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委員会会議録

質問文書

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平成23年8月大規模地震対策特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:野澤 義雄 議員
質疑・質問日:08/05/2011
会派名:民主党・ふじのくに県議団


○野澤委員
 それでは、数点伺いたいと思います。危機管理部の説明資料10ページにあります5番の「東海・東南海・南海」の3地震が3連動した際の被害の公表という表がございます。まずこの表の読み方について少し説明をいただきたいと思います。この3連動で建物倒壊も津波も火災もすべて記載されておらずに、これは死者数ですかね一番右側の8,100人というふうになっておりますが、そういったものは発表されていないのでしょうか。それが1点。それから、県の想定する津波被害が227人、それから国の想定するものが800人というふうになっておりまして、ここに若干というか大きな想定のずれがありますけども、この辺はどのように理解をしたらよろしいのか伺いたいというように思います。

それから次に、津波のシミュレーションですけども、先ほども大きな地図で綿密なシミュレーションがあるのを拝見させていただきました。これは安政の東海地震の津波痕跡も整合するようにということでその部分も載ってはおりますが、その前に明応の大地震が500年ぐらい前にあって、そのほうが大きかったとも言われております。その痕跡も少ないながらあるわけで、そういったものは生かされているのかいないのか。というのは、今回の東日本大震災の大津波のときにも約1000年前の貞観の大津波というものが――これは地質調査によってしかわからないけれども――今回に相当するような大きなものがあったらしいということがわかりつつある中で、かつてのそういう大きな津波の痕跡も1つの参考としないのかということで、安政の地震だけでよいのかどうかというのにまず率直な疑問を持ちますので、そういったものはいかがお考えでしょうか。お聞かせ願いたいと思います。

 それから、11ページに、今後の県の対応というようなことで第3次被害想定の見直しを国の中央防災会議の検討とあわせて行っていくということですが、それは秋ぐらいからというようなお話も聞いているわけですけども、無論、国の中央防災会議の動向を見据えながらということですから、県から詳しいスケジュールをというのはなかなか難しいかもしれませんが、そうは言いながらもやはり一定のスピード感も求められることでありますから、必要ならば県のほうからも何らかの働きかけをしながら、国と本当に歩調を合わせながらしかも早い時期に被害想定の見直しができるようにやっていただきたいというような希望がありますけども、その辺はいかがでしょうか。

 それから、次に5ページになります。ソフト対策ですが、5ページから6ページにいろいろ記載されておりますけども、総務委員会でも発言させていただきましたが、同様のことを2、3点気がついただけですけども述べさせていただきたいというふうに思います。避難を促す際に東海地震の場合には極めて短時間に津波が来るというようなことが言われております。本当に一刻を争う、1分1秒が生死を分けることにつながるというようなことで、本当に効果的、的確に住民にそれから来訪者に知らせるということが求められているわけでありますけど、どうも同報無線というのは少なくとも私のところでは非常に聞きにくいです。反響してしまって、わんわん、わんわん言っているだけで、家の中ではわからないものですから外に出て何を言っているのかなといって聞くとね、ゆっくりとした口調でしゃべりながら何だかんだと言っているわけです。実際に津波が来るというときに、あのような周知の仕方でよいのかなという思いがありまして、もう少しいい方法がないのかなというふうに思います。もちろん同報無線を否定するわけじゃありませんし、効果のある地域ではそれがよろしいかと思いますが、一方では避難を指示するサイレンというものも一定のリズムであるようでありますけれども、そういったものが住民の人たちに本当にこれが津波の避難勧告、避難指示のサイレンだということで頭の中にたたき込んであるのかどうかね。サイレンというのは非常によく聞こえるし、一定のリズムの信号だったら即反応できるというようなことにまでなれば一番よろしいのかなというふうに思いますけどもどうでしょうか。

また、避難についても避難路の確保ということも先ほどございました。それから避難路の標示ということもありました。そういうものもやはりユニバーサルデザインでないとよくないと思うんですね。子供さんたち、それから高齢者、障害者それから来訪者、外国人といった人たちにもわかりやすいようにというようなことが望ましいかと思いますが、いまひとつそういった点で工夫が欲しいのではないかという感じもいたしますけども、どのような状況なのかお聞かせを願いたいというように思います。

 それから津波避難ビルの関係ですが、公共施設はもちろんよろしいかというふうに思いますが、民間の場合に発災から数カ月たちまして、それから県内どうするというような議論が巻き起こっている中で、避難ビルというのが非常に有効だというのはもちろんわかっている中で、民間の協力度と申しますか、どうでしょうか。民間の施設をそういうものに借りるあるいは開放していただくということになると、かなりのハードルがあろうかと思いますが、その辺の課題、それから民間の施設の所有者の感触等、ありましたら伺いたいというふうに思います。

