本会議会議録


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平成26年6月定例会企画くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:伊藤 育子 議員
質疑・質問日:07/02/2014
会派名:自民改革会議


○伊藤委員
 分割質問方式でいきます。
 平成26年3月に出されましたふじのくに茶の都しずおか構想について、まず伺いたいと思います。
 ふじのくに茶の都しずおか構想の検討委員会の構想についての意見書の中で、島田市にはお茶の郷という施設が、既に存在するんだと。お茶の郷について、ここでは初めて県有化したらどうだという提言が出されました。私自身、個人的にはすばらしい提言だなと思っているところです。まず、この冊子の所管は経済産業部ですよね。お茶の郷は、お茶にまつわるさまざまな展開の場の拠点として、中核として、新しい活用を考えていくべきであると。お茶の郷というのは、現在は島田市のものです。この構想でもそうだし、それから、その前の空港ティーガーデンシティ構想でも、お茶の郷が出てきますよね。お茶の郷は、やっぱり県有化したほうがいいのかなと私は思っておりましたので、これはよい提言だと思うわけですが、提言を具現化する、それを進めるとすれば、所管するのは一体どこでしょうか。それが、まず1点目です。

 それからどういう形を考えようとしているのか。例えば、指定管理者なのか。本当に移管するのか。それとも買っちゃうのかというような、さまざまなことがあると思いますが、移管するとすれば、どういうふうな形を考えようとしていらっしゃるのか。

 また、私には今でも何だかよくわからないのですが、空港ティーガーデンシティ構想と理想のまちづくりに関する提案、それと今回のふじのくに茶の都しずおか構想の3者の関連は一体どうなっているのか、お伺いいたします。

 それから、この中に旧金谷中学校跡地と、その周辺について、島田市お茶の郷と一体的に茶の都の拠点とするというふうな提言がございますけれども、これについて、今の進捗状況をお伺いしたいんです。というのは、私はたしか、昨年の12月の本会議で、旧金谷中学校跡地について質問いたしました。そのときにいただいた御答弁は、多目的産業展示施設については断念するとはっきりおっしゃいました。これはこれでよろしかろうと。活用については検討をするという御答弁でした。あれからどのように検討されているのか。とにかく断念らしき御答弁を知事からいただいてから、もう今となっては4年半経過しています。その間、どのような検討がなされ、現在の進捗はどのあたりまでいっているのか。それについてお伺いいたします。以上です。よろしくお願いします。

○増田企画課長
 まず、1点目の提言の具現化を所管するのはどこだという御質問でございます。
 このたび、委員のほうから御指摘ございました意見書でございますが、茶の都の構想を取りまとめた際に、熊倉功夫座長から構想案とは別に、構想案に書けなかった委員の思いとして、まずは提出されたものであると伺っております。
 経済産業部では構想と意見書を受けまして、本年度引き続き有識者会議を開催しまして、お茶の都の拠点のあり方について議論を深めまして、検討を進めていくこととしております。
 企画広報部は、旧金谷中学校跡地の関係を所管しておりまして、昨年12月県議会の答弁のとおり、お茶の振興に寄与する活用について、地元市との調整を図りながら検討を進めていくところでございます。
 また、その検討に当たっては、茶の都づくりの拠点のあり方の検討を進める経済産業部とは昨年度から連携して取り組んでいるところでございます。本年度についても、引き続き両部が連携して、一体となって取り組んでまいりたいと考えております。

 それから、どういう形を考えているのかという2点目の御質問でございます。
 お茶の郷は、意見書の中では県に移管すべきじゃないかとあるわけですが、まさにそこのところをことしの有識者会議の中で、有識者の先生方から意見を深めていただくということでやってまいります。まずはお茶の都の拠点のあり方、あるいは、その中でのお茶の郷の位置づけなど、有識者の先生方の御意見をしっかりとまずはお伺いするとともに、建物の所有者である島田市の意向も踏まえながら検討を進めていく必要があると考える次第でございます。

