委員会会議録

質問文書

平成29年９月定例会危機管理くらし環境委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	髙田　好浩議員
	質疑・質問日：	10/03/2017
	会派名：	公明党静岡県議団

○髙田委員
　四、五点について、一問一答方式でお願いいたします。
　今、６番委員からもあったプロジェクト「ＴＯＫＡＩ－０」総合支援事業費の確認をしたいと思います。
　まず、勉強不足で申しわけないんですけど、沿道という言葉ですが、これは国、県、市管理の全ての道路という認識でよろしいでしょうか。

○長田建築安全推進課長
　管理は問いませんので、全部が対象になります。

○髙田委員
　わかりました。
　調査棟数が約1,500棟とあるんですが、この根拠を教えてください。

○長田建築安全推進課長
　今回調査する対象の道路は一応想定がありまして、そこに対して例えばストリートビューですとか、あるいはそれで足りないところについては現地も踏査しまして目視で確認したところ、昭和56年以前の建築物で――これもある意味見た目で判断しています――委員会説明資料10ページの最下段に参考で示しております道路の中心から45度の線を引いた場合に当たると思われる建築物を職員が目視したところ、このぐらいの棟数だろうということで把握しております。

○髙田委員
　そうすると、車両によるレーザーの測量をやるわけですよね。これは45度でレーザーか何か出すんでしょうけれど、そうするとこの調査棟数はストリートビューとの差が出てくる可能性は十分あるということでよろしいでしょうか。

○長田建築安全推進課長
　レーザー測量調査は、車で走りながらレーザーを照射して、その点群データを集めて建物の外形を測量します。その後データを持ち帰り45度線に当たるかどうかを解析いたしますので、そういった意味で非常に精査されたものになります。当然私たちが目視したものとは異なりまして、棟数としては差異が出てくることは想定しております。

○髙田委員
　細かいことばかりで済みません。
　旧耐震基準の建物かどうかは――古いか新しいかというと建築士はつらいんですが、それを調べることも１件ずつやっておられるんですね。６番委員からもありましたけれど、そうすると相当速やかにやっていく必要が出てくるんですが、相当な人海戦術でやっていかなきゃいけません。
　これは職員の方がやるのか、あるいは建築士会とかそういう方を活用をしてやっていこうと考えているのか教えてください。

○長田建築安全推進課長
　実際には、まずは市町の職員の方々に45度線に当たった建物のリストをお渡しさせていただいて、固定資産税台帳等から調べていただく形になるかと思います。

○髙田委員
　建築物の耐震改修の促進に関する法律では、義務化されているのは耐震診断と結果の報告なんですね。それで終わっちゃったら意味がないわけで、調査しましたと、危険なものがいっぱいありましたということじゃなくて、耐震化をして初めてこの効力が発揮できると思うんですね。
　そうはいっても、何棟あるかわかりませんが、耐震化へ結びつけるための特別な地域だから特別な補助を出しますよというのも、平等性からいってなかなか難しいと思うんですけどね。そこはあくまでもそういうところがあったら個別に訪問をして、ぜひ速やかにお願いしますと、まずこういうお願いをしていくところからスタートするという考えでよろしいでしょうか。

○長田建築安全推進課長
　今、７番委員からお話がありましたように、耐震診断の結果報告を義務づけることにもなりますので、まずは今回の調査をして、最終的にその道路を決めた後に、対象となる方々に対してはまず十分に法律の趣旨も含めて御説明させていただきます。
　その上で、その後の耐震診断、耐震改修に進んでいただくように、個別に訪問しながらそちらに向けて誘導させていただきたいと思っております。

○髙田委員
　法律で勝手に決めたことであって、45度で悪いという建築基準法はないわけですよね。これは勝手に決めてお願いをするわけですから、やっぱり丁寧にやっていかないとなかなか理解を得られないと思うんですね。向こうはどうだ、ここはどうだと言われて。ですからもう本当に丁寧に速やかにやっていただいて、御理解をいただくことに重きを置いてやっていただきたいなと、その後のことですけれどもよろしくお願いします。
　くらし・環境部に関係ないかもしれませんけれど、建物も当然危ないんですが、電柱とか看板も、自然落下をするような看板も今いっぱいありますのでね。そういう部分も含めてやっぱり大事な沿道ですので安全管理はぜひしっかりお願いしたいなと思います。

