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委員会会議録

質問文書

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平成22年6月定例会企画文化観光委員会 質疑・質問
質疑・質問者:大石 哲司(牧之原市・榛原郡南部) 議員
質疑・質問日:07/20/2010
会派名:自民改革会議


○須藤委員長
 休憩前に引き続いて委員会を再開いたします。
 質問等を継続いたします。
 では、発言願います。

○大石(哲)委員
 今定例会の日程的な面なども大変厳しいし、質問される方も大勢いらっしゃると思いますので、2点だけに絞って質問させていただきます。
 先ほど来、総合計画についての御質問が2人の議員から言われました。私は、11ページの少子化の現状と県の取り組み、これは人口減社会での初の国勢調査も行われるという説明もいただきましたので、それに絡んで簡単な質問です。
 現在、平成21年の合計特殊出生率が1.43だということが言われております。3年前の参議院議員選挙のとき、年金問題、特に年金記録の喪失とか、いろんな年金に絡む不祥事がたくさんありまして、そういう面と、もう1つはこれから人口減少社会になっていくのに対して、例えば50年後に1.27の出生率だと、3000万から3500万人の人口規模になってしまう。そうなったら、年金にしても医療にしてもすべてもう維持できない社会が現出するというようなことが、非常に国民の年金不安、将来の生活不安というものをかきたてて、時の与党が選挙でも大敗したという事実がございます。
 そのとき使った出生率の数字が1.27、これがある学者の説なのです。現在の政府が使っている将来の理想社会、戦略会議の数値が1.34を使っている、そのあたりのちょっと数字のずれが何なのかなと。1.27っていうのは、これではこの国は滅びてしまうよという側の数字だったらしいのですけど、それはそれとして、その1.34で何とか医療も年金も維持できる社会ができるだろうということが出されているようでございますが、そういうあれからいくと、1.43っていうのは決して悪い数字じゃないなと私は思うわけですが、ちなみに、この21年度の合計特殊出生率1.43では、例えば50年後、100年後の人口推計はどうなっていくのか。これは、悪い数字なのか。というのは、総合計画の10年後の数値目標、目指すべき数値目標をいただいたとき、2.0っていう数字をいただいておりますので、じゃあ2.0になった場合には、ソフト面、ハード面でどういう問題が出てくるか。例えばハード面ですと人口がふえてくるわけで、うんと出生率高くなってくると、保育園ひとつとっても、それから、それ以前の子育て支援、あるいは極端に言えば子ども手当まで影響してきます。そういう面で、財政的なことを含めて、出生率が上がれば課題というか、やらなくてはならない行政の仕事っていうのは当然ふえてくると思うのですけど、そういう面で1.43ではどうなのか。それから、2.0を目指すという以上は、そういう幾つかの裏づけを踏まえた上で目指すのか、単なる心情的な目標数値なのか、その辺をちょっとお聞きしたいなと。
 それから、現実に、この1.43とか1.50とかそういう数字までは比較的可能ですけれど、今、人口減少社会、ましてや晩婚化という中で、なかなかこの未婚の方あるいはお子様のいらっしゃらない方含めて2.0という数字は物すごいハードルが高いですよ、これは。だから、この高いハードルを10年で克服しようっていうことについては、どんな策があるのか。
 それから、やっぱり子供ができなきゃ、つくる体制をつくる、まず、子供を産みやすいじゃなくって、男性は産めませんから、御夫婦で初めて子供を産むことができるわけですけど、そういう多くのカップルというか、結婚しよう、子供をつくろうという体制づくりについてのいろんなお考えがあるのか。それでないと、単なる絵にかいたもちになってしまう。その辺をお聞きいたします。