 それから、3点目、空港ティーガーデンシティ構想等との関連はどうなっているのかということでございます。
 空港ティーガーデンシティ構想におきましては、当地域は風の道ということで、エリア的に位置づけられておりまして、お茶の郷、グリーンピアなどを結ぶ地元特産品を味わえる街道を目指すという言葉が記載されております。
 また、構想の中には、取り組み例を示す有識者会議での意見として、お茶の郷を拠点とする茶文化の世界に向けた情報発信、あるいは、お茶の郷の魅力を高めることなどが記載されている状況にございます。

 それから、検討状況はどうなっているんだという御質問でございます。
 昨年の12月には、お茶の振興に寄与する活用を図るということを御答弁申し上げまして、経済産業部や地元市、関係者との調整を図りながら検討を進めているところでございます。
 本年度は、経済産業部は有識者会議で、先ほど申し上げましたとおり、茶の都の拠点の検討を進めていくとともに、和の食文化を生かした食の都づくりについての有識者会議も立ち上げて、検討していくこととなっております。
 私どもの部としても、一緒になりまして検討状況を踏まえまして、地元市や関係者との十分な調整を図りながら、旧金谷中学校跡地の活用について検討を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。

○伊藤委員
 御答弁ありがとうございました。
 再び今度は茶の都の拠点の有識者会議についてです。それについては500万円ぐらいかかるんですか。これについては答弁は必要ないですが。1つ有識者会議を立ち上げるごとに、その費用はざっと500万円。そういうふうに考えますと、ざっと茶の都だけで1000万円ということになります。1000万円のお買い物で、一体どういうものが、どういうふうになるのかということについては、関心を持って見せていただくということでよろしいのですが。

 先ほどの旧金谷中学校跡地ですけれども、島田市には、もう既にお茶の体験施設という提案を持って行っていませんか。

 もう1つ、県にも、それから島田市にも、茶市場をあそこにつくりたいという話が来ているということですが、対応はどういうふうになっているのでしょうか。

○増田企画課長
 まず、島田市に提案を持っていっているかという御質問でございます。
 昨年度、私は、熊倉先生が具体的にどんなイメージを持っているのかお伺いしました。茶の産業を生かしたものであるとか、体験できるものという御意見がありましたので、そうした熊倉先生の意見を踏まえたものを絵にしたことはございます。
 それを、熊倉先生の意向としてはこんな考えを持っているということについて、市にもお見せしたことはございます。

 それから、2点目でございます。
 茶市場の話があるのかということでございます。現在、茶業会議所が中心となりまして、流通市場改革の検討が進められているところでございますが、業界関係者のさまざまな意見もございまして、合意には至っておらず、流通市場改革そのものが、いまだ具体的な計画にはなっていないと聞いております。以上でございます。

○伊藤委員
 ありがとうございました。
 そうしますと、お茶の体験施設らしきものというのは、あくまでも熊倉先生個人の構想というふうに理解してよろしいでしょうか。

○増田企画課長
 県としても、茶の都づくりの拠点のあり方については、今、経済産業部のほうで、有識者会議を設けて、どういう機能が必要なのかとか、そういうところを詰める作業をやっております。そういう意味で、静岡県としても、最終的な結論がオーソライズされたようなものというのは、これから、いろいろ有識者会議の意見を踏まえて、なされていくものであると考えている次第でございます。以上でございます。

○伊藤委員
 そうしますと、確認しておきたいのは、旧金谷中跡地の利活用についても、経済産業部を中心として進めるということになりますか。

○増田企画課長
 旧金谷中跡地の関係につきましては、冒頭申し上げましたように、私ども企画広報部が、今まで島田市とも調整をとっております。これからもとっていくということで、そこは、私どもが責任を持って対応していくことでございます。機能の部分については、経済産業部のほうで検討していますので、両者が連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。

