委員会会議録

質問文書

平成28年９月定例会文教警察委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	髙田　好浩議員
	質疑・質問日：	10/04/2016
	会派名：	公明党静岡県議団

○髙田（好）委員
　数点、一問一答でお願いいたします。
　まず、今回配付された「平成29年度公立高校をめざすあなたへⅡ」の中でちょっと気になるところがございました。10ページの伊豆総合高校の件でございます。
　ふじのくに実学チャレンジフェスタというチラシをいただいて、私も工業高校出身ですけども実学を高校生からやって、本当に静岡県にとっても人材になってくることは間違いないと思うんですが、当然そういう人材育成も目指すのが高校でありますが、伊豆総合高校はことしから、私は改善とは思わないけど学科が改善されますと。機械と電気と建築が一緒くたになるよという話でありますけども、こうしようという大もとの考え方をまず教えていただきたいと思います。

○渋谷高校教育課長
　伊豆総合高校の学科改善について御説明させていただきます。
　今回の伊豆総合高校の学科改善は、７番委員御指摘のとおり工業関係の学科を１つにまとめるものでございます。
　狙いでございますけれども、伊豆総合高校は平成22年の開校以来、総合学科と工業３科を併置して運営を行ってまいりました。総合学科は開校以来1.1倍から1.3倍ぐらいのいわゆる比較的人気が高い状況で募集が進んでおりまして、一方で工業３科はここ５年を見ても１倍を切ることが非常に多く募集としては苦戦をしていたのが現状でございました。
　総合学科のほうがそのように倍率が高いということで、総合学科で不合格となった生徒を工業科で合格させることもあるのが現状でございまして、実際工業科に入った生徒が学科でどのようなことができるのか十分に理解しないまま入学する傾向があったのかなという反省点を学校側も持っておりまして、入学後にモチベーションが下がる生徒も見受けられたのが大きな学校の課題として認識をしていたところでございます。
　これを解決するために、工業に関する包括的な学科でまずは入学させて１年間はベースとなる専門教育をしっかり行って、その上で２年次以降に専門分野に進ませる方式をとらせていただきたいなと思っておりまして、１年生のときにしっかりと生徒のモチベーションをうまくつくって２年次以降の専門教育につなげていくと。こうした狙いで今回の学科改善を考えたところでございます。

○髙田（好）委員
　ありがとうございました。
　ちょっと首をかしげるような発想なんですけど、確かに中学生から高校生になるときに自分の将来展望をしっかりしてどの道へ進もうというのはなかなかできないので、こういう考え方もあるのかなとは思うんですが。
　私は工業電気科でしたけど、好きで入ったわけですが結果的に建築科へ行って建築士になったという裏切りの行為をしたわけですけども、変わっていいと思うんですよ。勉強する中で変わっていくということは当然あっていいと思うんですが、何となく入学の倍率のこととかを言われるとちょっとつらいなという感じはあります。
　今お聞きしますと、１年はベースを学ぶので全体的にと、２、３年で専門的なところをスタートさせるということでございます。そうすると１年目から専門的に勉強したいという子供たちもいるわけで、そういう方にとっては１年間がいかがなものかなという。ほかの高校へといってもなかなか地域的にないわけです。しょうがないことなのかもしれませんけども、教育課程において本当に子供の実学になるようにぜひしっかりとした取り組みを、ほかの高校よりもお願いをしたいなと思うんです。
　１つ気になるのは、例えば二級建築士は高等学校または中等教育学校において指定科目を修めて卒業した者で卒業後３年の建築業務があると、やっとこれで二級建築士を受けていいですよとなるわけですね。
　これに対して伊豆総合高校はほかにも機械の資格もありますし電気もあります。さまざまな資格に対して国が決めていることがありますが、それに対してどのような対応になるのか教えていただきたいと思います。

○渋谷高校教育課長
　伊豆総合高校の建築の関係についてお答えします。
　７番委員から工業高校に対する御懸念もございました。この伊豆総合高校は旧修善寺工業でございまして、工業を学びたい伊豆地域の生徒は高校がなくなってしまうと沼津工業高校まで行かなきゃいけなくなってしまいますので、伊豆地域の工業を学びたい生徒の受け皿として地元も工業科を要望している方々がかなりいらっしゃいます。そういう意味では現状の特徴をしっかりとカリキュラムに残していって、地元の工業の人材をしっかりと育成していく部分については、もう絶対的にカリキュラムとして残していきたいという要望を持ちながらカリキュラムを検討しております。
　そういう中で、今御指摘のありました建築士の資格につきましても、２年次以降で建築の類型を選択すれば二級建築士の資格の要件を十分に満たすようなカリキュラムをしっかりと組ませていただくということで考えておるようでございますので、御理解をいただければと思います。

