本会議会議録


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平成23年10月観光資源活用促進特別委員会
参考人の意見陳述、一般社団法人富士山観光交流ビューロー 専務理事 鈴木利幸氏、一般社団法人富士山観光交流ビューロー 事業推進室長 渡辺勝己氏 【 意見陳述 】 発言日: 10/27/2011 会派名:


○鈴木利幸氏
 本日は、本委員会に、私ども一般社団法人富士山観光交流ビューローの活動について御報告させていただくこと、まことにありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 富士山観光交流ビューローにつきましては、平成20年4月に旧富士市観光協会を発展的に解消いたしまして、設立をしたわけでございます。
 それから3年半たちまして本年の10月1日、一般社団法人ということで法人化をさせていただきました。
 この手続につきましては、富士市の総合計画に基づきまして、富士市観光交流まちづくりを富士市で策定されたところでございます。これに基づいて、ビューローの設置とそれから法人化という流れで進めてまいりましたので、今回、法人になって、新たな事業展開というものは特にございません。これまでの事業を継続して進めるということで作業を進めてきたものでございます。
 それで、富士市の観光についてでございます。富士市につきましては、旧東海道筋でございまして、吉原宿あるいは鎌倉時代の源平合戦、こういう史跡は名前としてはかなり残っておるところでございますけれども、やはり管理をされている史跡というと非常に少のうございまして、なかなか観光産業といいましょうか、観光に対する概念というのは余りなかったということでございます。やはり工業都市に特化してしまったというところでございます。
 しかしながら、高齢化あるいは少子化の時代を迎えるということに当たりまして、まちの活力が低下するという御指摘がいろいろな文献の中で出てまいりましたことから、地域の活力をよみがえらすために、ある程度の観光資源を呼び起こしていったらどうかという御提言の中で、富士市観光交流まちづくり計画に基づきまして、いろんな事業を進めてまいりました。
 特に、地域の魅力を再発見しなければならないという作業から始まりまして、市内外からお招きをする来訪者の皆さんとの交流を進めるための事業ということで、現在、いろんな事業に取り組んでいるわけでございます。しかしながら、工場中心のまちでございますので、ほとんど昼間は工場に皆さん入ってしまいますので、なかなか交流というものは難しいということが大きな要因でございました。
 これらを解消するために、どういう形で進めていこうかという中で、まず注目をいたしましたのは、富士川河川敷にあります富士川緑地公園、ここに広大なグラウンドがございます。ここでアルティメットやソフトボール、こういうスポーツにおける全国大会あるいは中部ブロック大会規模の大会が年間数多く開催されているということに目をつけまして、1つはスポーツ観光、こういうものに取り組んでいったらどうかということであります。あわせまして、工業都市の特徴を生かして産業観光というものにも取り組んでいきたいということで我々ビューローが提案され、設置をされたということでございます。
 私どものビューローにつきましては新富士駅の構内にございます。新富士駅ステーションプラザFUJI――これは新富士駅の都市型施設ということで、富士市が設置した施設でございますけれども、そこの中に事務局を置きまして、3つの流れで事業に取り組んでおります。
 まず、1つ目につきましては、旧観光協会に引き続きまして観光商品の企画・販売促進ということで事業を進めております。
 それから、2つ目につきましては、コンベンション事業。スポーツコンベンション、あるいは各種の学術団体等のコンベンション、こういうものの誘致を図っていきたいということでございます。
 3つ目につきましては、新富士駅の構内にございますので、観光案内所を設置してございます。この運営事業ということでございます。
 観光商品につきましては、3年前まではほとんど誘致をすることがなかったということでございますけれども、昨年から、富士山や岩本山、こういうところを使いながら、田子の浦港のしらす、それからポン酢の工場見学、こういうものに絡めまして、年間、数多くのバスツアーを誘致することができてまいりました。今後、こういう観光の誘致を定着するということをまず概念に置きながら事業を進めたいと思っておりますけれども、やはり定着するまでには相当の時間がかかるというように考えておりますので、それなりに誘致を図るためのいろんな啓発活動を進めてまいりたいというふうに努めております。
