韓国駐在員報告
2016年8月 社会・時事
駐在員 : 松村昭宏
英マンチェスターで2016年7月に開かれた欧州科学オープンフォーラムで発表された人類の身長調査結果によると、韓国人女性の平均身長は2014年基準で162.3cmと、1914年(142.2cm)に比べ20.1cm伸び、伸び幅は世界で最も大きかった。次いで日本(16.0cm)、チェコ(15.7cm)の順。韓国人男性の身長も同期間に159.8cmから174.9cmに15.1センチ伸びた。伸び幅はイラン(16.5cm)、グリーンランド(15.4cm)に次いで世界で3番目に大きい。
この研究は、世界の保健分野の科学者800人余りでつくる研究チーム「NCD−RisC」と世界保健機関(WHO)が共同で実施。約200か国・地域の満18歳、計1,860万人を対象に1,500種類の健康データを収集し、100年前の1914年と比較した。韓国人は中国人や日本人と比べても、男女の平均身長が3〜4センチほど高い。中国人の平均身長は男性が171.8cm、女性が159.7cm。日本人は男性が170.8cm、女性が158.3cmだ。この100年間で韓国人の身長が急激に伸びたのは、遺伝的要因に加え栄養・保健状態の改善が理由と分析されている。
研究に携わった英インペリアル・カレッジ・ロンドンの専門家によると、この100年間で経済が向上し、全体的に発育状態が良くなったものの、成長のペースは地域ごとに異なったという。世界で男性の平均身長が最も高い国はオランダ(182.5cm)、女性はラトビア(169.8cm)だった。男性の身長が最も低い国は東ティモール(159.8cm)、女性はグアテマラ(149.4cm)だった。全般的に、アジアや中東諸国で身長の伸びが大きく、逆に100年前に上位だった米国やカナダ、北欧諸国では大きな変化がなかった。
専門家は「米国はかつて豊穣(ほうじょう)の地だったが、階層間の貧富差が拡大し、栄養供給が不均衡になる現象が起きている」と説明している。
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