韓国駐在員報告



2018年11月 社会・時事
駐在員 : 野原 靖


朝鮮王朝時代に日本に派遣された外交使節「朝鮮通信使」の船が実物大で復元され10月26日、韓国南西部の全羅南道木浦(モクポ)にある国立海洋文化財研究所で進水式が開かれた。同研究所は2015年から設計に着手し、3年をかけて船を完成させた。 
朝鮮通信使のユネスコ世界記憶遺産登録1年を迎えて行われた進水式では、真心で隣人を迎えるという「誠信交隣」をテーマに、扁額(へんがく、船の名称が書かれた額)の除幕式や告祀(厄払いの伝統儀式)、韓日両国の芸術公演などが行われた。
今回の船は、通信使の長である正使が乗った「正使騎船」を復元したもので、18〜19世紀の文献や絵などを参考に樹齢70〜150年の金剛松900本が使われている。全長34メートル、総重量149トン、定員72人で、航海速度は7ノット(時速13キロ)だが、エンジンを稼働させれば10.5ノット(時速19キロ)で移動できるという。
今後、朝鮮通信使祭りなどの行事に参加するほか、将来的には日本への航海の計画もあるという。

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