 第2点ですが、これは総合計画の大前提としてお聞きしたいのですが、県民の日広報の問題とか、広報広聴についてかかってくる問題ですが、そもそも静岡県の一体感とは何か。古来より、東西交通のその通過点ですね。鎌倉、平安の時代から、もっと前かもしれませんけど、現代に至るまで、のぞみは頭の上を轟音立てて通り過ぎておりますが、そういう東西交通の中間地点に位置して、中京圏あるいは東京圏の、悪く言えばおこぼれちょうだい、よく言えば影響を受けて、浜松を中心にした地域には、創造的な企業がうんと出てきておりますが、一般的に静岡あたりの中部を見てみますと、独自性のある企業というよりも、支店や工場機能っていうのがよく指摘されたという時代がございました。
 そういうことで、東西交通の中間点に位置していて、国のレベルから言えば、常に中以上の水準を保つ地域としての発展してきたわけですが、この成り立ちを見ても、強烈な個性、例えば、薩摩、長州とか、福島県にも会津を中心にして、昔の藩で言えば、二本松藩とか宮津藩とか、あの戊辰戦争の東北同盟のときには物すごい、その官軍に対して抵抗したそういう血のつながりとか、裏切りも当然ありましたけど、そういうものが根づいて1つの県ができてきた地域と違って、この静岡県には、昔は今川さんもいました、北条もいました。しかし、徳川以来は、家康が隠居する場所に選んで、そして慶喜はちょうど謹慎の場所としてここに、島流し同然で三十数年の人生を送ったわけですけど、そういうようなことで、いわゆる強烈な個性と吸引力、求心力っていうのが静岡県には、どちらかというと欠けているような気がいたします。
 伊豆があり、東部があり、中部があり、西部がありと、そういう県を1つの雄県として、求心力あるまとめる県にしていくために、私は富国有徳の理想郷とか、ふじのくにの静岡県づくりというものが当然、全面に押し出てきたというふうに思っています。これは、川勝知事さんに限らず、歴代の知事さん、戦前、戦後を通しても、御努力されてきたことであって、それが形を変えて、今こういう形で強力な知事の個性とともに進められているというのが偽らざる事実だと思います。
 そういう中で、話題になりますと、政令県構想というものが逆に道州制の中に埋没されて、悪く言えば分断される可能性もあるわけでありますので、そういうものに対して、それは我々静岡県としては、違う方向性があるよというのが、私は政令県構想にもつながってくるというふうに思うわけです。
 それで、お聞きしたいのは、そういう面で、まず、道州制っていうのが、私もちょっと勉強不足で申しわけないんですが、例えば、ここらで考えられるのは、東海州あるいは関東州というような大きなブロックの中で、進められてきたとした場合に、国のほうのその道州制についての具体的な話し合いの状況っていうのはどうなのでしょうか。あれはまだ、雲をつかむような話で、20年も30年も向こうの話だよというのか、場合によってはあと1回か2回、国会の選挙を経たら、内閣で、あるいは政治主導で、現実には市町村合併もそうでしたけど、万端と進んでくる可能性もなきにしもあらずで。そういうものがあった場合に、じゃあ、10年後の理想郷のこの総合計画というのはどうなっちゃうのかね、そのあたりに、総合計画と道州制の整合性っていうのもちょっとお聞きしてみたいなと。

 それから、もう1つ、大変話題になりました富士山の日の制定もございました。それから、県民の日というのも前々からあるわけでありまして、これは例えば、富士山の日を休日にするかどうかっていうと、いつも履修時間が足りなくなるからどうかとか、教育委員会云々がどうかっていう話題が本会議でもそこへ集中しますけど、私は富士山の日を制定するについても、既にある県民の日というものを利活用するにしても、それによって静岡県の一体性、すばらしい理想郷だということも県内外にアピールして存在感を示し、また県民が一体感持って地域づくりに邁進するということのための手段であるように思います。
 だから、そこで申し上げたいのは、例えば、この県民の日の事業を見ても、こども議会やったり、歴史パネル展やったり、その他のイベントをいろいろやったり、それから、あと地域政策会議の話も聞きますが、静岡県を5つの地区に分かって、それぞれ特色ある地域づけをして、おまえのとこはこうだよ、こうだよっていうようなことで県との、あるいは知事との語る会もやったりして、交流を図っている。それはよくわかるわけですけど、言うなれば、ウ飼いのウ匠が、ウに対して1つずつこう糸で操って、一体感持って、そのハブ機能を知事なり、県が持ってやるっていうのはよくわかるわけですけれど、ただ現実に、形態が海とか山があってというと、ここで終わりなのですけど、我が県は両方に東西に流通している通過県でもありますので、例えば、三遠南信の水窪のあたりの方の意識っていうのは、隣の南の信濃であり三河の国とのいろんな交流交通、湖西市あたりもそうですよね。
 一方、伊豆半島の鳥澤委員もいらっしゃるわけですが、例えば、東海岸っていうと、もうその三河に近い、あちらの県西部の方との一体感とか共通性っていうのが、なかなか県民同士の中にも保つのが難しいというか、現実的にはできない。だから、そういう意味で、県民が行政主導ではなくて、もっと一体感がある交流と意識改革っていうのをしていかないと、静岡県はいずればらばらになるというふうに私は思っています。
 その中で、例えば、これは私の住んでいる牧之原市の例ですが、2町が合併して、1つは御前崎市にうんと近い地頭方地域っていうのがありまして、隣はもう御前崎市あるいは小笠郡との境、もう1つは富士山静岡空港のあたりに坂部という地域があるわけですが、「端っこの会」って言っているのですね。端っこ同士の交流と言って、文化交流、地域でお互いに理解しあいましょうとか、子供の交流なんかですね。だから、いろんなお互いのところを訪問すると。で、同じ市の中でもこういう地域は方言まで違うのですよね。
 だから、そういうことをやることによって、すごく何かお互いが合併後の生活を理解し合うような、そんなことを行政指導じゃなくて、アイデアを出し合ってやっている地域が何カ所かございます。そういう面からいうとお金もかかるし、予算もかかるとはいうものの、やっぱり同じ県民として、駿河湾という一つの大きな海を抱えながら、海づくり、地域づくりをやっているわけですが、将来、道州制になったら一挙にばらばらになっちゃうような県ではない静岡県づくりのために、一方的に、おまえら、県民の日だからこうしましょう、それから、知事はこう考えている、だから、こうだ、こうだっていう、悪く言えば上意下達的な広報広聴だけではなくって、もう少しこういう県民意識を高揚させるような考え方っていうのを持ち込んだほうがいいんじゃないかなというふうに私は思っております。
 知事公室長、知事戦略室長、もし、いいお考えありましたら、ちょっと聞いてみたいなと。指名するのは、私の権利じゃありません、お任せします。以上です。

