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委員会会議録

委員会補足文書

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平成22年11月過疎・中山間地域振興特別委員会
協議の開始、協議の終了 【 協議 】 発言日: 11/26/2010 会派名:


○三ッ谷委員長
 本日は、これまでの委員会で調査してきましたことを踏まえて、調査報告書に盛り込む提言をどのようなものにするのかについて、委員の皆さんから御意見をいただきたいと思います。
 本日の委員討議の材料としていただくため、これまで行いました県の取り組みと質疑応答並びに鹿児島県への視察、佐久間町での地域住民との意見交換などについて論点をまとめた資料を、お手元に配付させていただきました。
 資料について、事務局から説明をさせます。

○事務局
 お手元にA3横長の資料1枚と、A4の資料をお配りしています。A4の資料には、第3回の執行部との質疑、鹿児島に行きました視察――山ヶ野金山、柳谷自治会、みどりの停車場、鹿児島県議会での調査概要、最後に佐久間に出向いた際の調査概要を記載してございます。これを要約させていただきましたのが、A3の1枚です。これを簡単に説明させていただきます。
 まず、A3の左上のところですが、県の取り組みを大きく5つに分けてあります。
 全体計画として、過疎地域自立促進方針、新総合計画があります。
 産業振興につきましては、経済産業部のきらく市、鳥獣被害防止対策、100銘茶、県産材の需要・供給の一体的創造などがあります。
 交流、移住・定住促進につきましては、グリーンツーリズムの推進、体験民宿の認定基準の創設、こども農山漁村交流支援、ホームページ等による各種情報の発信などがあります。
 生活基盤・保全管理につきましては、一社一村しずおか――こちらは交流とも重なってきますけれども――、農業・林道基盤整備、光ファイバー網整備などがあります。
 民俗文化継承につきましては、芸術回廊、民俗芸能フェスティバルなどがあります。
 次に右のところに、8月に行われました執行部との質疑について主なものを載せました。「専門の部署」の点につきましては、今までは過疎だけだったものに中山間地域も入れた会議――過疎・中山間地域の施策推進会議を4月から設置して連絡調整を行っております。また、新総合計画の中でも位置づけをしっかりやるということです。
 地域での人材供給、確保については集落支援員などいろいろなメニューがあります。
 「交流人口の拡大が一過性で終わらずに経済が回るような仕組み」をどのように考えているかということで、「銘茶のブランド化」、「県産材の供給から需要までの一貫性」、あるいは「直売施設などの支援制度」、こういったものなどにより交流、定住のほうに進んで行くような方策を考えているというところでした。
 下のほうにいきまして、県外視察や、佐久間での地域住民の方々によるお話の中での主な点を記載してあります。
 まず上の8点が鹿児島への視察における点ですが、やはり地域にはそれぞれ魅力的な資産があるので交流に活用していくこと、また、おもてなしの心が大事であるという説明がありました。柳谷集落では、高齢者の活用という話がありました。また、耕作放棄地対策には集落営農という方法があるという説明がありました。「みどりの停車場」では、直売施設を継続するには住民が積極的に取り組むことが大事だという説明がありました。
 8点のうちの下の4点が鹿児島県議会での点です。鹿児島県議会では、本年3月に提言を行いました。この提言は4項目ほどございまして、1つ目が「総合的・横断的な視点に立った過疎・中山間地域の集落の活性化、再生に向けた検討」、2つ目が「総合的・戦略的事業の展開」、3つ目が「推進体制の整備」、4つ目が「事業の財源確保」です。
 その下からが佐久間で地域住民から説明があった点ですが、NPO活動の中では農地法あるいは有償タクシーの運用について規制が厳しいという話がありました。また、鳥獣被害につきましては、生産意欲を低下させ、耕作放棄地の原因や移住の壁になっているという話がございました。
 こういったところが今までの経過でございます。以上、御説明申し上げます。

○三ッ谷委員長
 事務当局でこれまでの取り組みの状況を大変うまくまとめていただきました。今説明を受けたとおりです。
 当委員会に付託されました調査事項は「過疎・中山間地域の振興による地域力の維持・向上に関する事項」であります。この資料を材料として、また資料に記載のないことも含め、委員会としてこの調査事項に対してどのような提言をするべきか、自由に御意見を伺いたいと思います。
 それでは発言を願います。

