本会議会議録
質問文書
平成29年2月定例会企画くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者: | 曳田 卓 議員 | |
質疑・質問日: | 03/08/2017 | |
会派名: | ふじのくに県民クラブ |
○曳田委員
分割質問方式で、大きく地域外交と、それから今の東静岡の件でお伺いします。
5番委員の質問の後でございますので、順序が逆になりますので、東静岡の拠点についてお伺いいたします。
今の質疑を聞いている中で、民間投資を呼び込むということでしたけれども、なかなか民間の方々がいい顔をしない部分があるんですけれども、ここの部分については民間投資が大前提であることは間違いないことを確認します。民間投資を呼び込んで進めることでいいですね。
○山口地域振興課長
文化力の拠点の基本計画案の中の機能別の部分について、公、いわゆる行政というか公的機能として整備する部分と民間導入を提案していただく部分があります。特に、この基本計画案の中では、今クローズアップされています図書室機能であるとか学生寮とかは公的機能の分類に入っています。一方で宿泊機能、飲食、オフィスについては民間の提案を受ける部分になっておりますので、そういう部分の区分けがある中で民間投資をしていただく。
ですから、2つ考え方がありまして、機能のところで民間が入ってきていただく部分の民間活用という意味と、事業スキーム全体を考えたときに、公的な部分は入ってくるんだけれども、それを例えばPFIでやるとかそういうスキームを考えて、行政が設計、施工、運営までやるよりも、民間にお任せしたほうがより効率的に回るんじゃないかと提案を受けるという2種類の考え方があるということでございます。
○曳田委員
この前の9月議会でも、あるいは12月議会でもこのことはずっと議論されてきているわけですけれども、私は今の答弁を聞いていて、やっぱり基本的に民間が参入するということは投資という意味ですよ。要するに、投資に見合うかどうかという話ですよね。それを中でごちゃごちゃいろんな話をしちゃうと、民間も恐らく投資意欲が少しそがれるのかなと。
端的に言うと、やはり文化力の拠点という言葉が1つの言霊ではないけれども、それに縛られちゃうと民間投資はなかなか呼び込めないと思いますよ。というのは決してこの発想は悪くないと思うんだけれども、やはりこの中で話題になっている図書室の機能、それから国際学生寮の機能は、私も何社かお話をするんだけれども、そこだけでも非常に引いちゃう。ここをどうやって投資して見返りが出てくるのかが、民間からすると考えざるを得ない。ましてや、この図書室機能5,000平米程度、それから宿泊機能、国際学生寮6,000平米、これを見ただけで民間の方々はうーんと思うんですけれども、マーケットサウンディング調査の中ではその辺の感触はどうだったんですか。
○山口地域振興課長
まず、図書室機能につきまして、先ほど私が説明したとおり公的機能として考えた場合、もし民間に外側をつくっていただいたときに行政が家賃を払ってくれる確証があるとすれば、そこを公が借りる形になりますので、民間からするとそこは余り問題にならないのかなと思います。
もう一方の学生寮についてのスキームはいろいろありますが、基本的には学生――留学生ですけれども、日本人もいます――が、何万円というお金を家賃として払う部分と、コンソーシアムの構成大学が見てくれる部分があります。そこに行政として入る部分があるかないかは今後の議論ですけれども、その家賃をどういう負担で誰がどう見ていくかがしっかりとしてくると、大学の学生寮であれば回っていくという民間の意見も実際にありました。
ただ、この部分は単なる学生寮じゃなくて、教育の場をここに持って、若者がここでいろいろ意見交換したり、留学生の方が入ってきて日本の生活になれたりとか、一方では日本人が外国の方々と交わってグローバルな感覚を持つような教育システムを中に入れ込もうとすると、どうしても大学コンソーシアムとか大学の関与が必要になってきます。そこと民間企業との部分は、民間に全部任せてくださいとなると民間はペイできるシステムを考えるんですけれども、教育システムはどうだ、選抜はどうだとかという話になってくると、民間としては手が出せなくなるので、そういうところも含め今後考えていかなければならないと思います。