 6ページに津波避難マウントという言葉が出ておりました。総務委員会で発言したときには、このマウントという言葉は出てなかったんですが、これは避難の丘というふうに解釈してよろしいんですかね。というのは、山田町に視察に行ったときに役場の庁舎から見たら、一定のそうですね、バレーボールコート1つか2つぐらいの広さの丘がありまして、そこに避難した人たちは助かったそうであります。それは江戸時代の大きな地震の後にできた避難丘で、それ以来その丘は機能しているというような話を聞きました。用地の問題はありますけども、むしろ避難タワーだとかいう施設よりも土塁でつくった避難丘であるならば、非常にそこに避難しやすいし、それから長もちすると。もしかしたら、今から1000年後でもその機能は発揮するかもしれないわけですから非常に有効な避難方法だなというふうに見てまいりました。今回見ると避難マウントという言葉がありますので、これはどのようにイメージしてこれから進めていかれるのか伺いたいというように思います。

 もう1点、原発の被害の関係でありますが、28ページですかね。計画的避難区域の範囲、EPZの件でありますけども、10キロメートルということで今までは設計をされたということでありますけども、それを今回の災害を踏まえて拡大をするという動きにあるということは間違いないと思っておりますが、そもそもこの10キロメートルで指定された範囲の中の地域、市町というのはどのような責務があったり、内容があったり、それから県や国からそれなりの支援なりというものがあるのかないのか。あればどういったものなのかまずお聞かせを願いたいと思います。

○近藤危機情報課長
 3連動地震につきまして、まず内訳についてであります。裏側の表につきましては、国のほうで三つの地震が起きた場合に、最大でどのような被害が出るかということで示されたものでございまして、それぞれ想定の合算の数字でございます。それぞれ分類がされているものをトータルとして出されたということで、ここの3連動のところは数字がございません。それから、200人と800人の県と国の相違でございますけれども、国と県のシミュレーションの前提として、まず、1つ1つのメッシュとございますけれども、それぞれの地図を分割して、その中でどういう建物があるか、そして火災が発生した場合の風力はどうかというようなさまざまな想定がございます。国の場合は1キロメッシュで、県の場合は500メートルメッシュです。なおかつ港に津波が押し寄せます際のメッシュにつきましても、静岡県のほうが細かい設定になっております。それから、風力につきましても火災が発生したときに国のほうは風力が15メートルで、県のほうは5メートルというふうな想定の違いもございまして、さまざまな想定の違いから差が出ております。特に建築物につきましては、静岡県の場合は各町丁目といいますか、何丁目単位ごとで細かい設定をして建築物の耐震度、そして倒壊度というものを出しておりまして、県のほうがきめの細かい被害想定をしております。

 次に、津波のシミュレーション、明応の痕跡は生かされているかということでございます。私ども、安政東海地震が県内全域を覆う最大の痕跡ということで――当時、さまざまな文献から痕跡を調べた結果、安政東海が最大であるということで――このときは被害想定を出しました。しかし、もしも今後――今、各市町を通じてお願いをしているんですけれども――例えば、明応の地震でありますとか、そういった過去の痕跡、あるいは古文書、あるいは今後、ボーリング調査によってそういった知見が発見されれば、そういったもので被害想定はまた見直しをしていく予定でございます。現在のところ、県内の最大の痕跡は、下田よりも西については安政東海、東については関東地震ということでございますので、その最大の痕跡をもとに被害の想定をしております。

 それから、3次想定の見直しについてでございます。私ども、国のほうに、とにかく現場はもう待っていられないから、早く出してくださいということでお願いをしてございます。もともと国のほうは、今年度、被害想定を出すという予定でございましたが、東日本大震災を受けまして、その知見を踏まえてやるということで専門調査会ができました。そこで想定の考え方、これを秋口までに出します。その後、今度は3連動についての委員の方々の人選、それから検討会というものを開いて、そして3連動についての地震度、津波の高さ、こういったものを出していくと。これが当初は来年の春というふうに言われておりましたけれども、夏というふうに少し遅くなっております。当然、我々としては早く欲しいわけですけれども、国の想定というものを踏まえませんと、広域にわたる地震でもありますし、それから国の支援と受援の計画というのも、こういった国の想定に基づいて行われますので、県がやって、また国が出して、またやり直しというわけにもいきませんので、国の想定を待ってということです。ただし、少しでも早く国の知見が――津波高とか地震度が――出ましたら直ちにかかれるように、事前の調査で海底の状況、海岸の地形、そしてそのほかのさまざまな被害想定に必要な情報というものを調べまして、国の想定が出ましたら直ちに被害想定が出せるようにということで取り組んでおります。