○浜井委員
 要するに提言についての意見を言えということですね。

○三ッ谷委員長
 そうです。そうですね。

○浜井委員
 静岡県の過疎・中山間地の定義というのを一度きちっとしなきゃいけないと思います。まず、過疎地域があるわけです。それから山村振興地域、特定農山村地域というのがありますね。それから農林統計上における中間農業地域、山間農業地域というのがあるんです。それから準過疎地域。過疎・中山間と一口に言っても、行政執行上のそういった5つの地域があるんですよ。これに本県の市町、地域がどういうように組み込まれていくのかということを、まず、きちっと数を明確にする。そうしておいて、それぞれ違う対応の仕方をする。
 我々が鹿児島県の視察で最初に行った山ヶ野金山は、残念ながら観光コンテンツとすれば、全く機能しないだろうなって思って帰ってきたわけです。あれでは、例えば石見銀山だとか、伊豆の土肥金山の跡のほうが、よっぽど観光地とすれば整備されている。今からあそこを整備してくっていっても、建物も何もないし、坑道の跡だけではどうも無理だろうなと思いましたけれども。
 それよりも「やねだん」の豊重さんでしたかね。ああいう要するに地域の強力なリーダーがいないと、過疎地域というのは引っ張っていけないんだよね。
 実は、私はあの後、個人的に鳥取県の智頭町へ行ってきました。新田というところで、ここは人形浄瑠璃をやっていて、19世帯で50人ぐらいしかいない集落なんですが、そこは大阪府の泉佐野市と交流しているんですよ。そちらの小学生、中学生が来て一緒に田植えをしたり、交流している。そういう形でやっていくということで、今、静岡県では一社一村運動をやろうとしてるわけですよね。一社一村、一校一村、一校一過疎地域・中山間地域というような形に、そういうところをもうちょっとネットワークの枠を広げていくっていうことを提言できると思うんですよ。
 熊本県の水源村というところも行ってきたですよ。ここは、東京から帰ってきたよそもんの人だけども、その人が一生懸命やっているんですね。最初は、よそもんだから変な目で見られていたけども、余り一生懸命やるもんだから、おばあちゃんたちがみんな出てきてですね、小学校の廃校を使って地元の料理を提供して、大学生の合宿所にしようとして一生懸命やっているんですね。それなんかも、結局は「やねだん」の豊重さんと同じように、一人の強力なリーダーが引っ張っているということですね。
 そういうところを見ると、やっぱり支援員ですかね。国からのは本県では受け入れるところがないとか言ってるけども、静岡、浜松、川根本町あたりでは、そういう支援員がいるってこの資料に書いてありますね。ですから、まずそういう強力なリーダーをつくるということ。その人材育成というところが、やっぱり1つのポイントになってくるというふうに、いろんなところへ行ってきて思っています。
 よそばっかりじゃなくて天竜の「くんま水車の里」も、最初は、市会議員のなかなかのうるさ型が、奥さんたちと強力にがんがん進めていったようですから。やっぱり過疎・中山間地域は、そういう強力なリーダーを持たないとだめだと思うんですね。
 それから農産物の加工品で言えば、この前行った佐久間は山香ふるさと村がやっている。浜松市の市中にも出てきて販売をやってるわけですね。龍山村もそうでしたかね、コンニャクとか山菜料理、山菜の加工品、そういうものがある。そういうものを静岡県で集めて、本当はネット上に楽天市場のようなものをつくって、販売するのがいい。これは、もちろん特産品のお茶も含めてね。山のものだけじゃなくて、知事がよくおっしゃる216品目のもの、静岡県が日本一だというものも含めた大きな市場をインターネット上につくる。これは過疎・中山間地だけではなくて、都市部も含めたそういう展開が必要じゃないかなと、そんなふうに思いますね。
 ちょっと今、この資料を読んでいたところですが、とりあえずそういう感想はあります。もうちょっと読む時間を与えて、みんなもう少し考えてから議論してはどうでしょうか。

○三ッ谷委員長
 8番委員がおっしゃったとおり、県外視察、県内視察を通じて、やっぱり強いリーダーシップをとる人がいなければ、なかなか集落営農を含めて、やっていけないというのはよくわかりました。また、ちまちまという言葉は失礼だけども、小さくこぢんまりね、地域の物産をあのテリトリーの中で売るっていうんじゃやっぱりだめなんですよね。だからネット化も必要でしょうし、また合わせてね、やっぱり全体がそういうことで合わさらないと。趣味の会がつくって瓶詰めしてるっていうような感じだけじゃ、やっぱり地域の振興っていうのとはまた違うんじゃないかなっていう気は、今、浜井先生が御指摘のとおりだろうとな思いました。
 当局でまとめてもらった資料が6ページあります。今、浜井先生からのお話ありましたので、暫時休憩を取りますので、よく読んでください。
今ちょっとした入り口を浜井先生がつけてくれましたので、休憩後に各委員の皆さんにも一通り御意見を伺うつもりでおります。よろしくお願いします。再開は11時とします。

(休 憩)

○三ッ谷委員長
 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
 御意見があります方は、挙手の上発言を願います。

○佐野委員
 発言は1回だけじゃなくてもいいですか。

○三ッ谷委員長
 何回でも構いません。

○佐野委員
 県の組織のことですが、過疎・中山間地域を所管するところが経営基盤部の自治行政課や、産業とか教育とかちょっと担当部署がはっきりしないっていうところがあるので、その辺を提言できないかと。過疎・中山間地域の活性化にかかわるこれからの指導や県としての重要な施策になると思うので、できれば組織をはっきりさせる必要があると思います。
 そして地域支援局や出先との連携も図っていって、地域支援局をもっと活用すべきだと思います。

○三ッ谷委員長
 日ごろ、熱心に取り組んでおられる戸塚先生、いかがですか。

○戸塚委員
 何回目かの委員会において出てきた資料の中において、本県が全国的に見ても過疎化が進んでいるという著しい数字が示されておりました。東海道ベルト地帯に位置し、他県より裕福なはずの本県が、過疎・中山間地域に対しての施策が少なかったのではないか、不足していたんではないかというような思いを抱いた数字でございました。そういうことからも、ソフトの対応だけでは難しいのではないかと思いまして、税の投入ということ。例えば、自然保全という視点からのデカップリングを国に要望したり、本県独自の施策である森の力再生事業に当てている森林づくり県民税をモデルとした、そういう税の投入が必要ではないかと思いました。
 それから、人材について、強力なリーダーが必要だということはそのとおりでございますが、農山村におきましては、一人の者がものを言うには、地域社会の中においての順番というか、ものを言っていいか悪いかというような見えないバリアみたいなものがございまして、強力なリーダーが出てくる素地が薄いわけです。やっぱりそういう中で、外部から行政が支援をする集落支援員の配置というのは必要ではないかと思います。また、せっかく地域支援局が県にもありますので、そこをもう少し活発な活動ができるように位置づけをして差し上げることが大事かなと思います。
 さらに、農地法の規制やいろいろな有償タクシーの規制とかございますけれども、規制を取り除いてあげる特区を視野に入れた本県ならではの活動を推進していかなければならないと思いました。以上です。

○小長井委員
 それでは私のほうから述べさせていただきます。率直に言いまして、この特別委員会が何回か視察等を行い、それからここでの協議をやりましたけれど、過疎・中山間地域の振興ということからすると、とても1年でこれだけの委員会ではいろんな提言がしづらいということをまず言わせていただきます。
 その上で、先ほど2番委員もおっしゃいましたけれど私も全く同じでして、それぞれ意見の中に、専門の部署をつくるべきではないかというようなことがあったと思います。これまで県にしましても、過疎・中山間地域の対策をぱらぱらといろんな事業をやっていることは確かだと思うんですけど、それらを総合的、横断的に整理して進めていくというような部署の体制整備というのは必要だと思います。まず第一に、私は中山間地域、過疎地域を総合的に見ていく、そういった部局をやっぱりつくっていくということは提言していただければと思っております。抱える問題もいろいろありますので、そういったことを総合的に判断できる部署の中で検討していくということが第一。
 それともう1つは、過疎・中山間地域といっても過疎法でいうところだけでなく、静岡県下は過疎地域、中山間地はかなり広いわけですから、静岡県としてのこの過疎・中山間地域をどの辺にするかということもしっかりと定義をしていただいた上で、こういった問題に取り組んでいくということが必要ではないかなというふうには思っています。以上です。