 特に、これから時間がかかると思いますけども、富士山の世界文化遺産登録にも大分期待をさせていただいております。これから訪問客が多くなると思いますけれども、こういう皆様方の受け入れにつきましても、やはりおもてなしの心、あるいは交流ということを中心に置きまして、文化遺産登録が早期実現するように我々も啓発し、取り組んでまいりたいというように考えております。
 以上、私からは概略の説明をさせていただきました。具体的な事例につきましては、事業推進室の渡辺より報告をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

○渡部勝己氏
 続きまして、富士山観光交流ビューローの取り組み事例について、説明をさせていただきます。
 きょうは2つ、富士山しらす街道事業、産業体験観光事業の説明をさせていただきます。
 まず、富士山しらす街道事業です。これは時系列的に、写真、資料を併用して説明をさせていただきます。
 まず、平成21年度に富士山しらす街道という名前で、漁協の組合長のほうから、この地区の今までダンプ街道と呼ばれていた道を、しらす街道として売り出したいという強い希望を伺いました。富士市観光課のほうからビューローのほうに、しらす街道の推進事業として受託をしまして、観光課、あと漁港、ビューローで、しらすを実際販売しているお店を回りまして、今後、しらす街道としてPRしていきたいので、ぜひ協力をお願いしたいということで、協力のあいさつに回りました。
 その後、しらす関連製品の販売のお店の方と会議を持ちまして、県道の水神田子の浦港線を富士山しらす街道という名前にしてPRしようということで決定しました。この距離はおよそ6キロほどの距離でございます。
 この名前につきましては、インターネットで検索される頻度が高いということで、富士山という名前を街道名に入れました。
 そして、7月に地元の田子の浦のみなと祭がございまして、そちらで、今、画面にあります簡単な地図をつくりまして、まず地元の方に、今後この地区を富士山しらす街道としてPRをしたいということで、手渡しで1,100枚配布をさせていただきました。
 10月から田子の浦漁協食堂と名前をつけまして、実際の販売を開始しました。これはあくまでも富士山しらす街道の誘客装置として、しらす丼を皆さんに知ってもらって、それで、しらす街道に寄っていただくという目的で始めました。
 販売は10月から12月までの第2土曜日だけ、お昼の時間の11時から13時までとしました。漁協職員とビューロー職員で、準備から調理、配ぜん、片づけ、生産、すべて行いました。これは新聞でも大分報道されまして、10月で52人、11月は60人、12月は47人で、この年は合計159食販売をさせてもらいました。
 次に、これが田子のしらす漁の様子でございます。ほかのしらす漁と違うのは、一艘曳きといいまして、船一艘で網を曳くのが大きな特徴です。一艘しか曳けないものですから、それほど漁獲量は多くありません。ただ、しらすをここは少ない量を曳きまして、そのあと船の上で氷で絞めるんですね。よく、氷の水で絞めるところもありますが、ここは氷で絞めます。氷で絞めて、すぐ港のほうへ持ってきます。
 田子の浦の1つの特徴として、港と漁場が近いということがあります。最短で15分、長くても20分程度のところで漁をしておりますので、新鮮なしらすを氷で絞め、それをすぐ港に持ってこられる。新鮮さが保たれたプリプリしたしらすを提供することができます。毎朝5時半に出港します。出港する前に港の前で皆さん停泊をしまして、無線で用意どんというかけ声とともに、全速力で漁場へ向かっていきます。
 この写真にありますように、とれたてのしらすはピチピチして透明なんですね。大変これはおいしゅうございます。このピチピチしたしらすがNHKの富士山テレビ、これは県内の放送で11月に放送されまして、その同じ映像が東海地区で放送され、12月には全国で放送していただきました。その際のしらすが大変ピチピチして大変おいそうに見えたので、田子の浦の販売店には、全国からしらすの問い合わせが殺到しました。NHKの担当者に伺ったところ、富士山特集の番組をやる予定があって、インターネットで富士山という検索をかけたところ、富士山しらす街道が当たったということで、今回、取材の対象としていただきました。
 年が明けまして、3月の解禁の日に、首都圏のプレス関係者を呼びまして、プレスツアーを実施しました。このときにしらすの踊り食い――船上でとれたものをそのまま食べていただきまして、漁協で実際にしらす丼を食べていただきました。
 その後、TBSラジオやインターネット、新聞等でお越しになっていただいた方に、富士山のしらすを紹介していただきました。
 今、2ページをちょっと説明させてもらっています。
