本会議会議録
質問文書
令和3年11月25日脱炭素社会推進特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者: | 諸田 洋之 議員 | |
質疑・質問日: | 11/25/2021 | |
会派名: | 無所属 |
○諸田委員
それでは一問一答でお願いします。
佐々木さんにお伺いしたいんですけれども、今県も主伐・造成という部分でいうと主伐のほうは切っていくだけですから、それでもモチベーションがあってやっていく可能性は高いんですけれども、造成の部分は長い年月がかかるのでなかなか難しく、県もすごく頭を悩ませている部分です。
そうしたときに、燃料材としての切り口で早成桐をやることによって回転が早くなるとのことでしたので、もしこれが造成に力を入れていくモチベーションになるのであれば、モチベーションには様々なものがあると思いますけれども、例えば収益の部分でも短期的に回るぐらいの収益が入るだとか、そういうところがシミュレーションで出てくると非常にプラスになるかなと思うんですけれども、そこら辺のお考えはどうでしょう。
○佐々木敏春氏
私のほうでそういう具体的なシミュレーションをしているわけでもないんですが、今本当にこれは始まったばっかりで、苗を幾らで売るかぐらいのところから実際は計算をしなきゃいけないところになっていまして、コスト計算自体は我々が具体的にしていないというのがお答えになりますが、大体、感覚的な話でクール・アースの方たちが持っているイメージでは、近接した場所でできれば今言ったFIT適用がなくてもやっていける可能性があるのではないかぐらいの話です。ですから、そういったところを自分たちでも試行錯誤しながら動かしているので、我々もそこに協力しながら実際の可能性を探っているのが現状です。
御覧いただいたとおり、ヨーロッパではバイオマスは非常に安く民間でできているんですけれども、日本ではすごく高いんです。アワー当たり50円ぐらいになってしまっています。ですから相当高いので、その中の7割が先ほど言った切り出して運んでくる費用という話ですから、ここを何とかしたいのが我々の思いです。
○諸田委員
県のカーボンニュートラルをどうしていくかという草案のようなものを見たときに、やはり吸収源対策が非常に弱いところに問題意識を持ちまして、しっかりやっていくべきじゃないかというところから、1つの目標数値を上げるべきではないかと言って、そこまで県の当局もこれからやっていきたいという方向に進んでいます。
問題点は、目標数値といっても吸収量の計算方式がまだまだ確立していない部分があって、なかなか難しいというのが当局の今の思いだと思います。そうしたときに、早成桐の吸収量の計算方法が確立されていて、目標数値を積み上げていくのに耐え得るような裏づけがあるのか、そこら辺が分かると非常にありがたいんですけれどもどうでしょうか。
○佐々木敏春氏
基本的に今一般化されたものはないのはもちろんですが、先ほどお示ししたように土地によって多分吸収量が違うというのが今のところの見解だと思っています。ですので、一個一個、どこでどれぐらいの吸収量があるのかを基本にして売り買いするのが現実的に今やってることです。ですのでそこは分からないと言うのですが、幾つかやってくると大体こういう土地だったらこれぐらいという一般化がされる。今一般的に売買されている例えばスギだとかヒノキがこれぐらいでどれぐらい、CO2の固定量はこれぐらいですというところまで行くのは、やっぱりたくさん植えて実際に測ってみないと分からないのが実態だと思うんです。そこは多分時間はかかると思います。
今、例えばJ−クレジットっていう制度があります。J−クレジットに例えばこれを持っていこうとしても、全部自分たちでそれを検証して、これぐらいずつ固定ができいてると思いますって出さないとクレジットをもらえないです。それと同じことを積み重ねるんじゃないかと思います。
○諸田委員
今ちょうどJ−クレジットのことを言っていただいたので、私もそのことについてお聞きしたいなと思っていたんですけれども、これからやっぱりJ−クレジットの普及が可能性として高いのではないかと私は思っていまして、地域版のJ−クレジットを静岡県としても本腰を入れて、検討するべきではないかと思っています。県の当局の今の気持ちでは、非常に大変だから国がやっているJ−クレジットに乗っかっちゃえば自分たちはそっち側にお願いできて楽だろうという思いでいるんですけれども、これから静岡県が率先して引っ張っていくには、ほかの県でも地域版のJ−クレジットをやっているところもあって、大変な思いをしながら知見を積み重ねているわけですから、本県もやるべきではないかなと僕は思うんですけれど、少なくとも地域版のJ−クレジットの検討をするべきだと思うんです。そういうことを積み重ねていく中で、先ほどおっしゃられました早成桐の計算方式も県と様々な民間が一緒になって協働で知見を重ねてくれば、正確性のあるものができてくると思っています。
やっぱり目標数値を高く上げるべきだと私が一般質問でも取り上げさせていただいた1つの理由は、積上げをしていくときにこれから民間企業のイノベーション、技術革新、こういうものを促していくことによって静岡県がもっともっと豊かになっていく可能性を秘めてるわけですから、だからこそ積上げを高くやっていくべきじゃないかと言ったんですけれども、そこら辺のことも考えながらぜひJ−クレジットを、また県当局とも打合せをしていただいて県当局が前向きになるように言っていただけたらと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
○佐々木敏春氏
ありがたい話で、我々もそうしたいと思っています。国の制度に乗っかるべきというのが多分今の県の見解だと思っていますが、例えばキリは実は草ですという話をしました。田んぼとか畑で普通に育つわけです。だけど、そこに育てると木ではないものですから、森林でない。森林でないとJ−クレジットは出ないんですよ、今の国の制度ですと。だけど、これだけ固定化する木を田んぼに植える余地があるわけで田んぼに植えたらJ−クレジットが欲しいわけです。でもその制度になっていないので、ぜひそういうところを県で地域版でいいのでつくってもらえるとすごくありがたいです。多分国もそういう方向に動く可能性はあるんですけれども、まだまだハードルは高そうです。再エネをこれから増やしていこうと思うと、一次産業とのせめぎ合いなんです、どこもかしこも。太陽光もそうです、風力もそうです、漁業者とのあれですから。一次産業をどうしていくかという葛藤を乗り越えなければいけないと思います。
○諸田委員
本当にこれから様々な民間企業と一緒になって、静岡県を盛り上げていこうといったときに、県が本当に一緒になっていろんな知見を重ねていくことが必要ですから、私は本当に地域版J−クレジットの検討ができればと、提言の中に入れさせていただきたいと思ってます。
このページに関するお問い合わせ
静岡県議会事務局議事課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3482
ファクス番号:054-221-3179
gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp