中国駐在員報告
2016年12月 社会・時事 駐在員 : 石井亘
11月22日、米国の雑誌「フォーブス」が、今年の中国人海外旅行者に関する統計を発表した。それによると、今年1月から9月までに海外旅行に出かけた中国人は、延べ1億150万人であり、1億人を超えたのは今回が初めてである。
人数の内訳は、香港、澳門(アモイ)、台湾への旅行者が延べ4,980万人で、5,170万人がその他外国への旅行者である。全体数では前年比3.3%増加している。
この統計によると、2016年は香港、澳門、台湾への旅行者数が初めて全体の50%を下回ると予測されており、同地域が中国人海外旅行者の大半を受け入れる時代は終わったとしている。
7月から9月の統計では、全体旅行者数は延べ3,750万人、その内2,000万人がその他外国へ旅行し(前年同期比14.1%増)、香港、澳門、台湾へは延べ1,750万人(前年同期比5.1%減)が旅行した。香港は、大陸からの買い物客に地元民が反発して社会問題になった影響及び韓国、日本との競争に直面していることから、訪問者数は昨年同期と比較し60万人減少している。また、台湾への旅行者数は、今年1月に中国からの独立を支持する蔡英文氏が総統に就任以降、大幅に減少している。
新しい傾向としては、日本、韓国といった人気国の他に、米国とベトナムが人気の旅行先として挙げられており、7月から9月にかけて、米国には延べ100万人、ベトナムには延べ80万人が訪れた。米国への旅行者数は今後も増加すると予想されている。
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