中国駐在員報告
2016年6月 社会・時事
駐在員 ： 石井亘
5月18日（水）に開催された中国計画出産協会第８回全国会員代表大会において、習近平国家主席は「人口問題は国家が絶えず直面している総合的で長期性、戦略性を持った問題である。」と語った。習主席は、今後相当の期間に渡り中国が人口過多であるという状況は根本的には変わることがなく、多すぎる人口が経済発展に負担となり、資源環境も厳しいままであるとし、計画出産施策の長期堅持を訴えた。
同じく大会に出席した李克強国務院総理も計画出産の維持、人口が長期的均衡を保ちながら発展していくことを強調し、過去30年の計画出産の成功、社会発展に対する貢献について言及した。同氏は「中国は現在、人口大国から人的資源強国に展開する重要な時期を迎えており、人的資源の潜在力は国家経済の長期にわたる成長を促進する。」とし、昨年から段階的に実施されている「二人っ子政策」の完全実施に向けて、計画出産の宣伝・教育への取組みを求めた。
30年以上実施された「一人っ子政策」は昨年緩和されたが、幼児の預け入れ施設の不足や子供の教育費問題などから二人目の子供を欲する家庭は政府試算より少ないと報道されている。一方で中国社会は急速に高齢化が進んでおり、人口問題は中国社会において重要な課題となっている。
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