○髙田（好）委員
　わかりました。
　そう言うとまた最初に戻っちゃうんですけど、あえて３科のままでもいいような気もするんです。１年間が終わった後、自分のコースを決めるということですよね。極端に言うと機械工学に行きたくないと言えば、これはなくなるわけですよね。これは選抜できませんもんね。あなたは機械に行けとかは言えないわけで、みんなが建築に行きたくなっちゃったと言うと、電気と機械を学ぶ人がいなくなる、３クラスとも建築を専攻するようなこともあり得るということですね。どうなるかはやってみないとわからないことですので何とも言えませんけれども。
　くどいようですが、カリキュラムとして学んだ生徒が２年間で３年分をしっかり学べるような、しっかりとしたカリキュラムをぜひ組んでいただきたいなと思います。よろしくお願いします。

　次に、私も勉強不足だったんですが、平成29年度公立高校入学者選抜実施要領の21ページに長期欠席生徒選抜というのがございます。ここに出席扱いとなっている日数の合計が第３学年でおおむね30日以上または３年間でおおむね90日以上の者と。その出席というのはどういうことかというと、適応指導教室等への通所等も含んだ日数だよと書いてあるんです。
　ここに３校がございますが、これはいつ始まって、この３校が固定化されているのかどうか、また若干名というのは実際どのくらいの生徒さんがこの枠によって入ってきているのか。概要を教えていただければと思います。

○渋谷高校教育課長
　長期欠席生徒選抜のことについてお答えいたします。
　長期欠席生徒選抜につきましては、この実施要領の21ページにあるとおりでございまして、３年間で90日以上欠席している者を対象として実施しております。この制度は平成13年度の選抜から土肥高校と春野高校で開始をいたしました。平成14年度には中部の金谷高校も加えまして、現在土肥高校、春野高校、金谷高校の３校で実施をしております。
　平成20年度以降を見ますと、志願者数が210人に対して合格を182人に出しておりまして、倍率が1.15倍という入試の実態になってございます。
　昨年度の入試の実態を見ますと、土肥高校が６名受験で６名合格、それから金谷高校が８名受験で５名合格、それから春野高校が10名受験で７名合格と全部で24名が受験しまして18名合格という形で、昨年はちょっと厳しい倍率になっております。
　そのような運用をさせていただいておりまして、受け入れる高校でございますけれども通常県立高校は１学級が40人で運用しておりますけれども、長期欠席生徒が入るということで学級生徒を35人に下げてきめ細やかな対応ができるような工夫をして運用させていただいているところでございます。

○髙田（好）委員
　ありがとうございました。
　時代的にというか、なかなか厳しい学校の環境があって中学でもなかなか授業に出切れてない方もいます。方向性として人数が大分減ったというお話でありますが、一般の生徒と同じようにチャンスがあるということでありますので、これからこういう生徒さんたちをもうちょっと広目の学校で展開していこうとか、募集についてもう少し大きくするというのはおかしいですけども、告知をしっかりしていくとかこれからの方向性みたいなもので何か目指していることがあれば教えていただければと思います。

○渋谷高校教育課長
　長期欠席生徒選抜は、平成28年度のお話をさせていただいたように24人の受験者ということで、まず需要に対しては３校で賄えていると考えております。
　ただ、長期欠席生徒というのは不登校という症状が出ておりますけれども、高校に入学してくる者の中には発達障害でコミュニケーションに苦労している生徒なんかもかなりふえてきておりまして、いわゆる特別支援が必要な生徒が増加している傾向がございます。そうした対応として普通高校に入ってきた特別支援が必要な生徒に対しては個別指導計画をつくったりコミュニケーションスキル講座を行ったりして対応しておりますが、文科省も高等学校における通級学級というものも検討の俎上に入っているということでございますので、そうした精神的に不安を抱える生徒に対する高校の配慮というものは十分にしていきたいと考えています。

○髙田（好）委員
　わかりました。ぜひよろしくお願いしたいと思います。

　次に、地震から得たことについて何点かお聞きしたいと思います。
　先ほどお話もありましたように、熊本県の学校等の交流とかさまざまにやっていただいて、残念ながらというか静岡県は地震が来ると言って久しく来てないわけで、ある意味一番勉強していないのがこの静岡県になってしまっているわけです。いいことなんですけど。
　ただ、やっぱり準備しておかないと、今回の熊本地震を見ていてもそうなんですが、今回の本会議でもさまざまに議員が質問していたわけですけども本当に準備した以上のことはできません。
　１つ目は、大きな聞き方になりますが熊本地震から教育委員会として――教育現場として見たときにどういうことを学ぶことができたのか。あるいはこれからの静岡県の防災教育あるいは現場について必要性を感じたとかさまざまあると思うんですが、その辺のこれからの考え方あるいは得たもの、教訓などがもしあれば教えていただきたいと思います。