○宮沢委員
 先ほど8番委員のほうからありましたけど――今さらという感じもするんですけど――過疎・中山間地域は本当に幅広くて、私の当初思っていたイメージよりも本当に過疎地域という問題の深刻さというのを改めて知りました。そういう意味で、同じ基準で提言をするっていうのがなかなか難しくて、それぞれいろいろなカテゴリーの中で対策を練っていかなくちゃいけないかなというようなことを感じました。
 そういう中で、行政サービスを県でしていく上で、ただ本当に費用対効果だけでははかれない問題があるなというようなことを感じました。特にインフラの整備について、例えば道路1つにしても大変狭い道路で大変な生活を強いられているなというようなことを感じるときに、やっぱりそういうところはきちっと行政が支えていかなくてはいけないんじゃないかなというようなことを感じました。そういう意味で、やっぱりいろいろな施策を打つ中で、財源が必要になってくるわけですけど、特にそういうところに着目をして、しっかり財源の手当をしていくということも大事かなというような印象を持ちました。規制の問題はこれもまさに大事な問題で、やっぱり規制緩和をしていくということで、これも過疎地域に限って必要なことについて問題点を整理して規制緩和をしていただくというような働きかけもしていく必要があるんじゃないかなと思いました。以上です。

○中澤委員
 強力なリーダーがいるということがやっぱり1つのきっかけで、まちがいい形になってくるんですよね。私も昨年、石川県羽咋市のやっぱり山の中のところへ。あそこは中谷さんも行きましたかね。

○中谷副委員長
 私は行ってないです。

○中澤委員
 それこそ10年ぐらい前に東京から帰ってきたお坊さんが役場の臨時職員になって、その地域を何とかしろということで、予算が60万しかなくて、本人ともう一人の部下でそのまちおこしをやった。小さい棚田の集落なんですよね。すぐ近くの新潟は雪の中で一等級のコシヒカリができるんだから、反当たりの収入は少ないけども、こういう棚田でもできるんじゃないかということでやった。
 聞いたら、もともと羽咋市っていうのは羽を食べるって書くんですよね。大昔の伝説で、忠犬ハチ公みたいな犬が大きな鳥を食べたということで、悪魔払いをしたということで名前ができたということなんです。
 それで、人工衛星をうまく使って、GPSで温度を空中から測定して、水田をコントロールするということをやりながら、反収入は非常に少ないけども結果的にうまくできた。要はその人が知恵を持って――もともと昔のテレビ番組の11PMのプロデューサーのアシスタントをやっていたということで――どうやって売り出すかなあということで、東京で売ったということ。東京で売る前に、献上品で何かニュースバリューがあるものないかなということで、皇室献上はもう米はだめだということで、バチカンへ献上したわけです。いわゆるカトリック教の総本山――バチカンへ寄贈したら、向こうで初めてお米の寄贈があったと。日本の最初の寄贈は、織田信長がびょうぶを寄贈したというのが記録として残っていたらしいんですが。それで、四谷の上智大学の横にある聖イグナチオ教会のバザーがあって、それを伝え聞いたバザーの主催者である尼さんが、「バチカンに寄贈したんならうちにもくださいよ」と、「うちにも売ってちょうだいよ」ということで、そこで売り出した。それが外国プレスにうまく載って、途端にグレードが上がっちゃった。だから1俵60キロ――今安くなってどうだろう――1万四、五千円でしょうか、それが3万五、六千円で結局売り出したんですよ。値段は生産者がつけちゃおうということで、とんでもない売り出し方をしたんですけどね。やっぱり、そういう売り出し方がうまかったということ。それからもう1つ、その米を使って日本酒をうまくつくった。ワイン酵母か何か入れたらしいんですが。結局それがやっぱり大化けして、JALの太平洋航路の国際線のファーストクラスに採用されたと。
 やっぱりプロデューサーがいないとだめなのね。同じお米でも、それから同じお酒でも。だからそれは基本的には人材なんですね。あの「やねだん」も同じなんですよね。たまたま本人が気がついてそういうふうにやってけばいいんですけども、やっぱりそれには、非常に田舎特有のなかなか飛び出せない部分がある。だけど、やりたいっていう人は当然いると思うんですよ、こう悶々としている人。それを行政的に情報提供するなり、その人たちにうまくリーダーとしての知識を供給するなり、そしてそういうネットワークをつくるなり。「やねだん」だって講習会をやっているということですよね。そういう情報をむしろ積極的に提供して、そのシステムをつくってあげるとかね。公費でもいいと思うんですよ。公費でそこへ派遣するとかって。そういうことで、グレードが上がっていくっていうかね。やっぱりそういう意識改革をしてもらうことが、まず行政でやることではないか。お金をつぎ込むこともあるかもしれませんが、住んでいる人の意識が変わらない限りは、やっぱり変わらないと思うんだよね。そこら辺が、僕は一番なのかななんて思っています。ですから、リーダー研修の場をつくるということと、それから逆にそういうリーダーと思われる人をその地域に派遣していくとか、そういうことによる意識改革によって素地をつくっていく。それがまず一歩なのかなというふうに感じます。
 それであわせて、その地域に住んいでる自分たちは意識しないさもない産物、日常性のある物だと思っていても、だけど外から来ると宝物だと。そういう物が結局わからないわけよね。だから、それから外の知恵でそれを見つけるとかね。見つける努力をお互いにしてくと。それもやっぱり人間のことだから、そんなシステムをまずつくることから始まることなのかなと。それによって必要性のあるものを予算づけしながら、ハード、ソフトを合わせて導入していくことだと思う。だからあとのやり方は、例えば窓口の一本化とか何かいろいろあるけれども、それは付随的に当然出てくることでしょうし。住んでいる人たちにやる気を起こさせる算段を、まず考えていくことが大切だと思っています。