○森田企画調整局長
 まず、推計人口の件です。先ほど委員は1.265でしたか、という話ありましたけれども、日本の将来推計人口の中で、国立社会保障・人口問題研究所の発表されたものでいけば、1.39から下方修正されて1.26を、今そういう数字を使っております。
 50年後っていうとちょっと、今資料はございませんけれども、平成17年の全国人口が1億2776万8000人、それから、30年後、47年になりますけれども、そのときに、1億1679万人と、これは全国数値でございます。それから、静岡県の推計値なんですけれども、これはまた1.43の数字はちょっとありませんので申しわけございませんが、同じ数字でいきますと、平成17年の国勢調査の結果なんですけれども、379万2000人、それから平成47年、30年後ですが、324万2000人の予想となっています。おおむね55万人少ない予定になりますので、東部の3つぐらいの市がなくなる、そのような状況だと思います。
 それから、次に少子化におきまして、ソフト、ハードへの影響がどうあるのかというお話ですけれども、ソフト面ではやはり、子供が減るということですので、労働力人口が減少する、それから高齢者も当然ふえますので、それをどう負担していくか、見ていくかということが問題になってきます。
 それから、社会保障制度、先ほどお話がありましたけれども、社会保障制度の持続、給付の内容だとか期間だとか、それから現役世代の税、それから社会保険料の負担が増大するということが見込まれておりますので、やはりここは少子化に対しては万全の対策をとらなければいけないと考えております。
 それから、未婚が非常に高くて、今回、総合計画で合計特殊出生率2.0を提示しておりまして、ハードルが高いがどんな覚悟でやるかというところです。長泉町は現在1.7でございます。長泉町の状況でいきますと、長泉町でもいろんなところでさまざま子育てについてやっております。県の総合計画では、自分の住んでいる町が子供を産み育てやすいと感じている県民の割合というのが平成20年の調査では51.1%です。それと全く同じ調査が長泉町民に対して長泉町がやった調査では、子育てしやすい町と認識しているのが、81.8%となっております。ですので、政策によって何ができるかはありますけれども、一生懸命子育ての支援をやれば、それなりの対応は出てくるんではないかと。
 ただ、子供を育てる環境だけではなくて、先ほどありましたその婚活、だれが一緒になるかということにも、今回の次世代育成計画の中でも子育てや結婚を支援する機運の醸成ということで、役所も婚活に対して手を出すような形になってきております。これは国も同じですけれども、個人の選択とはいえ、社会全体で結婚がいいものだよという意識を皆さんに醸成していくべきだということで、そういう事業も始まっておりまして、今、「富2(じ)、3(さん)っ子」運動で、いろいろブライダルのほうの民間だとか、市町村のやっている事業にも補助金を出すということが始まりました。特に、健康福祉部でやられているしずおか「富2(じ)、3(さん)っ子」運動なんですけれども、地域子育て創成事業として、4つの市町に、富士宮、東伊豆、河津、松崎に各200万円とか50万円とか補助して、事業を、10分の1の補助事業でございますけれども、そういうことも市町で始めております。
 それから、県では特に、ふじのくに民間チャレンジ応援事業ということで、民間に対してもそういう事業に対して補助するということで、4つの採択されたものがございまして、天竜遊船、天竜の川下りだと思うんですけど、そちらの事業だとか、NPO法人のブライダルサポート、これは交流会の開催等でございます。天竜浜名湖鉄道の婚活列車ということで、今年度もやる予定でございます。
 それから、袋井市ではまちづくり協議会レトロというところで、婚活の情報発信等に取り組むということで、民間の事業としても採択しております。それ以上に、民間、今、婚活が営業になるっていうんですか、そういう時代になってきておりますので、また、結婚もどんどんふえていくのかなと考えておりますけど、やはり一番は若者が経済的に自立して結婚できるかどうか、それがやっぱり一番大きいのかなと。やっぱり女性の方の結婚したい相手方の収入というものが大体おおむね400万円以上ぐらいを求めております。それが大体おおむね7割。逆に、男性は7割400万以下だということで、生きていける、生活できる、結婚できる、そういう経済状態にないっていうのがやはり一番大きな理由なのかなと思っております。

