルデザインの本質的なことについての理解と認識は私はまだまだだと思うんです。これからユニバーサルデザインという考え方が静岡県の県民の生き方そして生活の仕方に大きな影響を与えるときに、ユニバーサルデザインのPRは終わったという認識は僕はおかしいと思うんですけど、その点についてお伺いしたい。
○池谷くらし・環境部長
大規模建築物――5,000平米以上の建築物の耐震化についての御質問でございますけれども、対象についてはおおむね100件ございます。公共の施設、それから民間の施設等ございますけれども、昨年の12月末までに耐震診断を実施していただいて、耐震ができていないところになりますけれども、その結果を県に報告することが義務づけられておりまして、ほかの県についてはまだ届いてないところもありますけれども、静岡県の場合には全ての報告が届いておりまして、今その内容について確認をしている状況でございます。ということでまだ詳細についての発表ができる状況にないということでございます。
それから、公表についてでございますけれども、これについてはもちろんホテル・旅館が中心になりますけれども、やはり利用される方の安全は一番大事にはなりますけれども、また逆に言いますとホテル・旅館等の所有者にとってみると非常に大きな問題になります。経営上の問題にもなりますのでそこは非常に慎重にやっていかなければいけない部分で、これまでもホテル・旅館組合の皆様ともいろいろディスカッションをしながらどういう形でやっていくかについてもお話をしていますし、静岡県だけで対応できる問題でもございません。例えばほかの県がぽっと出してしまうと、静岡県はどうなんだということになってしまうこともございます。ただこれについての公表は国ではなくてそれぞれの都道府県が責任を持ってやることになっております。そうしたことで今中心的には周辺の県等々といろいろ協議をしながらなるべく早く、しかし所有者にとっては影響の少ない形で調整をしている状況でございます。
それから済みません。ちょっと先ほどの件でございますけれども、3番委員から御質問のあった森林公園でイノシシ被害があったら大変だというお話をしていたその最中に、今報告がございまして本日2時半に県立森林公園で2名の方がイノシシに襲われました。2時半時点で、お一人の男性はけががなかったものの女性がかまれ出血ということで、なおかつまだこれは不確かでございますけれども3時に5名がけがで救急車を待っている。2名はスポーツ広場付近で動けずにいるということで、1名はけがが重いという情報も入っております。
まさに、私たちが今議論している最中に起こっては欲しくないことが起こってしまったということで、これにつきましては県立森林公園の対応だけではもう済まない問題でございまして、本会議でも若干答弁させていただきましたけれども、鹿がそうですがイノシシも含めた有害鳥獣について、これまでは伊豆とそれから富士地域を中心に管理捕獲も含めた計画でやっておりましたけれども、全県にわたって鹿あるいはイノシシあるいはカモシカ、そうしたものを含めて早急にもう少し強力にやっていかないといけないと考えております。
○増田廃棄物リサイクル課長
産業廃棄物、一般廃棄物ともに今減少傾向にあることについて分析はいかにというお話だったかと思います。
一般廃棄物につきましては、各市町におきまして分別の設定ですとか一部有料化を進めている市町、あと事業者において容器の軽量化とかも進んでいまして、そういうものも減量化の後押しになっているかと考えております。
産業廃棄物につきましては、2番委員からもお話がありましたリーマンショックの影響も、国の分析でもやっぱり平成20年以降の話ですと影響をある程度加味した形で、産業廃棄物の排出量が減っているんじゃないかという分析なども出ております。それ以外の要因で言いますと、例えば建設リサイクル法は平成14年の施行ですけど、この法律に基づきまして分別解体とか再資源化がかなり徹底されてきているところもありますので、それ以外にも企業みずからの3R活動で企業のCSRもありますけど、直接的な経費節減の意味も含めてごみ減量とかが進んできているという認識がございます。