○蓮池委員
 この特別委員会で、県に対してどういう提言をするかということなんですけども、まずこの過疎・中山間地域に対する県のこれまでの取り組みというのは、非常にあいまいもことして、言ってみれば基本的には市町村事業だから、県は市町村がやると言えばそれに対しては応援するよというこういうスタンスだったと思うんです。この静岡県として、過疎・中山間地域に対する姿勢、スタンスをまずきちっと明確にすべきじゃないかということをやはり提言すべきじゃないかと思いますね。それにつながっていくところで、じゃあそれを推進するための組織はどうあるべきだとか、その支援の内容はどうするんだっていうことが出てくると思うので、まずそこをやはり明確にすると。もう市町村にお任せで、県はそこから出てきたもんはやるよっていうようなスタンスでいいのかどうかということだと思うので、そこはやはり一歩踏み込んだ支援体制、支援策が必要じゃないかということ。
 その中身の1つとして――今皆さんからいろいろ出てきましたけど――各資料でいただいたように、既に県も一応、過疎・中山間地域の概念について、地域振興五法上の分類はどこだとか、農林統計上の分類についてはどこが該当するかっていうことはわかってると思うんですが、具体的にそれぞれの地域の課題に対する対応は何かっていうところまで、恐らく掌握してないと思うんです。ですから、過疎・中山間地域って一言で言っても、それぞれの課題はみんなたくさんあるわけで、しかしその課題を解決するためにじゃあ県は何ができるかということ。先ほど8番委員からも出ましたが、じゃあ県として強力に国に対してさまざまな提言をすると。例えば、有償運送だとか農地法の問題だとか、そういったものが出てくると思うんです。
 もう1つは、かといって県が全部の地域に支援するっていうのも、これは財源的に非常に厳しいことなので、むしろ「やねだん」のようなモデル地域が静岡県の中にできないのかなということ。そういう意味では、本当に意欲的な地域を一極集中でもいいから一点突破全面展開というようなことで支援する。1つのモデル地域をつくるということで手を挙げてもらって、そこを支援する。そういうことも、支援策の中で考えていったらどうかなという思いはしています。

○阿部(卓)委員
 今の各先生方の御指摘と同じようなことなんですが、ずっとこの委員会やってきて思うんですが、過疎になっていく原因を、もう一回そこに住んでいる人たち、出てった人たちへきちんと調査をしなければいかんだろうなというふうに思います。それは、例えば子育てであったり、老後の心配だったり、交通のことだったり、買い物のことだったりすると思うんですが、そこに住み続けられない理由が必ずあるわけで、それをやっぱり解明をしなければトータルな支援の政策は立てられないのかなと思います。
 それから、現在の構造から言うと、静岡市と浜松市における過疎の地域は政令市というだけで過疎地域指定から外されている。特に、静岡は完全に外されていますね。浜松市は今回も特例で残って指定されましたが、そういうことも考えていかなければいけないと思うんです。
 それから、県ができることっていったら、多分、過疎地域に住んでいただいていることによるメリットを。具体的にいうと、例えば台風の後、自分の家の前の小川の掃除を、自分の家の庭を掃除するように、住んいでる人が掃除をしてくれる。それによって、その台風の後もその小川はスムーズに流れていくと。ところがそこに住んいでる人がいなくなったら、その小川に小さなダムができてしまって、ある日突然そのダムが決壊して下の道を押し流すと。押し流してしまって、その復旧にかなりのお金がかかるとか、そういうことだって十分あり得る話であって、住んでいただいていることによるメリットがある。それによって、税金を無駄遣いしなくて済んでいますよとかいうこと。川上の人たちが生活していただいていることによって、川下の人たちがどんな恩恵を受けているか。水の問題もそうですし、森の問題もそうです。それをもっと宣伝してあげなければいけない。それによって、川下の人たちが川上の人たちに感謝の念を持つということ、そういうことをやってあげないとだめなのかなと思います。「そこに住んでいただいてありがとう」、「そこに住んでください」と。「私もみんなにそういうように尊敬されるその地域に住みたい」というような、いわばムーブメントまではいきませんけど、そういう逆の流れをつくらなければいけないかなと思います。
 それから今、先生方がおっしゃった人材育成も絶対そうだと思います。
 また、今、蓮池委員――9番委員のおっしゃったモデル地域というのはやっぱり必要だと思います。規制をかけたり、ゆるめたり、助成をつくったりという特区という形はぜひつくるべきだと思います。私は、先般、福岡県の星野村――現在は八女市になりましたが――というところを見に行ってきました。星野村というのは、合併する前の星野村のときに、かつて竹下内閣で出たふるさと創生の1億円を原資にして財団をつくって、村を売り込むことをやってくれということをした。当然、村も協力して天文台をつくった。村の名前に「星」という字が入るように、星がすごいきれいに見える。それで今、その星野村が何をやっているかというと、かつて日本書紀に出てくる空で神々が行き交った船着き場があり、星野村にある大きな岩がその船着き岩だとか、そういう言い伝えを――先ほど中澤先生もおっしゃっていましたが――物語にして、村のストーリーとして売り出すということ。そういうことをやったり、それから温泉を掘って温泉旅館を経営したりして、十分に経営ができている財団でした。そういう受け皿としての仕組みづくりが必要だと。静岡県の場合は、例えば視察で行った佐久間のNPOもありますから、そういうものをもとにして、特区、モデルというのをつくっていくということが必要かなと思います。その際にやらなければいけないのは、――先ほど浜井先生が御指摘のように――国の制度がひっかかっている、県の制度がひっかかっている、市町の制度がひっかかっているという整理をした上で、それを緩和する、また助成する。そうした特区、モデル地域というのが必要だと思います。