○曳田委員
にぎわいという話がありましたけれども、以前3番委員とのいろんなやりとりを聞いている中で、日本の学生ならともかく、海外から人を呼んで、全部かどうか知らないけれども要するに県の税金で負担するスキームなわけです。やっぱり文化力と国際学生を呼ぶという意味合いはちょっと違う気がするわけです。このことについては別に議論するつもりはない。ただ、先ほど言ったように、やはり投資に見合った見返りがなければ、当然民間は入れないわけです。
今の学生寮の問題については、例えば、僕らが若いときはユースホステルとかそういうところへ結局泊まるわけですよ。だから、根本的に文化力の拠点は残しても、その辺のスキームはもう少し抜本的に考え直したほうがいい気がするんだけれども、もう再考の余地はないでしょうか。
○山口地域振興課長
今、基本計画案の中でまとめられている理念に基づいて、こういうことを進めていきましょうという基本線を我々は持っていて、その部分で進めていきます。ただ、再考ができるかできないかという話になった場合に、いろいろな意見がありますので、そういう部分を含めて検討していくことは重要だと認識しております。
○曳田委員
それは大変よいお話だと思うんですが、有識者会議やあり方検討会に参加したわけじゃないですけれど、たまたまテレビでその一部を見たんですが、よくぞこれだけ言いたいことを言うなと。つまり有識者とかそういう方々は知識、アイデアは非常に豊富なんだろうけど、採算はまず考えていない。私はテレビを見てそう思いました。よくこんな勝手なことを言っているなと思うわけです。その方々を批判するつもりはないですけれども、それに踊らされて、せっかく文化力の拠点で整備しようと思うのが、そこをベースにしちゃうのでさっきの投資と見合ってこない印象を受けるんです。
皆さんは民間の方々に大体どのくらいの投資金額のイメージを与えてらっしゃるか。あるいは、民間の方々がこういうスキームでやったらどのくらいの投資を考えられるかという金額的なことはお答えになっていますか。
○山口地域振興課長
企業が投資するかどうかという観点から言いますと、具体的なお金については市場対話の中では出ていません。ただ、我々が今年度の事業の中で、コンサルティング会社に支援業務として委託している中で、企業が判断する際、金額あるいは利回りで、ここの地域が何%であるかを超えていれば、もうけとして事業期間50年とか30年の場合にペイできるかできないか判断すると聞いています。例えば、大消費地の東京都とか大阪府と比べるよりも利回りは高くなってしまう。それじゃないとペイできないというのはあるんですけれども、そういう観点での検証は我々の中でもしているところですが、今回のマーケットサウンディング調査では額とかそういうところまでは、向こう側からの御提示も我々からも積極的にしていないです。
○曳田委員
例えば、家を建てる、事業をやりたいといった場合に大体これくらいの予算だと。その中でやってくれよというのが普通ですよね。ですから普通プロの方であれば、こういうスキームを見れば、100億円なのか200億円なのかわかりませんけれども、私らも直感的にこの平米数に例えば単純に建設単価をかけても、100億円、あるいは200億円という数字が出てくるけれど、そういうやりとりは全くなかったんですか。
○山口地域振興課長
企業との間では、そこまでの話はないです。
○曳田委員
わかりました。
あんまり数字もひとり歩きさせたくないんだけれども、文化力の拠点に出ている平米数は単純に駐車場及び民間を除き面積が約2万3000平米あると。平米あたり100万円なのか70万円なのか、沼津市の「プラサ ヴェルデ」の場合は約70万円ぐらいだと思うんですけれども、当然、ホテル機能とすればもう少し高いでしょう。例えば80万円にしてもざっと計算したら160億円ですよね。それをさっき言った30年、50年だけれど、業界の常識って大体30年なんですよ、返済は。そうすると、ぱっとはじいてみても月々の返済は5000万円ぐらいになっちゃうんだよね。だから、先ほどの5番委員とのやりとりでわかるのは、やっぱり民間は、暗黙のうちにこんなのではとても無理と思うんですよ。
