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台湾駐在員報告

2020年2月 政治
駐在員 : 宮崎 悌三


台湾の総統選で現職の蔡英文(さいえいぶん)氏が、対立候補の中でも一騎討ちと目されていた最大野党の中国国民党(以下、国民党という。)の韓国瑜(かんこくゆ)氏に大きく水をあけ、総統選では過去最多となる817万票を獲得して再選を果たした。
あわせて行われた立法院(国会に相当)の委員選挙は、主に小選挙区比例代表制で争われるが、小選挙区では民主進歩党(以下、民進党という。)が7議席の減、国民党は3議席の増となった。比例代表では、民進党と国民党は同議席を獲得したものの、民進党が単独過半数を確保した。この二大政党以外では、柯文哲(かぶんてつ)台北市長が昨年に結党したばかりの台湾民衆党(以下、民衆党という。)が、比例代表で5議席を獲得するなど躍進が目立った。
蔡氏や民進党の勝因については、すでに大きく報道されているため、今回は、私の周囲の台湾人の投票行動を記すことで、台湾の今を生きる人々の様子をお伝えしたい。
彼は、台湾中部に生まれ、家族全員根っからの国民党を支持する家庭で育った。現在でも国民党関係者との付き合いもある。就学と就職のために台北市に移り住んですでに30年近く経つが、これまでの選挙で国民党以外の候補に投票したことはないという。その彼が、今回の選挙では国民党以外への投票を真面目に考え始めた。きっかけは昨年、一国二制度の香港で「逃亡犯条例」改正案から生じた大規模なデモと、それに対する香港当局や中国政府の対応である。将来、台湾でも起こり得るとの危機感を強く意識する一方で、中国と経済的に結び付きが強い台湾にとっては、与党の民進党が政権を掌握し続けることも、プラスになるとは思えないと感じた。中国との関係で台湾が難しいバランスを強いられていることを承知の上で、従来の二大政党ではない第三の勢力に中台の緊張関係を打破してほしいとも考えた。結局、彼は投票間際まで迷ったが、総統は民進党の蔡氏、立法委員小選挙区は国民党候補、比例代表は民衆党に投票することにした。仮に、民衆党から総統候補者がいたら、その候補者に票を投じていた可能性もあったという。
 過去最多となる蔡氏の得票数は、彼のように台湾の将来を託す候補者について、有権者の迷いに迷った行動が反映された結果だったかもしれない。投票日直前、私も国民党、民進党、民衆党の大規模集会に足を運んだが、会場の雰囲気に共通していたのは、台湾の将来を真剣に考える台湾の人々の熱い思いだった。


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