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東南アジア駐在員報告
2000年6月 政治 駐在員 : 岩城徹雄
マレーシア・マハティール首相、活動の中心を党活動へ
マレーシアの最大与党である統一マレー国民組織(UMNO)の年次党大会が5月10〜13日の4日間開催された。本部役員選挙も行われ、2003年までの執行体制が固まった。マハティール総裁とアブドゥラ・バダウィ副総裁の2人の要職は無投票で決まり、他の顔ぶれも事前の予想通りであった。
マレーシアではUMNOの総裁が首相を、同副総裁が副首相を兼ねているが、アンワル氏の解任以降空席だった党の副総裁にアブドゥラ氏が就任したことにより、同氏が名実ともにマハティール首相の後継者となる。マハティール首相は最終日の演説のなかで、首相としての政府の職務は部分的にアブドゥラ副首相に委譲し、自らはUMNOの党活動に重点をおくと述べ、アブドゥラ氏への協力を求めた。
昨年行われた総選挙では与党連合は勝利を収めたものの、UMNOは議席数を減らし、地方議会でも国の政権与党でない党が多数を占める州が1つ増えるなど、党勢にかげりが見えている。このため、地方の党指導者と話し合う機会を増やすなど、総裁としての活動を強化し、政権の安定を図るものと思われる。
マレーシアに展開している日系企業にとっては、同国の政治的、社会的安定が大きなメリットとなっており、マハティール氏の活躍を期待する声は大きい。
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