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委員会会議録

質問文書

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令和3年2月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:田口 章 議員
質疑・質問日:03/08/2021
会派名:ふじのくに県民クラブ


○田口委員
 それでは、分割質問方式で質問させていただきます。
 産業成長戦略に関連して、今ずっと話題になっておりますカーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略を踏まえた県の取組についてです。
 エネルギーについてはもうさんざん議論されたので、質問はしないで要望を述べさせていただきます。
 年末に自工会の会長が報道でこのようなことを言っていたと思います。電動車――もちろん自動車業界がこれからトライしていくんですけれども――製造段階でゼロカーボンをやらなければ日本で作れなくなるんだという話を多分したと思うのですが、これが実態なんです。
 したがって、県の次期エネルギー総合戦略を今度策定するとしていますが、これまでとは全く違う考え方でやってもらいたいと思います。ゼロカーボンを何年先を目途にするか分かりませんが、それを前提とした次期戦略にしていかないと意味がないと思いますので、これまでの延長線上でつくるのではなく、太陽光幾らにするとかじゃなくて、県全体のゼロカーボンをどうしてやっていくかの観点で検討してもらいたいと思います。これは要望にとどめておきます。
 そこで、この中にも書いてあるし天野経済産業部長もおっしゃいましたけれども、次世代自動車の電動化・デジタル化等対応研究会についてお聞きしたいと思います。
 冒頭申し上げたいのは、国も2035年に電動化100%と言っていました。あと14年あると思ったらこれは大間違いでありまして、通常新車の開発には5年とか7年時間がかかります。ましてや新しい技術にトライするとなると開発期間はもっとかかる可能性もありますので、自動車産業から見るともう既に次世代車の開発は始まっているということです。エネルギーもそうなんですが、1年後に計画をつくって、そこからまたPDCAを1年かけて回すのでは遅く、とにかくもう走っていかなければ駄目な段階になっているのが前提だと思っています。
 そのような中で、この研究会をどのようなタイミングで立ち上げてどのような議論をしていくのか。先ほど5番委員がいい言い方をしたと思うんですが、できるものからやっていくことをやっていかないと駄目だと思うんですけれども、その点についてまず伺いたいと思います。

 2点目は、今浜松の次世代自動車センターでもいろんな中小企業の技術支援をやっています。その中で私もよく聞くのが、中小企業の固有技術を伸ばすに当たり、どのようなところに聞けばいいか分からないことがネックとなっています。
 ですから、いろいろ調べてもらったんですけれども、そういったプラットフォームをつくってもらいたいと思うんです。自分たちが持っている技術がそんなにいいものだと分かっていない中小企業が多いですから、こんなことを聞いていいのかとか、どこに聞いていいのか分からないというレべルなんですよ。そこのマッチングをやってほしいと思うので伺いたいと思います。
 以前、産総研とニーズとシーズをマッチングするなんて格好いいことを言っていましたけれども、そんなレベルじゃなくて本当に中小企業がどうやって生き残っていくかが問われているのでお聞きしたいと思います。

 3点目は、これも若干産業成長戦略と関係するんですけれども、ベンチャー支援についてお聞きしたいと思います。
 産業成長戦略の中では、このベンチャー支援に大学発が頭についているんですね。しかし数字を見ると、全国の件数の中で大学発ベンチャーが占める割合は2.3%ぐらいにしかすぎないんです。何で大学発にこだわっているのかなと思うんですけれども、そうじゃなくてもっとこれからベンチャーを生かしていくことをやらないと私は遅れると思っています。
 1つ事例を申し上げますけれども、例えば昨年浜松市は名古屋市とスタートアップエコシステムのグローバル拠点都市に選ばれているんです。浜松市ですら静岡県の取組じゃなくて、西のほうを向いてやるようになっているのですけれども、それじゃ静岡県としてまずいと思うのです。
 なので、県下全域のベンチャー育成をもう1回再構築する必要があると思うんですが、その3点についてお尋ねしたいと思います。

○櫻川産業革新局技監
 次世代自動車の電動化・デジタル化等対応研究会につきましては、世界的に脱ガソリン車の動きが加速する中、この大変革期を官民挙げて乗り切るために本県の基幹産業である自動車産業が直面する課題の抽出や対応策を検討し、県施策につなげていくことを目的として学識経験者や自動車メーカー、部品メーカー、産業支援機関など県内外から英知を結集して立ち上げます。
 具体的なメンバーは、平成30年に開催した静岡県EVシフト・自動運転化等対応研究会のメンバーをベースに今回はカーボンニュートラルやデジタル化の視点も取り入れメンバーを検討してまいります。
 研究会は、国の動向等も踏まえできるだけ早急に開催し県施策に対する提言をまとめ、県ではこの提言を基に来年度以降の施策に反映していく予定で、これにより現在の自動車関連施策のさらなる強化を図っていきます。

