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委員会会議録

質問文書

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平成29年2月定例会企画くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:増田 享大 議員
質疑・質問日:03/07/2017
会派名:自民改革会議


○増田委員
 建築物の地震対策と組織改正について、分割質問方式で質問させていただきます。
 建築物の地震対策については、そもそも論として昭和51年に東海地震説が発表されて以来、本県は全国に先駆けて建築物の地震対策に取り組み始めたと思います。もちろんプロジェクト「TOUKAI−0」の事業が住宅建築物の耐震化のメーン事業であります。今議会にも耐震基準について安全性を確保するための条例改正案が提出されています。
 ただ、出発から40年もたっています。その中で直近の事業だけでも皆さんと議論があるように、いろいろあるわけでございます。やはり東海地震説以降の対策をしっかりと検証しながら、今後の方向性を見出していかなければいけないと思っております。
 そういった観点で、東海地震説から40年経過した中で、これまでの建築物の地震対策の総括的な御所見と今後の取り組みについてお伺いします。

○柳建築住宅局長
 昭和51年8月に、当時の東大の石橋助手が静岡県を中心とした東海地域で大規模な地震が明日起こってもおかしくないという東海地震説を発表しました。それを受けまして、当時の山本知事が建築耐震構造の専門家である東大の梅村教授と岡田助教授に県庁に来ていただいて、静岡県の建築物の地震対策を要請し、快諾していただきました。そこから本県の地震対策が始まりました。
 対策の仕方は、新築建築物対策と既存建築物対策に分けて進めてきました。
 まず、新築建築物対策の総括ですけれども、今回条例化の議案を提出させていただいております。
 東海地震は、建築基準法で想定している地震よりも大きいと想定されることから、建築基準法を上回る耐震基準を静岡県建築構造設計指針として策定し、その指針に基づいて設計するよう設計士にお願いしてきました。大体その指針で建築されてきております。
 そういう中で、近年阪神・淡路大震災から始まって大地震が頻繁に起こっていることと、地震地域係数1.2の適用率が低下してきているために、義務化をするための議案を提出させていただいています。
 新築建築物対策の総括としては、全国に先駆けて大地震に対する構造設計指針を作成したことと地震地域係数の条例化の取り組みにより、防災先進県として評価していただけると思っております。
 次に、既存建築物対策の総括ですけれども、既存建築物については、住宅とそれ以外の大きな建物と分けて考えたいと思います。
 まず、住宅についてですけれども、昭和52年当時は耐震診断基準がありませんでした。そのためまず住宅の評価をする診断が必要ということで、先生方に協力していただいて、本県独自の耐震診断基準をつくりました。それを国が採用して、今では耐震改修促進法に規定する全国の耐震診断基準となっています。この耐震診断基準で診断をして耐震性がないものについては、耐震補強することで進めてまいりました。
 進めるに当たっては、当然補助制度が必要だと財政当局にお願いしてきたわけですけれども、なかなか認められませんでした。その理由は住宅の耐震補強は利便性である、要は個人の資産形成になるということで、その壁がなかなか超えられませんでした。
 そういう状況が続いていましたが、平成14年に住宅の耐震補強は利便性や居住性を高めるものではなくて、地震から命を守るためのものである、地震が起きるとがれきの処理とか応急仮設住宅の建設、災害公営住宅の建設等々がかかることから、耐震補強が予防になって、それを進めると地震後の経費が相当軽減されて公共の福祉に寄与するとの考えのもとに補助制度が認められました。これがプロジェクト「TOUKAI−0」でございます。国もその考えを受けて、平成17年度に補助制度を創設したわけでございます。
 今、本県の耐震化率は84%です。これは全国で10位です。耐震化率は新築住宅と建てかえ住宅の着工件数が多いほど上がります。そのため景気のいい大都市において新築や建てかえが非常に多いことから、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県等は静岡県より耐震化率が高いです。神奈川県は全国1位で89%です。
 本県は、リーマンショック前までは年間3万5000戸の着工があったのですけれども、リーマンショック以降1万戸減りまして、今は2万5000戸です。それがずっと続いていまして、景気が回復していない理由もあって、なかなか84%から伸び悩んでいる状況でございます。
 既存住宅対策の総括ですけれども、全国に先駆けて、県みずから耐震診断基準をつくったことが今の全国基準になっていることです。それと全国で初めて補助制度をつくったことで耐震診断の補助実績は静岡県が1位です。耐震化率は全国10位ですけれども耐震補強の補助件数はずば抜けて多いことで、防災先進県として評価していただけるのではないかと思っております。