 それから、道州制についてなんですけれども、求心力のない静岡をどうするか、区割り等もあるんですけれども、一体感のある静岡、これをどういうふうにつくるかという話ですけれども、やはりなかなか難しいとは思うのですが、前回、前知事のときに出しました、今回も出しております政令県構想のもとにあるものが、ある程度の規模の都道府県を想定しているわけなんですけれども、やはり、規模をどうするかというところに問題がありまして、静岡県、おおむね370万人近くの人口と、それから17兆円のGDPの中で、どのように持っていくかという話になりますけれども、政令県構想の中では、都道府県合併も視野に入れておりまして、そうすることによって、まず静岡県が最初に政令県になることによって、県が分かれない、1つの県として、まず政令県の手前のその構造をつくっていくというところがやっぱり一番大事だと思います。
 次に、どこかと合併するかしないか、例えば四国4県が合併した場合に、約400万人の人口なんです。それと、要は四国が1つの道州になった場合と、それから静岡県が政令県で1つでいること、おおよそ対等な力関係になります。地方制度調査会で9から13の区割りで最初出ております。静岡県は常に中部州の中に入っているんですが、東部の例えば熱海市だとか伊東市だとかはもう完全に関東圏で、経済でも人の交流でもすべて歴史的なものが関東圏にある市町がございます。それらが一体化して、同じように中部州だよと言われても、それは納得できるかどうかというと、またそれも難しい話だと思います。
 そうなってきますと、最終的にその区割り案がどういうふうにやるかっていうのは、はっきりしたものはまだ出ておりませんけれども、今のところ、都道府県単位というものが出ておりますけれども、それが今後どのようになるか、どういう基礎的自治体が選択する機能というんですか、そういうものができるか、その辺が検討の課題だと考えております。

○伊熊広報局長
 県民の日につきまして、事業が県が一方的あるいは上意下達的ではないかとの御意見をいただきました。今回の説明資料でも10ページにございますけども、基本的には明治9年8月21日に静岡県と浜松県が合併をして、現在の静岡県になった。これを記念いたしまして、平成8年が120周年に当たるということで、条例をお認めいただきまして、県民の日を制定したところでございます。お手元の説明資料の15ページの一番下、下段でございますけども、最初の希望イベントということで、これは、県としてこども県議会で県議会を使わせていただいて、そこに各市町の中学2年生の子供さんに来ていただいて、議員として参加していただくというような形を主要イベントとしてやりながら、歴史のパネル展ということで、合併して120周年の歴史をということでパネル展をやらせていただいた中で、プラスをしまして、県での美術館の無料開放をやり、あとは県内の各市町あるいは、民間の企業、団体の協賛をいただいて、県民の日と、静岡県民ですよというところを御理解いただけるようなそんなイベントとして設定をしてやってきてございまして、その後事業も次第に増加していくということで輪が広がっていくのではないかなと思います。こういった事業を県民の皆様にもぜひ県民の日というのを御理解いただき、引き続き、事業を拡大することによって、県民としての一体感を醸成できればいいかなというつもりでやっております。