もう1点、県庁の組織内で廃棄物の関係で経済産業部と議論しているかというお話をいただきましたけど、特に定期的にという話は残念ながらしてはいませんが、今回第3次静岡県循環型社会形成計画をつくるに当たって、今後の景気動向を経済産業部に教えを請うたりとか、企業立地の今後の見込みもある程度数字をヒアリングしながら今回のこの計画にも一応反映させているところであります。
○秋山環境局長
今の廃棄物の排出の関係なんですけれども、去年の夏に総合計画の評価部会がありまして、そのときに委員からも言われたのは、廃棄物の関係はリーマンショックでいろいろ、県の実績が下がっていると言っているけれども、それはあくまでも経済動向とかリーマンショックとか、そういう影響があって下がっているのであって、県の取り組みによって下がっているんじゃないのではないかという御質問がありまして、それからいろいろ調べてみましたら、やはり工業出荷額または生産額の減少率よりも廃棄物の減少率が低かったんです。そういうのも見ますと、必ずしも経済が悪いから廃棄物も一緒にということじゃなくて、我々いろいろ対策をやっているもんですから、実態はそれ以上に削減が進んでいる状況がありましたので、それだけ報告させていただきます。
○早津公営住宅課長
県営住宅の現況について御報告させていただきます。
県営住宅については、年度当初に戸数をとっておりまして、管理戸数は平成27年4月1日現在1万5167戸になっておりまして、政策空き家等もありますので、入居は4月1日現在で1万2880戸という形になっています。政策空き家を引いた入居率を考えますと、94.5%でございます。
1年前はどうかといいますと、戸数は1万5003戸ありまして、入居が1万3196戸で、政策空き家を引いた入居率を計算しますと95.8%で、入居が減ってきた状況でございます。
それで、その中の入居の方の状況でございますけど、平均年齢が平成27年度で見ますと42.9歳で、あと高齢者の方の人数でいいますと7,477人ということで、高齢化率は25.1%になります。それで1年前を見ますと、高齢者の方は7,220人で250名強ふえております。高齢化率は1年前は23.2%という数字でございました。5年前の数字でございますけど、平成23年当時はどうかといいますと、高齢者の人数は6,279人で1,200人ふえた。高齢化率で見ますと18.7%で、平成27年度当初で25.1%ですので、本当に伸びております。そういう状況で、高齢化率が高い団地がふえておりまして、熱海の七尾団地など5割を超えたところが4団地出ております。そういう状況でございまして、いろんな高齢化の問題は今一番、本当に大事な問題という認識を持っております。
先ほど2番委員の申しました、今後の団地の再生をやるに当たっての議論があるのかどうかですが、特に前回委員会で視察していただいた安倍口団地のように、リモデルということで大きな再生計画といって、それが6棟を今度2棟にまとめて、従来は同じタイプを全部3DKなら3DKだけで、4人世帯を想定した団地を強調していたんですけど、単身用何%、二世帯用何%、家族用何%ということで、大体30平米、40平米、50平米というタイプ別にまず供給して、大きな部屋にふつり合いな家庭にならないよう、募集も単身世帯用に募集する形をとって、まずハード面については、そういう対応で今後やっていく予定で今考えております。それは今沢団地もそうですし、東部団地も同様の対応をしております。
それで、ソフト面では、熱海の七尾団地の居場所づくりです。ああいうところが本当に一番大事だということで、団地の活性化、コミュニケーション。団地の方が高齢化して、その中にずっと引きこもらないようにしなくちゃいけないのが私も一番大事と思っていまして、特に七尾団地の自治会長が熱心に取り組んでいまして、先日も焼津市の社会文化会館で講演会をやっていただいて、健康福祉部の地域包括の居場所づくり関係事業と一緒に居場所づくり活動をやっていかなくちゃいけないと感じています。
○塚本県民生活局長
私からユニバーサルデザインにつきまして、PRが少し消極的ではないかという御意見をいただいたと思っております。
