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ヨーロッパ駐在員報告
2000年12月 政治 駐在員 : 森貴志
ドイツで初の狂牛病発見
ドイツ農業省は11月24日、同国生まれの牛2頭を狂牛病の疑いで検査した結果、陽性反応が出たと発表した。同国産で陽性反応が出たのは、今回が初めてのことである。
ドイツではこれまで、狂牛病の牛が6頭発見されたことがあるが、英国とスイス産だったことから、ドイツ政府は、同国産で狂牛病にかかった牛はないことを誇りにしていた。しかし、今回国内で初の狂牛病が発見されたことを受け、ドイツのフンケ農相は同日付けで、当地の記者団に対し、全国的な狂牛病検査の実施を呼び掛けた。
同相は「生後30カ月以上のすべての牛は、市場に出回る前に狂牛病検査を実施すべきだ」と述べたものの、検査施設の不足から全国レベルでの実施が困難なことも認めている。しかし、狂牛病に対する消費者の懸念が高まっているため、内臓および骨を砕いた動物性飼料(MBM)を使用を早急に全面禁止とする方針を明らかにした。
ドイツでは既に、1994年に導入された欧州連合(EU)の規制により、反すう類(牛や羊、ヤギなど)に対する動物性飼料の使用を禁止しているが、家きん類や豚は除外されていた。
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