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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成29年2月定例会企画くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:河原崎 聖 議員
質疑・質問日:03/07/2017
会派名:自民改革会議


○田口委員長
 それでは、休憩前に引き続いて委員会を再開いたします。
 質疑等を継続します。
 発言願います。

○河原崎委員
 一問一答方式でお願いします。
 まず、第32号議案の静岡県建築基準条例の一部改正について、委員会説明資料15ページですがお願いいたします。
 この条例改正につきましては、さきの12月の常任委員会でも審査いたしました。地震地域係数の義務化を図るための改正ということでございます。12月の常任委員会では義務化する理由、1.2倍の根拠、コスト面の影響などについて質問をさせていただいて御答弁をいただいております。したがって、ここでは今回提出されました条例改正の具体的な内容について質問したいと思います。
 まず、条例改正では構造耐力に関する規定を設けるとのことでございますけれども、この構造耐力とは何か伺いたいと思います。
 また、12月に説明のあった建築基準法に定める基準を1.2倍に割り増すこととの関係について御説明をいただきたいと思います。

○市川建築確認検査室長
 経緯といたしましては、東海地震に対して安全性を確保するために、耐震構造の専門家から建築基準法で規定する耐震強度の1.2倍が必要とされましたことから、本県におきましては静岡県地震地域係数――Zs1.2を定めて指導をしてまいりました。今回の条例の構造耐力の基準につきましては、この内容を継承して義務化を求める条例を定めると考えているところでございます。
 近年、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震等の大地震が頻発していること、それからそれらを受けて南海トラフ巨大地震に備えること、それから建築確認申請時にZsの適用率が低下してきていることも踏まえて、従来から指導してまいりました地震地域係数1.2を義務化していきたいということで、構造耐力の具体的な基準については、委員会説明資料15ページに直接書いてございませんが、告示で1.2倍という数字を定めていく予定にしております。

○河原崎委員
 質問とかみ合っていない感じがするんですが、構造耐力とは何かという質問をさせていただいて、それにプラスして1.2倍に割り増すこととの関係について伺いたいと質問しましたので、質問に沿ったお答えをいただきたいと思います。

○市川建築確認検査室長
 申し訳ございません。 
 一般的に構造耐力と申しますと、建築物が自重、外力や地震力とかその他の外から加わる力等について、安全にするための建築物の骨組み等の耐力という意味です。
 1.2と申しますのは、いわゆる地震力で主に水平力――横からの外力が加わりますが、建築基準法の中で、全国基準として地震力を計算する際の係数として地域係数が定められております。それが地域によって0.8から1.0という係数で決められておりますが、静岡県におきましては東海地震以降、建築基準法で定める地震力よりも大きな地震力が想定されることを前提に、建築基準法で1.0のところを1.2に割り増して指導させていただいてきました。今回の条例についてもその1.2を踏襲しているということでございます。

○柳建築住宅局長
 わかりやすく具体的に説明したいと思いますけれども、これが建築物だとして地震に耐えられるかどうか構造計算をします。そのときにこういう形で力をかけます。これが地震力。この力は建物の重さに0.2を掛けて、これが壊れないことを構造計算します。
 今回条例化したいのは、このかける力を1.2倍にしなければならないという条例の義務化です。建築基準法は0.2に重量の力を掛ける。今回の条例はその力を1.2倍して建物が安全かどうか構造計算するということで、そう計算してオーケーになったものが、構造耐力があるということです。

○河原崎委員
 それはわかったんですけれど、1.2倍に割り増すことの関係についてという質問の仕方が悪いのかもしれないですけれども、1.2倍にすれば、先ほど来東海地震という話もありますけれども、その後の東日本大震災を受けて南海トラフ大地震云々の話もある中で、それについても完璧とは言わないけれども、その1.2があれば多分大丈夫だろうみたいなことだと思うんですけれども、その根拠についてお伺いします。

○柳建築住宅局長
 地震の大きさというのはガルです。ガルとは加速度です。建築基準法で想定しているのは400ガルです。静岡県が想定している東海地震や南海トラフ巨大地震は475ガルぐらいに想定しています。ということは、400ガルと475ガルを比較すると1.2倍ぐらいあります。1.2はそこから来ています。そのぐらい地震力を割り増さないと県が想定している地震に対して建物はもたないんじゃないかということで、昔から指導してきたのですけれども、今回それを義務化しようとするものです。

