東南アジア駐在員報告
1999年4月 政治 駐在員 : 篠原 清志
・インドネシア、国内の混乱続く
6月7日の総選挙を前にして、4月5日からは選挙人の登録手続きが始められ、各地で選挙の前哨戦が繰り広げられている。最大の人口を擁するジャワ島では、インドネシア民主党メガワティ派が優勢と伝えられている。
しかしながら、社会的な混乱は悪化の一途である。カリマンタン島では民族対立が続き、なたや槍などで対立部族を襲撃、殺害した後、切った首を持ち歩いたり、内臓をえぐり出したりと原始社会に戻ってしまったような状況である。
東ティモールでは、独立派とインドネシア併合派との住民同士の衝突が起きており、その他の地域でも、民族対立、宗教対立が頻発していて解決の糸口が見つけられない状態となってきた。
首都ジャカルタでは、ウィラント国軍司令官による犯罪者に対しての即時発砲許可以来、治安は落ち着いているというが、地方では、警察や軍が見ていても、平気でえび養殖池からえびを盗んだり、漁船が港に戻ると、集団で船に乗り込み魚を強奪していくような事態が頻発、多くの地域で無法地帯化してきていて、まじめに仕事をする者も減ってきているという。
4月に入ってからは、近くのバタム島から海を渡ってシンガポールまで強盗に行く者もでてきている。
どの党が選挙に勝っても、インドネシアに安定をもたらすことは非常に難しい状況である。
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