何を言いたいかというと、図書館などの公的機能については県が賃料を出してというお話を、今初めてお聞きしたんだけれども、そういうスキームでもしやっていくとするならば、この文化力の拠点はある意味では非常におもしろい方向へ行くかもしれない。
もう1つ忘れてはならないのは、先ほど来、芝生広場の話が出ていますけれども、グランシップも立派な文化力の拠点だと思うんですよ、そういう意味では。それがどこか置いていかれて、そこの建物だけで文化力の拠点みたいなイメージを我々は持っちゃうんだけれども、もう少し文化力の拠点ということを、グランシップの機能をもっとアピールしながら、芝生広場も含めてこの動線も全部含めてやれば、まだまだその民間の投資のイメージが湧いてくると思うんです。その辺いかがでしょうか。
○山口地域振興課長
8番委員御指摘のとおりでございます。
グランシップについても一体的に考えるべきです。そういうこともありましたので、真ん中の芝生の活用というのもあるんですけれども、そこ全体を一体として考えていこうということで今回の芝生広場の活用の会議も始まっておりますので、そういう観点からも皆さんの意見をいろいろいただいた中で検討していきたいと考えております。
○曳田委員
これは少し細かい話になっちゃいます。先ほど海外からの留学生云々の話が出ましたけれども、台湾だとかモンゴルとかそういうところの出先の事務所、極論すると領事館です。あるいは静岡に入国管理事務所の機能を持ってくれば、少なくともそういう意味では1つのおもしろいアイデアもやっぱり持つべきだろうという気がします。
それで、これが文化・観光部に移管されるということであります。その文化観光で注目しているのは観光です。つまり観光という1つのキーワードを考えるならば、この資本を国内資本だけで考えてもいいのか。あるいは外資で静岡空港を使って、そこを拠点に、先ほど静岡駅から一歩離れるだけで宿泊機能が少しダウンすると。それは国内を見るからそうなるんであって、外資の中で空港からの動線でもう少し宿泊機能を持たせた、あるいは海外の方々にアピールできる仕組みづくりを考えたらどうかなというイメージもあったんですけれども、そういう考えの余地はありますか。
○山口地域振興課長
東静岡はもともと基本構想の中にここの地区は世界レベルのものがいろいろあって、場の力があって、陸の玄関口になるよと言っているところでございます。当然、今8番委員が言われた外国の方々とのコラボもあってもいいと思っています。それが文化力の拠点の中の機能が高まることであるならば、それは歓迎すべきなのかなと思う部分もあります。
ただ、これも民間事業者の中から出たんですけれども、民間事業者からすると、やはり民間が出てくる条件になると、爆買いもそうでしたけれど観光はいろいろ不安定さがあるので、そういうところについてはビジネス需要のほうが底がたいという意見はありました。が、もともとの構想の中に、先ほど言ったような位置づけとか意味がありますので、そういう要素があっていいのかなと考えています。
○曳田委員
いずれにいたしましても、知事も文化力の拠点ということでいろいろと発信して、見ていると皆さん方が大変苦慮されているようですけれども、我々県議会に対しても丁寧な説明をと聞いております。ですから、皆さん方の御努力も大変だと思いますけれども、私どももそれなりにそういうことであるならばこうしたほうがいい、ああしたほうがいいと話もこれからもしかしたら出るかもしれませんけれども、文化・観光部に移った場合でも、必ずこれが成功するように、ぜひ順調に文化・観光部にこの事業をやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
次に、第1号議案。浙江省の件ですけれども、今回35周年事業と。5年前の30周年事業のときに行った記憶があるんですけれども、今回はどういうところにポイントを置いてこの事業を実施するんでしょうか。
○長谷川地域外交課長
お答えします。35周年記念事業ですが、これまで培ってきました交流に加えまして、新たな分野といたしましては、委員会説明資料にもございますが、食、健康、長寿等の新しいテーマを取り上げまして、これらの取り組みをしております。一過性のイベントにならないように記念事業に取り組みまして、継続的にメリットを享受できるように取り組むと。交流を深めるとともに通商の拡大等を目指していくことがポイントでございます。