○山田産業イノベーション推進課長
 カーボンニュートラルの関係で、中小企業が固有技術を伸ばすためにプラットフォームをつくったらどうかの質問にお答えします。
 まず、中小企業の固有技術を伸ばすためには大学等の研究機関等との連携が非常に大事だと認識しています。
 カーボンニュートラルの関係については、素材や省エネ、代替エネルギー、蓄電池、水素ステーションなど幅広い技術分野が想定されます。
 県の試験研究機関では、年間3万件ほどある技術相談の一環として企業のニーズに合わせて、県内外の大学や試験研究機関等との橋渡しをしております。
 また、特定分野におきましては、産業振興財団や次世代自動車センター、各地の先端産業プロジェクトのコーディネーターが各企業の要望を聞き、相談に乗りながら橋渡しの機能を担っていくと考えております。

○高橋商工振興課長
 ベンチャー支援についての御質問にお答えいたします。
 県としては、こちらの産業成長戦略にも記載してありますとおり、ベンチャーの中でも特に大学発ベンチャーに注目しております。近年静岡大学、光産業創成大学院大学を中心に件数が増えています。大学発ベンチャーは技術力など非常に有望なシーズを抱えており、伸びていけば産業イノベーションに結び付く可能性が高いためフォーカスして平成元年度から支援を強化しています。
 スタートアップやベンチャー企業の成長過程で、ベンチャーキャピタルなど民間ファンドからの資金調達が不可欠であることは承知しています。
 浜松市の取組は、世界に羽ばたく企業をつくっていく素晴らしい取組ですが、一方でシード期、創業初期の支援として少し弱い面があります。
 県で発掘、育成した大学発ベンチャーを民間ファンドの投資促進につなげ浜松市が取り込んでいけば、さらに大きく飛躍させることができますので、その役割分担で連携してベンチャー支援を行っていきたいと考えています。

○田口委員
 最初の次世代自動車の電動化・デジタル化等対応研究会の予算措置について、来年度以降に反映するということでよろしいか教えてください。

 2点目の産学連携ですけど、コーディネート機能を知ってもらう仕組みをつくってほしいと言っているものですから、そこをどうやるか教えてください。

 3点目の大学発ベンチャーは、何で大学にこだわるのかよく分かりません。民間だって世界に羽ばたく企業がいっぱいあります。もう一度お願いします。

○村松産業革新局長
 次世代自動車の電動化・デジタル化等対応研究会の予算措置についてお答えします。
 自動車産業が本県の基幹産業です。EVショックがあって百年に一度の大変換期を迎えるということで、平成30年度に官民の英知を結集した研究会の中でいろいろな施策を検討し、提言を頂きました。これを基に令和2年度の事業に取り組んでいるところで、浜松の次世代自動車センターでは県と浜松市が協力して活動を支援しています。また最新鋭の機器等が必要であるため、工業技術研究所等に配備するなど自動車産業に対しても対応しているところです。
 しかしながら、今般2035年の軽自動車を含む電動化の方針が打ち出されたため、来年度早々に立ち上げる研究会では学識経験者から様々な意見が出ると予想されることから、既定予算を活用するなどやれるものはすぐに取り組む方針で対応していきます。

○山田産業イノベーション推進課長
 啓発が不十分ではないかとの御質問についてお答えします。
 企業の認知度がいま一つではないかという部分には問題意識を持っていますので、工業技術研究所の研究発表会やいろいろなプロジェクトで行っているセミナー等の場を通じて、企業が集まる際にはこういった仕組みがあることを積極的に広報、PRしていきたいと思っています。
 それぞれのコーディネーターや工業技術研究所が有機的につながり、全体としてプラットフォームを構成できるように取り組んでいきたいと思います。

○高橋商工振興課長
 従来からインキュベートセンターの運営、市町と連携した創業環境の向上及び創業後の事業計画のブラッシュアップなどの創業者支援を行っています。一般企業をスピンアウトして起業された方の支援実績も複数あります。
 そうした中で、大学発の技術が非常に有力で可能性があると見立てており、令和元年度から3年間国の地方創生推進交付金を活用し、大学発ベンチャーを継続的に創出できる仕組みづくりに取り組んでいます。
 全体像は、令和4年度以降に少し見直そうと考えておりますが、まず少なくとも3年間はここに注力して取り組んでいるところでございます。

○天野経済産業部長
 次世代自動車は待ったなしです。3月8日に経済産業省が次世代自動車に関して有識者会議を開催しますので、ここでどういった問題認識が出てくるかを待っています。
 しかしながら、現時点で動かなければならない課題ですので、身近なところでは企業の個の力を高めること、そして次世代自動車に取り組んでいる企業、取組を計画している企業、全く準備ができていない企業に場合分けをして、取り組んでいる所にはメーカーに提案する仕組みをつくっていく、計画をつくっている所には固有技術を探索していかなければならない、全く取り組んでいないところには普及啓発をしていかなければならない、とこのように考えています。
 次の段階は協調領域です。スズキとトヨタが車体、プラットフォームの共通化を進めようとしています。また県は自動運転のデジタルデータを県内全域で取っていますので、そういった3次元点群データをダイナミックマップ基盤株式会社と協定を結んで提供しています。ダイナミックマップ基盤株式会社は、自動車メーカーと電気通信メーカーが入ったオールジャパンの自動運転データを取るための会社でして、連携してやっています。
 次に、実証フィールドではトヨタのウーブン・シティや牧之原のスズキの次世代拠点を強化する一方で、出光と組んでいる田島など小型EV開発を自前で進めている会社への支援を考えなければいけません。
 さらにその次は、モネという会社が作られているように産業の垣根を越えた連携を、電気通信分野とソフトウェア分野と一緒にやっていく仕組みを考えなければなりません。
 そして、具体的な研究開発投資の課題はいっぱいあります。蓄電池の開発、レアアース、実証上の交通管制システムの仕組み――今光通信を使って県内企業が取り組んでいますけど――など重点的にこなさなければいけない研究開発について、蓄電池は県の手に負えるレベルではないと決め付けず、必ずそういったものを分担する企業群がありますから、そうした企業を支援することで我が国全体の力を付けていくことをやらなければなりません。
 もう1つは、医療とかロボットにそうした技術を生かしていけるのか、今そのような柱立てが想定されます。
 大学発ベンチャーは、今高橋商工振興課長も答弁しましたけれども、もう既に60ぐらいの大学発ベンチャーがあり静岡大学や浜松医科大学、光産業創成大学院大学及び県立大学等の大学で起こしております。
 先ほど言いましたように、この大学発ベンチャーはシーズを見つけてベンチャー起業するところまでの支援が少し弱いのですね。今は東京大学とか旧帝大を中心に物すごい勢いで大学発ベンチャーが生まれています。
 それで、例えばこのベンチャーキャピタルのところへつなぎたいと。従前のベンチャー育成の考え方と違っているのは、本県内でもたしか平成27年以降に6つぐらい民間のベンチャーキャピタルができているんです。それまではありませんでした。ですから、ありとあらゆるベンチャーに来てくださいとかスピンアウトしたところに補助金あげましょうかとなったんですけど、今は民間のベンチャーキャピタルが増えており、高額の資金を出資するケースが金融機関を中心にできてきております。そこで先ほどの浜松市との調整もあるんですが、一番肝腎なベンチャーを県内の大学から起こして県内に定着させて、ベンチャーキャピタルからそれなりのお金を取る、そこが空白域になっているんです。実は浜松市の補助制度は、ベンチャーキャピタルが出資したものに対して補助するというシステムなんです。
 根幹は、その技術に対してベンチャーキャピタルが支援、出資するかどうかなんです。それが6つできているので、その前段の技術を持っていて、これからベンチャーを起こすということです。ヤマハ発動機、浜松ホトニクス等からのスピンアウト企業も、TECH BEAT Shizuokaの中に取り入れて、出資者や企業と結びつけていく。今までは首都圏中心でしたが、そういったところもフォローしながら静岡県のスタートアップやベンチャーの力が伸びていくように支援していきたいと思っています。

○田口委員
 天野経済産業部長に熱く語っていただいて、ありがとうございました。
 ベンチャーの関係でいくと、今話になっていることがどうしても浜松のほうになっちゃうので、県下全体に広げていかなければと問題意識を持っております。静大工学部を回ったりするなど、浜松はシーズをいっぱい持っているかもしれませんが、ほかのところから探る仕組みを作っていかないとエコシステムが回らないという問題意識を持っているので、ぜひ経済産業部で発掘していただきたいと思います。
 そうすると、先ほどの伊豆の活性化などにもつながっていくのかもしれませんので、ぜひお願いしたいと思います。

 次に、労働雇用関係で3点ぐらい質問を用意してあったんですが、もう既に、宮崎労働雇用政策課長が随分答弁しているので要望を2点、それから質問を1点したいと思います。
 雇用調整助成金の特例制度が延長されなかったです。切れて以降、一気に雇用危機になる心配をみんなしていると思います。私は宮崎労働雇用政策課長に聞いたのは、補助金を受けている人が何人か分からないという話でした。
 ですから、経営者団体等の協力をもらって一体どれぐらいそのようなリスクがあるのか県としてつかんでほしいと思っていますので、そのことを要望します。ただこれも協議会を来年度作ると言っていますけど、来年度を待たずに今から検討を始めておかないと困るんじゃないかということで、これはぜひお願いしたいと思います。
 ぜひ、前倒しで調査して、どういうリスクがあるのかに備えていってもらいたいなと思います。答弁は結構です。
 それから、新卒採用もUターン就職やサポートセンターの利用がちょっと頭打ちになっているのでどうかと思ったんですが、オンラインなども活用してやっていくとのことなので。オンラインはある意味、中小企業にとって物理的な垣根をなくすチャンスでもありますので、そこをうまくコーディネートしてあげてほしいことをお願いします。これもさっき質問があったので質問しません。
 質問は外国人の採用についてです。
 経済産業部は、外国人の採用支援を結構やっているんですけれども、県内に住んでいる外国人留学生の採用活動だけは大学課が所管してるみたいです。
 例えば、県でインドネシアの大学から高度人材を呼んでくる3000万円の事業があったと思うんですけれども、そこまで探しに行かなくても、静岡県内に優秀な大学生が毎年二百数十人卒業している子がいるんですね。この間も私は留学生と話したんですけれども、県内に就職している人が大体40人から50人ぐらいで、それ以外の人は県外に就職したり進学したりですが、帰国する人もいます。
 就職支援は、企業側にとってもメリットがある話なのでぜひ経済産業部でやってもらいたいと思うんですけれども、その点についてお願いします。

○宮崎労働雇用政策課長
 県内にいる外国人留学生の就職支援についてお答えします。
 県内にいる外国人の留学生の方につきましては、大学と企業、双方の連携によりこの取組が達成されるものと認識しております。
 企業におきましては、外国人採用で出入国管理庁に在留資格申請において大学の専攻分野の一致、キャリアプランの作成をする必要があります。中小零細企業には、このノウハウが不足しています。そのため、外国人技能実習生・特定技能外国人受入実務共生セミナーを開催し、申請の支援を行っています。
 マッチングの機会として国と県と共同で大学生を対象とした面接会を開催しています。
 一方、留学生については各大学において日本語教育はもちろんのこと、就職に当たっては大学のキャリアセンターが就職相談を実施するとともに、先ほど御説明しました静岡労働局と県が共催で開催する合同説明会や面接会に帯同していただく流れになっておりますし、大学も自ら活動して、こちらの事業に参画していただきたいです。
 このため、経済産業部とスポーツ・文化観光部の所管課――当課と大学課等ですが――がそれぞれの役割を果たしながら連携して取り組んでいるのが実態で、双方が参加する経済団体や関係機関等で構成する静岡産学就職連絡会で一体的な実施を進めてまいりたいと考えております。ですので経済産業部とかスポーツ・文化観光部とかではなく、双方が機能する形で連携して取り組んでまいりたいと考えております。

○田口委員
 経済産業部でやったらどうかというのは、大学生の就職支援や、インドネシアなどにいる日本語が話せる高度人材関係は経済産業部でやっていますよね。何で静岡県内の日本語が話せる高度人材はあちこちでやるのかなと単純に思っただけです。
 留学生の就職支援は中小企業の支援につながります。特に今中小企業は技術系の高度人材が取れないので、外国人とのマッチング機会を求めているところが結構あるんです。ですので経済産業部から大学課にちゃんと伝えてもらって、マッチングの支援を強化してほしいと思いますのでお願いします。

○天野経済産業部長
 インドネシアの留学生が静大にいるので、石井学長のところにも行ったことがあります。大学がネットワークをつくっているので、大学課が持っていたほうがいいこともあります。
 しかしながら、今のような8番委員の御指摘もありますので、どのような役割分担でやっていくのか検討してまいりたいと思います。