○三ッ谷委員長
 両副委員長は御意見ありますか。あれば発言を許しますのでお願いします。

○落合副委員長
 やはり集団農営ということで、村のみんなで守っていくっていう意識がやはり強くないと、生き残っていけないっていうこと。だから何かそういう面での支援策――支援員もそうだけど――何か必要かなと。それがないと、みんなもうばらばらばらばら出ていってしまう。ただ、だけど、そこにお金をどれだけ――さっき御発言がありましたが――つぎ込んだらいいのかっていうことでは、ちょっと難しいんじゃないかなとは思います。

○中谷副委員長
 地域のリーダーたらんとする人が必要なのは十分理解をしているんですが、なかなか鹿児島の「やねだん」のようなですね、ああいう方は出てこないのではないかなというようなことがあります。例えば、NPOの関係で、最近ちょっと新聞かなんか出ていましたが、あの有名人の坂本龍一が「山のことにかかわっていろいろやりたい」と言っているわけです。安直かもしれませんが、そういう自然系に興味を持っているというか、造詣の深い名前の売れている方が、活動の中心とは言いませんが、冠になってもらうと、それなりに注目をされて、人が集まる。集まれば必ずそこで何かが出てくるということなもんですから、そういった作戦も考えていかないと、消えゆく山村の中で人材を探すのは難しいということ。また、京都の「里の仕事人」のように役人の中から時々というか助けをする。県の森林局の皆さんの中にも、「山が好きだ」、「里で生活をしたい」とおっしゃったり、いいアイデアを持っているという方もおいでになるわけです。そういう方が率先して、さっきの組織の問題から一歩前へ出て、そういったことも具体的に動き出していけば、何か形が出てくるのではないかなというようなそんな思いがします。要するに「人」なのではないかなというふうに私は思っています。

○宮沢委員
 地域コミュニティの中心になるのは、僕はやっぱり学校だと思うんですよ。特に小学校、中学校というのは本当にその地域の中心的な心のシンボルであると思うんで、ただ単に少子化ということで学校が統合されてくっていうことも、僕は過疎化に拍車をかけているかなというような気がするんです。そういう意味で、学校教育のあり方として、小規模校には小規模校なりのよさっていうのもあると思うんで、そういうところの教育効果っていうものを訴える中で、いろいろな取り組みをして、地域に学校を残すっていうこともある程度考えていかないといけない。ただ単に子供の数だけで学校がなくなっていくということが、こういう過疎化に向かっているんじゃないかななんて思います。そういう中で、例えば山村留学であったりとかいろいろな取り組みをして、地域の学校を守ってるっていうところもいろいろあるわけでありますので、そういうところも1つ大事な視点として考えていく必要があるかなと僕は思っています。

○戸塚委員
 光ファイバーの整備についてですが、やはり情報格差になってはいけないし、道路もなかなか整備できない中で、こういうことは大事なことだと思いますので、補助制度の拡大を要望したいと思います。

○浜井委員
 さっき言ったようにですね、要するに過疎・中山間地域のその定義にはいろいろなものがあるわけです、さっき5つ言いましたが。それは、後でまた示しますが。それが本県でどのような配置になっているのか。それによって、それぞれに違うわけですよ。過疎法の対象になっている地域があれば、中山間地ということになっているところもある。だから、個別の要望あるいは課題というものがそれぞれあるわけだから、そういうものに対して差別化をして、地域の要望っていうものをしっかりとくみ上げる必要があるというところから入ってくべきだと思うんですね。
 「人材は難しい」とおっしゃいましたが、そうじゃないんです。要するに、嫌われても、「何だあいつ、よそもんが」って言われても、私が行ったところではみんなそれが結局はついていくんです。もう年寄りばっかりになっちゃって、「あの人の言うとおりだ、やってみよう」という形でやってくわけだから、そのぐらいの意志がないとだめなんです。ここの資料の中にあるけど、高知県や島根県では人材として職員の「手上げ方式」があると。だから所管が移っても、その職員がそこに熱心なら、出ていってボランティア的にやっているというような記載があるんですね。だけども、県の職員、役人だとどうしても上から目線になっちゃうというふうにも書いてある。だから、本当はそこに住んで一緒に生活して、鳥獣被害などそういう体験もして、それでどうするかっていうリーダーでなきゃだめなんですよね。そういう意味での人材育成っていうものをどうするか。そのためには、さっき言った一社一村運動、あるいは一ボランティアのつながりとかね。そういうものを支援していくべきであろうというふうに思うんです。
 それから、所管課を1つにするっていうことが先ほど御発言がありましたが、これはもう既にこの資料にあるとおり、4月から過疎・中山間地域の施策推進会議を設置し連絡調整をしているということですから、これは1つにするということよりも、この機能をもっと上げていくということ。そのためには、地域支援局のようなところの活用を図るべきだというようなことだろうと思うんです。
 それから「やねだん」についてですが、県はコミュニティ推進協議会への支援を行っているということで、「やねだん」に研修に行かせているんですよ。だけど全くこれは効果が出てないってことでしょう。だから、金を使っていても、「研修に行った人は何をやっているのか」っていうことにもなりかねないんで、ここら辺をもう少し何とかする。せっかく財政措置があるんだったら、本当にその効果が上がるような、支援員の研修制度を充実させるべきだというふうに思います。
 それから学校のことについてですが、私のところは中学校がもう十何年前に廃校になっちゃった。20人ぐらいしかいなくなっちゃったんです。小学校は8年ぐらい前に廃校だけど、1年生から6年生まで7人しかいなくなっちゃった。だから複式学級ですよ。7人みんな一緒にして1年生から6年生まで先生が教えるわけだから、これじゃあやっぱりね。本当にそれで教育になるかっていう問題があって、大勢の中に入れてそれぞれ学年ごとのまとまった教育をさせるっていうことが教育効果が上がるということでやっている部分もあるから、一概に過疎地の学校を残せっていうことも無理があるかなと。私自身がそういう中で育ってきたから。
 それから、なぜいなくなっちゃうかっていうと、教育で、例えば高校へ行くときに不便だと。それから、医者がいないと。いざっていうとき、夜中になったらもう困っちゃう。車もないと。それから、自給自足が中心で買い物ができないと。そういったことがある。かつて浜松とか静岡が、医者がいなくなるっていうことで、私学のラサールとかそういう東大進学校を持って来ないと医者が来ないということで、持って来ようとしたんだけど、結局どこも来ないんです。医者は息子をそういう進学率のいいとこに行かせる。いい私学があれば地方に来るんですよ。だけど、そういういろんなものがリンクしていて、難しい部分がある。私は、さっき部屋に戻ってこの定住自立圏構想の資料を持ってきたんです。これはみなさんの机の上にあったと思うんですけど。これを見ると、定住自立圏のイメージなんて全く過疎・中山間地域は対象じゃないですね。これよりもっと、この外れに過疎・中山間地域はあるわけです。だから、この構想を国が進めているんであれば、ここのもう1つ先に過疎・中山間地域を入れるべきだというような提言も必要じゃないかなと。これは、みなさん帰ったら机の上を見てくださいよ。
 だからそういう意味で、まず人材と、それから基本的には行政区は――さっき9番委員が言ったように――市町村なんですね。だから、県が口出しするといやがるという部分があります。私は佐久間へ行ったときに、向こうの副区長に「特区の申請はしないんですか」って言ったじゃないですか。だから、そういうことも含めて、過疎・中山間という大きな概念を抱える市町村が県内に幾つあるかによってね。その中には、離島振興法の対象だとか、半島振興法の対象地域も伊豆半島にあるはずだから、そういうもの全部ひっくるめた過疎・中山間地という形にして、それぞれの課題ごとに県は市町と一緒になって、その地域地域、町ごとの過疎・中山間地の課題をもっとしっかりとくみ上げるべきだと。みんな一律にやろうとすると、これは絶対うまくいかないということですから。そういうことも主張してもらいたいなと思います。そういう中で、モデルという形が出てくると思うんですよね。モデルもその1つであると。しかもそれは、手上げ方式でいいと思うんですよ。中谷副委員長と行った高知県のあそこは何というところでしたでしょうか。