先ほどの説明等も含めて、そういう御認識をされてしまったのかと大変申しわけないと思っておりますが、昨年実施しました企業の取り組み率につきまして、53%ということでやっと50%を超えました。既に企業の中ではかなり、要するに企業の戦略としてこのユニバーサルデザインに取り組む、これが半数を超えたことで、そういった面では進んでいるのかなと。ただ、やはりそういったことをもっともっと我々は、例えば企業であれば産業界にPRをして、ユニバーサルデザインを戦略として取り入れなければ企業戦略の中で取り残されてしまうというPRであるとか、それから、例えばUD+という取り組みはもう、ここ2年ほどやっておりますけれども、こうした企業への取り組みを引き続き強化していくと。
それから、もう1つが、やはり一般県民の意識。これはユニバーサルデザインによる社会づくりが進んでいると思う県民の割合が、60%に若干届かない。目標は70%で、これが少しこのごろ頭打ちになってきている認識は実は持っております。先ほど申し上げましたUD大賞については、どうしても学校単位あるいは先生単位で一生懸命取り組んでいただく。先生は教室ぐるみで取り組んでいただくんですが、なかなかそれが進まないと。もっと広がってほしいということで、私どもとしては例えば職員が出前講座をしております。これは続けますけれども、こうしたテキストであるとか、出前講座の様子をビデオに撮って、それをもっと広く県民の方に周知をしていく取り組みをしていこうと。
そして、もう1つ大きな点が、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでございます。これはやはり絶好の機会と捉えまして、むしろこれはオール県庁で取り組むべき施策でございますので、オリンピック・パラリンピックを進める上では、必ずユニバーサルデザインに配慮と。これは必ずその中で1つのキャッチフレーズといいますか、キーフレーズとして盛り込んで、県民の方にこれをPRしていく戦略を進めていきたいと考えております。
○天野委員
ありがとうございました。
1点だけ要望しておきますけれども、さっきの耐震の公表は慎重に。ホテル・旅館の中では、その公表の仕方によっては廃業せざるを得なくなったり、非常に大きな問題になりますので、よろしくお願いしたい。
最後に、本年度を迎えて退職する方がこのくらし・環境部に5人おりますので、その方々に一言ずつ、後輩にアドバイスしていただきたいと思っています。池谷くらし・環境部長、それから塚本県民生活局長、加藤建築確認検査室長、平野自然保護課長、市川生活環境課長の5名が、無事終わっていいですね。退職されると伺っております。
池谷くらし・環境部長は、これまで38年の長い期間にわたって県職員として奉職されて、交流企画局長や静岡県理事などを歴任して、平成26年4月にくらし・環境部長に就任されました。本当にありがとうございました。
塚本県民生活局長は、37年の長きにわたり奉職され、県民生活課長や交流企画局長などを歴任し平成26年7月に県民生活局長に就任されました。
加藤建築確認検査室長は、38年間県の職員として奉職され、沼津土木事務所主幹、静岡土木事務所建築住宅課長などを歴任して、平成25年4月に建築確認検査室長に就任され、今日まで来ました。
平野自然保護課長は、35年県の職員として奉職され、港湾企画課長や大学課長などを歴任して、平成26年4月から自然保護課長に就任されました。
また、市川生活環境課長は40年の長きにわたり県の職員として奉職され、環境政策課専門監や同課技監などを歴任して、平成25年4月に生活環境課長に就任されました。
本当に皆さんにおかれましては、これまで県職員として、特に川勝県知事のもとで、皆さんはこの6年余り頑張ってきました。御苦労さまでした。それぞれ文化観光、県民生活、環境、建築行政などの県の主要な施策の推進に寄与され、県行政の発展に大変御尽力いただきありがとうございました。
御退任に当たって、これまでかかわってこられた県行政を振り返って、県当局の後輩たち、また私たち県議会への御感想や御意見など率直な所感をぜひ一言ずつお願いしたいと思います。それではよろしくお願いします。
○池谷くらし・環境部長
今、2番委員から私を含め退職する5名について過分なるお言葉をいただき、またそれぞれに県議会の皆様、そして後輩に一言という時間をいただきまして、まことにありがとうございます。大変お疲れのところでございますので、手短にしたいと思います。
