東南アジア駐在員報告
2015年10月 社会・時事
駐在員 ： 吉住理恵子
当事務所は、外資系企業が多く立地するビジネス地区「ラッフルズプレイス」から少し離れた商業地区に立地しており、屋上テラスから特徴的なデザインのビジネス街高層ビル群を眺めることができるのだが、最近、同地区にまたひとつ目を引くデザインの高層ビルが出現した。
三菱地所がアジアで初めて手がけたオフィスビル「キャピタグリーン」は、シンガポールで最も古い立体駐車場の跡地を再開発して建設され、設計が日本人建築家の伊東豊雄氏、施行は竹中工務店で、楽天シンガポールなど日本をはじめ外資系企業が入居している。
このビルの屋上にある真っ赤な噴水のようなオブジェは遠目にも鮮やかで、風水かと思いきや、屋上から取り入れた空気をビル全体に送るための構造だそうだ。二重ガラス構造(ダブルスキン)は室内への太陽熱を最大1/4以上カット。「都市開発で緑を減らすのではなく、逆に緑を増やそうという発想」（伊東氏）で、外観の55％は植物で覆われるように外壁に植物が配置されている。エントランス壁には、湿度調節機能のある日本伝統左官技術「漆喰」を取り入れ、自然と建築の融合を図っている。
ジェトロが入居しているビルのすぐ横にあるので、シンガポールへの出張の際などに、ぜひ寄ってみていただきたい。
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