 それから、大きな建物ですけれども、昭和52年に既に大きな建物の耐震診断基準はつくられておりました。それに基づいて私どもは県立高等学校の耐震診断をし、耐震性が不足するものについては、昭和55年から全国に先駆けて耐震補強を実施してまいりました。
 当初は、校舎に鉄筋コンクリートの耐震壁を増設することによって補強してきました。この場合に耐震補強で重量が相当ふえてしまって基礎に悪影響を与えるものが出てきました。そのため新工法を開発しようということになって、鉄骨のブレースで補強する工法を県みずから開発しました。学校の補強例を見ますと鉄骨のブレースが入っています。あれは静岡県が開発したもので、今一般的に使われている工法でございます。
 この工法で県立高校のほぼ100%を補強済みだと思っています。民間の建物はまだまだですけれども、県の特定建築物の耐震化率の目標90%をおおむね達成している状況です。
 この住宅以外の大きな建物の対策の総括ですけれども、県みずから耐震補強工法を開発して全国に先駆けて補強を実施して、民間はまだまだですけれども特定建築物の耐震化率がほぼ目標を達成していることで、評価していただけると思っています。
 次に、今後の建築物の地震対策方針です。
 今回条例化の議案を提出させていただいています。これが認められれば本県が想定する東海地震、南海トラフ巨大地震に対して建物が倒壊しないで命を守ることを担保できると思っております。
 本来は、建物の耐震性能は建築主自身が決めるべきだと思っています。しかし現状は設計士にお任せの状況になっていると思います。
 今後、設計士は建築主に対して、あなたが建てる建築物の耐震性能は、法が定める最低基準で地震後継続して使用することはできないけれども倒壊しないで命を守れる建築物にするのか、それとも地震後継続して使用できる建築物にするのかと。熊本地震では建築基準法の2倍の耐震性能がある建物は全くびくともしないで残っている状況です。そういうものを求めるのか設計士は建築主に聞き、建築主のオーダーに基づいて設計していくのが、これから求められる方向性だと思っています。
 それから、9番委員からも御指摘がありましたけれども、今後は活断層直上にある建築物の対策も必要かなと思っています。今回の条例案の地震地域係数1.2は、直上ではなく付近なら有効だと思いますけれども、直上にあるものは6メートル、7メートルの段差が起きれば幾ら耐震性能を高めても余り機能しないのではないかということで、直上にある建物の対策を今後考えていかなければならないと思っております。
 それから、今後の既存建物の対策ですけれども、プロジェクト「TOUKAI−0」も含めて推進しているわけですけれども、耐震改修促進計画に基づいて、平成32年度末耐震化率95%を目標に取り組んでいきたいと思っております。
 既存の住宅に対しての取り組みですけれども、先ほど9番委員の質問に対して答弁させてもらいましたけれども、現在県内に140万戸の住宅があって、耐震性がない住宅は22万戸あります。このうち高齢者世帯が多いので、やはりターゲットは高齢者になると思います。もう特定しておりますので、戸別訪問やダイレクトメールで対応していきたいと思っております。なかなか耐震補強や建てかえ、住みかえができない、ちゅうちょする方々については、防災ベットや耐震シェルター、部分補強の選択肢もありますので、そういうものを示していきたいと思っております。
 いずれにしましても、耐震補強、耐震化を進めるに当たっての特効薬はありませんので、同じことを繰り返しやっていくしかないと思っております。
 それから、既存の大きい建物です。特定建築物といわれるものについては、ほぼ目標を達成していて90%ですけれども、現在1万3400棟の特定建築物がありまして、そのうち耐震性がないものは1,400棟でございまして、現在90%の耐震化率でございます。
 これも私どもは台帳で持っておりますので、ターゲットはわかっています。ホテル・旅館、店舗の数が多いです。このオーナーに対しては、ダイレクトメールで耐震診断や耐震補強をしてください、それをした方は回答をくださいと毎年やっています。これからもやっていきたいと思っています。
 繰り返しになりますけれども、ホテル・旅館、店舗の数が多くございますので、これから戸別訪問していきたいと思っています。住宅と同じように特効薬がありませんので、同じことを繰り返しやっていきたいと思っています。
 最後になりますけれども、既存の建築物のこれから取り組むべきものとしては、津波対策が必要だと思っています。第4次地震被害想定の浸水区域内にある建物については、対津波診断をやらなければならないと思っていまして、県有施設はもう既にやっております。
 それから、市町所有の建物や津波避難ビルは対津波診断をやらなければならないということで市町にお願いしているし、これからもお願いしていきたいと思っています。実際に下田市では既に始めていて、対津波性能がない建物については、津波避難ビルの指定解除をするかどうか検討していると聞いております。