今、お話をいただきました38年間なんですが、私は最近非常に思いますのは、38年間で県の仕事に求められているものは変わっている割に、本質的な仕組みというんでしょうか、底流にあるものがちっとも変っていないんじゃないかなと。それは変わっていないことがいいと思っているんではなくて、変わらなければいけないのに変わっていないことを最近非常に感じております。それは例えば予算とか、人事とか、あるいはそこに働いている職員の意識の中に、どうも今の世界あるいは国内、あるいは県内のいろんな動きとずれてきていることを非常に感じております。そうした中で、地域イノベーターサミットも、そういう思いも一端として実施したわけでございますけれども、やはりそれは前例踏襲というか、あるいは県民のニーズに本当に耳を傾けているのかなというのを常に思っております。
そうした中では、私は委員会の8年間、そして本会議は3年間、県議会の先生方と御一緒させていただきまして、特にこの委員会では毎回毎回非常に勉強になりますし、非常に新しいいろんな考え方をいただき、また皆様方は県民の皆様の付託を受けて、ここに来ていらっしゃる。その一言一言が非常に重いことをやっぱり感じて、毎回委員会については非常に楽しみと言うと失礼になりますけれども、気合いを入れてやってきたつもりでございます。やはりそういう機会も含めて、静岡県という県行政がかつては情報も人材もノウハウも、民間よりも持っていた時代もあったかもしれませんけれど、今はむしろ民間が頑張っていますし、真剣ですし、あるいは県民の皆様も本当に真剣に思っている。その声をやっぱりきちっと受けとめて、ぜひ県政に反映していただきたいなと思っております。
日ごろから思っておりますけれども、今は県庁の常識は世間の非常識ではないかと私は思っております。そうした中では、おまえは非常識な人間だと言われていますので、逆に言えば私は世間的には常識のある人間かなと思っておりますけれども、本当にこういう機会で、38年間、先ほどちょっと事件も起きましたのでこれから対応しますけれども、先生方に本当にお世話になりまして、ありがとうございました。
また、職員については、これからも一層頑張っていただきたいと思います。ありがとうございます。(拍手)
○塚本県民生活局長
県議会の先生方には長年にわたり御指導をいただきまして、無事退職を迎えられますことをまず感謝申し上げます。
私、今御紹介いただきましたように37年、県職員として奉職して仕事をさせていただきました。入庁のときは商工部、現在のくらし・環境部まで、今の部局で言いますと企業局と出納局を除き全部局、そして教育委員会まで含めまして、非常に幅広い県行政を経験させていただきました。もともといろいろな分野をのぞくのは好きでしたので、そういう意味では幸せな公務員生活を送らせていただいて、貴重な経験もさせていただきましたし、今のこのくらし・環境部もそうなんですけど、県民の皆さんと直接接することが多い分野であったということで、大変、自分としても勉強になったなと思っております。
池谷くらし・環境部長から今、るるお話があったとおりで、おっしゃるとおりだと思いますし、これから人口減少で地域間競争がますます激しくなってまいります。それから政令市も育ってきます。以前、他県で言いますと神奈川県の職員とお話をしたことがあるんですけれども、神奈川県は既に横浜、川崎という政令市が誕生していて、県は何の仕事をしたらいいんだろう、あるいは県職員はどうあるべきかというお話をしたときに、やはり県の職員として頼りにされる、あるいは県という存在が必要だと言われるためには、やっぱりそれなりに勉強して、少なくとも市よりは情報も持ち、あるいは勉強もし、職員一人一人が育っていかないと本当に県という存在が必要なくなってしまうんだと。そういう危機感を持って、かなり以前から神奈川県の職員は取り組んでいるという話を聞いて、静岡県もやはりそういう時代に来ているという中で、後輩職員には、ぜひそういう危機感を持って頑張っていただきたいと、そういう意味では無責任な感想ですけれども。
4月から一応民間人として仕事を続けさせていただきますけれども、公務員をやっていますと、地元では例えば町内会、自治会役員を仰せつかる機会もふえてまいりまして、少しそういった部分にも力を割いていきたいなと考えております。
そういうことで、今後県政がますます発展していくこと、それから先生方のますますの御活躍をお祈りしております。今までいろいろな面で御示唆、御協力、ときには叱咤激励をいただきまして、本当にありがとうございました。これからも、ぜひよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○加藤建築確認検査室長