 お手元にあります富士山しらす街道のマップ、こちらを作成しました。こちらの中を開いていただきますと、お店の方の顔をイラストで紹介させてもらっています。写真を使わずにイラストを使ったというのは、皆さんにそれを見ていただいて、イメージが広がりやすく、直接会う前から親近感を持ってもらえるんではないかということで、イラストとさせていただきました。このマップを東名高速道路の下り線にあります海老名サービスエリア、山梨県からのお客様の誘客――山梨県からの観光客を対象にして、中央高速道路の下り線の談合坂サービスエリアのパンフレットラックに配架しました。
 この漁協食堂をやろうと考えたときに、そのコンセプトをどうしようかということでいろいろと話をしました。
 まず、皆さんの漁協のイメージというのは、おいしく、安く、新鮮で量が大きいというイメージを持っていらっしゃいますので、このイメージを大切に食堂をつくっていこうということで、いろんな仕様を決めていきました。
 ごらんのとおり、朝、競りをする市場で長机といすを並べただけのシンプルな場所でございます。実際にしらすをとる船が目の前に見え、漁場の海も見える場所に設置をしました。販売価格は、生しらす丼、釜揚げしらす丼とも600円。富士山盛りと名をつけました、富士山のように上に雪を模した釜揚げしらすを乗っけた富士山盛り、これを800円とさせていただきました。販売価格は、隣の由比の「浜のかきあげ」や、あと用宗が先行しておりますので「どんぶりハウス」の料金を参考に設定させていただきました。
 漁協食堂を3カ月やりまして、そのお客様のアンケートの集計を見ますと、やっぱり営業日をふやしてほしいという希望も多くありました。人出が多いのは日曜日なんですね。土曜日しかできなかったというのは、日曜日に市場がないので漁をしないという取り決めがございまして、その関係で土曜日のみの営業とさせていただきました。ただ、お客様のほうからは、毎週土曜日にやってほしい、また日曜日にもやってほしいという希望がございました。
 平成21年度の事業については、静岡県の「魅力ある観光地づくり推進事業」の支援も受けて、事業を展開しました。静岡県の担当者の方からは、このしらす丼のネーミングやパンフレットの作成について、いろんなアドバイスをいただきました。
 次、3ページの平成22年度の事業になります。
 ここで年が明けまして、平成22年1月に、漁協と来年度の漁協食堂の運営について話をしている席で、しらす船曳きの青年部の方たちが同席をしていまして、彼らの口から自主的に、来年度、自分たちが手伝いをしたいという申し出がございました。
 こちらの構成員が20名いらっしゃいまして、営業日を毎週土曜日にやったらどうか、それと第4週の日曜日もできますよと。第4週の日曜日は富士の公設市場で朝市がありまして、そちらで田子の浦のしらすを出しております。その日は漁ができるので、4月からは毎週土曜日と第4週の日曜日にしらす丼を販売することにしました。その後、しらす船曳きの親方から、青年部がやるんだったら、日曜日にも船を曳いてもいいと漁が認められまして、途中から営業日を日曜日としました。この青年部の方たちは、しらすだけではなくて、小女子の唐揚げ、しらすコロッケなどの新しいメニューも一緒に販売をしておりました。
 富士地区は製紙のまちでもございます。静岡県製紙業協会さんの協力を得まして、紙の提供をしていただきました。皆さんが食べるお盆の上に敷き紙として、田子の浦のしらすはなぜおいしいかと、食べながらその理由も知ってもらう、漁の方法も知ってもらう、これだけ苦労してしらすをとっているんだよということでわかってもらうために、こういう敷き紙を用意しまして、すべてのお盆にこれを乗せました。
 ただ、平成22年度はまれに見る不漁でございまして、前年比85%と大変厳しい数字になりました。青年部が手伝ってくれてやったんですが、実際販売できたのは9日間で、全部で1,039食でした。当初、生がなければ冷凍しらすを使おうということになっておりましたが、その冷凍しらすも底をつきまして、やむを得ず中止ということで、平成22年度は漁協食堂は途中で中止をしました。
 しかし、中止をしたころから、実はしらすがとれ始めまして、報道でもしらすの「不漁」「不漁」ということが出ておりましたので、これから漁協食堂を再開してもなかなかお客さんは来ないんではないかと。このとれているしらすをどうしようかということで、首都圏のバスツアー会社にターゲットを絞りましてセールスを開始しました。ちょうど秋から冬の企画を始めているところでございまして、ちょうどいいタイミングで旅行会社のほうにも採用していただきました。