○曳田委員
県民の方と話をするんですが、またいろいろと中国とやっているようだね、ぐらいのリアクションなんですね。浙江省という言葉が出てくる場合と、ただ単に中国という場合、半々なんですよ。せっかくこれだけの予算をかけてやるんですけれども、やっぱり県民への周知がまだいまいち不足していると思うんですけれども、今後どういう形の周知をしていくのかお伺いします。あるいは周知と参加。そういう浙江省のいろんなイベントがあった場合にどう参加していくのかお伺いします。
○長谷川地域外交課長
まず、周知ですけれども、これまでも使われてきた既存のメディアですが県民だよりですとか静岡新聞の特集号、ラジオ等の県の広報ツール、それからメディアを活用して、これまでの歴史ですとかこれから行う記念イベントについて県民に周知する予定でございます。
あわせて、今非常に伝わりやすいメディアとしてSNSがありまして、県でもフェイスブックの「いいねがあるある静岡県。」というページをつくって県のいろんなPRをしているんですが、そこでもこういったイベントがあるとか、ことしは35周年だよと広くPRしていく予定でございます。
それからもう1つ、県民参加といたしましては、新展開分野のスポーツですとマラソン交流を考えておりまして、春は日本平桜マラソンに中国側から来ていただく。それから今度は秋に向こうで行う西湖マラソンにぜひ皆さん行ってくださいと参加を募集したりすることを考えている。それから、11月に県の代表団を送るときに、こちらは5周年の記念事業ごとにいろいろとやっているんですが、文化団体にお声をかけさせていただきまして、例えば書道であるとか絵画、そういった分野の交流団を送って、県民参加を図っていくことを考えております。
○曳田委員
県内の市町はどのような関連事業を行う予定か。また県としては各市町とどういう事業をやっていくのかお伺いします。
○長谷川地域外交課長
現時点で、県内市町の中に浙江省の都市と提携している市町が8市町ございます。県は35周年を迎えるんですが、この中で特に島田市と湖州市が30周年、三島市と麗水市、それから富士宮市と紹興市がそれぞれ20周年で記念の周年事業を行うと聞いておりますので、そちらと一緒にやっていただく形で盛り上げていく。それからもう1つ、交流都市ですね。姉妹都市ではないですが交流都市ということで、浜松市と省都であります杭州市が5周年に当たりまして、こちらも記念事業を行うということですので、互いに盛り上げていきたいと考えております。
それから島田市、湖州市30周年にあわせて、この35周年の記念イベントにも絡めているんですが、浙江省とピンポン外交といいますか、卓球大会を既に2回やっておりまして、3回目を企画しております。この3回目につきましては今回静岡県側で行うんですが、島田市に湖州市との記念事業に共催で入っていただいて、島田市の選手にも参加していただく形のイベントを今考えているところです。
それからもう1点は、記念式典をことし4月に行うんですが、その中で浜松市にホストシティーになっていただいて、受け入れの際に一緒にイベントを盛り上げていただくことで協力していただく予定でございます。
○曳田委員
わかりました。
あと、委員会説明資料に書いてあるように、11月に浙江省に代表団の派遣ということでございますけれども、これの規模と交流内容についてはどういうものを想定しているか伺います。
○長谷川地域外交課長
11月の訪問団ですが、知事を団長とした公式訪問団にあわせまして、県議会、交流の周年事業がある市町、それから企業、経済界、民間団体、文化交流等をやっている団体等の皆様から成る本県代表団を浙江省へ派遣する予定でございます。
派遣団の規模は現在のところは未定でございますけれども、現時点でも一部の市町や民間団体からはぜひ行きますという声をいただいております。ですから、今後いろいろな分野の市町ですとか分野の交流団体に声をかけて、できるだけたくさんで行って、交流を盛り上げていきたいと考えているところでございます。
○曳田委員