○河原崎委員
 愚問かもしれませんけれども、震度で言うと7クラスまで耐えられるということでいいんですか。

○柳建築住宅局長
 今申しました建築基準法で想定している400ガルというのは震度7です。
 でも、震度7より上の震度8とか震度9はありません。私どもが想定しているのも震度7で大きさとしては475ガルぐらい。だから震度8とか震度9があれば、本県が想定しているのは震度8とかそういう数字になるのかなと個人的には思っています。

○河原崎委員
 大体わかりました。
 それで、ほかの県ではこうした独自基準を設定しているところがあるんでしょうか。もしあるとしたら1.2の基準にしているところがあるのでしょうか。

○柳建築住宅局長
 福岡市で同じように地震地域係数を条例で割り増ししています。これは努力義務規定です。福岡市の場合は、そもそも論として建築基準法では地震地域係数が0.8です。それを割り増して1.0でやっています。そのほかは聞いておりません。

○河原崎委員
 建築物が構造耐力を守っているかどうかについて、どのようにチェックをする体制になっているんでしょうか。もしこれを守っていない場合にはどのように対処するお考えでしょうか。

○柳建築住宅局長
 今回、静岡県建築基準条例の中に位置づけますので、1.2を守らないと建築確認がおりませんので、そこで担保されます。それを守らないのは、これからはあり得ないと思っております。
 建築確認の審査は、昔は行政のみがやっていましたけれども、平成12年から民間確認検査機関がチェックしていまして、県内で業務を行っている民間検査機関は20社程度ございます。

○河原崎委員
 守ってないところはあり得ないということですね。わかりました。

 前回の常任委員会での説明では、義務化についてタウンミーティングやパブリックコメントなどによって周知に努めて、今後さらに広く意見を聴取し、理解が得られれば条例改正案を提出したいということでしたけれども、その後の意見聴取で理解が得られたということでよろしいんでしょうか。

○市川建築確認検査室長
 前回の常任委員会の12月以降に2回目のパブリックコメントを実施いたしました。2回目の結果といたしましては、条例化に賛成する意見が1件提出されました。それだけでございます。
 また、平成27年11月に1回目のパブリックコメントを実施いたしましたが、その際には8件の意見が提出されまして、おおむね賛成でございました。
 なお、基本的には賛成としながら建物用途や構造別に一部の適用除外を求めるような意見もございましたけれども、県といたしましては、倒壊等の被害が生じた場合に被害はその建物だけにとどまらず、周囲の人や建物などにまで及ぶ可能性がございますので、用途や構造などにかかわらず一律に適用すべきと考えているところです。

○河原崎委員
 多少コストも上がるかとは思いますけれども、そういった中で県民の皆さんが承知をしてくださっている。また人の命を守る、まちを守る意味でもいいことだと思いますので、しっかりと周知に努めて進めていっていただきたいと思っております。

 それでは次に、環境衛生科学研究所の移転整備、委員会説明資料40ページをお願いいたします。
 藤枝市谷稲葉地区への移転に当たりまして、来年度は今年度に引き続いて基本設計を行い、その後実施設計を行うことになっておりますが、基本設計はいつごろ終了するのか。
 また、施設の規模、建設費などはどの程度になると考えているのか伺いたいと思います。

○織部環境政策課長
 基本設計が現在行われておりますけれども、来年度の4月、5月ごろまでかかる予定でおります。その中で規模等を詳細に検討しておりますけれども、ベースとしては現状の中部健康福祉センター分を合わせた7,362平米ほどを考えております。効率的に使いたいと思いますので、最終的には若干それより小さな面積になるかなと思っております。
 建設費につきましても、基本設計の中で概算の事業費を出すことにしておりますので、固まり次第、議会へ御報告させていただきたいと思います。

○河原崎委員
 施設の規模や建設費が適正なものであるかどうかについて、県としては指標や基準を持っているんでしょうか。

○織部環境政策課長
 適正性の基準となるものは持っていませんが、特にこういった研究所の施設につきましては、換気ですとか空調設備、細菌の保管を必要とする研究とか実験施設に特殊な設備を必要とすることから、一般的な庁舎等の施設と比べまして建設単価が高くなることが想定されます。

