東南アジア駐在員報告
2021年4月 政治 駐在員 : 福田 渉
2月1日にミャンマー国軍によるクーデターが発生してから2か月以上が経過した。しかし、国内の状況は安定せず、国軍による抗議デモ参加者への弾圧は激化し、混乱が拡大している。
これまで、公務員や医療関係者、銀行員が業務を放棄して軍政に抗議する市民不服従運動(CDM)を展開し、路上での抗議デモや集会を行ってきた。これに対して、国軍は3月以降、実弾発砲などを含む武力行使を急速に強め、犠牲者が増加している。ミャンマーの市民団体によれば、国軍や警察の武力行使による死者はこの2か月で500人を超え、1日当たりの死者数も急増している。
国際的には、米国やEUが国軍関係者や関連企業に制裁を課し、日本政府は新たな政府開発援助(ODA)を停止するなど、非難を強めている。しかし、ミャンマー国軍は致死力を持つ武器を使った弾圧を依然として続けており、デモ弾圧のために軍事力を行使することを躊躇する気配はみせていない。
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