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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成26年9月定例会文教警察委員会 質疑・質問
質疑・質問者:野澤 義雄 議員
質疑・質問日:10/08/2014
会派名:ふじのくに県議団


○野澤委員
 それでは分割質問方式で大きく4点について質問をさせていただきます。
 まず議案関係でありますけれども、第135号議案の中の高校就学支援事業費について伺います。
 この予算が計上してありまして、認定者数も1万9253人決まりまして、平成26年9月30日付で認定ということで、就学支援金の対象月はさかのぼって7月から翌年の6月ということであります。多分これは今まで高校の授業料無償化ということが行われておりましたけれども、それにかわって――政権がかわったということもありますけれども――新しい制度設計のもとに出てきたのではないかと思います。ですから、いきなりの事業という感じがしますけれども、今回の補正予算が出てきたということは、当初予算でどのような積算をして予算を計上したのか、そして今回の補正予算で対象者がふえたということになっておりますけれども、その辺の差はどのようなものに起因するのか伺いたいと思います。

 それから、奨学給付金でありますけれども、認定者が全体の7.5%ということで、全体数の中で多いなというのが率直な印象であります。
 就学支援金と奨学給付金とあわせて保護者の経済的な負担軽減ということになれば、非常に結構なことだと思います。ただし、この奨学給付金は授業料以外の教育負担費の軽減ということがうたってありますけれども、具体的にどのようなものを想定した負担軽減なのか。これも国庫から来ているお金だと思いますけれども、その辺の指針があるのかないのか伺いたいと思いますし、これは多分、1年生の保護者ですよね。2年生、3年生はないのかという思いもあるのですが、その辺の制度について伺いたいと思います

○堤高校教育課参事
 就学支援金の補正理由等についてお答えをさせていただきます。
 当初予算では、この就学支援金の見込み数を国が試算をした78%ということで見込んでおりました。
 既に第1回目の認定後、4月分、5月分、6月分の授業料について今年の6月末に1回認定をしておるところでございますけれども、そのときの認定率が82.2%ということでございまして、国の試算よりも4%ほど多かったということで、このままでは年度末に予算の不足が生じることから、今回補正予算をお願いしているものでございます。
 国の試算の78%が一体どういうものかということでございますが、総務省が実施しました家計消費状況調査というものでございます。
 全国で3万世帯を抽出したアンケート調査によるもので、このアンケート調査による推計値と今回私どもが実際に書面で確認をした数値の差が生じたということでございます。

 次に、奨学給付金の制度の概要についてでございます。
 説明資料の9ページをあわせてごらんをいただきたいと思います。
 この制度は、野澤委員御指摘のように授業料以外の教育費の負担軽減を図るということで、今年度新たに創設されたものでございます。
 学ぶ意欲がある全ての生徒に対して、家庭の経済状況を心配することなく、教育を受けられるようにということで、低所得世帯の生徒に対して支給をするものでございます。
 2の(2)に書いてございますように、今年度新たに発足した制度でございますので、今年度入学の新1年生からということで、現在の2年生、3年生の生徒に対しては支給されません。
 具体的な支給額につきましては、世帯や子供の数によって(3)に記載してありますとおり3万2300円から12万9700円まで支給されるものでございます。
 支給の考え方でございますけれども、この給付金は入学用品であったり、修学旅行費であったり、学用品費などのほかに各学校が徴収する生徒会費だとか学年費だとか、そういった費用に充てられるものということになっております。

○野澤委員
 確認ですけれども、1年生から始めて毎年度やっていくわけですね。3年生まで対象になるということですね。

○堤高校教育課参事
 今、野澤委員がおっしゃったとおり今年度の1年生から学年進行で3年生になるまで毎年支給されるものです。

○野澤委員
 わかりました。
 先ほども申し上げましたように経済的に保護者に対して支援をするという制度は必要だと思います。政権がかわったり、さまざまな要因があろうかと思いますけれども、やはり現場ではいろいろな形でかわるというと、いただけるのはありがたいけれども、混乱も生じてくるということもあろうかと思います。なるべくそういうものは安定的に制度設計をしていただきたい。国の話ですけれどもそのような印象を持っております。