ただいま、過分なお言葉をいただきまして、本当にありがとうございました。
私は建築系の職員として昭和53年に入庁し、38年の技術者としての勤務をしてまいりました。1年目は県営住宅の係ということで、1年目ですけれども、1年間に1,000戸近くの県営住宅を発注する業務の下働きのようなことをしました。今は空き家対策という形で、住宅の戸数が非常にあふれている中で、38年間の自分の働いていく中で時代がすごく変わったという感じで、しみじみと感じております。やはりそれぞれの職員の方も、今、自分のいる立場のときと、また自分がその仕事を終えるそのときの状況をイメージしながら、長期的な視野に立って、いろいろと仕事の進みぐあいを考えながら、幅広く想定しながら仕事をしていく必要があると思います。
建築ですから、住宅や営繕とか、いろいろな分野の仕事をさせていただきました。耐震補強工事が昭和56年ごろから始まったわけなんですけれども、そういう時期の中で、そういう現場を持たせていただきまして、新たな新工法の開発とかの中で、高校の耐震補強とかに具現化していく貴重な体験もいたしましたし、浜松土木事務所では、遠州浜団地の大規模団地の建てかえの担当で、住民の皆さんと夜の会合の中で移転先をどうするとか、そういう話をしながら、建てかえ事業を進めていったことが非常に印象として残っております。
また、建築行政としましては、姉歯事件が起きたり、昨年も国の問題とかが起きたりして、信用が一瞬のうちに失墜してしまう形になると思いますけれども、それをまたそこまで積み上げていくのは、とても努力が要ることをしみじみ感じております。そういう中で、やはり自分にできる中で信用というのはどういうものかということを常に感じながらまた後輩の皆さんも仕事を進めていただきたいと思います。
本当に、先生方及びよき先輩や同志、同僚、後輩の皆さんに支えられて、ここまでやってこれたと思います。本当に長い間ありがとうございました。(拍手)
○平野自然保護課長
まずは、県議会議員の皆様、長年大変お世話になりました。殊に平成22年に港湾企画課長のときに御前崎市でコンテナクレーン事故が起きまして、あのときは公表がおくれたことで四面楚歌の状態に陥ってどうしようもなくなったんですけれども、そのときにお叱りとともに叱咤激励、それから励ましの言葉をいただきまして、それが大きな支えになっております。改めて感謝したいと思います。
公務員生活を振り返ってみまして、余り偉そうなことは言えないのですが、事務職員は自分の得手不得手とか、興味とかかわりなく仕事が与えられるものですから、逆にそういうものとかかわりなく、いろいろな知識を身につけたり、あるいはいろんな体験をさせていただいた、あるいは多くの人に会えたこと、そういう機会を与えられたことに非常に感謝しております。先ほどもクレーン事故がありましたけど、公表がおくれるような小さいことがとんでもない、自分たちの思いもよらない支障になっていくことが1つの大きな教訓ではありました。
あと、仕事を逃げても、どこかで必ずついてくることを体験しました。ですから後輩の諸君には決して逃げないでくれと言いたいと思います。具体的に申し上げますと、私2回ほど人口推計、それから経済推計の担当をしたことがあります。正確に言うと3回あるんですけども、最初のときは全くわからなくて適当に濁してしまったんですけれども、その後の2回については、本格的なコーホート要因法という設計方式で、生命表からつくって検討をやりましたので、私の公務員生活の中で数少ない専門的技術を習得した分野であります。ですのでそのときの悔いとしては、今の人口減少の局面はもう20年前に予見されていたということですので、それが真剣味を持って伝えられなかったことが悔いといえば悔いです。それでこの後、急激に人口減少が進んでいくと思いますけれど、このまま手を打たなければということですけれども、ただ高齢化もずっと進んでいきますので、大変苦しい状況になるのかなと思っています。何かちょっと悲観的になってしまうんですけれども、ことし生まれた子が戦力になるには20年から30年かかるということがすごく重い事実になっていることがちょっと気がかりです。