○白井企画広報部長
 ふじのくに茶の都しずおか構想を受けて、ことしは基本構想ができたので、基本計画を今、経済産業部でつくっています。旧金谷中学校のあたりというか、お茶の郷あたりのところに、静岡県の茶の都としての拠点施設を整備するとして、拠点の機能としてどういうふうなものが必要かというのは、今、検討されています。その機能が出たときに、例えばお茶の郷にある機能を活用できれば、それでいいでしょう。お茶の郷をどちらが今度運営していくかというのは、また別の問題で議論があると思うんですけれども、お茶の郷だけでは足りない。ほかにない。茶の都の拠点として、持つべき機能として、新たにつくらなければならないというものが出てくれば、それは当然ながら、旧金谷中学校跡地というのは、1つの候補ということになってくるんだろうと思います。
 経済産業部のほうで、そういうふうな検討をされる中で、我々も一緒に入りますけれども、旧金谷中学校跡地の非常に広くてよい土地が残っていますので、地域の茶業の振興であったり、空港の利活用と促進であったり、地域の活性化につながるような、そういう活用の仕方ができるように、我々も一緒にやって、検討もして、地元の皆さんに納得いただけるような活用方法を明確にしていきたいと考えております。以上です。

○伊藤委員
 ありがとうございました。
 よろしくお願いしたいのですが、もう1点確認しておきたいのは、旧金谷中学校跡地は、あくまでも島田市のものです。そうしますと、多目的産業展示施設の時点で土地は島田市、上物は県という形で、平成21年9月でしたか、合意がなされました。そのときの合意のうち、上物は県ということは、そのままなんですか。それとも、旧金谷中学校跡地というのは、島田市でどんどん処分することだってできるわけですよね。その点はどうなっているんでしょうか。上物はあくまでも、あの当時の合意に基づいて、県が進めると。それは、今でも前提となっているんですか。そこを確認させてください。

○白井企画広報部長
 私の認識としましては、昨年の12月本会議で伊藤委員にお答えしたとおり、多目的産業展示施設を諦めた時点で、上物は県、土地は島田市ということについても、やはり見直しになっていると思います。旧金谷中学の跡地に、建物をつくるかどうかも、今、機能について検討をしているところですので、活用方法とか、また、地域に貢献できるようなあり方というのもあわせて検討し、もちろん島田市の了解を得てからということになりますけれども、そういうところでの調整については、企画広報部でしっかりやっていきたいと思っています。以上です。

○伊藤委員
 島田市の自由になるということを、しっかり確認しておかないと。市議会でも、そのたびごとに旧金谷中の跡地について質問が出ています。そこは確認しておいてくださったほうがよろしいかと思います。以上、要望しておきます。

○田(泰)委員長
 それでは、質問の途中ですけれども、ここでしばらく休憩とします。
 再開は13時30分とします。
( 休 憩 )
 それでは、午前中に引き続いて、委員会を再開します。
 質問等を継続します。
 では、発言願います。

○伊藤委員
 引き続き、2つ目の質問をさせていただきます。
 吉林知事戦略監にお伺いしたいのですが、知事の答弁の中で、ハラールへの対応ということが盛んに出てきましたし、また新聞でも静岡空港をイスラム対応に、などと大きく取り上げられていますよね。ハラールへの対応というのは、これからますます大きい課題になっていくと思うのですが、以前、和食の文化の問題に関する質問をした記憶があるんです。そのときに、ハラールへの対応も考えてと、私は発言したと思いましたが、その件の新聞報道を見た高木桂蔵先生という県立大学の先生から、これからはハラールへの対応があらゆる面で大きな課題になってくるというふうなお手紙をいただいたんです。
 確かにそうだろうと思います。今回の知事答弁にある空港でのハラールへの対応というのは、県がハラール対応の戦略として考えていることの一部であるのか。それとも、知事の答弁のハラール対応は、それで全てであるのか。知事戦略監として今後の静岡県の戦略を考える上で、その辺はどうなっているのか、教えてください。