　次に、空き家対策です。
　これも６番委員からございました。我が会派としても本会議で前林代表から質問をさせていただいたんですが、髙木くらし・環境部長の答弁で、私も提案をさせていただいて、山形県の取り組みは非常にいいなと思いました。
　やっぱり県のやるべきことはたくさんあるんですが、現場で頑張っていただくのは市や町だとすれば、県はその原因を削除していくと。要するに入り口を塞いでいく。もっと言うと空き家が発生しないようにすることが県に必要な施策ではないかなと思っておりまして、まさしく山形県でそれをやっておりましたので参考になりました。髙木くらし・環境部長の答弁からは山形県のような冊子をつくって、これから広報をしていったり、インターネットも活用してというお話がございまして、いい取り組みを始めてくれるんだなと思っております。
　具体的にまだ決まっていないと思いますが、そこら辺を本当に実際やっていただけるのかどうなのか、御決意をもう一度お聞かせいただければと思います。
　もう１点は、ワンストップ相談窓口ですけれども、県内でワンストップ相談会を定期的にやっていますが、やっぱり欲を言えば常設をして、それこそ“ふじのくにに住みかえる”静岡県移住相談センターじゃないですけれど、どこかに常設をしていただいて、できれば本庁１カ所じゃなくて各地域にあるべきだなと。非常に難しい話ですがそういう取り組みもしていただきたいと思いますが、その方向性についてはいかがか、まずこの２点をお聞きしたいと思います。

○渋谷住まいづくり課長
　まず、空き家の関係で１点目、山形県の事例のようなパンフレットをつくるということでございますけれど、既に空き家になったものに向けたパンフレットを、今つくろうとしておりました。例えば相続対策は空き家になる前にやってくださいというふうに、言いかえれば内容的には大体同じでいけるということもございます。
　予算の関係もございますので、今年度中ぐらいに原稿レベルのものはつくって、可能であればインターネットなりで発信するところまではやってみたいという、これはまだ目標ということで確約はできませんけど、なるべく早くその辺のものを出していきたいなと思っております。
　それから、２点目の常設のワンストップ相談会でございますけれど、現時点でワンストップという形ではございませんが、県と市町の建築担当窓口には相談窓口を常設しております。それから民間レベルでございますが静岡市内に１カ所、建築住宅まちづくりセンターというところが相談窓口を設置しております。
　専門家が常駐するのが当然ながらお金の面も含めまして難しいと。特に宅建士さん、あるいは税理士さんといった専門家の方々に常駐していただくのは難しいということで、市町あるいは県、民間の窓口でまず一旦お話を聞いた上で、例えば民間の窓口であれば何曜日は建築士さんがいますよ、何曜日は弁護士さんが来ますよという日がございます。あるいは市町であれば市民相談の中で何曜日にはこういう専門家が来るというのがございますので、まずは常設の窓口の中で振り分けをして、専門家がいる日に相談していただけるようにできればいいかなと思っております。

○髙田委員
　そういう案内をしっかり発信していただくことも大事なことじゃないかなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
　費用のことが当然出てくるんですが、行政代執行ができるといっても、絶対この人たちは払わないから代執行に至っていると思うんです。解体費なんて払いっこないわけです。うちの近所にもそういう建物がありまして、所有者はわかってるんですが何もしないということで、そういう方々が本当に自分でやろうという気持ちになるように、市や町は足を運んで何度も何度も説得していただいていますので、先ほど言ったようにまずそういうことにならない対策をしっかりとっていただければなと思います。
　くどいようですけど、パンフレットの件もそうならないためのことを前段の部分にもしっかり書き込んでつくっていただければありがたいなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

　それこそワンストップ相談会をやっていただいたんですが、相談内容として事前の相談が多いのか、事後、要するに空き家になっちゃってから来る人が多いのかという傾向はわかりますか。

○渋谷住まいづくり課長
　ワンストップ相談会の相談の内容ですけれど、ほとんどが事後でございます。既に空き家を所有していると、いわゆる実家の親なり祖父母が持っていた家があるんだけれどどうしたらいいかというのが現状では９割以上、95％ぐらいがそういうものとなっております。

○髙田委員
　わかりました。
　次ですけれども、耐震改修促進計画で大規模なホテル、旅館については耐震計画の作成が義務づけられるということで、公表まですることになりました。
　現在の耐震計画の作成状況と、耐震補強の実施状況についてお聞かせいただきたいと思います。

○長田建築安全推進課長
　平成29年１月に大規模建築物に関する安全性の評価を公表させていただきました。
　この時点では108棟の建物がございまして、このうち約３割程度が耐震性に劣る状況でございました。具体的に申しますと一番安全性の評価が低いランクⅠが16棟ございました。次のランクⅡが７棟、安全だというランクⅢが80棟ございまして、工事中が５棟ございました。
　このうち、平成29年８月現在でランクⅠが１つ減りまして、ランクⅡも１つ減っております。減ったのは改修工事が終わってランクⅢに行って工事中の件数が減ったことになります。これがまず工事に係る状況でございます。
　補強計画の策定の状況に関しましては、補強計画を策定する際には補助を申し出ていただくケースが多いです。実はそれ以外にもあるんですが、今つかんでいるのは補助の申請があるものと捉えてください。この補強計画策定済みのものが公表以降３件ございます。今年度中に着手を予定するものが２件、それから次年度以降工事を予定するものが１件、このような状況でございます。

○髙田委員
　ありがとうございます。
　規模が大きいもんですから、着手するのはなかなか難しい状況にあると思います。今も支援を一生懸命していただいておりますけれども、これもしっかり対応できるように、というのは防災上もこういう施設が非常に大事でして、今までのことを見ますと、ここに駆け込んできて命を守っていただいたということもあります。当然民間のものですけれど、ある意味そういうとき役立つことは間違いないと思いますので、またぜひ指導をしていただいて、滞っている原因は多分一緒だと思いますので、そこら辺の解決方法もしっかりアドバイスしていただければなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

　最後から２つ目です。
　新聞にもございました。私の学区にあります麻機遊水地に日中韓生物多様性政府対話という、環境省が主催をしてそういう場面をつくっていただいたようでありますが、そういう方々がこちらに見えて、麻機遊水地を選んでいただいたようなんです。
　県もかかわってると思うんですが、なぜこの麻機遊水地を選んでいただいたか。私、毎日見て散歩もしているんですが普通の遊水地なもんですから。眺めはすごいんですよ。いろんなものが住んでいるとかあるんですが、そういうことを含めて選んだと思いますが、どういう理由でここが選ばれたと思いますでしょうか。それはわかりませんか。

○杉山鳥獣捕獲管理室長
　この会議は、大きく言うと北東アジアの生物多様性保全促進のためという大義名分がございます。会議自体は麻機遊水地及びそれを含めた静岡市の保全活動のＰＲとしていい機会だということで、静岡市の方々が積極的に誘致したというのがあります。
　それと並行して、６月ころから全国でヒアリとかアカカミアリが非常に勢いづいて発見されたことも合わせて、また８月以降静岡市内でも清水港でヒアリとアカカミアリが相次いで発見されたことも踏まえまして、１日目の８月31日は会議でしたけれども、２日目の９月１日はヒアリとアカカミアリの現地視察ということで清水港、その後、環境保全活動が活発に行われており、かつ特定外来生物のカミツキガメも生息しているという理由で麻機遊水地の現地視察となったと聞いております。

○髙田委員
　これは静岡市が誘致をされたということで、県の関与はどんな感じなんでしょうか。そこだけ教えてくれますか。

○杉山鳥獣捕獲管理室長
　県としての関与ですけれども、一言で言ってしまえば情報共有とか、あるいは環境省などとの橋渡しで協力したことになるんですけれども、麻機遊水地は静岡土木事務所が管理している関係もございます。清水港については清水港管理局が管理していることもあります。環境省からも現地視察については御連絡をいただき、静岡市とも連携をとって、ずっと情報をやりとりしましたので、そういうように県が協力してやったということが、かかわりになります。

○髙田委員
　ありがとうございました。
　最後ですが、県営住宅のことでお聞きしたいと思います。
　先ほどユニバーサルデザインという話もありましたが、今県営住宅で抱えている大きな課題が高齢化になると思います。特に昔でいうマンモス団地みたいな物すごい大きな団地は自治会組織も持っておりまして、そこで次のリーダーがいないということで、私の知っている人が収入がふえちゃって出ていかなきゃいけないということで、これは決まりですから出ていったんですが、次のリーダーが出ないところがありました。
　ですから、こういうところはなかなか考えにくいんでしょうけれど、そこのコミュニティーがしっかり保たれて安心・安全というのは、そこに自治会があって皆さんで守り合っていくのが大事なことでして、そういうことができなくなってくる団地はふえてくると思うんです。
　県として、そういうところに支援をするのはなかなか難しいと思いますけれども、まずそういう現状の課題をどのように見られているのか教えていただきたいと思います。

○青野公営住宅課長
　今、７番委員から御指摘がありましたとおり、県営住宅の高齢化は非常に進んでおりまして、今年度ですと29.1％の高齢化率ということで、県平均が28.2％ですので約１％上回っています。昨年度ですと県平均を若干下回っていたんですが、やはり確実に高齢化が進んでいると認識しております。
　それから、高齢化に伴いまして自治会の運営もなかなか厳しいところがあるというのは、ある自治体からも聞いている状況でございます。

○髙田委員
　あるところでは学生さんに無償で住んでいただく、もう無償でいいから来てくれと、そのかわり町内活動をやってくれみたいな、条件つきのところもあるようで、若い人が来てうれしいよというところもあるようです。思い切ったことをやらないと、多分このままどんどん推移をしていくんじゃないかなと思いますので、要するに若い人が集まれる、来るような部屋のつくり方とか、いろいろ工夫はしてくれておりますけれども、もう一段これはしっかり検討していただいて乗り越えていかないと、大変なことになるのはもう目に見えておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

　もう１点は、団地の敷地内の段差です。歩道とかの段差。もうみんな押し車で、うちの母親もそうですが、押しながら行ってそれがないと倒れちゃうみたいな歩き方をしている人が多いんですが、見受けますとやっぱり段差がひどくなっていまして、外の歩道よりも中で、多分整備費がないのもあるんですけれども、危ない目に遭っている方も中にいらっしゃいまして、その辺の敷地内の整備、それこそユニバーサルデザインじゃないですが、そういうものもしっかりやっていく必要があると思います。
　それと、もう１つはやっぱり要らないものがふえています。何が要らないかというと、私も安倍口団地でお願いして実行してもらったんですが、昔で言う築山で子供が遊んでいたんですね、登ったりなんかして。もう全く不要なものになりまして、それは公営住宅課で御配慮いただいて撤去していただいて、今防災広場のようになっているんです。
　団地の整備というのは、建物の整備ばかりじゃなくて、そういう地べたの整備とか要らないものとか危ないもの――パーゴラって格好いいものがあっても、ただの柵みたいで危なくてしようがないと。そういうものを総点検していただいて、しっかり安心・安全を築いていただきたいなと思いますが、そのお考えをこれからお持ちいただいて実行できるでしょうか。よろしくお願いします。

○青野公営住宅課長
　団地の敷地内の整備につきましては、７番委員がおっしゃられたとおりですけれど、まず建てかえとか全面的改善という大きな工事の機会があれば、その周辺を整備いたしますので段差は解消されていく。建物だけじゃなくて敷地も改善されていくと考えております。細々した段差につきましては、自治会から要望をいただければもっと手早く修繕工事の中で対応していきたいと考えております。
　それから、パーゴラとかですけれども、我々も安全点検は毎年必ずやっておりまして、さて必要か不要かとなりますと、使い方もございますので、自治会の要望を聞きながらになろうかなと思っております。その点でも自治会などと連携をとりながら、要望があるようでしたら対応は進めていく考えでございます。

○東堂委員長
　ここでしばらく休憩します。
　再開は13時30分とします。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号：054-221-3482

ファックス番号：054-221-3179

メール：gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp

ページの先頭へ戻る

〒420-8601 静岡県静岡市葵区追手町9番6号電話番号(県庁案内)：054-221-2455