○河原崎委員
 来年度の事業に用地取得が入っておりまして、この委員会説明資料では調整池と合わせた予算額が出ているわけですが、この土地関係の取得価格についてはどの程度なのか。またその価格はどのようにして決まったのか伺いたいと思います。

○織部環境政策課長
 今回の予算案には、用地取得価格費用として2億1500万円ほど計上させていただいております。これにつきましては県と藤枝市の双方が不動産鑑定を鑑定士に依頼いたしまして、そこで出た評価額をもとに双方で協議して決定した単価がございます。平米当たり3万3900円ですけれども、それをもとに面積分を掛けた費用を計上しております。
 また、藤枝市は条例に基づきまして公共減免がございます。地方公共団体が公用に使う場合は減免できる規定がございます。それを適応していただけると伺っておりますので、出てきた費用から3割分を減免した価格を計上させていただいております。

○河原崎委員
 仕組みはわかりました。
 委員会説明資料40ページの用地取得・調整池の項目の下に移転補償費等がありまして、これがその上の用地取得・調整池よりも大きい金額になっているんですが、この内容はどういうことですか。

○織部環境政策課長
 現在の環衛研の敷地の中に県赤十字血液センターと県生活科学検査センターの2団体がそれぞれ自己所有の建物を有しております。今回、環衛研の移転に伴いまして、その両団体とも移転が必要となりますので、両団体に経済的損失を与えますので移転補償費を支払うことになります。

○河原崎委員
 もしかしたら説明が難しいかもしれませんけれど、その金額の基準といいますか、何を根拠にしてこの金額になったかわかりますか。

○織部環境政策課長
 移転補償費に関しては、静岡県が施工する公共事業に伴う損失補償基準がございます。それに準じて建物とか工作物の移転料、備品の動産移転料などを算出いたしまして、お支払いするものであります。

○河原崎委員
 この委員会説明資料によりますと、平成32年度の供用開始を予定しているということですが、この平成32年度の時期の根拠を教えていただきたいと思います。

○織部環境政策課長
 現在、基本設計をやっておりまして、引き続き実施設計に入ります。それが平成30年1月ぐらいまでかかります。並行して用地の取得等を進めていくわけですけれども、まず調整池の造成工事に入ります。そこの防災上の措置ができれば建設工事に入るわけですけれども、その建設工事に入るのが平成30年度になります。ほかの事例等を見ますと建設工事に1年半ぐらいかかりますので、引っ越し期間を考慮すると平成32年度の初めぐらいに供用開始ができるんじゃないかなとスケジュールを組んでおります。

○河原崎委員
 この施設を受け入れる藤枝市や地域の住民にとってのメリットがあれば教えていただきたいと思います。
 また、研究所を活用した地域貢献事業を研究所みずからが仕掛けていく必要があるんじゃないかなと思いますけれども、どうでしょうか。

○織部環境政策課長
 藤枝市には、現在も医薬品ですとか食品企業が結構ございます。環衛研が移転することによって、そういった企業との交流が今後ますます進むのかなと思います。
 また、環衛研の研究を目的に医薬品や食品企業が進出することになってくれば、雇用面でもプラス効果が出てくると考えております。
 もう1つは、市民ですとかお子様たちへの環境教育とか科学教育も期待できるところで、昨年度から公開講座をやっております。平成28年3月には400人を超える方が参加していただいて、今年度に入りましても高校とか小中学校を対象にした出前講座を実施しております。そうしたことを通じて科学教育とか環境の普及啓発に努めていきたいと考えております。

○河原崎委員
 先ほど、建設費についてはまだこれからとのことだったんですけれども、建設費とか施設の規模や内容については適切な時期にしっかりと県民や県議会に説明していただくようお願いしたいと思います。
 また、先般視察をさせていただいて、静岡県にとっては本当に重要な施設だなと感じております。移転によって、その研究所の機能がさらに高まるようにしていただきたいと思いますし、中部地域は県の施策の中ではフーズ・サイエンスヒルズにもなっておりまして、そういうことにもかかわり合いがあるのかなと思いますので、藤枝市を初め近隣地域にも波及効果があるようにお願いしたいと思います。