 次に、避難を促す場合に同報無線というものはなかなか聞き取りにくいのでいい方法はないのかということで、例えばサイレンはというお話でございますが、サイレンも津波について一応、ルールとして何秒やってということはございますが、サイレンもどのくらい流れて、またとまって流れてというのを、住民の方がそれをきちっとつかむというのは、なかなか難しゅうございます。私どもは「地震だ、津波だ、すぐ避難」と地震が起きたらサイレンとか警報を待つまでもなくとにかく避難してくださいと。もう残されている時間は静岡の場合は非常に少ないということで呼びかけております。ですから、逃げるときは揺れがおさまったら直ちに避難をしていただくと。ただし、地震の情報はなるべく正確につかむ必要があります。同報無線ではなかなか聞き取りにくいところがございますので、先ほど申しました、例えば、メールですとか、ラジオ、それから防災無線、このごろは携帯のデジタルテレビもございますので、さまざまな手段で適格に情報をつかんで、さまざまな手段についてやっていきましょうと市にも呼びかけておりますし、私どもの対策会議でもさらに検討してまいりたいと考えております。

 次に、避難の形態のユニバーサルデザインの配慮ということでございます。委員御指摘のとおりです。特に、外国人の方、観光客の方、こういった方にもわかりやすく伝えるということは、例えば、避難路にしても、浸水域のことにしても必要なことですので、ぜひこういったユニバーサルデザインに配慮した表示というのを検討してまいりたいと思います。私ども、支援に行きましたとき岩手県で大きな道路の標識がございまして、その下には英語で書かれておりました。日本語と英語で。ああいうふうに外国語も表示するということは有効かなというふうに考えております。

 次に、津波避難ビルの民間施設の協力度、課題、所有者の感触ということでございます。あの東日本大震災の後に各市町だけではなくて、住民自身が自分の地域の危険性を考えて、焼津等では実際にオーナーに会って協力を求めたと。その結果、協力が得られて避難ビルがふえているという例がございます。沼津でもそのように聞いております。民間のオーナーの方も非常に協力的だと聞いております。ただし、いろいろ課題がございます。一つは、外階段がない。それから、セキュリティーの問題で不安がある。それから、たくさんの方がそのビルに来た場合に、果たしてその強度というものがあるんだろうかと。耐震性を考えると上は軽く下は重くという形が多ございますけれども、上のほうが本当にもつのかというふうな、さまざまな問題、課題がございます。こういった点は、住民の方々、あるいは市町、それから私どものほうも協力して、打開策というのを考えていきたいと思います。

 それから、津波避難マウントでございます。高台というふうな表現を前にさせていただいたかと思います。イメージとしては、山田町のように土塁をつくる場合と、それから山を削って、そこに避難の場所をつくる場合等がございます。いずれも総称すると津波避難マウントというふうな言い方をします。避難先としては非常に有効な手段だというふうに考えておりして、現在8カ所ということでございますけれども、さらにこういった要望があれば、財政的な支援も含めて積極的に対応していきたいと考えております。以上です。

○望月土木防災課長
 津波マウントにつきまして交通基盤部で進めているものについてお答え申し上げます。お手元の交通基盤部の3ページをお開きいただきたいと思います。現在交通基盤部では、津波避難施設の整備状況といたしまして、まず1番目として、港で作業している方々が逃げられない状態がございます。それは、防潮堤よりも前に仕事場とか、加工場もございます。この右側の小川地区のような形のものを津波緊急避難施設整備として進めているような状況でございます。また、2つ目として、急傾斜地崩壊対策事業による避難地及び避難階段の整備ということで、右側の松崎町岩地西の田地区について、急傾斜地を切りまして上を津波マウントにいたしました。通常はここの観光地の駐車場になっておるわけでございますが、緊急時には登っていくというような形で、現在4カ所つくっております。このような形で地元の皆さんに御協力いただければ、交通基盤部としても積極的に促進してまいりたいというふうに考えております。
また、やはり課題が多いので、それ以外にも階段という考えを持っておりまして、海で遊んでいる方々を耐震水門――15メートル以上の水門につきまして上屋の上が平らな部分がございますので――そこまで上がれるような階段を設けます。耐震水門3カ所、静岡市の大谷川、吉田町の湯日川、牧之原市の須々木川に設置いたします。また、先ほど言ったように、急傾斜地土砂災害防止場所、熱海市1件、伊東市に2件、計3件に階段を設けます。また、港湾施設におきましても、御前崎港西埠頭に1カ所そのような形で設けるということで、マウントに近いものの整備を進めているところでございます。以上でございます。

