中国駐在員報告



2021年4月 経済
駐在員 : 浅原 敏治


3月16日、間もなく開業を迎える浙江省寧波市の阪急百貨店を視察した。場所は、地下鉄1号線「海晏北路駅」がある交差点の角地で、周辺には市政府やオフィス、マンションが並ぶ。建物の延床面積は17万6千u。売り場面積は11万6,000u。地上6階、地下1階のフロア構成で、日本の通常の百貨店の倍の広さである。4階から6階の中央部は吹き抜けになっており、4階部分には主にイベントで活用される広場が設けられている。フロア構成は、1階は全てラグジュアリーブランドが展開され、2階は化粧品、3階から上は高級ブランド用品や婦人服などの売り場のほか、映画館、レストラン街なども設けられる。レストラン街にはお好み焼きや串カツなどの大阪名物が楽しめるお店も入る。
案内していただいた阪急百貨店の職員の方から「阪急百貨店のモットーは、モノではなくコト(情報)を提供することにある。催事での日本のPRで日本を好きになってもらい、リピーターになっていただけるよう取り組んでいきたい」との説明があった。寧波市に新たな日本の情報発信ができる施設が誕生することは頼もしい。
なぜ、阪急百貨店は寧波市を選んだのか、このことについても伺った。その理由は@市民所得が比較的高いA競合する店舗が少ないB陸海空いずれからの輸送ルートも整備されており、物流面が優れている、とのことであった。近隣の大都市である上海市や杭州市には既に多くの百貨店があることから、寧波市周辺の大都市である台州市、温州市からの顧客を獲得していきたいとのことである。
 阪急百貨店はいよいよ2021年4月16日にオープンする。静岡県と友好提携を結ぶ浙江省内にあり、今後も発展が見込まれるこの新たな大型商業施設で、県産品を紹介するなど当事務所も積極的に活用していきたい。

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