 次に移らせていただきます。
 地球温暖化対策で委員会説明資料41ページ。本県の温室効果ガスは、平成32年度までに平成17年度比で20%の削減目標に対して、平成26年度実績は13%の削減で、達成率は65%となっております。単純に言いますと平成17年度から平成32年度までの15年間のうち、6割が経過した平成26年度の時点で達成率が65%なので進捗率としては悪くないのかなと思います。
 しかしながら、残り6年で20%を達成できるかどうかは別の問題であろうかと思います。これまでの進捗のまま順調に削減が進めば達成できるかもしれませんけれども、なかなかそのようになるかどうかわかりません。
 こうしたことを踏まえまして、先日自民改革会議が発表しました県政検証の中では、温室効果ガスの排出削減状況について順調な推移を見せているが突出した効果が発揮されているとは言えないと評価しております。委員会説明資料を見ましても部門によって進捗率はさまざまで、産業部門、運輸部門は比較的順調に削減が進んでいるようでありますが、今後もこれまでと同じように削減が進むのか。
 一方、目標に対する進捗がよくない民生業務部門は、今後もそう簡単には削減が進まないのではないかと思われます。よって目標達成はそう簡単ではないと考えております。
 そこでお伺いいたしますが、県は目標達成の見込み、今後のことについてはどのように考えているのか伺いたいと思います。

○織部環境政策課長
 温暖化対策の進捗状況ですけれども、今までは順調に推移しておりますけれども、今後この目標達成に向けて、オフィスとか店舗といった業務部門の温暖化対策をいかに有効に進めるかが1つのポイントになってくるかと思います。
 この対策といたしまして、1つは建築物です。業務用ビル等の建築物の省エネ化が大きな課題になっております。今年度からZEB――ネット・ゼロ・エネルギー・ビルの普及を進めております。
 先般、企画くらし環境委員会の視察で委員にも静岡ガスを見ていただいたんですけれども、今まで県内では1件しかなかったものが、今年度は普及に努めまして5件ほど出てきました。そういった意味で芽が出つつありますので、ZEBの事業をもっとほかのところにも、新築案件だけではなく改修事業でもできればそういう案件を生み出していきたいと思っています。
 2つ目のポイントとして、環境経営――エネルギー・マネジメント・システムがございます。エコアクション21がよく知られているかと思いますけれども、今のところ製造業とか建設業では多くの企業が認証取得していますけれども、本県の場合まだ業務部門が少ないので、削減目標達成に向けて、経営を通じて省エネの取り組みを促進させるように環境経営の普及に努めていきたいと考えております。

○河原崎委員
 産業・運輸部門が比較的進んでいるとのことですけれども、産業活動が下がったから結果的にそうなっている部門もあるのかもしれないと思うんです。
 一方、ヤマト運輸の問題にあるように宅配等で運輸の需要は大分大きくなっていますけれども、そういった中で今後も引き続き産業・運輸部門の削減を進めてくために何かしら方策はあるんでしょうか。

○織部環境政策課長
 産業部門につきましては、確かに景気動向に左右される部分はございます。本県の場合は、製造業のGDPがかなり伸びている中でも、省エネが進んでいる部分がございます。そういったものが影響していることがありますけれども、特に紙やパルプといったエネルギーをたくさん使う業種は、ちょっと生産高は落ちています。逆に電気機械とか輸送用機械とか機械製造部門は、大きくGDPが伸びているんですけれど、省エネ化は大分進んでいる状況にございます。それは高付加価値の生産物を生産しているとか、生産の効率化が図られている部分があると思うんですけれども、やはり省エネが進んでいる部分があると思います。エネルギー・マネジメント・システム――環境経営の普及を通じまして、この部門の積極的な温室効果ガスの削減をさらに進めていきたいと思います。 
 運輸部門につきましても、やはり貨物自動車が大分減っていますので、当然それに伴って温室効果ガスが減っている状況です。こちらも今、エコドライブがございます。余り燃料をかけない効率的な運転といったソフト面の対策も今後、力を入れて目標達成に努めていきたいと考えています。

○河原崎委員
 引き続き御尽力いただきたいと思います。

 最後に、リニア中央新幹線の関係。先ほど6番委員からも質疑があったわけですけれども、極力重ならない範囲でお願いしたいと思います。
 1つ目に、先ほどの木くらし・環境部長の御説明の中で、2月7日に開催された県中央新幹線環境保全連絡会議に田口委員長がオブザーバーとして参加されたとのことでございました。改めてこの会議ではどのような議論があったのかお伺いしたいと思います。