 その前に、11月にJRのさわやかウオーキングがございまして、こちらで漁協食堂、富士山しらす街道を入れたコースを設定していただきました。各店舗でおもてなしをし、このウオーキングの参加者は約1,000名を超えまして、この日の漁協食堂は300食を販売させていただきました。
 バスツアーのセールスをしましたクラブツーリズムでは、首都圏の会社の合同企画ということで、こういうチラシをつくっていただきました。これは10月に読売新聞に載りました新聞広告です。東海道5食食べ歩きということで、バスツアーに行くと全部で5食、食事がつくというコースで、大変人気のコースでございました。これは、11月23日から12月5日まで連続12日間、バス104台で3,844名の方にミニしらす丼を味わっていただきました。
 これだけの数を青年部がやることも無理ですし、私どもと漁協職員がやることも大変厳しいので、富士山しらす街道にある2つの飲食店に依頼をしました。たくさんのお客様がいらっしゃるので、このミニしらす丼は立って食べていただくスタイルをとらせていただきました。皆さんには海のほうを見ながらお食事をとっていただきまして、物販コーナーもかなりにぎわいました。
 次の3ページにあります漁協食堂、産業体験観光のターゲットについてお話をさせていただきます。
 まず、どういうお客様を対象にするかということで、関東地方からの日帰りのバスツアーを対象にしようと考えました。その理由については、残念ながら富士市内には温泉宿泊施設がないということで、1泊2日の宿泊のプランはちょっと無理だろうということを考えました。あと、高速道路などの整備が進みまして、今まで1泊圏内だった群馬県や茨城県からも来ることができるようになりまして、富士市は日帰り旅行圏となっております。富士市からは、海から雄大な富士山を見ることができると。これは静岡県の旅行者の流動実態調査の数字でございます。富士地区については、半数近くの方が関東地方からのお客様だということで、ターゲットとしては、関東地方が一番ふさわしいだろうということで、対象を関東地方からの日帰りバスツアーに絞りました。
 皆さんが今、旅行をするときに何を求めているか。こちらは「じゃらん」の統計を使っております。次第に地元のおいしいものを食べたいという数字がだんだん上がってきしております。求められているのは、今、地元でしか食べられないグルメではないかと考えました。こちらはJTB――日本交通公社の動向調査でもございます。だんだん、だんだんグルメというニーズがふえております。考えるに、しらす――地元しか食べられない味、ターゲットとしては日帰り圏内で行く関東地方のお客様、こちらをターゲットに私どもは進めております。
 といっても、なかなか私どももうまくいっているわけではなくて、次の5ページにあります失敗事例もございます。
 先ほどの、サービスエリアにパンフレットの配架をしておったんですが、利用者が多ければ、パンフレットもそれだけはけて、宣伝効果があるんではないかと考えました。だが、実際のところ、談合坂のパンフレットは意外にはけがよくなくて、海老名も思ったほどはけがよくありませんでした。その後、牧之原、浜名湖にも配架をしましたが、やっぱり思ったほどはけはよくなかったんですね。漁協食堂にパンフレットを持ってくるお客さんに伺うと、富士川のサービスエリアでもらったというお客様が結構多くて、旅行の食事先を決めるのはどこなのかということは、いまだに試行錯誤している段階でございます。
 漁協食堂を当初は予約制としておったんですが、ふたをあけてみると、8割ぐらいの方は予約なしで来ているんですね。予約の数に応じて仕込みをして人の配置をしたところ、それ以上のお客様がいらっしゃって、なかなか数字も読めない。予約制ということでかなり敷居が高いイメージもあったので、平成22年度からは、予約をすることができますという体制としました。
 今度は平成23年です。平成23年に入る前に、前年度のアンケートを聞く中で、毎日営業してほしい、営業日をふやしてほしいという依頼がありました。青年部は漁業の仕事をしていますが、別の仕事をしている方もいらっしゃいます。平日の仕事――漁協食堂の運営は無理だということで、クラブツーリズムのしらす丼を調理した2軒の飲食店に打診をしたところ、協力をしますと快諾をいただきまして、漁協食堂は1週間ごとに2軒の飲食店に委託をしました。
 その効果もありまして、こちらにあります「笑っていいとも」の増刊号に富士市の観光親善大使の渡部陽一さんが出演しておりまして、ちょうどこの日に船に乗っていただきました。プリプリの生しらすを食べていただき、海上でしらす丼も食べていただき、ロケの中で食堂に来た方とお話をして、この様子が5月22日に放送されまして、この日は239食が販売されました。今までの最高記録でございました。