○田口委員
 役割分担をぜひやってください。企業支援になるので、そこら辺の観点から経済産業部としても取り組んでほしいと思っています。

 最後に4つほど質問します。
 1つは、本会議でクラウドファンディングの活用について代表質問させてもらったんですけれども、県としては新年度事業でクラウドファンディングを2事業活用するとしています。
 経済産業部では今回特にないですが、調べたところ従来クラウドファンディングは寄附型が中心だったのが、最近は購入型といって物品購入の支援につながるケースに対して参加者が多いとのことです。
 これは、例えば6次産業化のものに非常になじむ制度だと思うので検討してほしいと思いますが、マーケティング戦略の案を見せてもらったら全然記載がなかったので、そのあたりについて検討してほしいと思いますけど、御所見を聞きたいと思います。

 あわせて、魅力ある個店の支援も同じ観点だと思います。6次産品だけじゃなくて中小業者や小売店が持っているものにもクラウドファンディングは活用可能だと思うのです。
マーケティングを試す観点からも導入を検討したらどうかと思いますが、その点についてお聞かせください。

 次に、農林環境専門職大学の魅力づくりについて質問したいんですが、先般御無理を申し上げて視察させていただきありがとうございました。
 鈴木学長からも非常に熱いお話を頂きまして、これから本当に期待できると思っています。
 農林技術研究所と全く同じ敷地ですから、連携して新しい技術をどんどん学生たちに伝えていくことが必要なんでしょうけれども、そのあたりをどう考えていますか。

 それから、最近農業ベンチャーが結構出てきております。AOI−PARCなどから出ていると思うんですけれども、連携をどう考えているのか。

 それから、今日のニュースでちらっと出ていたと思うんですが、やはり就職先――出口を意識した産学連携が大事だと思いますので、どのように考えているか確認させてもらいたいと思います。

 その次の質問です。
 産業委員会提出案件の概要及び報告事項101ページの下段にすごくシンプルに書いてあったのが、浜松市沿岸域防潮堤の森づくりでございまして、これまで交通基盤部が主体でやってきたんですけれども、来年度から西部農林事務所が管理を行うと書いてありました。
 あらかじめ申し上げておきますと、造るに当たっては県民や市民を巻き込んで事業を進めてほしいと思うんですが、これからの維持管理や防災林の保育についてはどのように考えているかを伺いたいと思います。

 最後に、アサリについてです。
 本会議でも何人かが取り上げましたけれども、最近水産資源の維持が課題になっています。
 今年はカキも駄目でしたから、水質の変化や食害等に関し取り組んでもらっていますけれども、その点について教えてください。

○土泉マーケティング課長
 マーケティング戦略におけるクラウドファンディングの検討について御意見頂きましたが、現在策定中のふじのくにマーケティング戦略2021は、施策の方向性としてデータとデジタル技術を徹底活用したDXによる需要の変化に的確に対応できる新たな供給システムを構築することとしております。
 商品を購入していただく消費者はファンであり、こういったファンの嗜好や購買頻度の分析、商品のトレーサビリティーを適切にデータ管理することが、需要の正確な把握や次なる新商品のサービスの開発、供給に好循環をつくっていくと捉えています。
 クラウドファンディングは、こういったファンのニーズや嗜好の分析がしやすいメリットがあることから、施策の実施に当たり専門家の知見等を取り入れながら積極的に活用したいと考えています。

○山下地域産業課長兼商業まちづくり室長
 クラウドファンディングについて、個店支援にも活用すべきという御意見についてお答えします。
 8番委員御指摘のように、個店支援として活用していく必要があると認識しております。
 クラウドファンディングを通じて支援する方は、クラウドファンディング会社のホームページだけではなく、その個店を知るために当該個店のホームページを閲覧することがありますので、いずれにしても情報の発信力を高めていく必要があると思っております。
 魅力ある個店の登録店の中には、今年度クラウドファンディングを活用して165名の支援者から300万円を超える資金を集めた個店もございます。
 ただそういったところはごく一部で、多くの個店はまだインターネットを活用した商品の広報に不慣れな点がございます。
 このため、来年度は実際に成功している方のお話も聞きながら、どうやってクラウドファンディングをやれば成功するかについても、セミナー等を通じ普及を図っていきたいと思っております。