 それでは次に移ります。
 説明資料の県立土肥高校及び県立佐久間高校の将来計画ということで、分校の計画が記載をされております。
 土地カンが県立佐久間高校のほうにしかないものですから、そちらに絞って質問をさせていただきたいと思います。
 かつて、県立浜松湖北高校の前身の引佐高校には――まだ引佐高校はありますけれども――庄内分校という――現在は浜松湖東高校という高校となっておりますが――分校がありました。
 経済圏だとか一体性は割合少ないところなのですけれども、自転車で30分ぐらいのものですから、庄内分校のエリアの人たちも本校に来たり、あるいは部活で交流したりというようなこともあったような気がいたします。
 しかし、浜松湖北高校と佐久間高校では、地域として一体性というと非常に無理があるような気がいたします。
 しかし、学校の本校、分校ですから、それはいいんだといえばそれまでの話ですけれども、距離を考えますとかなりあります。今、車社会ですけれども、浜松湖北高校から県庁に来るよりも佐久間高校へ行くほうが時間がかかります。そのぐらい離れている距離で、恐らく1時間半程度、余計にかかるのではないのかなと思います。
 本校、分校でそれぞれの教育課程をこなせばいいわけですから、生徒にとって交流があるかないかというのは余り問題にならないと思いますけれども、それじゃあ本校、分校を所掌する校長だとか、事務長だとかいった学校運営において、大きな問題はないのかというような懸念もされます。これを最初に聞いたときに、ああ随分思い切った計画を示してきたなという感じがしたのですが、まずそういう学校運営についてどうであるかということを伺いたいと思います。

 2点目に、平成29年度から佐久間高校が分校にという計画ですけれども、分校の設置基準として、特に生徒数で現在どういうような基準があるのか。数が少なくなってくれば、当然1つの高校として無理があるというところで下限はどうなのかなと。10人でも分校は機能するのかどうか、基準はあるんでしょうか。伺いたいと思います。

 3点目に、今、天竜高校春野校舎という形で進んでおります。校舎といっても分校の扱いだと思いますが、校舎と分校の違いとはどんなものか。希望によってどちらにでもなることができるのか、あるいは分校と校舎は制度的に取り扱いが違うのかどうか伺いたいと思います。

○渋谷高校教育課長
 分校化の質問についてお答えいたします。
 まず、分校化の学校運営上の問題はないのかということでございます。
 佐久間高校に限定してお話させていただければ、浜松湖北高校の分校という形で――名前はまだ未定ですけれども――佐久間高校をそういう形にするということで、距離的な御指摘がございました。これは近ければ分校で遠ければ分校じゃないという問題ではなくて、学校運営の効率化という形で、小規模になった学校を分校化して管理者を共通にして運営していくという効率化を図る点でございます。
 ただ、運営につきましては、校長は当然分校の運営責任を帯びるわけでございますし、事務長も共通で行うわけでございますので、連絡手段はしっかりし、校長は時々分校を見に行くということもあるかと思います。
 毎日行き来するわけではございません。今は通信手段も発達しておりますので、距離的な問題とはどこまで問題になるのかということになりますけれども、まず佐久間高校を分校化する際に、当然一番近い高校はどこだろうという検討をさせていただきました。その際にやはり天竜高校や今度できる浜松湖北高校、それから浜北地区の高校等も、一応検討する中で時間的な距離としては三遠南信道が途中までできていることもあって、我々も走ってみましたけれども、一番近いのは浜松湖北高校になるということ。
 将来的には三遠南信道が計画されておりまして、完成した暁には時間と距離はかなり短縮されるという見込みがありましたものですから、そういうことも勘案して浜松湖北高校の分校とするということ。
 それから、天竜高校は既に春野校舎を1つ分校で持っておりましたので、学校運営上の負担等を考慮いたしまして、浜松湖北高校の分校化ということを選択させていただいたということでございます。

 2つ目の分校化の基準があればというお話でございます。
 基準は特に定まったものはございません。静岡県の分校の現在の実態としては、全て分校は1学年1クラスの規模になってございます。生徒数を勘案して1クラスの規模、1学年1クラスの規模を目安という形で考えさせていただいているとともに、当然1クラスだけの学校ということになれば、学校設置者としては、校長、事務長などの管理職の業務量の点で、効率的な経営の観点から人員配置を合理化して費用抑制を図ることも財政上、必要であると考えております。
 そうしたことを総合的に勘案しまして、分校化すべきか、すべきでないかということを判断しています。
 下限はどうなのかということでございますけど、こちらはもう学校として存続するのかしないのかという話になってくるかと思いますけれども、こちらも特に基準がございません。
 ここから先の検討は、その地元にいる生徒の学習機会の確保や地域の行政的な視点、地理や利便性、それから高校の場合はやはり義務教育ではございませんので、高校として置くべきかどうかということも総体的に勘案して行政的な視点で慎重に検討する必要があるのではないかなと考えております。