○藤原原子力安全対策課長
 EPZ、原子力防災を重点的に充実すべき地域内にあります市の責務とそれに対する国や県の支援という御質問だと思いますが、現在、御前崎市、牧之原市、掛川市、菊川市の4市がEPZの10キロ圏内ということでございます。この4市につきましては、原子力災害に備えた防災体制を整備していただくという必要がございます。これについては、国・県・市、または関係の防災機関、事業者も含めて全体で防災体制を敷く中で、市として必要な部分についての防災体制を敷いていただくと。具体的には、地域防災計画の中に原子力対策編というものを整備していただきます。これは、市単独でつくるという形ではなくて、前提条件として原子力安全委員会の定める防災指針というものが大前提としてございます。それをもとにしまして国は防災基本計画を定め、県も地域防災計画を定め、そういったものに整合する形で市が防災計画をつくるという位置づけになっております。これを定めるに当たりましても、国のほうは地域防災計画の策定マニュアルというものを用意してありまして、そのマニュアルが1つの参考資料になると。また、県のほうも市が防災計画をつくる上では助言をするという立場でございます。実際、この地域防災計画をつくった上で、いろいろな防災体制を整備する中では、例えば、防災資機材を整備しましょうというようなことがございますが、これは、先ほど早川委員のほうから御質問がありました安定ヨウ素剤などを――これも1つ防災資機材という位置づけになりますけれども――県が購入して関係の4市のほうに配備してもらうと、このような形で防災資機材の整備というやり方もしております。県としても、その4市の防災体制については一緒になってやっています。もし原子力災害が起きた場合には、4市はそれぞれ災害対策本部を設置していただきますが、御前崎にある現地の拠点となりますオフサイトセンターに市の職員の方も詰めていただいて、国・県・市、それから防災関係機関が情報共有を図り、この地区は避難しましょうとか、そういった防護対策についての協議をすることになります。それについては、さらに最終的には原子力災害対策特別措置法の措置として総理大臣のほうから指示がされるわけですけれども、その前段としては、関係者が情報共有を図りながら協議をする場に参加していただくということになります。具体的に、市としてやっている防災対策上、特に重要なことになるのが避難の問題だろうと思います。これは、実際に住民の避難、住民への呼びかけは市が中心になって行いますし、避難所の運営も市が中心になります。これも市だけでやれない部分については、当然、県なり、あるいは警察の応援のような形でやっていくということで、関係機関が連携しながら防災対策を講じていくと、こういうことがEPZの市には求められることになります。以上でございます。

○野澤委員
 ありがとうございました。
 被害の想定の中で、国と県の津波被害の死者数が食い違っていると、先ほど指摘をして質問させていただきましたが、いま一度、よくわからないんですが、津波の高さというのは同じような形で想定をされているのでしょうか。

 それから、過去の歴史で記録等のある地震に学ぶことも大事だというようなお話もさせていただきましたが、安政の東海地震が非常に大きな地震だったということは事実だというふうに思いますが、それ以外にも過去に幾多の大きな地震もあったと聞いておりますので、そういったものも痕跡があれば、しっかりと今後の対策に役立つような形で生かしていってほしいなというふうに思っております。
 マウントについては、有効な手だてではないだろうかというふうに思います。特に、平野部で避難する所がほとんどないというようなところでは、避難タワーというような話が出てくるでしょうけども、そういうところに避難丘をつくってみてはというような話もさせてもらいました。全く余談になりますけども、江戸時代に江戸の町で富士山信仰が非常に盛んなころ、ミニ富士山が各地にあってそこに登ると本物の富士山へ登っただけの霊験があったというような話があります。信仰が主でしょうけども、もしかしたら、低地での津波対策っていうような、当時の人たちの究極の知恵だったかもしれないとも思ってしまうんですね。とにかく、平野部でどこも逃げる場所がないということであれば、少しでも高い所をつくっておくっていうことは非常に有効な対策だと思いますので、今後、そういうことも大いに研究をしながら進めていくべきだなという思いがしております。