○福永理事兼健康体育課長
　熊本地震から得た教訓とそれへの対応について、お答えさせていただきたいと思います。
　まず、私どものほうでも学校関係で一番大きな課題とされておりました、避難所に指定されていなかった高校にも多くの被災者の方が避難をして、その際の避難所の運営及び学校再開のおくれが大きな課題となったということがございます。やはり本県では県立学校の多くが避難所に指定されておりますので、避難所の円滑な運営と学校の速やかな再開の両立が今後課題になってくると思っております。
　このために、毎年市町の防災部局、さらに地域の自主防災組織と連携した連絡会議を開催しておりまして、この中で避難所の運営等について常に話し合いの機会を設けているということがございます。やはり地域と連携をしてどのように対応していくかというのが非常に大事になってまいりますので、そういった中で学校としての役割を果たしていくことが大事なのかと思います。その辺について地域との連携強化に努めるという形で考えております。

○髙田（好）委員
　ありがとうございます。
　一番大事な点だと思うんです。これがまた市町によって、また避難所、学校によって相当温度差はあるなと私は感じております。
　これは防災のときもいつも言うんですが、県の教育委員会の立場としては全体の進行状況をしっかり見て、おくれているあるいは人材がいないところがあれば県としてしっかり手を入れて、模範的なモデルケースはいっぱいありますので、そういう地域との連携をより密にやっていく。あるいは実のある訓練をやっていくということを学校に求めていきたいと思うんです。そこら辺の今の捉え方はどうでしょうか。

○福永理事兼健康体育課長
　まず、地域との連携方法につきましては、先ほども申しましたが学校、自主防災組織、市町と防災教育の推進のための連絡会議を行っています。平成27年度で本県は幼稚園、小中高、さらに特別支援学校全体で96％がこの連絡会議を開催しておりまして、多いところでは年間３回開催しております。先ほど申しましたのと同じになりますが、その会議の中でそれぞれきちっと役割を務めていく形になっているかと思います。
　さらに、学校の避難所といたしましてもそれぞれ学校におきましての役割をきちっと担っていくということが大事になるかと思います。

○髙田（好）委員
　ありがとうございます。
　具体的な取り組みをお願いしたいなと思います。地震関係があと何点かありますけど細かいことですので結構です。

　次に、先ほどもお話がございましたが静岡県埋蔵文化財センターがいよいよ10月11日から一般公開ということであります。
　１つは専門の職員の育成というか、養成です。ハードのことはたくさん書いてございますが、ふじのくに地球環境史ミュージアムもそうでしたが行ってみると説明してくれる方がすごく勉強されていまして、見るものが本当に立体的に見えてくる。当たり前ですけど、背景も含めてすごくしっかり見えてくる。行ってよかったなと私自身も思いました。
　私はよく勉強していないんでわからないんですけど、専門職員の養成はどういう形でこの新しいセンターに対応されていくのか、既にもう行っていると思いますがその点を教えていただきたいと思います。

○赤石文化財保護課長
　専門職員の養成についてお答えいたします。
　現在、文化財保護課と埋蔵文化財センターが協力しまして大きく３つの取り組みを行っております。
　１つ目が研修会の開催です。年３回専門職員を対象としました研修会を開催しておりまして、文化財行政の制度ですとか、あるいは発掘調査の最新の情報ですとか技術を習得していくための機会を提供しております。
　２点目は職員の派遣です。これは市町に対してなんですけども、大規模な発掘調査が必要になったが人的な体制が整っていないといった市町の要望に応じまして県の専門職員を派遣しております。そして彼らが発掘調査に携わるとともに、ノウハウを市町の職員に伝えております。
　３点目ですけども、市町からの相談に応じて指導助言を常時行うことで市町の発掘調査を支援する体制をとっているところです。
　今後も、埋蔵文化財センターだけではなく本課もかかわりながらこうした取り組みを続けることで、専門職員の育成を図ってまいりたいと考えているところです。

○髙田（好）委員
　ありがとうございます。
　市町というお話がありましたが、今やるというお話がございましたので積極的にお願いしたいんですが、心配しているところは市町にそういう人材が現状はいらっしゃらないようなことをちょっとお聞きしまして、いつも発掘をやっている女性の方のほうがよく知っていて教えていただくこともあると聞いたんです。それはそれでいいかもしれませんが、市町に対して人材育成をきちっとやっていきたいと思うんですが、何かプログラムとか具体的な動きみたいなのがあったら教えていただきたいと思います。