○中谷副委員長
 梼原町です。

○浜井委員
 あそこは、町長が議長と二人で組んで、もう先頭に立ってやってるわけですよね。だから国からも金持ってくるわ、いろんな企業は持ってくるわ。そういうふうに、やっぱりリーダーシップを持たせないと、なかなかできないですね。あそこで一番いいのはあのイタドリの干物。あれがね、いまだにおいしい。

○中谷委員
 うまかったですか。

○浜井委員
 ところがいただいた漬け物ね、あれ一袋100円なんですよ。取り寄せようと思ったけど、いかんせん100円じゃあね。それで、賞味期間が3日だとかで。ああいうものは、もっとうまくほかのものと組み合わせて、「一箱500円でこういうものがありますよ」、「一箱1,000円ならこういうものがありますよ」というような売り方をしてくれればね、ネットで注文できると思うんですよ。だから、そういうものを単発にやるんじゃなくて、それを束ねて売ってあげるということ。つくったって売らなければやっぱり意味ないわけだから、そういう仕組みが必要だろうなと思いますね。

○三ッ谷委員長
 とりあえず、それぞれ委員の皆さんの御意見を一通り伺いました。きょう、別にここで最終的な提言案をまとめるわけではありません。きょうのそれぞれ委員の皆さんの御意見を踏まえて、これまでの調査で行ってきた県内、県外の視察、当局からの説明を含めて、最終的には提言を取りまとめたいと思います。きょう、それぞれ委員の先生方からお話しをいただいて、私も全部筆記をしておきました。
 地域おこし、まちおこし、村おこしみんなそうですけれども、強引でもね、やっぱり地域にリーダーがいなきゃなかなか中心の渦ができないっていうことは皆さんほとんど同じお気持ちでいられると思います。私もやっぱりそういう人が必要かなっていうのはつくづく感じました。
 また当局の答弁にありましたし、今回まとめてくれた資料にもありますが、過疎・中山間地の施策推進会議というのをやっているわけですけど、会議はそれぞれ出て集まったところでやるわけですが、結果的には持ち帰ってその担当部署が行動を起こさないとできないシステムです。そういうことを考えると、本当に本県が過疎・中山間地の地域おこし、振興を考えるんであれば、やっぱり単独部署で新しいセクションをつくらない限り、横断的なものはできないと思うんですよ。ですから、そういう御意見も先ほどありましたが、新しい担当部署ということ。今までの組織を見直して、もうそこはそれしかやらないというようなところをやっぱり部の中につくっていただくというようなことも入れたいなと。
 また、合わせて、その資料には浜松市の支援員の事例が載っていますけれども、これらを活用して、もう少し地域の住民と融和して、その人たちの仕事があるいは力量が発揮できるような条件整備をやっぱりもう少し当局としてやっていただけないか。
 それから、いろんなこと見ても、県の今までの取り組みが、あっちでポツ、こっちでポツという感じで事業はやっているんですが、なかなか一貫性がなくて、お金をかけ税金を投入した割には、なかなかまとまりがないよっていう話もいただきました。県下全体の過疎・中山間地域って言われるところを全部一遍にレベルアップするってことも大事ですけど、大事なことは――9番委員あるいは8番の委員が言ったように――やっぱりモデルをつくるべきですよ。「ここのモデルは、このおかげでしっかりこうなりましたよ」、「皆さんこれをまねしてやりましょう」というような意味合いからいくと、地域の特徴を生かしながら、そういうモデルのゾーンをつくって、一地域一極集中じゃないけれども、そういった地域まちおこしに取り組む時代に来ているんじゃないかなということも御意見を拝聴したところです。
 それから――これは阿部さんの御意見でしたでしょうか――川下の人が川上の人の御苦労を知る。山の話はよく言うんですよね。山は治山治水の中で一番大事だと。だから山が荒廃すれば、川そのものがやっぱり傷んでくる。一番海に近い川下が、そのために被害を受けるから、山は大事にしないといけないということで、今、漁業者も山の間伐のお手伝い行ったり、下刈り行ったり、いろいろしているんです。住んでいる人のメリットとか、その人たちがどんなことをしているかっていう話は、確かに川下の人たちは知りません。だからそういうことも、やっぱり県民の協働意識の中で意識啓発をするようなことを当局にお願いしなければいけないなという気もいたしました。
 それから落合副委員長の話ですけども、「やねだん」を見ても、やっぱり集落の営農というのが集団の中の協働意識として、なおかつ多少のお小遣い程度の配当金もあって、やる気を起こしたっていう事例もありましたので、こういう意識が強くなれるような指導も当局がしないといけないというのも当然です。
 また、中谷副委員長から話がありましたが、自然系に大変興味を持って取り組んでいる、そんな有名人が手を染めることによって、地域が変わるっていうことも事例がありますから、当然そういうことも考えなければいけない。
 あるいは社会資本の中で、山だからあるいは中山間地、過疎地だから、なかなか情報がうまく伝わらないと。テレビについても、私はこの20年ずっと県会議員ですが、伊豆半島含めて難視聴地域あるいはテレビ電波が届かないということで、県もなかなか随分お金をかけてきました。ですから、やっぱりこういう情報が共有できるような社会資本の整備っていうのは、これから中山間地が生き残っていく中では必要なことかもしれません。また合わせて、緊急災害あるいはいろんなものについて大変心配する地域でありますから、こういうことの整備もやっぱり当局にお願いしなければいけないというような皆さんのお気持ちはよくわかりました。
 そこで、きょうこれをずっとやりましても、ただ意見の羅列だけです。次回第6回の委員会を1月11日10時半から予定していますが、きょう出された大きな項目について、これまでの議論を踏まえた中で提言書の1つの大きなモデルをつくり上げたい。そのモデル案を中心にして、各委員の皆様方から再度御意見をいただくような形で第6回を迎えたいなと。ですから、御意見はたくさんありますからもう少し詰めさせてはいただきますが、そんな流れで各委員の先生方から御賛同をいただきたいなと思いますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」と言う者あり)
○浜井委員
 ただね、その集団営農の問題はそのとおりなんですが、今、中山間地所得補償方式という制度がありますが、とりあえず個人なんですよね。だから、集団でいいのかどうかっていうことをちょっと調べなければいけないと思うんだよね。
 それで、今日話が出たいろんな問題があるでしょう、警察の問題、農地法の問題、今言った所得補償の問題。そういうものに対して、今までどこもやってないんだけども、この特別委員会で意見書を国に上げてくと。今言った、その規制緩和   ということを1つ考えたらどうかと。