○藤田農業ビジネス課長
 農林環境専門職大学の魅力づくりについて3点の御質問がありました。
 まず、最初の農林技術研究所との連携についてですが、農林技術研究所はもとより農林業振興のための技術開発を目的として生産現場や行政、企業からの要望に対応した研究を行っており、そこから得られた知見は実学重視の専門職大学にとって積極的な活用が図られるべきと考えています。
 このため、カリキュラムでは学生の圃場実習等の授業科目において農林技術研究所の本所、それ以外にも果樹、茶業、AOI−PARC等に出向き、栽培技術や先端技術等について学ぶ、あるいは農林技術研究所が開発した先端技術の成果情報等を提供しています。
 研究分野の連携としても、大学と農林技術研究所の相互の研究者が研究内容について情報交換を行うために、昨年農業・畜産・林業技術研究連携会議を設けました。既に10月にも情報交換を実施しており、研究計画や課題についての意見交換を行い、将来的にはそれぞれが有する知見や人的コネクション、施設や機器等の研究資源を相互に活用していくことを考えております。

 2つ目の農業ベンチャーとの連携については、鈴木学長がTECH BEAT Shizuoka for Agriで基調講演された経緯もありますし、農林環境専門職大学がある磐田市では開学を機に、昨年12月市内の企業と専門職大学、農林技術研究所及びJA等が参加して農工連携を目指す未来の農業連携懇話会を設置しました。施設栽培に特化した病害虫対策、環境制御による大規模農場栽培及びドローンの活用など農業ベンチャーの企業や大手企業の中のベンチャー部門から課題の提案を頂き、現在農林環境専門職大学と個別に協議を開始しています。

 3つ目の出口、就労を意識した産学連携教育についてです。
 大学4年制では3年次と4年次、短期大学部では2年次に臨地実務実習として企業における長期のインターンシップ研修をやっています。2か月10単位、4年制では2回あるため20単位4か月とかなり大掛かりな長期研修を実施しています。そこでは学生の就労希望を聞き取り、卒業後の進路を視野に入れて企業実習先の選定や事前調整を行い、効果的な就労支援につなげる研修にしています。
 また、教育課程そのものについても教育課程連携協議会を専門職大学の学内に設けており、参加する農林業者や関係団体から意見を頂いて、必要によっては授業項目を見直す、将来的にカリキュラムの編成に生かす形で就労を意識した産学連携教育に取り組んでいます。

○宮崎森林保全課長
 浜松市の防潮堤の森づくりについて、今後県民や市民を巻き込んで管理していったらどうかという御提案についてお答えします。
 浜松市の防潮堤の森づくりは、今年度植栽が完了し、今後植栽木を被圧する下草の刈り払いや枯損した箇所の補植、混み合った植栽木の間伐及び防風柵の補修等の作業が必要になります。
 県民や市民と役割分担しながら管理していくこととし、既に清掃や監視活動については地元住民や浜松市と共同で実施する仕組みを整えてありますので、引き続きこういった連携により進めていこうと考えています。
 さらに、防潮堤の整備時に県及び浜松市と協定を締結して植栽に協力頂いた企業や市民団体――16団体、23協定ほどありますが――の皆様に引き続き植栽木の維持管理をお願いしていこうと思っております。
 このような取組を通じて、地域住民のみならず多くの県民や市民に平時には防潮堤を憩いの場としても活用していただき、海岸防災林を適正に管理していきます。

○花井水産資源課長
 アサリは、浜名湖最大の水揚げ量を誇る水産資源であり、観光資源としても非常に重要です。
 しかしながら、昨年のアサリ漁獲量は707トンと過去最低でした。また渡船による潮干狩りも中止となっております。不漁の原因は先ほど8番委員が言われたとおり食害、水質の変化、さらにアサリの生態に変化が起きている可能性もあり、複数の要因が複雑に絡み合っています。
 まずアサリの生態の変化ですけれども、今年度緊急的な資源調査を行い、稚貝や幼生の出現状況などを調べます。来年度はこの取組を続けて、さらに専門家とチームを組んで規模を拡大し、幼生の移動や拡散に重要とされる浜名湖内の流れについても調査する計画を立てています。
 また、水質環境の変化が影響している可能性もあることから、昨年度から餌となる植物プランクトンの繁殖に必要となる窒素やリンなどいわゆる栄養塩の詳細な調査を開始し、来年度も継続する予定です。
 不漁原因の追究も重要ですが、より即効性の高い対策を探ることが求められており、どうすれば資源を増やせるかの視点で調査、研究を進めていきたいと考えています。
 よい成果が得られれば、仮に年度途中であっても増殖活動を支援する事業がありますので速やかに現場に還元し、資源増大を目指してできるところから取り組んでまいります。

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