 それから、EPZの件ですけども、ちなみに藤枝市などの4市からも拡大を求める要望が上がっているということですけれども、どの市町でしょうか。また、そういう要望があれば、いろいろ課題も特にないというようなお話でしたので、指定されるということになるんでしょうか、お聞かせ願いたいと思います。

○岩田危機報道監
 津波は、国の想定と県の想定が違うわけでございますけれども、実は第3次地震被害想定を行った当時、まだ国が想定をする前でありまして、県が先行して平成13年度に被害想定を行っております。その翌年に国が中央防災会議で被害想定を行いました。そのとき――先ほど近藤情報課長のほうから御説明しましたとおり――メッシュの取り方でありますとか、もともとの断層モデルの設定が、県とは若干違った想定を行っているので、想定される高さも若干違っております。それから、海岸の構造物の例えば沖の防波堤などは、静岡県の場合にはかなり細かく防波堤の効果とか、そういったのを考慮したんですけれども、国のほうは東海地震によって東海地域全体に対してどういう影響があるかという、非常に大まかな指針を示すという方針でありましたので、若干そこについては想定の高さの違いがあります。今回、3連動の想定に向けて、情報災害管理事務局、内閣府に対しては、なるべくそこは地元の意向をきちんと反映してもらいたいと。例えば、私どもは、静岡県全体として見るのも重要でありますけれども、それぞれ市町であり、細かく言えば町丁目といいますか、自主防単位で被害をきちんととらえたいということがありますので、やはり各地域で目標となる津波の高さが県民のところにちゃんと伝わるような想定をしていただきたいということをお願いしております。そういった意味で、バックデータとなる資料等の提供をなるべく早くしたいということで、今、資料収集の準備をしている段階でございます。

 2つ目の過去の津波の痕跡につきましては、今現在、安政東海地震の痕跡が比較的記録が残っているものでは最大の津波であります。委員の御指摘の1498年の明応の津波は、局所的に大きな被害があったという、少し不確かではありますけれども、そういった記録があります。例えば、浜名湖の入り口の今切のところは、実は明応の津波で開削されて浜名湖と海が直接つながるようになります。明応以前はもう少し西の白須賀のあたりで、浜名湖は川として遠州灘に注いでいたんですけども、そのときの記録を見ると、明応の津波が襲ったから浜名湖の開削がされていると。ただ、最近の研究では、むしろ白須賀のほうから入った津波が出るときにあそこを開削したんじゃないかと、そういった研究成果もありまして、まだ明応については津波の高さそのものがはっきりわかっていないところがあります。そういった意味で、そういう過去の史料につきまして、私ども今、研究者の方々にもいろいろお願いしながら収集を始めているところであります。一方で、さらに1000年とか、2000年とか、3000年さかのぼるとどんな記録があるかということで、地質資料といいますか、例えば、浜名湖のようなところに過去の痕跡がないかということについては、今、大学の研究者、それから国の産業技術総合研究所の専門家の方々に早急に調査をしていただきたいということで、現在、依頼をしているところであります。政府のほうもその辺の調査をなるべく早く進めたいということで、今、私どもも地元として協力できる体制を各市町にもお願いしているところであります。

○藤原原子力安全対策課長
 藤枝市などの4市からのEPZの拡大について御要望いただいた件でございますが、御要望いただいたのは、藤枝市のほかに焼津市と袋井市、磐田市でございます。これは、浜岡原子力発電所から30キロ圏内の市ということで、30キロ圏にEPZを広げるよう国に働きかけるようにということで御要望いただきました。30キロ圏には、このほか島田市、吉田町、森町がございまして、現在の10キロ圏ですと4市ですが、30キロ圏になりますと、5市2町が加わるということになります。EPZの範囲につきましては、現在、国の原子力安全委員会が防災指針を見直すという形の中で検討が進められております。今、EPZの見直しを優先的に進めようということで、専門家によるワーキンググループが開かれておりまして、10月をめどにEPZの範囲については、まず考え方を出しましょうとされています。ただ、今までのようにすごく単純にではなく、1つの原子力発電所にプラントが何台、浜岡でいうと5号機まであって、1号機、2号機は廃止措置中ですが、生きている原子炉としては3機あるわけですが、ほかの原子力発電所でも、いろいろな基数がございます。こういった基数も踏まえた上でEPZの設定をするというような考え方も出ているようでして、単純に一律何キロという決め方になるのかどうなのか、それぞれの原子力発電所の規模に応じた考え方が出てくるのかどうか、その辺に今注目しているところですが、10月をめどにということで話を伺っているところでございます。以上でございます。

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