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中国駐在員報告2003年10月 政治 記録的な猛暑がもたらした電力不足について
中国の電力需要は経済の急激な発展に伴い毎年急増しており、昨年度は前年度比10.3%、今年の上半期も新型肺炎の影響があったにもかかわらず15.4%の伸びを示し、電力供給が需要に追いつかない状態が続いている。 電力不足の背景として、@企業の中でも、電力消費量の比較的多い製造業の生産活動が拡大している、Aエアコンの普及と記録的な猛暑に伴い、一般家庭での電力消費量が急増している、B1998年頃に策定された「第十次五カ年計画(2001〜05)」は、アジア金融危機の影響もあって、比較的控えめな需要の伸びをベースに電力供給計画が策定され、発電インフラへの投資が十分に行われてこなかった、といった点が上げられる。 今回顕在化した電力不足の問題は、政府が目指す安定的な経済成長を阻害する恐れがあるため、今後政府は、発電設備の建設や送配電網の整備のスピードを加速していくものと思われる。しかし、国家電力監督管理委員会の関係者は、電力供給は来年も厳しい局面が続き、緩和されるのは2005年になってからと予測している。 |
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