○増田委員
 ありがとうございます。
 長年の御苦労とまた数々の御功績があって、今の静岡県があると思うのですけれども、それでもまだ耐震化率が全国で10位だったり、課題も多くあると思います。
 なかなか特効薬がないといいますか近道はないというお話でございました。けれどもやはり人口減少の話とか本県が抱えているいろいろな課題を考えると、この地震対策は欠かすことのできないことだと思います。私も個人的にはそういう地域の議員でございますので、関心を持ちながらまた皆様方には今後も努力をいただきますよう御期待申し上げる次第でございます。

 最後に1点、組織改正についてです。
 今回の組織改正は、くらし・環境部としては非常に小規模といいますか、環境衛生科学研究所に関することだけであったと思います。それはそれとして政策企画部が廃止されることもありましたが、くらし・環境部自体は余りなかった部類に入ると思います。要するに政策的には大きく編成や方針転換をする必要がなかった、今までどおりでいいとの御判断での結果なのかもしれませんが、組織改正に当たってのくらし・環境部としての考え方について御所見をいただきたいと思います。

○竹内総務監
 組織改正について答弁いたします。
 平成29年度につきましては、委員会説明資料22ページにありますように、環境衛生科学研究所におきまして、3名ずつの2つの課を6名の1つの課にしてスケールメリットを働かせる形で改正を予定しております。
 組織改正に当たっての考え方ですけれども、毎年度必要な見直しを当然行いまして、それに来年度の業務に必要な人数、それから体制について確保できるように努めているところでございます。
 総合計画後期アクションプランは、くらし・環境部においては、一部の指標を除いておおむね順調に推移していると昨年12月に報告いたしましたけれども、基準を下回っているものも幾つかあります。我々としましては、それが平成29年度予算に向けて、あるいは体制整備に向けて必要なものと考えております。それらを考慮した上で各所属において生産性向上とか時間外勤務の削減に取り組んでいることを勘案した結果、おおむね現状維持する形になりました。

○瀧管理局長
 組織改正について補足をいたしますが、来年度が総合計画後期アクションプランの最終年度でございます。総務監から説明があったとおり、今の進捗状況は、指標として一部悪いものもありますが、おおむね順調に進捗しています。そういったことで最終年度の総仕上げとして今の体制を維持して、着実に総合計画の指標に活用していく。それが最も適当と考え組織を維持することとしたわけでございます。

○増田委員
 前にも言いましたけれども、前向きな環境政策を進めていただきたい、その思いだけでございますので、ぜひ次年度以降もくらし・環境部の皆様方に期待を申し上げ、終わります。

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