○三ッ谷委員長
 それはいい話ですね。規制緩和ね。
 確かに今まで各会派の意見書が多いじゃないですか。でもやっぱりこういう特別委員会を超党派でやっているわけですから、委員会から議運に提出してそういう働きかけをするっていうことは、これから新しい議会の活動としてはいいことじゃないかと思いますよね。こういうことも、もし皆さんが御承認をいただければ、提言の中に書いて、委員会からの発議ができる、あるいは国に対して意見書を上げることができるように当局として計らうべきだと。あるいは、議会としても議長あてに特別委員会の結論としてそういう要請というか、お願いをする。どうですか、中谷さん。

○中谷副委員長
 はい、いいんじゃないですか。

○三ッ谷委員長
 そういうことも今回の中に入れていくと。今までなかったから、僕は大変いいお話だと思いますよ。

○戸塚委員
 今の議論の中で、ずっと皆様で議論してきたことのうち1つ出てきていない言葉があります。鳥獣被害という言葉です。皆様も当然だもんだから、ただ出さなかっただけだと思いますけど、忘れておりますので、鳥獣被害のこともあわせて書き込んでいかなきゃいけない。その中で、ハンターこそ絶滅危惧種と言われているぐらいで、銃刀法が厳しくなりまして、ハンターの皆様も「もう更新するのは面倒だから嫌だ」と言う人たちもふえてきていて、意見書の中の規制緩和というところにおいて銃刀法の問題も出てくるかなというふうにも思います。

○三ッ谷委員長
 当然ですね。今、特にライフル規制がうるさいんですよね、小長井さん。

○小長井委員
 ええ。

○三ッ谷委員長
 ライフル規制がうるさいんです。まだ散弾はいいんだけど、ライフルの免許を持っている人の更新は、すごくうるさいの。特にテロ対策、あるいは今のような凶悪事件の中に、ああいう猟銃とかライフル銃が使われるもんですから。それは県警本部もね。ライフルの許可もらうには、相当のキャリアが必要です。

○中谷委員
 10年です。

○三ッ谷委員長
 そう、10年必要ですよ。

○中澤委員
 中谷先生、持っていますか。

○中谷委員
 いやいや、持っていませんよ。

○浜井委員
 「猟師を」って言っても、若者がそう余り乗ってこない。今、幾ら猟師をつくっても、もう猟師の数をはるかに超える鳥獣だから。
 この前、我々は佐賀県へ行ってきたんです。イノシシ係というところへ。わなの免許は、地域で取らせればいいんですよ。そこに住む人たちに、わな猟の免許を取らせればいい。ところがとどめをさすのに、鉄砲を持てないからそこではヤリでやっているんです。ヤリでやると、今度は銃刀法の「刀」にかかっちゃうんです。それで、警察がうるさいと。だからそこのところが課題ですよ。わな猟で、その地域に住む人がわなでの猟の免許を持てばいいわけです。ただ、全部わなだけじゃ無理だけどね。