 それから、天竜高校春野校舎でございます。
 校舎という名前ですけれども、制度的な違いはほとんどないとお考えいただいて結構だと思います。
 名称は、地元と調整させていただきまして、地元の希望に沿った形で春野校舎という形にいたしました。校舎としましたので制服や校章、それから校歌などは全て共通です。
 校舎という形ですので、単独校というよりも、より本校に近い形での運営が実際的にも名前に合わせてなされていると御理解いただければと思います。

○野澤委員
 ありがとうございました。
 やはり佐久間高校のOBの皆さんだとか、当該地区の佐久間、水窪、それから一部愛知県にまたがっているんですかね、通学して来ている生徒たちのエリアというと。
 そういった人たちの意見をしっかり聞くことも非常に大事なことではないのかなと思いますが、その辺は既にやっておられるのか、これからなのか、どういう方向なのかお知らせをいただきたいと思います。
 そういう中で、今、お話がありました下限はないと言うけれども、このぐらい減ったらちょっと存続は難しいですねということもお示しをしながらいかないと、将来的にもまた大変なことになるんじゃないかなと思います。
 当該地区の皆さんは、やはりずっとあった高校ですから、なくすのは本当に寂しいと思うのですね。
 そういった危機感も持っていただきながら、何とか子供たちを確保しようという運動になるのかならないのか。それは今後のことですけれども、とにかく分校にしたからいつまでもそういう形でいくということは、それはあり得ないわけで、そういったことも含めながら、忌憚のない意見交換をぜひしていただきたいと思いますがいかがでしょうか。

○渋谷高校教育課長
 佐久間高校の分校化に関しては、地元のOBの方や通学している生徒、そういう方々の意見をきっちりと聞く場はこれから設定をさせていただきたいと考えております。
 こうした地域の高校は、当然地元の担い手の育成という観点では、これまでも本当に地域の活性化に貢献してきたという意味で欠かせない存在だということで、いずれの高校も残してほしいという意向は届いております。
 ただし、我々県教委といたしましても、生徒数の減少がかなり顕著で、現実的に現時点でも、もう既に2クラスで両校とも募集しておりますけれども、1クラス分の生徒しか集まっていないと。今年度の入学者はもう1クラス以下、1クラスの定員も満たしていないという状況になっておりますので、先ほどの学校設置の考え方をあわせて出した結論でございます。そうしたものも御理解いただきながら、しっかりと丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。
 地元には、まずは分校として存続という形になり、学校はなくなりませんので、来年早々にも分校準備検討委員会を立ち上げさせていただくことにしております。その中で今後の分校での教育内容や制服、校章、名前、名称まで含めた分校としての特色づくりについて、地元の皆様の御意向をしっかりと聴取しながら、地域や生徒のニーズに応えることのできる分校という形で努めてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

○野澤委員
 では、3問目の補助教材について伺います。
 随分、この委員会でもそれから本会議でも議論になっております。補助教材は、さまざまな出版社がとにかく内容勝負ですから、採択していただけるように、よりよいものをつくるために、いろいろな研究をしながらつくり上げていくような性質のものだと思います。
 静岡県出版文化会のものについてお聞きをしてみますと、教壇に立っている教員の皆さん方が出向いて研究会をつくって、自分たちが一番よいと思うものを研究し合いながら練り上げてつくるんだというお話でした。
 そういうことであるならば、恐らく現場の課題や先生たちの思いもしっかりこもったよいものができているのではないかと、実際に資料も見せていただいたこともありますけれども、よくできているなという印象は受けております。
 この委員会や本会議で、採択や営業についてもう少し透明性や公平性をという議論が続いているかと思いますが、それはそれとして、本県の教員の皆さんが研究をし合いながら適切な一番いいと思われるような補助教材をつくっているということについては、私は非常に高く評価をしたいと思っていますし、多分、全国にもない、本当に静岡県の教育の姿の誇れる1つだと思っております。
 ただし、それをやることによって、教員の多忙化につながるだとか、昨年は補助教材がよくないからテストの結果も悪いんだろうみたいな話もありました。私はそうは思いませんが、まず静岡県出版文化会について、どのように捉えて評価をされているのか、されていないのかお伺いしたいと思います。