○吉林知事戦略監
 ハラール対応についてお答えをいたします。
 イスラム教徒は、2010年で16億人、世界にいらっしゃるといわれています。世界人口の約2割と聞いております。
 最近、政府でも、ビザの要件緩和をしましたので、特に東南アジアのほうから、いわゆるイスラム教徒の方がたくさんいる国から、訪日客が来ております。
 そうした中で、県としてもそういった方々に本県に来ていただいて、交流人口をふやして、本県経済の活性化につなげたいということがございます。
 そのときに、食事に制限がある宗教でございますので――ハラール食といっておりますけれども――イスラムの方々の食事に対応するということが大変重要であると考えております。
 そういった食をどういうふうにつくるかという中で、知事から出たお話が、今、空港の増改築を考えておりますので、空港の中に、そうした対応ができるレストランをつくれないかと。
 それから、もう1つは、必ずお祈りをしますので、礼拝堂をつくろうということで、全体のハラールの対応のうちの1つが、空港でのおもてなしの対応と考えております。
 それ以外にも、ハラール食をターゲットにして、県内の食材を上手に使いながら対応していけば、これは人口が20億人にもなるというふうに言われていますので、ビジネスチャンスが広がるというふうに考えております。産業面でもハラール食への対応の研究を今しておりますし、それをもっと深化させていきたいと考えております。以上です。

○伊藤委員
 ありがとうございました。
 多分、大きな戦略の中での一部分ではないかなというふうに、予想しながら伺ったんです。というのは、16億人というと地球人口の約4分の1に当たりますよね。それかなり大きな市場だなと思いますし、また、食文化だけではないんだろうと思うんです。というのは、マレーシアがハラールハブとして積極的に動いていて、日本にも企業誘致にきているというふうなニュースをつい二、三日前に見たんです。吉林知事戦略監がおっしゃいましたように、県としても産業面でも考えていかなきゃならない。例えば薬剤関係では、もう既にハラール対応を考えている製薬会社があると伺いました。薬剤もそうですし、化粧品もそうだそうです。そうしますと、ハラール対応の企業の誘致ということまで考えなくちゃいけませんし、ハラール工業団地ということまで考えなくちゃいけません。16億人が対象となりますと、やはり県としての大きな戦略が必要だろうと思います。
 新聞にはさらにこう書いてあるんです。県で観光関係者を対象に、イスラムで許される商品や活動の基準を説明したと。国にはハラール対応の認証基準というのがこれから出てくるんだろうと思います。県として、空港で食文化に対応するというのと同じように、県の認証基準のようなものをつくる可能性というのか動きはあるのでしょうか。

○吉林知事戦略監
 ハラール関係の質問にお答えいたします。
 産業面、観光面を含めまして、ハラールの関係については、非常に広がりが大きいということがございまして、委員御指摘の化粧品産業、それからファッション、あるいはハラール食品、そういった面で、非常に広い分野だと思っています。
 ハラール認証そのものを取得するには、厳格な基準がございます。その基準を満たさなければいけないということで、県立大学を中心に、昨年度、ハラールの連続セミナーをやっております。県立大学の学食で、ハラール食を出してみようということで、そういった取り組みをしております。高木先生とはある会合でお会いしたときに、ハラールが大事だということを、私も直接お聞きしました。県単独で基準をつくるということについては、これは軽々にできるとは言えませんので、やはり認証そのもののところを今、一生懸命勉強しているところでございます。これからいろいろな産業の関係者、イスラム圏のほうに進出している企業、それから先進的に認証をとっている企業の方々の意見を伺いながら、県としてのハラール戦略をこれから構築していきたいと考えております。以上です。

○伊藤委員
 ありがとうございました。
 何せ静岡県っておくれをとるのが得意じゃないですか。何か全てにのんびりしているというのか。後手に回るというのが、とても心配なんですが、新聞によりますと、ハラール対応をしている空港というのは、成田、羽田、中部、関西の各空港。地方空港では、我が空港が一番最初じゃないかというふうに思っているところですが、知事戦略として、県全体のあらゆる領域でのハラール対応というのをしてほしい。だって、2030年には1000兆円市場といわれているんです。現在300兆円の市場でしょう。これはもうおくれをとってはならないと。ここは静岡県というところを見せてやらないと。だって、全てが全国一だと思っていた静岡県が、どんどん落ちていくという状況じゃありませんか。ここら辺で、全体の戦略として、1000兆円市場に対応すべきだと思っておりますので、要望しておきます。以上です。

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