今、最後に生物多様性戦略という仕事を与えられて、いろんな関係する本を読んでいるわけですけれども、ある学者に言わせると、今世紀の半ばで、今の人類全体の社会システムが危機を迎えるという予測をなさっている方もいます。ということは、ことし入庁する職員が退職するころに、そういう時代が来るという予測になってしまうわけですけれども、そういうことを考えますと、これからの皆さんには、すごく厳しい状況が待ち受けているのかもしれないなと思います。我々ができることというと、早死にすることではないかと。若い人たちを助けるためには、できるだけ早死にしたほうがいいのかなと思っているわけですけれども、そういう意味で新うば捨て時代が来るかもしれないというのが私の感想であります。
ちょっと雑駁になってしまいましたけど、長い間大変お世話になりました。(拍手)
○市川生活環境課長
いろいろとありがとうございました。
本当にやっぱり議会に出たりして、直接質問され答えるということは、やっぱり自分を成長させていただけたと思っております。ありがとうございます。
先ほどの資料の中にもございましたけど、現在第3次静岡県環境基本計画の改定が進んでおります。これは環境審議会において今まで3回の議論を重ねたわけなんですけれども、その中のうちの担当がつくった資料ですけれども、まだ公表されてるものではないんですけれど、資料として、皆さん、静岡県にも公害問題を抱えていた時代があったことを知っていますかという文言から書き出さなければわからない。今静岡県は平和で美しい自然に満たされたと。私たちは40年前に入庁したわけなんですけれども、そのときは公害職という職種がございました。これが昭和46年から52年にかけて、おおよそ新採では30人ぐらいが採用されました。それで現在残っているのは、私1人でございます。あとはもう退職されているわけなんです。
それで、例えば実際に水で考えてみると、どのくらい大変だったかというと、国の排水の一律基準が規制されたころに、昭和47年、それでもわからないという方がいらっしゃる。皆様は昭和をわかっていただけますでしょうかというところですけれども、BODが100ミリグラムパーリットルを超えている河川もありました。そして昭和53年に上乗せ排水基準を制定しました。これと同時に、川の一番汚いところでも30ミリグラムパーリットル程度になりました。そして現在は全ての河川において10ミリグラムパーリットル、実際には、ほとんどの河川が5ミリグラムパーリットルで、BODですけれども、そのようになっております。5ミリグラムパーリットルは、汚い河川でも住めるコイが生息できる水でございます。ですから、私たちは最低5以下を目指さなきゃいけない。でも足を水に入れてパタパタパタってやりたいときには、アユが住める2ぐらいの川じゃないと、何か数値を知っている私は、足は突っ込めないかなと思います。
退職する予定なもんですから、市町の同じ時代に公害を担当していた人たちと会う機会がございました。話した中で、私たちは先輩から聞いたことをちゃんと伝えられているだろうか。取り組みをどうしたかを伝えられているだろうか心配だといろいろと話します。しかしながら今現在、私は生活環境課長をしておりますけれど、ここにはもう公害職の人間はおりませんので、薬剤師、林業職、農業職、工業化学、それから行政職と、いろいろな人間がいます。逆に1つの方向からしか見られなかった私たちよりも、もっといろんな多角的に見たり、解決する方法を知っていると思います。ですから心配は全くしておりません。これからも環境を守るために、みんなはいろんな分野で活躍していただけると思っております。
先生方は、環境という視点でいつでも見ていただいて、県のやっていること、そうじゃなくてもほかの事業者のやっていること、こういうことに対して不安を感じるようなことがございましたら、ぜひとも御指摘して、皆さんの話題になるようにお話しいただきたいと思います。
これから、私としてはまた環境保全に資する仕事を少しぐらいはしたいなと思っておりますけれども、またいろんな情報をいただいたりしていきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
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