○稲葉生活環境課長
 県中央新幹線環境保全連絡会議の議論の内容でございますけれども、大きく分けて水資源の関係、自然環境それから生活環境の3点が議論されたと考えております。
 主な意見でございますけれども、水資源につきましては、先ほど来からいろいろ問題になっております大井川の水を全量戻す必要性について議論がなされたところであります。
 JR東海から提出のありました事後調査報告書の中では、導水路トンネルによって大井川に戻らないトンネル湧水につきましては、必要に応じてポンプアップして大井川へ戻すといった内容だったんですけれども、そうではなくトンネル湧水の水資源は大井川の生活や産業、あるいは自然環境にとって非常に大切なものであるから全量戻すことといった意見が出ました。
 それ以外に、水資源の減少対策の問題を解決するために利水者と協定を結ぶといった意見が出たところでございます。
 また、自然環境につきましては重要な動植物や生態系への影響ですけれども、JR東海は重要な種の生息とか生育の環境が周辺に広く分布しているから影響は少ないとの内容だったんですけれども、委員の中からそういうことではなくて、全く同じような環境があるわけではないこと、その根拠を土壌とか植生の調査に基づいて示すことと意見が出たところでございます。
 それから最後に、生活環境については中部横断自動車道の工事例を挙げまして、重金属の検査についてしっかりと行うようにと意見が出たところでございます。

○河原崎委員
 水の関係については、県からも全量をちゃんと戻すように言っていただいていることは理解いたしましたが、それに対してJR東海からは何かしらの反応といいますか、それじゃあそうしますと言ったのかどうなのかが一番大事になってくると思うんです。これまでのところJR東海はどのような返答といいますか態度を示しているんでしょう。

○河野環境局長
 JR東海の水に対する基本的な回答は、先ほど稲葉生活環境課長から申し上げましたとおり必要に応じてポンプアップで返すといったところは変わっておりません。ただ県中央新幹線環境連絡保全会議や県環境影響評価審査会でも各委員から厳しく意見が出てきていること、それから流域の利水者からも強い要望が出ておりましたので、そういった関係者の強い思いがあることは、JR東海も認識し始めているのかなという感じがございます。
 引き続き、私どもとしましても全量の水を返してもらえるように強く働きかけてまいりたいと思います。

○河原崎委員
 県としても折衝の中でいろいろ御努力はいただいているんですけれど、今のところそれについて成果が出ている段階ではないのかなと思います。
 水以外の問題でも、先ほど御説明にあった自然環境とか生活環境といった問題もあります。これについてJR東海は何を聞いても大丈夫だとしか出てこないんですが、実際は誰もやったことがない大工事で、大丈夫かどうかなんて神様でもない限りわからないですよね。しかも今回のリニア中央新幹線の工事に比べればそんなに大変ではないと思われる中部横断自動車道の工事でもスケジュールどおりに進んでいないぐらいの難工事になる中で、南アルプスの真ん中に穴をあける工事はどういったことになるかは、本当に予想もつかない。そしていつ完成するかもわからない工事だろうと思っております。そういった中で今この問題にかかわっている人間がどのくらい完成を見届けられるかと思っているんです。実際自分も生きているかどうかわからないと思っています。そのくらいの難工事だと思っているんです。
 国家的なプロジェクトとはいえ、あくまで民間事業です。そうであるとすればやはり前々から申し上げているとおり協定書をしっかりと結んで、最終的な責任が明らかにJR東海にあるんだと明文化して残しておかないと、後世に禍根を残すことになると思っております。これについては引き続きお願いしたいと思います。

 それともう1点質問ですが、今後県環境影響評価審査会の答申をもとにJR東海に対する県知事意見を取りまとめるとのことですが、答申にはどのような内容が盛り込まれる予定になっているのか、できる範囲で結構ですが、御返答いただきたいと思います。

○河野環境局長
 今後、取りまとめてまいります県としての意見でございますが、県中央新幹線環境保全連絡会議や県環境影響評価審査会、それから静岡市の意見等も踏まえまして、基本的には水量は全量を戻す。それから水質もきれいな水、基準に適合した水を戻す。それから自然環境、生活環境の面でも万全を期してもらう内容としてまとめていく予定でございます。

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