○伊藤総合計画課長
 道州制と総合計画との整合性という御質問でございます。総合計画を策定するに当たって、その前提となる大きな今の時代認識のとらえ方とか、それから今後のあるべき、日本という国の統治構造ということに関して、基本的な考え方を、基本構想の中で語っております。現在の時代認識といいますのが、東京を中心とした今の中央集権的ないわゆるその統治構造というのは、戦後その我が国の経済成長を含めて大きな発展をもたらしたという成果はありますけれども、現在の経済の状況とか、さまざまないろんな意味での行き詰まりっていうのが、ある意味で、そこに、一つの弊害があるのかもしれないと。その中で、今後の我が国のあるべき姿っていうのは、画一的な資源配分から地域の資源であるとか、それから活力を使いながら、個性を生かした地域づくりを進めていく必要があるのではないかと。そういった意味からすると、今、その中央集権から地域主権という言葉に置きかわり、地域主権の究極的な姿っていうのは、ある意味で道州制に通ずるのかもしれませんが、一国多制度という枠組みを考えています。
 この場合の一国多制度というのは、単に日本という国を幾つに割けるかというよりも、まず、その分け方というのが、例えばその人口、経済規模というのは、先進国で言えば一国並みの規模を持ったそういった大きさに分けるべきではないか。なおかつそういった地域に権限と財源を与えて、責任を持って、その地域のあるべき姿を考えられるような地域が望ましいのではないかと。そういった意味からすると、先ほど局長からもお話ありましたけれども、地方制度調査会で提案があったような13から15程度の道州制というよりも、もう少し大きな枠組みの中で、これからの我が国のあり方は、あるべきではないかというのが、基本的な時代認識といいますか、考え方に立っているということでございます。
 その中で、総合計画は「富国有徳の理想郷“ふじのくに”」づくりということを基本理念に考えておりますけども、日本のモデルになるような地域をつくる、くにづくりをしたいということで、ある意味で静岡県という姿を日本全体の姿に置きかえて、その中で、例えば今地域の姿で言うと、5つの圏域がそれぞれの地域の個性なり特性を生かした地域づくりを進めていく中で、トータルとしてはふじのくにというアイデンティティーを持ちたいと。
 ただ、このままその静岡県という姿で最後までいくかというよりも、将来的には県という姿はなくなる中で、もう少し広域的な自治体になった場合に、今の静岡県で残るのは、基礎的自治体を中心とした広域的地域ではないかと。そういう発想に立って、総合計画にかかわるさまざまな考え方というのが盛り込まれているというのが、新しい総合計画の基本的な考え方になっているというところでございます。

○大須賀企画広報部長
 総合計画の基本構想案に掲げております、10年後の合計特殊出生率2.0。これを実現するというのが、実はかなり高いハードルだなというふうに実感をいたしております。この2.0は、当然人口は置きかえられる比率、これが2.07ぐらいと言われておりますけれども、人口を減らさないようにするためには当面そこを目指すべきだと、そういう考え方のもとに2.0ということを設定したものでございます。
 実質、大変難しいというのは、例えば、少子化の先進国、よくフランスの例が引き合いに出されますけれども、フランスでは、例えば保育所などの現物サービスですね、子育て支援の現物サービス、それから子ども手当などの現金給付、さらには育児休暇などの労働政策、そういったものを精いっぱい組み合わせて、20年、30年かけてようやく2.0を達成したというこういう状況でありますので、しかも今、GDPの大体3%ぐらいを家族政策に投資をしている。それでもって、初めて2.0達成したとこういうお話でありますので、日本の現状がGDP比で大体0.8か0.9ぐらいのところにありますので、これを10年で達成するというのは非常にハードルが高いと思っております。ただ、県下全体あるいは国全体が達成できなくても、今の低出生率に風穴をあけたいということで、ぜひ1市あるいは1町、さらにはちょっと細かくして一地域であっても、この2.0を達成できるような地域、こうしたものをこの10年間で何とか育て上げていきたいと、そういう信念でこの基本構想案に2.0という数字を記してあるところでございます。御理解をいただきたいと思います。