○戸塚委員
 あるまちでは、市の職員にライフル、銃の免許を取らせているところがあるそうです。

○中澤委員
 県内ですか。

○戸塚委員
 県内ではないです。

○浜井委員
 市の職員を消防署職員にするのと一緒で、毎日市の仕事をほったらかして山を歩いていなければいけない。今、それだけの鳥獣の量になっちゃったから。

○三ッ谷委員長
 戸塚さん、今御指摘のことは、このA3の資料の骨子にちゃんと入れてありますから、これはもうほとんど文章どうするかっていう話だけです。こういうものはもちろん入れます。
そこで正副委員長から皆さんに提案をさせていただきますが、過疎・中山間地域振興特別委員会の提言骨子――骨格でありますけど、3つに大きく分類をして提言の文章をまとめさせていただきたいなと考えています。
 1つ目は、「地域の課題に応じた施策の展開」という大きなくくりにしたい。これは先ほど来ずっと出ていますように、地域というのは高齢化だとか少子化だとか雇用の確保などが大変厳しいという共通の課題があります。ましてや実情からいけば、病院がないとか、スーパーまで時間がかかってちょっと行くのに30分もかかっちゃうというような地域もありまして、当面生活維持可能な集落から、遠いところでは2時間ぐらいかかるような地域もあります。自動車があっても、それを運転するような世帯というのはどんどん減ってるようでありまして、緊急性のあるような地域の課題に対応するようなことを、きょう言われたことも含めてこの資料の中からも拾い上げて、まずまとめていきたいなという考えです。
 それから、過疎・中山間地域の施策推進会議が4月から設置されて開会されているようでありますが、やはり皆さんのお話を伺っていまして、「組織体制の強化と市町との連携強化」っていうのが一番大事なことだろうと考えます。県がばらばらばらばらやっても、小手先の話になって、やっぱり一番現場でやっていただく市町と連動しなければ、同じ税金の投入でも物事が前に出ない、効果があらわれないと。ですから、部局横断的に検討するようなそういう部署を、やっぱりそろそろ検討していただいて、そこが実施について市町と連携していく。地域住民ももちろん取り組んでいるわけですから、住民側みずからが積極的に動けるような「組織体制の強化と市町との連携強化」ということでまとめていきたい。これは、当然これまでの議論を踏まえて、提言の中に文章として入れさせていただきたいとは思います。
 それから3つ目の大きな枠ですけども、「企業等との協働推進と県民意識の醸成」ということでまとめたい。里山保全あるいは森林保全、山が維持できない地域、ここら辺に企業とかボランティアとかNPOを含めた、これからの協働は本当に喫緊の課題だろうと思います。ですので、こういうところに、やっぱり地元の企業、産業の皆さんにもお力をお借りして、企業等のお力で少しでもそういうことができるような協働の推進ということ。あるいはもう1つは、先ほど来出てきている意識改革。そこに住んでなくても、中山間地に住む県民の皆さんと同じ気持ちになってもらって、平場で住む我々もそういうものに協力できるような県民意識の醸成が必要だろうと思います。この前の視察で聞いた移住定住につながる話も、この中にはもちろん入れます。あるいは、地元のボランティアとかNPOとか地元に住んでいる皆さんが行っている活動に、広く県民に参加してもらうためのようなものも、この中に含める。
 そして、先ほど来皆さんからいただきました御意見や、さらには事務局でまとめたこのA3の資料も含め、3つの分類をして提言書をまとめさせていただきたい。これにつきましては、正副委員長にとりあえずお任せをいただいて、1月11日にもう一度今度は提言書の形にして皆様方にお示しさせていただきたい。そして内容の検討を各委員の先生方にお願いをしたいと思いますが、いかがですか。
(「異議なし」と言う者あり)
○佐野委員
 1つ付け加えていいですか。

○三ッ谷委員長
 はい。

○佐野委員
 組織についても入れていただくということですが、組織ができれば、その組織の財源というか、予算措置をするべきということも入れた方がいい。鹿児島県は1億1000万円くらい、その担当部署に予算がついているってことですので、つくった以上はちゃんと予算をつけるってことも。

○三ッ谷委員長
 佐野さん、それはやっぱり推進会議のようなものではだめなんですよ。どこどこの部の中に、中山間地を振興させるところをつくると。当然予算はそこにつけるわけです。そういうことです。

○阿部(卓)委員
 済みません、ちょっとさっき紹介し忘れたんですが、さっきの浜井先生のお話にも合致してくるんで、せっかくなので御紹介しておきます。天浜議連の関係で、中谷先生と和歌山県に行ったときに聞いたのですが、和歌山県が実はことしから過疎再生独自施策を生活圏というとらえ方で打ち出し始めました。ちょっとざらっと説明すると、過疎生活圏は診療所や商店など日常生活を支える機能を持つ基幹集落と、周囲に点在する基礎集落で構成した集落群から成り、集落群は、昭和の合併前の旧町村や、中学校区などを想定したと。先ほどから御指摘があるように、国とかの今までの過疎地対策というのは市町村単位で、しかもハードでしたね。この生活圏という和歌山県モデルは、市町村やNPOから、今言った生活圏の実態に応じた過疎再生のアイデアを出してもらうと。ですから、向こうから手を挙げてもらうんですね。それで、県はその費用に対して補助金を出したり、補助施策を打つという施策でした。和歌山モデルとして国政に発信をしていくんだということだったんですが、まだ向こうも始めたばっかりで成功するかどうかわかりませんが、なかなかいいなと思いますので、これは1つ参考にしていく価値が十分あると思います。紹介だけをしておきます。

○三ッ谷委員長
 今、阿部さんから紹介があった件は、私も一緒に行きまして、いろいろ見させてもらいました。電車を使った施策で、言うなれば、本当に天浜線と同じような電車ですよ。その電車に乗って、駅からおりたらすぐ駅の前が病院だったりする。過疎化の中、一々車で1時間も行かなくても、そうした電車を生かしてほしいというような意見も、あの時出ました。既に駅のとこに病院などもありましたよね。残念ながら佐久間へ行く路線はレールがなくなりましたけども、これは佐久間のケースだけでなく、小長井さんのほうの山の深いほうもそうですし、そういうものも過疎対策の一環で使えるようになれば、今阿部さんのおっしゃった事例が生きてくるということになります。
 最終案の取りまとめにつきましては、1月11日にさきほどお話しましたものをつくり上げますので、それを見てもらって、その中にここはこう加えてくれっていうような忌憚のない意見をいただければと思います。委員長の職権でまことに申しわけありませんが、御意見も出尽くしたようであり、1月11日に再度皆様方の討議を予定しておりますので、本日はこのあたりで討議を終了したいと思いますが、御異議はありませんか。
(「異議なし」と言う者あり)
 御異議もありませんので、これをもって委員討議は終了いたします。

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