 田子の浦の漁協食堂は4月から始めておりまして、これは、4月、5月、9月までの数字でございます。合計で1万1196食、1日平均で66食を販売しております。当初、平日は余りお客様がいらっしゃらないのではないかと予想しておりましたが、平均でも50食の販売をしております。曜日で一番多いのは、日曜日が100食以上ですね。あと土曜日が92食。次には水曜日が66食と多いんですが、富士市は自動車工場関連の会社が多くございまして、その工場が木・金の休みになりまして、工場の休みに合わせて木・金の来場者がふえていきました。
 次のページ、6ページに行きまして、アンケートを集計した結果、約4分の1の方が県外から来ていただいております。県外から来るお客様の割合としては、東京都の方が26%、神奈川の方が約19%、次に、中京圏から愛知の方が12%となっております。
 漁協食堂を始めた効果として、しらす街道の店舗から、販売の売り上げについてどれだけ違ったかという話を聞く中で、平成21年度の数字ですが、対前年比133%。何よりも販売店の方は、既存のお客様――地元のお客様を対象にしておったんですが、クラブツーリズムだとかバスツアーが来る、あと平日にもお客さんが来る、それによってやる気も向上して、店舗の改装ですとか、看板を変える、拡張する動きがありまして、積極的な取り組みが動き始めております。観光客を受け入れることによって、地域消費から外部消費へ拡大をしました。
 田子の浦のしらすの漁獲高は毎年変わっておりまして、昨年度はかなり不漁でございました。今年度は平成21年度並みにだんだんとれてはきております。ただ、年間の田子の浦の販売高はそれほど伸びてはおらないんです。お客様はかなり多く来ておりますが、漁協の大幅な増収には結びついていないという状況がございます。ただ、しらす街道の店舗の販売のために漁協食堂もやっておりますので、これはいたし方ないかなと思ってます。
 チラシが1枚ありますが、今度の日曜日に、初めてしらす街道をメーンに、しらす街道フェアというのが10月30日に開催をされます。これは、しらす店舗の方たちをメーンに、初めて開催するイベントを、今年度実施をすることにしました。
 6ページの下の段に、実際の田子の浦漁協のしらす丼の販売の数、団体のツアーの受け入れ本数が出ております。今年度もクラブツーリズムのほうから、昨年と同じようなツアーの設定があるということで、こちらも11月から12月にかけて、かなりのお客様がいらっしゃるのではないかと考えております。
 次に、産業体験観光事業について説明をさせていただきます。7ページをごらんください。通常、今は産業観光という名前でやっておりますが、私どもは産業体験観光と名前をつけております。これは、工場を見るだけではなくて、実際、体験をする、そこまでを含めた企画を提案しております。昨年度から首都圏、中京圏のバスツアー会社にセールスをしております。
 私どもの産業体験観光のセールスポイントとしましては、富士市は大変アクセスがよいということが一つです。東名インター、あと国道1号からのアクセスもよい。提案している施設がそれぞれ30分以内で移動ができます。産業体験観光をやる施設については、出荷のトラックが出入りしている関係もありまして、バスがとめられる駐車場がある。日常的に大型トラックが通行してますので、大型バスの運行もできる。
 日帰りツアーは、大体、午前中に1カ所見学して、その後、お昼を食べ、その後、午後2カ所を見学するという行程が多うございます。昼食については、田子の浦の漁協食堂を利用していただく可能性がある。県外からいらっしゃると、富士山が見られる、これが大きな魅力だということでPRをしております。
 先ほどの資料にもありましたとおり、やっぱり食について、皆さん関心が大変強いので、富士市内にある食の工場見学とつくる体験、それと、事業者が実際にお客様についてこだわりを説明する、これを一つのプランにしてセールスをしております。
 実際に、こちらに写真がありますのが、福泉産業がやっています「マイぽんず作り体験」でございます。工場自体は10分ぐらいの見学で終わってしまいまして、ここは、橙からつくるぽんずをつくっておりまして、実際にお客様にそれを調合していただき、500ミリリットルの瓶に入れていただきます。つくっていただいたものをお持ち帰りいただき、もう1本、福泉産業でつくっているみりん風調味料をお渡しをしています。会場はこちらの福泉産業の食堂を使わせてもらっています。福泉産業では、オリジナルのラベルをつくっていただきまして、ツアー名を書いたラベルを皆さんにお渡しをしてます。これは、かなり人気がありまして、ぽんずというのは、家に持ち帰っても必ず使えるものでございますので、皆さん大切にお持ち帰りいただいております。これは無料でやっていただいております。
 次に、プラウドという工場がございます。これは、お豆腐をつくってる工場でございまして、ほかの豆腐工場との大きな違いは、おからを出さないのが大きな特徴です。今、おからというのは、産業廃棄物として処分に困ってるという話を伺っております。こちらの会長がもともと技術職で、お豆腐屋さんではないんです。それで、おからを出さないお豆腐をつくるということで、大豆を細かく粉砕しまして、100%大豆を使ったお豆腐をつくってます。ツアーの参加者にやっていただくのは、お豆腐を切る作業とパックをする作業を体験していただきます。こちらも、かなり機械化が進んでおりまして、手作業でやる部分だけは皆さんにやっていただくという体験をしております。こちらは、一かま5,000円で買い取りをしていただきまして、でき上がった1パック約400グラムのお豆腐を90丁お持ち帰りができます。通常バスのツアーは大体40人の方がいらっしゃいますので、お一人2丁のお豆腐を持ち帰りできます。ここは豆乳と豆乳かりんとうなどの販売をしております。ここで女性が一人食べてます。これは、崩れたお豆腐――本当にできたてのお豆腐を食べてるんです。大変これもおいしゅうございまして、崩れたものは、皆さん食べております。
 次に、長谷川農産という工場がございます。これは高級マッシュルームをつくってる工場です。ここの長谷川農産さんの取り組みとしては、無農薬で無漂白のマッシュルームをつくってるということで、この真ん中にあります――今ここの女性が食べています――これは苗床にあるマッシュルームをそのままじかに食べられる、こういう体験ができる工場でございます。ここは、中はすべて機械化になってますので、体験というのは試食の体験となります。これ、見えますかね、ここのところにあります、これはポットベラといいまして、大きさがハンバーガーのバンズぐらいの大きさがあるんです。これを工場ではつくっておりまして、こちらのバターいため等の試食をさせてもらってます。こちらのマッシュルームは、首都圏の有名なスーパーやレストランとも取引があるようです。こちらの見学も無料です。
 富士市内の産業体験観光の今の実績については、8ページの表に記しております。私どもで、バスツアーに採用されるためにはどうしたらいいかということで、いろいろと考えてますが、バスツアーを旅行の商品として採用していただくためには、まず、企画担当者が求めてるものを出していくべきではないかと。企画担当者としては、ほかにはない、ほかの地域にはない、ほかの旅行会社が使ってない、それが新しく価値があるもの、こういう観光素材を常に求めておりますので、富士市でできる情報を随時提供しております。
 また、手配窓口をビューローに1本化しておりまして、手配や変更は1カ所ですべて完結するようにつくっております。こうすることによって、複数の施設見学、食事についても、1回の電話で済む。これは担当者としては、かなり便利な組織だと思います。また、希望した施設が受け入れできない場合は、私どもで代案の提示をさせていただき、お客様の団体の特徴に応じて施設の提案もさせてもらってます。
 あと、バスツアーの受け入れのメリットとしましては、受け入れ側は計画的な人の配置、仕入れができる。個人のお客様に比べてお土産の購入額が多い。募集広告に掲載されたバスツアーのコースを、ほかの旅行会社が、それを参考にして同様のコースも設定していただいております。また、先ほどのクラブツーリズムの募集広告にあったように、しらす丼の写真、田子の浦漁協の漁協食堂という名前を掲載してもらうので、旅行に参加しなくても、公告を見た方にPR効果が期待もできます。
 今後の課題としましては、各施設との協力体制の確立。あと、地域の方たちは、まだまだ観光について理解が乏しいというのが現実でございます。もともと富士市というのは観光が余りなかった土地でございますので、地域として観光客を迎える、観光事業を進める理解、協力、おもてなしの心をどう育てていくかということです。あと、観光客を呼ぶための基盤の整備。なかなか、しらす街道といっても、看板がないですとか、その付近を散策するのに歩道が一部ないだとか、ハードの部分の整備も進めていきたいと思います。私どもも、始めてまだ3年の組織でございますので、観光商品の販売方法の研究も、今後も進めていきたいと思っております。
 どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)

○小野(登)委員長
 ありがとうございました。
 以上で、富士山観光交流ビューロー、鈴木様、渡辺様からの意見陳述は終わりました。
 それでは、これより質疑応答をしてまいりたいと思います。御質問・御意見等がありましたら御発言を願います。

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