○大石(哲)委員
 出生率の関係で、最後に大須賀部長からこういう御答弁をいただきましたので、納得させていただきました。
 ただ、なかなかこれハードルが高いのですよね、現実には。森田局長さんの御答弁の中で、それから伊藤総合計画課長の御答弁もいただいたのですが、なかなかこの2.0になった場合にどういう社会的な現象が起こるか。私は、今言ったように、ソフト面、ハード面でいろんなやらないといけないこともたくさん出てくると思いますので、過般の参議院選挙で消費税の問題が、全然、総理大臣の言ったことと意図の違う形で話が広がっていって、国民負担と目指す理想との整合性というのが忘れられちゃって、政治っていうのはそういうもなんだなというふうに、私どもも一方でやったものとしても、そのことは考えているわけですけど、ああいう場合に、本来、きょうのようなこういう議論や皆さんの考えているこの数値というのが、ただ心情的な目的じゃなくてこうだよというものを先に議論した上で、それを政治課題にして時間をかけてやるというのが、私は正しいやり方だというふうに思っていますので、そういった点については、ある面では御答弁に納得しましたが、ただ、例えばこの数値目標の中で、自殺者3割減とかっていうふうに、私は枝葉末節にかみついたことがありますけれど、自殺の3割減、僕は理想を目指すのなら自殺はゼロにしてもらいたいというふうに申し上げたわけですけど、とかく数値を上げることによって、自分たちがこれだけ努力をしているということにしたいということが先行する場合があります。食料自給率の問題も本会議で議論があって知事から答弁を伺いましたけど、簡単に生産比ベースで70%って言うけど、一般に自給率の問題っていうのは、穀物ベースですから、非常にそのあたりも数値目標で上げることの意義とか数字っていうのがひとり歩きしている可能性がありますので、十分、説明をしていって、納得できるものにしていただきたいなというふうに、これは要望しておきます。

 それと、基礎的自治体としての県、あるいは政令県構想。それから、先ほど伊藤課長からも一国多制度という中で、人口や経済の規模を基準にして地方のあり方というものがお話あって、全くそのとおりだと私は思うわけですが、ただ、ちょっとお聞きしたら、森田局長、地方で道州制というのが意外に早くどんどんどんどん俎上にのって、国会とかそういうレベルで決められてきたときに、この総合計画で対応できますかということを、その点1点だけお聞きします。

 それからあと、結婚、婚活、子育ての支援の問題ですけど、現実には、幾らNPOへ支援を出しても、それから県が金を出してあるいは音頭を取って市町とやっても、なかなか進まない。今まで商工会とか農協がそういう任意の団体をつくって、いろんなお見合いパーティーをやったりしていますが、なかなか進まない。これはやっぱり、結果としては、この社会全体がそういう昔のように適齢期が来たら結婚すべきだとか、それがいいか悪いかは別ですよ、お互いに仕事を持っているわけですので、女性も。だから、必ずしも昔へ戻れという意味ではないけれど、割合そういう出会いの機会に対してチャンスがなくなっている社会が来ていることは事実ですから、もう少し視点を変えて、昔で言うお仲人さんとか、お仲人じゃなくてもそういうお見合いを専門にと言ったらおかしいけど、市井の庶民の中にこういうことにたけた人たちを選んで、言うなればサポーターですよね、そういう制度を入れ、いろんなことをきめ細やかにやっていかないと、このバックアップとしての出生率は上がっていかないと思いますので、そういった面にもう少し民間の知恵とか、本気になって取り組んでいただきたい。これも答弁要りませんので、指摘と要望だけさせていただきたいと思います。以上です。

○伊藤総合計画課長
 今、策定をしている新しい総合計画で、今後、道州制の進展に耐え得るのかという御質問でございます。
 道州制の議論そのものが、今後、どういう形で進展していくのかということに当たって、やはり、従来から区割りの議論が先行していまして、まさしく国と新しい道なり州なりの姿、それから、基礎的自治体、それぞれがどういう役割、どういう権限を持ってやっていくかという議論が欠ける中で、むしろどう分けるかという議論がやはり先行していたのではないかと思っています。
 そういう中で、今後、道州制の姿はどういう形で進んでいくのかというのは、私自身もわからない点がありますけれども、新しい総合計画におきましては、やはり一番ベースになるのは基礎的自治体だろうという考え方のもとに、なるべく多くの権限を市町のほうに移していくと。その上で県の姿なり、それからもう少し大きいレベルの道州の姿というのは、やはり国と新しい広域的な道州の姿ということをきちっと議論した上で進むべきものだというふうに考えておりますので、むしろこういった新しい大きな統治構造を見据えたふじのくにづくりというのを進める気構えで、まさしく日本のモデルになるような地域をつくりたいという思いで基本構想をつくっておりますので、国に合わせるというよりも、むしろ静岡県から地域づくりの考え方と国づくりの考え方ということを、むしろ大きく情報発信をする中で、まさしくそういう望ましい我が国の姿なり統治構造になるように情報発信をする、地方から国を変えていく、新しい道州制の形を提案するという方向に持っていければというふうに考えているところでございます。

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