この件については最後の質問にしますけれども、2300万円の予算をかけるわけですよね。やっぱり県民から見ると、背伸びばっかりやって何をやっているのと言われるわけです。さはさりながら、地域外交は平和に貢献する大変重要な事業だと思うものですから、そういう意味ではさらなる交流の発展だとか、それから県民への利益享受につなげていく必要があると思うんですけれども、この点についてはどう考えていますか。お伺いします。
○長谷川地域外交課長
8番委員の御指摘のとおり、交流式典とか交流事業で2300万円と、なかなかお金もかかるんですが、その1つは地域外交ということで、浙江省と長年にわたる友好関係を強固にしていくことが1つの目的にございます。
それで、これまで5周年記念でずっと事業を行ってきているのですが、その中で規模はできる限り縮小する形で予算を組んでいるところでございます。
ただ、これからはやはりメリットをつくってかなきゃいけない。一番最初のポイントのところで申し上げましたが、県民の皆さんにメリットが享受できるようにということで、新たに取り組む新分野ですね。食、健康、長寿、スポーツというのは特に今後、県民の皆さんにもメリットが出てくる分野ではないかということで、新たに取り組む予定でございます。
それからもう1点、これまで式典には中国と今まで交流の実績のあった方を中心に、文化団体ですとか経済団体の方、それから行政ですとか議会の関係者を御招待させていただいて、お互いにカウンターパートで浙江省側の方と交流していただいたんですが、今回は新たな取り組みとして、次世代を背負う人間ということで静岡県側からもこれから次の世代、若手を特に入れていこうと。ですから、中国に留学経験があるとか企業でも若手の人間に出ていただく。あと、これから静岡県をしょって立っていただく方にもお声をかけさせていただいている。中国側にもそういったカウンターパートになる若手の方に参加していただきたいということで、交流を次につなげるネットワークづくりをしていくことで式典もやっていこうと考えております。意義といいますか、そういうものにしていきたいと考えております。
○曳田委員
確かにそうだと思うんです。私も浙江省、特に杭州市は通算すると五、六回行っているんです。おもしろいもので、マスコミでいろいろ言いますけれど、実際行ってみると全然違うんですよね。そういうことが通商にもつながるだろうし、先ほどの6番委員のお話もございますけれど、平和につながっていく気がするんだよね。基本的にはこういうことはお金の高い安いは別にしても絶対に続けるべきだと思うし、浙江省イコール静岡県と名前が結構出てくる場面もありますので、ぜひこのことについてはまた盛り上げていって、さらに県民にとってよい事業になるように、皆様方にも頑張ってもらいたいなと思います。
それから、あと2つほど。
モンゴルの件ですけれども、今回ウランバートルの市長から要望を受けて、県は同市の9つの行政区と県内の市町との交流マッチングを実施すると言っていますけれど、将来に向けてどういう形でモンゴルとの交流を進めていこうとしているのか伺います。
○長谷川地域外交課長
モンゴルのウランバートル市との交流についてお答えいたします。8月に知事が訪問した際に、ウランバートル市長から強い希望がございました。その時点で、実は既にウランバートル市のソンギノハイラハン区と伊豆の国市が交流提携を結んでおりまして、ぜひほかの区もそういう市町単位での交流をしていただけないかと提案がございまして、それに対してお答えするのが今回の企画でございます。
ちなみにモンゴルの人口は全体で約300万人で、そのうち首都ウランバートルに130万人ぐらい集中しておりまして、9つの行政区の平均がざっくり大体1つ10万人前後なので、静岡県の市町との交流のカウンターパートとしては非常にいい、適正規模になるのではないかということで、我々も間に入って説明を進めているところでございます。9つあるんですけれども、今回はソンギノハイラハン区とは別に3つの行政区の区長もおいでになるということで、3月22日に県内の幾つかの市長に出ていただき、意見交換会を開催して、今後交流につなげていくマッチングの場をつくることを希望しております。
将来的な考え方ですが、やはりメリットがあるかどうかですけれど、青少年の交流ですとか、先ほどほかの委員の方からも出ましたが、例えばスポーツ交流の中でのキャンプ地の誘致は、モンゴルに関していうと既に3つのスポーツ団体からキャンプ地の候補地としてぜひという話が出てきていることもあります。こういった地域間の交流がスポーツの交流ですとか、最終的には経済の交流につながればと思うんですが、まずはそういうメリットがあることにつながっていけばいいんじゃないかと思っております。