○赤石文化財保護課長
　やはり、ちゃんとした知識を習得するということが大切だと思っています。情報提供や、常に技術も新しくなっていますのでそうした状況を紹介することでスキルアップを図っていきたいと考えているところです。

○髙田（好）委員
　時間がなくなってきましたので、あと２つだけをやってお昼までに終わります。

　全国学力・学習状況調査ですけども、非常にいい効果が出てきたというお話があるんですが、過去問を行ってある意味テクニックに走っているようなことがあったりとか、独自の問題集をつくってやっているんだけどそれも過去問と同じような形だとか、これはほかのところから聞いたことでありまして静岡県のことじゃありませんが、特に４月の新しい年度が始まるときにこういう調査をすると文科省が言っているわけですけども、これに対応していくために非常に授業がやりにくいという声もあるというお話も聞いております。
　静岡県の取り組みで、今回結果としては非常にいい伸びを見せていただいたわけで、生徒も頑張って先生も頑張ったと思うんですが、現場としてただ点数がとれる子を目指しているわけじゃないと思うんです。いろんなことを目指すのが人間教育ですので、その一環として基礎的な力をつけるのは当たり前のことですけども、それ以外にも教育というのはいろんな部分があるわけです。
　今回の取り組みについて、職員の方とかあるいは御本人とか、いろいろ声があると思うんですが、いい面、悪い面がいろいろとあると思うんですけども、これからの方向性を端的にお知らせいただければと思います。

○林義務教育課長
　今年度の全国学力・学習状況調査について御質問いただきました。７番委員御指摘のとおり、小中学校ともに学力の定着について良好な結果をおさめることができたかと思いますが、あくまでこれは現時点での子供たちの学びの状況ですので、これは結果として受けとめて、これからの授業改善、また学校教育活動全体の改善につなげてまいりたいと思います。
　新聞報道等では、学力調査に関するよかったという点を報道していただいて大変ありがたく思っておりますが、一方で課題も浮き彫りになっている点が幾つかございます。
　学習状況調査は、子供たちの家での学びであるとか、学校の授業の具体的な取り組みについても調査をしておりまして、例えば計画的な学習を家庭で行っていますかといった家庭学習については依然として全国平均を下回る状況にあります。また特に小学校では顕著であるんですが、メディア教育、将来を見通した進路指導まで視野に入れた学校での指導といったところではまだ課題がございます。
　あくまでこれは、繰り返しになりますが現時点での子供たちの学びの状況ですので、こうした浮き彫りになった課題を一つ一つしっかりと受けとめて、ＰＤＣＡサイクルで次につなげていきたいと考えております。

○髙田（好）委員
　ありがとうございました。
　最後ですけども、障害者差別解消法が施行されまして学校についても当然ながら対応することになります。これがある、ないにかかわらず、今までもいろんな形で学校教育の現場においてそういうことがないように対応はしっかりとしていただいたと思うんですが、特に障害者差別解消法にのっとった教育環境の今後の整備についてハード面、それから当然配慮という部分のソフト面、いろんな形がございます。ハード・ソフトを単純に分けられませんけれども、県教委として障害者差別解消法にのっとった取り組みについて教えていただきたいと思います。

○長澤財務課長
　初めに、障害者差別解消法のうちのハードの整備の関係でございますけれども、県立学校におきましては校舎の改築等を行う場合に各校にエレベーターの整備や多目的トイレ等の整備をしているということでございます。
　ただ、現段階で全てあるかというとそういうわけではございませんので、これから障害のある生徒が入学するあるいは在学するといった場合につきましてはそういう生徒たちに支障がないような形で対応していくという形で障害者差別解消法の目的に沿った形で対応してまいりたいと考えてございます。

○遠藤人権教育推進室長
　ソフト面の部分でございますけれども、学校教育の中ではこれまでも特別支援教育の一環といたしまして合理的配慮等への対応がとられてまいりました。特段の変化はございませんが、これまでどおり丁寧に対応してまいりたいと考えております。
　各学校においては、学校長を中心に職員への法の周知ですとか相談があった場合の連絡体制の確認、また環境の整備等に努めているところでございます。
　静岡県教育委員会では、４月からは職員や教員が法に対する理解を深めるためにさまざまな研修会を通じまして法の周知、また啓発に努めているところでございます。

○髙田（好）委員
　ありがとうございます。
　最後に、障害を持っている子供たちがほかの一般の生徒と本当に平等に教育を受けられるように、その入り口になると思うんですが、個別の事情によく応じていただいて、そして個別の対応をしっかりしていただくことがまずスタートラインになると思います。今までもその部分をやっていただいております。より丁寧にやっていただければありがたいなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。以上で終わります。

○宮城委員長
　ここでしばらく休憩とします。
　再開は13時30分とします。

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