○林義務教育課長
 補助教材につきまして御質問いただきました。
 お答えいたします。
 特定の出版社が出されている、市販されている補助教材でございますので、この場において県教育委員会として、この教材がよい、この教材が悪いといった可視的な判断はコメントする立場にはないのかなとは思いますが、団体として静岡県出版文化会は、歴史的に戦後の混乱期、学校現場において、何もなかった中で教育に僻地はつくらないという精神で県下の子供たちの図書教材は自分たちでつくろうと、本県の教職員の方々が立ち上がってつくられた団体。そして補助教材についても先生方の空き時間を使ってつくろうというところで始まったと聞いております。
 そういうところから、本県の補助教材の供給の仕組みは特徴があると認識しておりますし、また当然のことながら現職の方が多く、特に現場をよく知っていらっしゃる方が教材の研究開発に携わっておられるということであるならば、それは静岡県ならではの素材を用いた教材ができ上がってくるとは思います。
 とはいえ、各教材会社がさまざまな魅力的な教材を市場には提供してくださっていますので、そういった中で、恐らくこの静岡県出版文化会、また静岡教育出版社ですぐれた教材をつくっていただいているものと認識しております。

○野澤委員
 ありがとうございました。
 次に、県立中央図書館について伺います。これが4問目、最後になります。
 県立中央図書館の県民満足度という視点から少し伺ってみたいと思います。
 総合的満足度、読書、調べ物、学習スペースそれから貸出冊数だとかホームページの機能だとか、職員の業務知識とかいろいろな項目がありますが、総合的にいって平成23年度が55.9%、56%ぐらいの県民満足度という数字が出ている資料もございます。
 それから、平成25年度に同じ調査をしたところ、総合的満足度は64%ということで、かなり改善をされたという数字が出ております。ただし一番満足していないという部分が1つありまして、利用しやすい場所にあるかという点の満足度が27%、非常に県民の中には使いにくいなという意見があることも、皆さんも御承知だと思います。
 ただし、この満足度27%は遠隔地から来た人たちの27%だと思います。
 というのは、あそこにじかに来て本を手にとって調べ物をしたり読書するという8割ぐらいの利用者が葵区、駿河区、清水区からという数字が出ております。来館方法も自家用車、それからバイク、自転車、あるいは徒歩が9割ぐらいということで、言ってみれば静岡市の市民がかなり有効に使っていただいているということで、西部や東部の遠隔地の人については、割と交通の便が悪くて使いにくいなという数字が出ているものだと私は理解をしております。
 私もこんな声を県民からもらったものですから、静岡駅前から直通バスがあったものですから乗ってみました。30分弱かかりまして、県立美術館と並んでいる県立中央図書館に着きました。1時間に1本です。静岡鉄道を利用する方法もありますけれども、草薙駅まで行ってそこからバスで5、6分ということですが、これも1時間にバスが3本ということです。それじゃ伊豆方面から、あるいは浜松市の湖西方面から利用したいなと思って来ると、新幹線の駅までバスやら電車やらの方法で来て、それから新幹線を乗り継いで静岡駅へ来て、バスもしくは静岡鉄道に乗って、いろいろな交通手段を使いながらようやく県立中央図書館に到着するということです。それが利用しやすい場所にあるかというと満足度27%の原因にもつながっていると思います。
 県立美術館と並んでおりますけれども、美術館側のほうにバス停がありまして、そこから図書館に歩いていくわけです。傾斜地に立地をしているために入り口まで行くのに50段ぐらい大きな階段を上っていかなくてはたどり着けないという構造になっておりまして、さらに入り口に入ると、閲覧室に行くのにまた階段をおりて閲覧室へ行くということで、非常に階段の段差がある場所。その割にスロープ等も――もしかしたらあるかもしれませんが、私は気づかなかったけれども――ないということで足の不自由な方や高齢者には優しくない構造じゃないかという印象も持ったわけであります。
 こんなことも踏まえながら、今あるところをすぐどこかに移転しろとも言えないわけでありますから、当面、今の場所で県民がなるべく利用できるような対策というか、利便性の向上策はどうでしょうか、あったら伺いたいと思います。

○北川社会教育課長
 現在、県立中央図書館は、清水区草薙の山のほうにありまして、草薙駅からも遠いということで若干使いにくいという声があることも事実でございます。
 ただ、駐車場も完備しておりまして、周辺の文化施設であります県立大学や県立美術館と連携するという利点もあるということでございます。
 今現在、県立中央図書館は、県内全域の県民へのサービスということで、県立中央図書館に来なくても県立中央図書館の本をそれぞれの市町の図書館で貸し出しを受けることができるサービスでありますとか、貴重な図書は電子化しておりインターネットを通して見られるといったもの、あるいはメールによるレファレンスサービスというようなことを非来館型というんですか、そういったサービスの充実に努めているところでございます。
 また、建物につきましては、非常に使いにくいということですが、昭和44年3月に完成しましたものですから、もう45年過ぎているということでございます。そうした中で利用者に御不便をおかけしていた部分もあるのですが、平成21年から平成23年度に集中的に工事を行いまして、できるところの改善には努めたところでございます。
 しかし、先ほど野澤委員がおっしゃったとおり正面玄関から行きますと階段を上ったりおりたりということでございまして、北側駐車場に置いてそこから入っていただければ、エレベーターもございますし、段差もなくスロープにしてあるということで、そちらを利用していただいているという状況でございます。

○野澤委員
 ありがとうございました。
 蔵書冊数の全国一覧の資料がここにあります。
 午前中の答弁でも、教育長が余り隣と比べるべきものではないということでしたが、全国と比較するにもちょうど370万人程度の人口は他にないものですから、東海4県でちょっと調べてみたんです。
 蔵書が愛知県の県立図書館106万2000冊、岐阜県が98万4000冊、三重県が84万9000冊、静岡県が75万6000冊。
 貸出数ですけれども、愛知県が53万7000冊、岐阜県は77万5000冊、三重県が35万3000冊、静岡県は15万2000冊。
 先ほど、インターネットでとか、さまざまな工夫はされているのは伺いましたが、この数字を見るとまだ努力が足りないというか、県民の期待に応えていないということも読み取れるんじゃないかと思います。
 確かに、美術館に行く方と図書館を利用する方の共通点もあろうかと思いますけれども、違う点もあるかもしれませんね。一般図書を利用したり、あるいは専門書を調べるときに図書館を頼りに行くという人も多いでしょうから、いろんなニーズが図書館にはあると思いますが、まだまだ工夫をしながら応えていく必要があるのではないか感じております。
 先ほども、専門書等の話が出ましたけれども、県立中央図書館の存在する意味は、最近では市町の図書館も随分充実してきて、一般図書等ならそこに行けば十分なんですよね。利便性はいいし建物も新しくて快適だという声も聞いております。それはそれで大いに使っていただけたらいいけれども、そういった中で県立中央図書館がどのような役割を担っていくかということですと、郷土資料を、ほかにはないものを県立中央図書館に置くだとか、あるいは専門書だとか、貴重書等々、これはちゃんと正確に深く調べてみたいなとか、静岡県というのはどうなんだというときに、一番調べ物に適している本が充実しているのが、県立中央図書館でなければいけないと思うのです。一般図書の充実も県立中央図書館では必要でしょうから、その辺のところも含めてどのようなあり方というか、存在する意味を明確に打ち出していこうとしているのか伺いたいと思います。

○北川社会教育課長
 先ほどの他県の貸出冊数の中に、それぞれの県立中央図書館で若干色合いというか、考え方が違うところがあります。
 本県の場合は、県立中央図書館としては、市町立図書館をサポートする図書館という意味合いも1つの大きな役割として持っております。
 例えば、具体的には市町立図書館ではなかなか買えないような高価な本であるとか、専門的な本を中心に購入しているというところでございます。
 ちなみに市町立図書館の1冊当たりの購入単価を言いますと、2,000円を下回る状況ですが、県立の場合は平均4,000円で高価あるいは専門的な本を買っているということであります。
 それともう1点でございます。地域資料が――郷土資料を地域資料という言い方を図書館ではしているのですが――蔵書76万冊のうち12万4000冊程度ございます。我々としますと静岡県のことなら何でもわかる図書館ということを目指して、以前から非常に網羅的に収集をしているところでございまして、こういったものも、もう少し情報発信を上手にしていく必要もあろうかと考えております。

○野澤委員
 最後に1つ。
 静岡県立中央図書館という命名はどういった経緯なんでしょうか。
 というのは、東京都立中央図書館がありまして東京都立多摩図書館が分館であります。それから大阪府立中央図書館があって大阪府立中之島図書館の分館があります。埼玉県立浦和図書館があって、埼玉県立熊谷図書館があって、埼玉県立久喜図書館の合計3館でも中央とは名乗っていないわけですけれども、分館もないのに中央というのはどういうことなのでしょうかね。
 それは、将来的には西部だとか中部だとか分館をつくるという計画のもとになされたのでしょうか。

○北川社会教育課長
 済みません。中央という名前をつけた経緯につきましては少し勉強不足で承知しておりませんので、またわかったところで御報告したいと思います。
 ただ、今、大きな流れとしましては、どの県も分館をふやすというよりは、むしろ分館を減らして、先ほど言ったような本を流通させるとか、情報を流すということで、ネットワーク化をするというような方向へいっておりまして、現在のところ、我々としましては、さっき言ったようなサービスのより一層の充実をしていきたいと考えております。

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