○曳田委員
わかりました。
10万人規模であるならば、本当に交流するにはいい人数かなと。前にお話ししたと思うんですけれども、国と県とは言いつつも、静岡県も少なくともモンゴル国の規模ぐらいの体制でございますので、対等にというか、交流を深めてますます経済、通商に結びつくようにお願いしたい。
最後にお伺いします。
知事の提案説明で、現在部局を横断した課で構成する10のタスクフォースを設置して取り組んでいるというお話がございましたけれども、国、地域別にどういう形で区分を設けてタスクを設けているのかお伺いします。
○長谷川地域外交課長
お答えします。10のタスクフォースですけれども、国を定めずに全域を対象として行っているタスクフォースのテーマとして県産品の輸出拡大、企業の海外ビジネス展開支援及び対日投資促進、それからもう1つがクルーズ船を活用した交流拡大。この3つが全域です。それから中国を対象として行っているのが、観光スポーツ交流の拡大、県産水産物、水産加工品の輸出拡大、それから静岡県浙江省友好提携35周年事業を通じた交流拡大の3つのタスクフォース。モンゴルを対象として行っておりますのは、主に農業や経済分野での交流拡大タスク。台湾を対象として行っているのが、主に観光教育分野での交流拡大タスク。ブラジルを対象として行っておりますのが、航空機関連産業の人材育成と研究開発タスク。それからイタリアを対象として行っておりますのが主にスポーツ観光分野での交流タスクということで、合計10のタスクフォースを設置して検討しているところでございます。
○曳田委員
この1年間、企画くらし環境委員会でこの地域外交に携わってきて、私は常に目標値を掲げるべきだろうと話をさせていただきましたけれども、今の話を聞いているとかなり具体的に進んでいる気がするんですが、ここで最後に、成果目標をどの程度定めているのか、くどいようだけれどお聞きします。
○長谷川地域外交課長
具体的な成果目標を設定しているんですが、その中で、例えば全域でやっております企業の海外ビジネス展開支援、対日投資促進につきましては、現在東南アジアに関してサポートデスクを幾つかの国に設置しているんですが、そこの利用数の目標値を前年度比で1.5倍にするということで、これについてはもう達成しております。
それから、全域を対象としていた中で韓国も入ってくるんですが、今回、このタスクフォースの中で韓国へ食品を輸出しようと展示会に参加しまして、非常に小さな設定目標ですけれども、展示会に参加する企業数を例えば全部で何社ということでこれも一応達成して、商談成立件数を何件ということで、これは実際1件だったんですけれども成約の件数として1件を目標にしたものですから、成果目標として達成しております。そんな形で、ほかのタスクにつきましても例えば、中国の観光スポーツ交流拡大とか台湾の交流拡大につきましては、外国人宿泊客数の目標数を決めて、それを達成できる形で取り組んでおります。
○曳田委員
売り上げ目標とかはなかなか出てこない。
私もこれで企画くらし環境委員会最後の要望としますが、よくテレビで、どこかの大統領が飛行機のタラップをおりてくると経済団がついてくるわけですよね。ああいうのは見ていると、小さな国でも国を挙げて通商をやろうという意気込みが伝わってくるわけです。パフォーマンスかどうかは別にしても、知事がいろんなところへ行く。そのときには、皆さんばかりじゃなくて、募ってそういう経済団も連れて行くぐらいのパフォーマンスをやっていくともっとこの地域外交が生きると思うんです。
単なる文化交流ばかりではなくて、浙江省も大事ですけれども、やはりそういうことが目に見えて県民にわかっていただいて初めてこの地域外交が生きてくると思いますので、ぜひ今後ともこの地域外交にますます力を入れてやっていっていただきたいと思います。以上で終わります。
○田口委員長
ここでしばらく休憩します。
再開は14時45分とします。
( 休 憩 )
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